こんにちは!武田塾武蔵小杉校の三浦です。2025年度合格体験記第一弾をお送りします!
今回ご紹介させてもらうのは…帰国子女じゃないのに英検1級を取得し、早稲田大学全勝をした田所聖莉さんです。
これだけ聞けば、ひとは彼女のことを天才だと誤解するかもしれませんが、実際には、誰よりもパッションがあり、誰よりも明るくパワフルで、だからこそ誰よりも悩み、苦労し、根気強く、誰よりも高い志で勉強をしてきた努力家のひとりなんです。彼女の名言「量でゴリ押せるうちは量でゴリ押せ」という言葉は、最低でもお持ち帰りいただきたいです。量でゴリ押せなくなってからの展開にも注目してくださいね。
田所さんは、大学に入ってからもビッグになるだろうと期待出来る魅力あふれる生徒でした。今後は武田塾武蔵小杉校で講師としても活躍してもらいます!(とっても心強い味方の出現です)。
英検1級、早稲田全勝は、たしかにすごすぎます。でも、本当にすごいのは結果じゃない。合格以上に人間としての成長を伝えたい。田所さんの物語を通して、受験生のみんなに勇気を与えたいんです!憧れて、後に続いほしい!常識なんか疑って、自分の夢を実現して欲しい!そんな溢れんばかりの思いから、今回は記事を作成させてもらいます。
1万字越えの詳細な早稲田合格ストーリーを描きました。きっと勇気をもらえるはずです。ぜひ最後まで読んでください!
田所聖莉さん(田園調布学園高校卒)
早稲田大学国際教養学部 合格!
早稲田大学文学部 合格!
早稲田大学商学部 合格!
早稲田大学社会科学部 合格!
早稲田大学教育学部 合格!
国際基督教大学 合格!
上智大学総合グローバル学部 合格!
早稲田国際教養学部との出会い
ー合格おめでとうございます。合格していまはどんな気持ち?
田所 早稲田大学の国際教養学部を3年間目指していたから、やっと報われたという気持ちと、受験中に考えていた学びたいことをやっと探求できるなという気持ちでいっぱいです。これまでは受験勉強に学びが縛られていたから、いろんなことができるようになって嬉しいです。
ー合格発表の瞬間はどんな感じだったの?
田所 早稲田の国際教養学部の合格発表は商学部の入試がある日だったんです。テスト開始1時間前の9時に発表だったので、ずっと前からテスト前に見るか、テストが終わってから見るかを悩んでいました。結果がダメだったとき、落ち込んでテストに集中できないのは嫌じゃないですか。でもその日に見ることは決めていたので、親から「よかったときとよくなかったときのシナリオを自分で準備して見るもんだよ」って言われたんですよね。それで、自分が大学でやりたいことはこれだから、もし国際教養がダメだったら早稲田のどの学部に行きたいのか、、前日に先生にも相談したりして、心の準備をしていました。国教じゃなくてもやりたいことを自分はできるという、ダメだったときの気持ちの覚悟を付けていたんです。
それで商学部の教室に着いたら、これは結果を見ないとソワソワするなって思ったんです。発表の5分前から、緊張しすぎてお腹も痛くなってきたので、トイレに行って、発表時間になったので、トイレのなかで合格発表を見ました(笑)。そしたら結果を見て、「来たー」と思って、思いっきりスキップしたいくらいだったけど、まずはいろんな人に連絡をして、トイレから出たんですよね。そうしたら、入る前はスッカスカだったんですけど、めっちゃ列が出来ていました(笑)。だから、こいつ合格発表を見ていたんだなって悟られないように、ポーカーフェイスで外に出ていきました。
ーめっちゃ面白いね。やっぱり合格発表の瞬間とそのときの気持ちは一生忘れられないものになると思う。第一志望に受かることって本当にすごいことだし、ぼくたちも本当に嬉しいです。そもそもなんで早稲田の国際教養学部を目指そうと思ったの?
