皆さんどうもこんにちは、武田塾武蔵小山校講師の須田です。
早いもので9月も終わりに差し掛かりましたね。
受験生の皆さんはいよいよ本格的に志望大学を固めてくる頃かと思います。
その大学の特色などをよく調べて、ちゃんと自分に合ったところを志望しましょうね。
さて、私は9月に入り、共通テスト対策のおすすめの問題集を、数学、国語、英語、化学と続けて紹介していました。
今回は物理のおすすめの問題集を紹介しようと思います。
物理は定理や公式などの知識に加えて、それを実際に使う計算問題のどちらもよく出題されるため、個人的には理科科目の中では一番難しい分野だと感じています。
今回紹介する問題集では、知識問題と計算問題のどちらもカバーできるようになっていますので、是非とも活用してみてください。
2021年度共通テストの出題傾向
2021年の共通テスト第1日程の物理は、大問4題の出題で、設問数は21、マーク数は28。
設定した状況を理解させるため、問題文は長めのものとなり、出題内容は、
第1問は力学、電磁気、波動、熱からの小問集合形式、
第2問はA、Bに分けて電磁気から2つの項目、
第3問はAが波動から、Bが原子から、
第4問が力学からの出題でした。
単に計算して答えを出すだけではなく、演習により理解した
物理の性質に基づく考察力を試す問題の割合が多いです。
また、現実に近い設定の問題や実験に関する問題で、分析力・判断力・推測力といった考える力が試されています。
第3問Aのカットしたダイヤモンドがさまざまな色で明るく輝く理由を考察する問題、
第3問Bの蛍光灯が光る原理を考える問題、
第4問の氷上の人にボールを投げる問題は、試行調査に見られたような「共通テストらしい問題」でした。
これらの問題では、問われている状況を理解し、与えられたグラフなどの情報を整理する力が求められます。
一方で、問題集を1冊演習していれば答えられると思われる入試問題として標準的な設問もけっこう見られました。
ただし、公式や問題の解法を丸暗記しただけでは対応できず、考えて解く問題です。
おすすめの問題集
過去問(赤本や青本、黒本)
まあこれはさすがに何度も書いているので耳に胼胝(たこ)ができるかもしれませんが、実際に解いた方がいいとは思います。
ただ今まで紹介した主要三科目や化学と違って、大学入学共通テストの物理では出題の方針が過去のセンター試験と明らかに異なっています。
前述したとおり法則を用いて計算して結論を得る問題が減少し、物理概念や現象への基礎的理解を問う問題が大幅に増加したので、過去問ではそっち方面が少し少なくなってしまうのが難点になります。
計算問題の対策としては、過去問に取り組むといいでしょう。
おすすめは解説がとても丁寧な黒本(河合塾出版)です。
宇宙一わかりやすい高校物理シリーズ
化学編をご覧になった方ならご存知かもしれませんが、宇宙一わかりやすいシリーズにはちゃんと物理も存在しています。
この問題集の特徴ですが、化学と同様にまず本書は左ページがテキスト、右ページが図解となっています。
喩えをよく多用しているため、力学や電磁気学などを頭でイメージするのが苦手な人でも基本的な概念を掴みやすくなっています。
また、別冊問題集が付いており、典型問題が一通り勉強できるようになっています。
参考書部分を一通り読んだあとに、別冊問題集で基本的な問題が解けるようになっているか確認し、きちんと知識が定着しているか確認しましょう。
本書の使い方としては、まずは一通り一読してください。
そして読んだ後は別冊問題集が解けるようになっているか確認してください。
ある程度別冊問題集が解けるようになったら(具体的には8割くらい)、とりあえずこの問題集は完成したといえます。
ただ、この問題集はそこで終わりではなく、参考書としても共通テスト直前まで使える内容になっています。
シリーズとしては「力学・波動」、「電磁気・熱・原子」の2冊があります。
大学入学共通テスト 物理予想問題集
この問題集は分析編・問題編・解答解説編から構成される1冊で、
実践的な解法や具体的な勉強方法まで紹介されています。
問題を解いてから解説を読むことで、自分の行うべき対策を把握しやすいのがポイントです。
試行調査問題とオリジナル予想問題がそれぞれ2回分ついており、オリジナル問題では共通テストでは欠かせない思考力が必要な問いを豊富に収録しています。
共通テストの物理とはどんな試験なのか、その特徴を実感することができることかと思います。
為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール
この問題集の特徴としては、解法の発想が特徴的で、該当分野の典型問題における考え方などの要点がまとめてあるという点があります。
イラストやカラーも多く使われていてとても見やすいのもポイントです。
例題や問題数はそこまで多くないのですが、解法を一気に確認できる内容になっています。
また、入試問題に関しては、発想のパターンが細かくまとめられているので、それらを活用するのがおすすめです。
今回は紹介しませんが、『物理のエッセンス』シリーズという有名な問題集があります。
ただ、この問題集は合う合わないが結構分かれるので、『物理のエッセンス』シリーズが合わない場合はこちらをおすすめします。
2021 実戦 物理重要問題集 物理基礎・物理
物理重要問題集は、数研出版から刊行されている問題集です。
問題数は全部で156問あり、それぞれ難易度別でA問題とB問題に分かれており、
A問題では各項目の重要な問題を、B問題ではやや難易度の高い問題を扱っています。
難易度やレベルとしては、物理の基本的な応用問題といったレベルです。
簡単すぎず、難しすぎず、適切な難易度となっています。
別冊解答はシンプルながら解答の各所で赤色が使われており読みやすい一冊です。
また、右側のスペースには補足説明や別解が豊富に記載されています。
終わりに
以上が、私が実際に使っていて役に立ったと感じた問題集になります。
どの問題集もよくできているのでぜひ活用してみてください。