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青色のペンで記憶力が上がるって本当?英単語の暗記と色の関係

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英語学習の基本は、英単語を覚えることです。その語彙を習得するために単語帳を使っている人も多いと思います。

多くの単語帳では、覚えるべき語彙やその意味がで書かれており、それをシートで隠して暗記するというものが多いですよね。

また英単語を書いて覚える人も多く、英単語をペンで何度も書くと覚えやすいという話も有名ですね。

しかし、英単語帳はで書かれているものを暗記し、書く際はペンで書くと覚えやすいとされていますが、で色が異なっていることに疑問を持ったことはありませんか?

今回は単語を効果的に記憶する方法を色との関係から考え、英単語の暗記に最も適した色は何色なのかをお教えします!

少し長文になっているので、結論だけ先にお話しすると、英単語の勉強は黒色で統一するのが一番効果的だと考えられます!

なんでそうなるのか気になる人はこのまま読み進めてくださいね。

 

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記憶と色の関係

が記憶に良いとされている理由は?

ある実験で、高校生 16 名を対象に、の文字の色で英単語の暗記をしてもらい、暗記中の脳波を計測することによって学習に最適な色を明らかにしました。結果として実験で用いた 5 色の中では、で書かれた英単語が最も集中力を高めたと報告されています。

が記憶に良いとされている理由は?

また別の実験では、ペンで書くことが記憶力の向上につながるとし、その理由を「興奮した気持ちを鎮め落ち着かせる」効果があると言われています。

暖色系と寒色系のイメージ

「通常、暖色系の色に対しては積極的で活動的な感情価が結びつき、寒色系の色に対しては消極的で沈静的な感情価が結びつく」ということも言われています。さらに黒に対しては「陰うつさや不安の感情が強くなる」と言われています。これらの研究から、人々は通常などの暖色系の色にはポジティブなイメージ、などの寒色系の色に対してはネガティブなイメージ、には不安なイメージを持っているということが分かりました。

以下では英単語の暗記と色の関係に焦点を当てた実験の内容とその結果をご紹介します。

その前に面白い現象があるのでご紹介させてください!

ストループ効果

ストループ効果とは、それぞれ意味の異なる刺激が同時に呈示されると、刺激に反応するまでに時間が多くかかる現象のことで、1935年にストループ,J.R.が発表しました。

具体的な実験例を挙げると、被験者にあらかじめ「これから文字の書かれた紙を見せます。書かれている文字の意味ではなく、文字の色を答えてください」と伝えておきます。

そして被験者に、緑色のペンで「」という文字を書いた紙(この実験における課題、すなわち刺激)を被験者に見せます。
ここで被験者が求められているのは、「」と答えることです。

ほとんどの場合、文字の色と意味が同じ場合(色のペンでと書いてある)よりも、この実験刺激のように文字の色と意味が異なる場合の方が、答えるまでに時間が長くかかります。

心理学におけるストループ効果が第二言語の語彙習得とも関係している可能性は十分にあると言えますね。ストループ効果の定義は先に述べた通りであるが、これはカラーワードに限らず英単語に対しても共通する部分があると考える。形容詞などのポジティブな意味を持つか、あるいはネガティブな意味を持つかがはっきりと分かる単語に対し、色と英単語の意味が持つ感情価が一致していない場合、反応時間が増大し、それにより暗記が困難になると考ることができそうです。

 

英単語の暗記と色の関係:実験の内容と結果

英単語の暗記と色の関係を調査するために2つのテストが行われました。

出典元:引用– Effects of Using Colors on Memorizing English Vocabulary

実験:テスト①(短期記憶)

まず、テスト①では、英単語とその意味が書いてあるグループごとに異なる模造紙を黒板に貼り、それを 30 秒で暗記します。その際に声に出して読む行為とメモを取る行為は禁止し、全員が見ることのみによって暗記してもらいました。一度に暗記する英単語とその意味は 4 個であるが、一度に覚える個数に関しては、Miller(1956)が論文で人間が瞬間的に記憶できる情報の最大数は 7 個前後であると述べていることから、無理なく暗記を出来るであろう 4 個という数を設定しました。その後すぐに確認テストに移り、30 秒間で英単語の意味としてあてはまるものを 4 つの選択肢の中から 1 つ選ぶ選択式のテストを行いました。この形式のテストでは英単語とその意味を、曖昧であっても、覚えているかを確認しました。そして問題 2、問題 3 も同様の流れで行った後に、1 分間の記述式の確認テストを実施しました。記述式の確認テストでは、英単語とその意味を正確に暗記しているかを確認しました。

 

実験:テスト②(長期記憶)