田所 高校1年生のときは、オーストラリアへ10日間の短期留学に行って、そのあとに早稲田の国際教養学部を目指そうと決めました。
そのときは、まず、グローバル人材になりたいって言っていたんです。海外を飛び回って仕事をしたくて、自分の知らない文化とか、外国人とか外国に憧れがあって。人種とか文化とかを超えて、いろんな人たちが混ざっている空間が好きだったんです。
それで、高校1年生の7月くらいに急に思いつきで留学に行きたいと思って、学校の先生に相談に行ったんです。あまりにも急だから、いろいろ大変だったんですけど、先生になんとかしてもらって、1ヶ月後の夏休みに10日間オーストラリアの短期留学プログラムに参加できました。
ーよかったよね。短期留学は田所さんにとってどんな経験だったの?
田所 めちゃくちゃ楽しかったです。いろんな思い出があるんですけど、ホストファミリーのホームパーティーで日本の家族観とオーストラリアの家族観の違いについて話してみたり、街ですれ違う人にどんどん自分から英語で挨拶してみたりもしていました(笑)。
オーストラリアだったから、いろんな国の人が集まっていたのが特に印象的でした。関わった子たちが小学生たちだったのもあるんですけど、オーストラリアの学校では、みんな人種とかの垣根がなく関わっていたように見えて、いろんな人がいるって良いなって。それで本格的にどの学部に行きたいかを考えて、早稲田大学の国際教養学部を目指そうと思いました。
ー国際系はいろいろあるけど、なんで早稲田が良いなって思ったの?
田所 絶対名前がいい大学に行こうと思ってて(笑)。もともとは近いので慶應志望だったんですけど、そこからちゃんと進路を考えた結果、早稲田になりました。早稲田じゃなきゃいけない理由は、自分の身の回りで縁があったり、キャンパスが綺麗とか、後付けでいろんなものがあるんですけど、やっぱり早稲田祭が好きなんですよ!早稲田祭に行ったら、これは他の大学じゃダメだと思った。他の大学の学園祭にも行ったんですけど、早稲田はお祭りみたいな感じですっごい盛り上がっていて、もともとパーティーとかみんなとワイワイするのが好きだったから、絶対に早稲田じゃなきゃと思いました。
ーめっちゃ田所さんらしい(笑)。すごく似合ってると思うよ。これからめっちゃ楽しくなりそうで良いね!
洋楽をいっしょに歌いたい
ー受験勉強をしたのはいつからになるの?
田所 受験勉強をがっつり始めたのは高校1年生だけど、中学3年生の時は理系志望だったから、英語と数学だけはちゃんとやっていました。当時は、副作用の少ない薬を作りたかったんですよね。でも、動物実験が嫌すぎて。実験結果を見るために、動物を殺すのが絶対嫌だったんで、そっちの方向はやめました。
ーいま思うと、その頃から国際教養的な問題関心があったとも言えるね。当時の成績って覚えている?
田所 もともとはめっちゃ成績が悪かったんです。だから、学校でも頭の良いキャラとかではなかった。だけど、お姉ちゃんが受験勉強をしていたのもあって、中学3年生くらいから受験を意識して少しずつ受験に必要な科目は勉強していたから、英語とか歴史総合とかだけは、めちゃくちゃできていたと思います。英語は好きだったのもあって、高校1年生の時のベネッセの模試で偏差値70くらいはありました。
ー偏差値70はすごいね!塾に入るまで英語の勉強はどうやってやっていたの?
田所 学校のテキストでテスト範囲をひたすら勉強するって感じでした。自分的には、洋楽が好きで、絶対いっしょになって歌いたいと思っていたんです。それで洋楽の歌詞をgoogleで調べて、歌えるようになるまで練習していました。そのときはテイラー・スウィフトの「シェイク・イット・オフ」を完コピしていました。楽しかったです(笑)。
ー分かるよ。そうやって英語のこと好きになるとモチベーションになるよね。
武田塾との出会い〜「やれる」と言ったら絶対にやり遂げたい〜
ー武田塾はどうやって見つけてくれたの?
