皆さんどうもこんにちは、武田塾武蔵小山校講師の須田です。
12月も2分の1が終わりましたね。
1年もあっという間ですが悔いのない年末を過ごせるように頑張ってください。
さて、今回書いていくテーマは
「国公立大学」と「私立大学」の違いについてです。
皆さんは大学選びをする際に国公立大学受験と私立大学受験の違いを、
単に受験の難易度や学費だけで判断していませんか?
もちろんこれらも大事な要素ではあるのですが、それ以外にも気にするべきことがあるので、今回の記事を読んで、来年以降に受験をする際の参考にしてみてください!
国公立大学と私立大学
それではまず、「国公立大学」と「私立大学」について説明していきます。
国公立大学
まず国公立大学とは、国立大学と公立大学の両方を含めたものになります。
国公立大学は国、国立大学法人、地方公共団体や公立大学法人などによって公共予算で設けられる大学のことです。
ただし、
国立大学が相対的には全国的性格を志向しているのに対して、
公立大学は地域とのかかわりを重視している
という点において、国立大学と公立大学のそれぞれの役割は厳密な意味で異なります。
現在、全国で国立大学の数は86校あり、公立大学は99校存在しています。
私立大学
つぎに私立大学ですが、私立の大学のことです。
市立大学と混同してしまうことがあるので、「わたくしりつだいがく」という時もありますね。
日本において私立大学は、学校法人または株式会社によって設置される大学のことを指します。
学校法人の中には
特別の法律によって設置されるもの(放送大学・沖縄科学技術大学院大学など)、学校法人の設立に国や地方公共団体が深く関与しているもの(自治医科大学・産業医科大学、いわゆる公設民営大学など)も存在します。
これらは私立大学に区分されるそうです。
日本の大学のうち、私立大学は大学総数の4分の3を占め、
学生数は日本の全大学生のうち8割を占めています。
私立大学の歴史は国立大学などと違って意外と浅く、
一部の旧制大学や旧制専門学校から昇格した私立大学などと違って
1949年の学制改革以降に新設された私立大学が大半を占めています。
ちなみに私が所属している東京理科大学は
もともと東京物理学校という旧制専門学校でした。
国公立大学と私立大学の違い
次に国公立大学と私立大学の違いについて紹介します。
学費
まずは学費です。
これは受験生というよりは受験生の保護者の方が詳しいと思います。
国公立大学を志望する理由の大きな要因になるほどですから、国公立の方が断然学費は安くなっています。
一番顕著なのは理系で、私立が4年間で450万円くらいなのに対して、
国公立ではおおよそ250万円くらいと、200万もの差があります。
理系の人々の多くが国公立を目指す理由ですね。
受験科目数
次は受験に必要な科目の数です。
こちらは大学によって形態が様々なので、一概に全部がそうとは言えないのですが、
国公立大学では7割程度の大学が5教科7科目以上を課しています。
また、国公立大学の入試には共通テストの受験を必要としているケースが多く、要求される点数も高いです。
対して私立大学では、3科目受験が多いです。
大学によっては2科目受験や4科目受験を必要とする学校もありますが、
多くの場合国公立大学に比べ試験科目は少ないです。
高校によっては私立受験コースと国立受験コースに分かれるところもあるので、
必要な科目をそもそも習っていないことからスタートラインに立てていないこともあります。
国立大学受験をする際は受験科目をよく確認しておいてください。
難易度
国立大学は比較的難易度が高いです。
共通テストの得点率が7割以上を要求されることがほとんどですし、点数で足切りしてくる大学もあります。
5割でも合格見込みのある大学もあるにはありますが、
大抵はその後の二次試験がとても難しいか、
競争率が高いかなので難易度自体の変化はありません。
一方、私立大学は上位校(難関私立大学)は難しいとは言われていますが、ピンキリの部分があります。
下を見てもキリはありませんが上を見ても同じですね。
だからこそ自分に合った難易度を選びやすいといった点で
私立大学は受験しやすい大学でもあります。
試験形態
前述した通り、試験形態は国公立大学と私立大学では大きく違います。
試験形態のバリエーションとしては私立大学が多く、
様々な種類の入試方式があるので自分に合った方式を選択することができます。
例えば、
大学独自で実施する試験(いわゆる一般受験)、
共通テストの点数で合否を競う共通テスト利用、
またはその両方をつかう共通テスト併用、
最近では英検®やTOEIC®TESTのスコアなどを点数として組み込むグローバル方式なんてものもあります。
大学によって方式は様々なのでよく調べて自分に合ったものを探してみてください。
一方国公立大学では、一般入試として受験できるのは前期試験、中期試験、後期試験の3つしか方式がありません。
それぞれの方式は、すべて決められた同じ日にやるので、1方式1校しか受けることが出来ません。
そのため、国公立大学を受験する際、1年間の受験で最大3校しか受験することが出来ません。
施設設備
多くの人が、国公立大学のほうが設備が充実していると考えているかと思いますが、一概にそうとは言えません。
もちろん国公立大学はそこいらの私立大学よりも圧倒的に設備の質がいいのは間違いありません。
しかしそれは学校によって様々で、設備投資に力を注いでいる大学はたくさんありますし、
有名私立大や難関私立大の設備は場合によっては
国内ではその大学しか保有していない装置がある
なんてこともざらです。
今年は引き続きのコロナウイルスの関係でオープンキャンパス等が
実地で行われなかったところもありますが、
大学に実際に足を踏み入れて確認しておくとよいと思います。
それぞれの長所と短所
最後に以上を踏まえたうえでのそれぞれの長所と短所について書いていきます。
国公立大学
長所
研究費用が私立とは比べ物にならない程多いので、自分が本当にやりたい研究を大学で見つけやすいです。
また受験方式の難しさから、総合的に能力の高い人間が多いので、就職時の受けがいいです。
短所
場所によっては立地条件が最悪なことがあります。
また、新設があまりないので校舎が簡素なものが多く、あまりおしゃれとは言えません。
また難易度が極めて高いので、高校生活をほぼ勉強に費やす必要があります。
私立大学
長所
校舎がおしゃれな所が多いです。
また、社会に進出している卒業生が多いのでコネが効くこともあります。
生徒数が多いのでサークルも盛んで、人脈の形成がしやすいです。
国公立と比べて生協や学食などのサービスが豊富です。
国公立に比べて受験方法が選べたり科目数が少なかったりするので、難易度が易しくなりやすいです。
短所
生徒数が多いので生徒個々人のケアがあまりされておらず、何も分からない新入生などは苦労することが多いです。
企業によっては、国公立大学のほうがウケはいいので、大学によっては採用されないこともあります。
あとは学費がとても高いです。
最後に
いかがでしょうか。
だいぶざっくりとですが、国公立大学と私立大学の違いについて書いてみました。
それぞれ長所短所についても書きましたが、結局のところ、
大学選びの一番の要因としては、自分がやりたいことをできるかどうかです。
やりたい勉強ができて、その後に設備や学費、立地などで国公立大学か私立大学を決めたほうがいいです。
ただ名前受けするからとか、キャンパスがきれいだからとかで大学を決めると後々後悔するので、まずは自分がどういう研究をしたいか、最終的にどういう職種に就きたいかを考えてみてください。