次のテスト② では、テスト① を実施した 1 週間後に実施しましたが、そのテスト内容はテスト ① と全く同じものです。テスト ①と異なる点は、テスト 2 では問題ごとの区切りは無いという点と、記述式問題を実施した後に選択式問題を実施したという点、そしてテストで暗記した英単語とその意味を暗記する時間がないという点です。問題ごとの区切りをなくした理由、そして英単語とその意味を暗記する時間をなくした理由は、テスト ①で暗記した英単語とその意味を、時間をかけて考えることなくすぐに答えられるかを確認するためです。さらにテスト ②で選択式問題を先に行うと、選択式問題を解く中で回答者に英単語とその意味を思い出す時間を与えてしまう恐れがあり、その上選択式問題の選択肢には回答が含まれており、それが英単語の意味を思い出すきっかけになってしまうと考えたため、正答を自分で考える必要のある記述式問題を実施した後、選択式問題を実施するという流れになりました。

 

実験結果:テスト①(短期記憶)

本テストは選択式と記述式の問題を合わせて 24 問からなり、1 問 1 点で満点は 24 点とした。そこでグループごとに平均点を比較すると、全ての英単語とその意味をで示したグループの平均点が 17.81 点と最も高いです。次に平均点が高かったのは、17.73点で全ての英単語とその意味をで示したグループでした。全てをで示したグループの平均点は 17.72 点と、グループとあまり違いがないという結果になりました。
しかし、黒・赤・青のみで示したグループの結果と比較すると、2 色を使い分けたグループの平均点は低いという結果が出ました。ポジティブな意味を持つ単語はネガティブな意味を持つ単語をで示したグループの平均点は 16.87 点となり、さらに、ポジティブな意味を持つ単語はネガティブな意味を持つ単語はで示したグループの平均点は最も低い16.17 点という結果になりました。

選択式ではグループごとの成績差に大きな違いは見られませんでしたが、より正確な暗記が求められる記述式では成績差に大きな違いが出ています。

つまりなんとなく覚える程度なら色による定着度の差はないが、正確に覚えるレベルになると色による定着度の差がはっきり出てきており、色が統一されたものでの記憶の方が2色を使い分けたものよりも覚えやすいという実験結果が出ています。そして短期記憶においては、2色の使い分けでも先に述べたスプロール効果によって差異が出ています。

 

実験結果:テスト②(長期記憶)

グループの平均点を比べると、最も平均点が高かったグループは全ての英単語とその意味をで示したグループで、その点数は 10.95 点でした。次に平均点が高かったのは全ての英単語とその意味をで示したグループの 10.67 点、それに次いでポジ
ティブな意味を持つ単語は、ネガティブな意味を持つ単語はで示したグループで、9.57 点という結果でした。次いで全ての英単語とその意味をで示したグループの平均点は 9.36 点でした。最も平均点が低かったのは、ポジティブな意味を持つ単語はネガティブな意味を持つ単語はで示したグループで、その平均点は 9.07 点でした。

記述式問題の満点は 12 点であるにも関わらず、どのグループにおいても平均点が極めて低いですね。

最も平均点が低かったのは全ての英単語とその意味をで示した1.48 点でした。いずれのグループにおいても平均点は 1 点から 2 点程度であり、記述式問題の結果からは暗記した英単語の記憶がほとんど定着していないということが言えます。

最も平均点の高かったのは全ての英単語とその意味をで示したグループで 2.40 点、次いで全ての英単語とその意味をで示したグループ が 2.38 点という結果でした。

テスト ② の選択式問題で最も平均点が高かったのは全ての英単語とその意味をで示したグループで 8.48 点でした。
次に平均点が高かったのは全てをで示したグループで 8.27 点であった。最も平均点が低かったのは 7.47 点でポジティブな意味を持つ単語はネガティブな意味を持つ単語をで示したグループでした。

 

結論:黒で統一すると記憶に定着しやすい

英単語の暗記と色の関係について

平均点が最も高かったのは全ての英単語とその意味をで示したグループでした。その理由は、色によって回答者を混乱させることがなかったからだと考えられます。さらに選択式問題と記述式問題を比較すると、記述式問題の方がはるかに
点数が低いという結果となりました。記述式問題は選択肢の中から得られるヒントなしに回答することから、記述式問題の点数が低かった理由は意味を明確に覚えることが出来ていなかったからだと予想されます。
テスト②においても平均点が最も高かったのは全ての英単語とその意味を黒で示したグループでした。そのため長期記憶においても英単語とその意味をで書くことが良いということが言えます。また、で示したグループとの差はあまりなかったことから、書いて暗記をしようと試みる際にあえてペンを選択する必要性はないということが分かりました。さらに、のグループに比べてのグループはテスト②における平均点が低かったことから、赤で書かれた英単語とその意味を覚えるという方法は、長期記憶の面において悪影響を及ぼす可能性があるということが考えられます。加えて、色分けをした 2 つのグループは色分けをしなかったグループよりも点数が低かったため、ストループ効果の有無にかかわらず、色分け自体が英単語の記憶に悪影響を及ぼすということが分かりました。

 

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