田所 授業タイプの塾を1回受けてみたんですけど、授業は集団だから自分が分からないって言ったら進行が止まるし、逆に他の人が分からないって言って授業を止められるのも嫌だったんです。自分は分かっているのにタンマを掛けられるのが嫌だった。だから、個別指導の塾を探しました。お姉ちゃんが学校の近くの似たようなことをやっている塾に行っていて、そういう塾がいいんじゃないかって家族でなって、武田塾を紹介してもらいました。
ー田所さんは1年生の1月に「冬だけタケダ」で1回来て、2年生の8月に「夏だけタケダ」に来て、最終的に高2の冬で正式に入塾してくれることになるんだよね。最初に「冬だけタケダ」っていう1ヶ月間の講習をやったときのこと覚えている?
田所 そのときはちょうど高校2年生のクラス分けのタイミングで、TOEFL Juniorを学校で受けて、その点数で英語の選抜クラスに入れるかどうかが決まるタイミングだったんです。だけど、そのときは英語の文章を読むのが遅いということが課題だったので、英語の指導をしてもらいました。
ーそのとき、英語を正確に速く読めるようにするためには英文解釈の瞬発力と多読が大事って話をしたような記憶がある。基礎的な文法はちゃんと出来ていたから、『基礎英文解釈の技術100』って参考書をやってもらった。1日5時間英語の勉強をしようって、普通の受験生の倍くらいの量の宿題を出したけど、どうだった?
田所 わたしは「やれる?」って聞かれて「やれる」って言ったのに「ダメでした」ってなるのが本当に嫌だったから、遊びの時間以外は勉強するってことを徹底して勉強しました。そのときは友達に遊びに誘われたら絶対に行くような人だったから、カバンにこっそり参考書を忍ばせて、遊びの帰りに夕飯まで図書館で勉強をしたり、遊びにいく前の朝に、自習室で勉強したりしていました。それで無事にTOEFL Juniorの点数を上げて、選抜クラスに入ることが出来ました。
ー出した宿題は本当に最後までやってくれるし、確認テストもずっとほぼ満点だった。音読まで含めて完璧にしてくるから「この子はすごい!」って思っていたよ。そのまま入塾にはなんでならなかったの?
田所 わたしは武田塾に入りたいって言っていたんですけど、急に留学に行きたいとか言っちゃうタイプだったので、親に「あなたは勢いで決めちゃうところがあるから、ちょっと冷静に考えて決めよう」となって、そのときは直ぐに入らないってことにして、学校の勉強を頑張ることにしました。
選抜クラスで伸びたけど…
ー選抜クラスってどんな感じだったの?
田所 「取り出し」って名前なんですけど、学年で10人くらいだけクラスから取り出されて、英語以外使っちゃいけない授業をするんです。リーディングもリスニングもライティングもスピーキングもいろいろやるんですけど、特に楽しかったのは、みんなで小説を読んできて、内容について考察するのが楽しかったです。その小説がミステリー系で、犯人が誰かをみんなで予想して英語で喋るんです。結局わたしの予想は外れてつまんなかったんですけど(笑)。最初の1ヶ月は辛かったんですけど、もともと帰国志望の人たちが入るクラスに希望者が数人だけ突っ込まれるかたちだったので全然言葉が出てこなくて…。でも、絶対に英語を伸ばしたいと思って、登下校中に頭の中で英語を喋る練習をしたりして頑張りました。
ーいいなぁ!めっちゃうらやましい環境。そのおかげもあって?次に武田塾に来る頃には英検準一級を持っていたよね?
田所 「取り出し」のおかげで対策はほとんど何もしてなくて、単語だけ覚えて受けてみたら直ぐに取れてしまいました。スピーキングだけは先生に練習をしてもらいました。
ーすごい。でも次に「夏タケ」に来てもらったときは、もう英語は割と出来ていたはずなのに、英語と国語をやろうってなったんだよね?
