こんにちは。武田塾武蔵小山校講師の三浦です。
先日のブログでは、高校数学の勉強法についてお伝えしてきました。
あのブログはかなり時間をかけて試行錯誤しながら作り上げたものなので、個人的にかなりの名作ブログになっています。
まだ見ていない方は是非お読みになってください!
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さて、あれからまだ1週間も経っていないので、あのブログで燃え尽きてしまって絶賛ネタに困り中です。
そこで武蔵小山校舎の本棚を漁っていたところ、(知っていたけどor気になっていたけど)やったことのない数学の問題集がたくさんあったので、今回のブログではそれらの中から抜粋して紹介・”辛口批評”したいと思います。
前回のブログとは違って、気楽に見ていってください(笑)。
皆さんの問題集選びの参考になれば幸いです。それでは始めていきましょう!
数学重要問題集(数研出版)
まず1冊目は数研出版のこちらから!
理系と文系版の2冊存在します。
理系の方が「重要問題集」と聞くと、物理や化学のイメージが強いですよね。
あちらはかなり前からある問題集で、中身(難易度・網羅性)も良いので受験勉強のバイブルのひとつになっている方も多いですね。
数学については私が浪人中から新しく出版されたと記憶しているので、ここ6,7年でしょうか。
構成としては、まず小冊子で300個(理系版)の問題が印刷されており、本体はその解答となっています。
各単元で難易度ごとにA,B,C(簡単な順)と問題が記載されており、大学の過去問から抜粋されているため、A問題でもそこまで簡単ではないです。
基本的に国立大学からの出典が多く、国立受験に向いているかと思います。
特にB,C問題は旧帝大や東工大の問題も目立つので、一冊すべて行うなら旧帝(や早慶)以上の方がターゲット層かなと思いました。
問題のレベルや質は高いですが、重要問題集というと解答解説が簡素という欠点がありますね。
理科の重要問題集同様、数学も問題の解答はしっかり書かれていますが、理科の重要問題集同様、その解法の説明や別解については記載がほとんどなく、解答のポイントが申し訳程度に書かれているのみです。
そのため、分からないところは先生に聞く・他の参考書で自己解決しなければなりません。
基礎を固めた人がやるのはもちろんですが、好き嫌い分かれる、もとい「万人受けはしない」問題集であるという印象を受けました。
しかし、その問題数からもわかるように網羅性については群を抜いています。
1冊を何回もやり抜ければ、かなりの力になっていることは間違い無いです。
また、今回は紹介しませんが、良問プラチカ(河合出版)とかなり似ているとも思いました。
ハイレベル 数学I・A・Ⅱ・B(・Ⅲ)の完全攻略(駿台文庫)
続いては駿台文庫よりこちらを見ていきます!
こちらも私が高校生の時は見たことがありませんでしたが、最近よく見るようになったものの一つです。
調べてみると数学1A2Bについては2013年、数学3については2015年が初版のようです。
構成については、よくある問題集同様に最初に問題(小冊子にはなっていない)が数学1A2Bで44問、数学3で41問記載されています。
合計しても先ほどの重要問題集と比べるとかなり少ないと言えますね。
続いて、網羅性や問題・解答の質はどうでしょうか。
記載されている問題は重要問題集と同じように国立大(上位以上)からの出典がほとんどで、難易度も入試問題の中ではやや難〜難くらいで構成されています。
基本的に重要問題集のA問題のような簡単な問題はありません。
各単元の「入試でよく出るやや難問題」を集めた感じです。
国立向きとあるだけに、テクニックですぐに解けてしまうような問題はあまりなく、「しっかり考え、しっかり解答する」といった重厚な問題のセットになっています。
各単元の重要問題を抑えているので、網羅性も申し分ないと思われます。
特筆すべきは、解説の質の高さです。
各問題の解答の前にその解答にポイントがアプローチとして書かれており、解答の後には別解が豊富に載せられています。
さらにその後にはフォローアップと題し、詳しい理屈の解説や類題とその解答まであり、内容は高度ですがかなり充実していると言えます。
さすが駿台といったところですが、ひとつだけ欠点があるとするならば、そのページ構成について。
各問題の解答自体はページの先頭から始まるのですが、解説の微妙なところでページが切れてしまうので、他の問題集と比べてかなり見づらいと感じました。
駿台特有の無機質な(雑な)デザインのせいで、質の高い中身の評価を下げてしまうのはもったいないので、どうにか今後見やすいデザインに変わっていってほしいですね。
理系数学 入試の核心(Z会出版)
今回のブログ最後はZ会のこちらを!
Z会の「入試の核心」シリーズの数学バージョンですね。
こちらについては、標準編と難関大編の2冊ありますが、名の通りどちらも理系数学に特化しています。
こちらも構成は一般的な問題集と同じく、最後に小冊子で問題、本体は解答となっています。
標準編は合計150問からなっています。
問題数は駿台のハイレベル以上、数研の重要問題集以下といった感じです。
しかし、国立向きであった上記の2つに比べて、この入試の核心(標準編)はある程度私立にも向いていると言える問題セットです。
問題の難易度もそこまで難しいものはないため、MARCH・地方国公立以上の幅広い人に合っていると思います。
解答・解説は、可もなく不可もなく標準的なものです。
解答の考え方や問題のポイント(核心)の記載がしっかりあるため、重要問題集よりは理解できますが、駿台のハイレベルにあるような詳しい解説・類題等はありませんでした。
また、最初に標準編と難関大編の2冊あると言いましたが、後者の難関大編はあまり良くありません。
問題集の構成としては標準編と変わりありませんが、中身(問題)の癖が強すぎると思います。
具体的には、全然頻出でもない上、本番で解けなくても全く問題ない難易度であるため、難関大の対策にはならない点です。
東大や東工大(その他でも)では、例年解けなくていい問題も出題されますが、もちろんこれを解かなくても合格できます。
要は、他の頻出の「やや難程度」の問題を解ければいいのです。
その点において、この問題集は出典は最難関大でありますが、出題年が古くマニアックな問題が多いので、入試数学の勉強を周回した数学強者やマニアがやるものだと、その程度に捉えてください。
ここまで3つほど紹介して批評してきましたが、どれも有名で良書に違いはありません。
しかし、自分に合っているか合っていないかを判断して選ぶ必要があります。
皆さんも自分に合った「1冊を完璧に」していきましょう。