みなさんこんにちは。武田塾武蔵小山校講師の三浦です。
2月に入り、いよいよ2次試験が近づいてきました。
受験生の皆さんは体調にだけは気をつけて、最後の詰めの勉強を頑張っていきましょう!
さて、今回のブログですが、新高校2,3年生の理系の学生に向けて、
主に物理と化学について勉強法やおすすめの本を紹介したいと思います。
物理
理科4科目の中でも、物理は覚えるべき公式や法則が少なく、
勉強する手順を間違えなければ効率よく成績を伸ばすことができるでしょう。
厄介なのが、公式を覚えるだけで、問題の解法を覚えるだけで解けてしまう問題が多いことです。
物理では公式を解答のどこでどのように使うかが重要ですが、ある程度問題を流していくと、パターンに慣れていくことになります。
パターンに慣れるというのは悪いことではないですが、その公式をどのように使うのか、もしくはなぜその公式が成り立っているかを疎かにしていると痛い目に遭うことがあります。
よって、覚えるだけではなく覚えた後で、公式1つ1つの成り立ちをしっかり追うことが大事です。
ここまで来ることで、初めて効率よく問題集を進めることができます。
大学にいくと微積分を使って高校物理の力学と電磁気をもう一度習うようなカリキュラムになっています。
単純な暗記でなく、定性的・定量的に追っていくことが重要になります。
おすすめの参考書としては、物理の重要問題集や名門の森があげられます。
どちらも難関大向けの演習用として出版されていますが、このうち
重要問題集は問題数をこなしたい人、
名門の森は1問1問の質にこだわりたい人向けです。
物理重要問題集
物理の重要問題集は、A問題とB問題に分かれていて、
問題編と解答編に分かれているオーソドックスなスタイルです。
ちょっぴりやさしい問題から旧帝大レベルまで幅広く網羅することができます。
物理を勉強する誰もが通るといってもよい問題集ですが、
解答がフツーで、すこしそっけないのが気になるかもしれません。
しかし、問題自体は網羅性の高いラインナップになっているため、
1冊を終えればほとんどが難関大レベルに達していることでしょう。
近くにわからないところを質問できる環境があることでよりよい問題集として活用できます。
名門の森
続いて、名門の森ですが
これは東大をはじめとする旧帝大以上のレベルの物理を
じっくり解けるようになりたい人向けです。
力学・波動編と電磁気・熱・原子編の2つの本にまたがっていますが、
問題数は多くなく、質の高い問題が厳選されています。
問題があってすぐに解答がある1対1のスタイルなので、
1つの問題を大事に解けるような問題集になっています。
このレベルまで終えた方は、大学の入試レベルで解けないものはないと言えるでしょう。
物理のエッセンス(?)
同じ河合出版で大人気物理のエッセンスがありますが、これは初学者にはオススメできないです。
数学でも理科でもまずは解法の暗記から始まります。
物理のエッセンスは文字通り、「エッセンス」なので公式を正しく理解して使っていこうという参考書で、むしろ基礎レベルの問題集で公式の使い方にある程度慣れてから、始めると非常に効果的です。
目安としては、すでに偏差値60程度あり、日大レベルの過去問題は7割程取れる状態で
そこから8割以上を目指し、MARCHレベルへと入っていく人が対象レベルです。
化学
続いて化学ですが、化学は物理と違い、覚える内容が多く、分野によってもばらつきがあります。
また、物理と違い数値を求める計算問題が多いので、
「何を求めるために何をしなければならないか」と頭の中を整理して問題を解いていくことが重要です。
理論分野
まず、理論分野ですがここが最も演習に時間がかかるでしょう。
覚える公式などはさほど多くないですが、こまめな計算がひつような問題が多いので化学特有の問題に慣れていく必要があります。
最初のうちは学校用の問題集などで基礎を慣らしてから、そういった化学特有の少し難しい問題にどんどん挑戦していきましょう。
理論範囲でのおすすめの問題集は旺文社の標準問題精講です。
これは標準とは謳っているものの、難関大学向けに作られていて、個人的に理論範囲はかなりの名作です。
問題のセレクトもいいですが、私の大好きな鎌田先生、そしてお弟子の橋爪先生と化学界のビッグネームが手掛けており、特に解答・解説がめちゃめちゃわかりやすいです。
出版社の回し者ではないですが、かなりお勧めします。
無機分野
続いて無機分野ですが、ここはほとんどが覚えるだけでよく、学校でもかなりのスピードの進められる範囲です。
応用的な問題もさほど多くなく、問題のバリエーションが少ないと言えます。
基礎問題ができてしまえば、難しい問題も大して難易度差はないので、この範囲に関しては難しい問題集を必ずしもやらなくてもいいと思います。
暗記がメインなので、無機化学のおすすめ参考書はズバリ教科書です。
教科書以外の出題はないので、教科に穴があくほど隅々まで完璧にしておきましょう。
また、副読本として資料集や無機分野だけでまとまっている参考書があるといいかなと思います。
有機分野
最後に有機分野ですが、計算量は少なくパズルのような問題が多く出題されます。
構造決定の問題がよく出題されますが、この分野も演習量がものをいうので、さまざまなタイプの構造決定を解いていくことが重要です。
有機分野も鎌田先生著の有機化学の講義がお勧めです。
これは図表やイラストが豊富で教科書よりもやさしく、頭に残りやすい参考書になっています。
有機範囲は教科書よりこっちを優先したほうがいいとまで思いました。
また、問題集に飽きた方は東北大の入試化学で毎年のように出題されている構造決定の問題にチャレンジしてみましょう。
東北大の構造決定は知る人ぞ知る良問揃いで時間をかけてじっくり解くことでよりパズル的な問題に慣れるようになると思います。
他科目とのバランスを考えて開始時期を誤らないで!
以上が、新高校2,3年生に向けた物理・化学の勉強法でした。
特に受験学年になる方は、理科の勉強時間が増えるので、
今のうちに数学や英語の基礎を固めて演習をするのみの状態までにしておくべきです。
新学年になるまでに今やっておくべきことをしっかりこなして、良い新年度のスタートが切れるようにしていきましょう!