田所 なんか、当時受けた河合塾の記述模試で点数が悪くてめちゃくちゃ偏差値が下がってショックを受けていたんです。でも三浦先生に相談してみると、「台風の勢力」って言い方が正しいけど、「台風の威力」みたいに書いちゃって日本語の問題で減点されまくっているだけだから大丈夫だよって、慰めてもらいました。
ーそうだったね。だからといって早稲田の問題で点数が取れるかどうかは分からないから、それを確かめて残りどんな勉強をしたらいいかを考える機会にしようって英語の指導をしたんだ。それで、早稲田の国際教養学部と商学部の過去問を、たしか時間無制限で解いてみたら、7割は取れていた。だから、順調だねってなったんだよね。2年生の夏でそんな点数を取れるのはすごいんだけど、なんだかんだ、そこから1年で本番で9割の点数を取れるところまで実力が伸びているのはすごいよね。
田所 たしかに…!
憧れの英検一級に挑戦
ーそれで冬に正式入塾してくれたあたりだったかな?総合型選抜ってどうなんだろうね?って話になって、難しい試験なのはたしかだし、受かるかどうかは分からないけど、なんとなく田所さんならここからさらに進化して受かることも出来るんじゃないかって思ったんだよね。だから、どうせ早稲田の国際教養を受けるなら、英検一級を持っていたら有利になるし、総合型選抜の説得力を上げるためにも、「一級を目指さない?」って提案をしたんだよね。英検1級を提案されたときはどう思った?
田所 登るところまで登ってやるぞって野心みたいなものがありました。もともと英検1級への憧れがあって、持っていたらカッコいいと思っていたので、それを聞いて直ぐに頑張ろうと思いました。
ー英検1級の対策って大変だった?
田所 英検1級って、意外に文章が難しいというよりも時間制限が大変なんです。共通テスト対策にも通じる話だと思うんですけど、「自分は読める」という自信があるからすごいスピードで読んでしまって、結局もう一回読み直してしまって時間がかかるんです。最終的に「一発で絶対に読んでやる」という気持ちでやった方が、絶対に速いということに気付いたのがよかったです。
ーそれは分かる!国語とかも同じだよね。リスニングとかライティングとかはどうだった?
田所 リスニングも思った以上に集中力が続かなくてミスしちゃったりしていたので、メモを取ってみるとかアドバイスを取り入れたりして対策しました。学術的な会話がよく出てくるので、対策として「TED Education」を聞くようにしていたんですけど、受験勉強っぽくなくて、内容も面白かったから楽しかったです。英作文は、塾でも添削してもらってたりしていたんですけど、それだけじゃ全然足りないので、どんどんchatGPTを使って自分で書いて添削することを繰り返して、使えそうなフレーズをchatに聞いたりしながら覚えていきました。スピーキング対策も、最後だけオンライン英会話を使ったりして対策しました。塾でも何回か面接練習をしてもらいました。
ーすごいよね!やっぱり帰国子女じゃないのに高校3年生で英検1級を取れる人なんてなかなかいないと思うんだけど、本気でやれば出来るんだってことを田所さんが証明してくれたから、本当に嬉しかったよ。世の中では英検一級なんていらないみたいな声があるけど、取ってよかった?
田所 よかった。あれはよかった。本当によかったです。まず、国際教養学部の試験は英検のスコアも評価されて、共通テストの国世の点数が合計100点の配点で、2次の早稲田の英語の試験が80点満点、外部検定試験の点数が20点なんです。ほとんどの受験生は英検準1級しか持っていなくて、英検準1級だと14点で、英検1級だと20点をもらえる。だから、6点の絶対的な差が付けられるんです。早稲田を受ける人の中には共通テストモンスターもいるから、そういう人たちに負けないために必要でした。実際に自分も共通テストボーダーから3点のビハインドがあったんですけど、英検1級のおかげで、それをカバーすることが出来ました。
ー今年の共通テストが易化してメチャクチャハラハラしたけど、英検の1級のおかげで平静を保てたよね。純粋な英語力の強化としても役に立った?
田所 英検1級はめちゃくちゃ役に立ちました。早稲田の問題でも、単語の問題は他の人だったら推測で解くのかもしれないけど、わたしにとっては、ただの単語テストになっちゃうから、すごく役に立ちました。長文を読んでいても、読めない単語はほぼなくなって本当によかった。英検1級のスピーキングとかはあんまり他に役に立たない気がするけど、楽しかったのでよかったです(笑)。
ー田所さんは本当に楽しそうに勉強しているから、勇気をもらえるよね。英語の勉強はやっぱり楽しいはずだから。
量でゴリ押せるうちは量でゴリ押せ!
ー1日の勉強スケジュールを教えてくれる?
田所 平日は、朝の7時から学校で1時間は勉強して、16時に自習室に来て21時まで勉強して直ぐに寝ていました。休日は、平均で13時間はやっていて、二桁を下ることは無かったです。マックスは14が限界でした。量でゴリ押せるうちは、量でごり押せば良いと思っていました。
ー朝学ってすごいよね。自分は部活の朝練はあったけど、朝一に学校で勉強するなんてことやってなかったから憧れる。
田所 まず、健康的な生活に憧れがあったから夜の10時に寝て朝6時に起きることを高校1年生くらいからやっていたんですよね。それで朝の7時に学校について、勉強をするんですけど、いつも私より先に学校について勉強している友達がいたんですよ。その子も国立の国際系の大学を志望していて、いろいろ受験とか将来のことについて語り合っているうちに、戦友になりました。
ーいいなぁ。青春って感じだね。受験がつらかったタイミングってあるの?
田所 ありますよ。私の場合は量でごり押せなかったときが一番辛かったです。夏休みに国語で1回落ち込んでいました。もう、伸びる未来が全然見えなかった。そのとき講師の田中先生と相川先生と喋って、三浦先生を使ってどんどん質問したらいいよって提案を受けて、これは使えると思って使ったら本当に伸びた。それとか、いろんな先生に代講をしてもらいたいって言ってた時期があったじゃないですか。わたしは、その人にしかない勉強方法ってあるよなって思ってたので、いろんな人に勉強方法を聞いて盗みまくっていました。
ーたしかに、夏あたりでまた1段階成長したよね。やっぱり早慶受験には、壁にぶち当たって乗り越える経験が必要だと思うから、乗り越えられてよかった。ぼくは、どちらかというと、担当の綾井先生からの世界史の宿題量が多すぎて病ませられていないか心配していたんだけど(笑)。
田所 本当にひどかったですよ(笑)。どれくらい宿題が出ていたかというと、生活の全てを効率的に動いて授業中に内職までしないと終わらないくらいの量の世界史の宿題を出されていました。無駄な時間を全てカットしないと終わらない設定。確認テストの量も400問あって、問題が多すぎるから、本当は5秒とか10秒考えれば出てくる問題でも、2秒で出てこなければ飛ばして、あとで復習をすることにしていました。ただ、自分は負けず嫌いっていうのがめちゃくちゃあって、『一問一答』とかの宿題範囲を変えてくださいって2回くらいしか言ってないです。そういう意味では自分の性格に合った指導になっていて良かったなって思っています。その代わりに秒で世界史対策は終わっていました。
ー逆に完成は早すぎた?
田所 いや、かなり気持ちの余裕が出来たのでよかったです。英語と世界史は誰にも負けない。あとは国語だけって気持ちになれたので安心しました。『一問一答』を『時代と流れ』と同じように、ストーリーで繋げて自分で説明出来るようにやれって言われて、それがよかったです。
早稲田全勝を実現する国語の勉強方法
ー国語は2年生の夏から割と早めに対策したけど、苦手意識はあったの?
田所 実は、小学生のときから「日本語が伝わらないよ」、「何を言っているのか分からない」って言われ続けていて、「国語はいいや、無理だな」って思ってたんですよね。
ーそうだったんだ。でも分かるな。僕とかも高校生のときまで、言葉より先に感覚で通じ合えちゃうから、日本語の細かいところは置いてけぼりになっちゃってた。田所さんは、国語を勉強して、どこかのタイミングで急に伸びたなって感じた瞬間はある?
田所 それはめちゃめちゃありますよ。まず、国語は読めるということと、解けるという段階で分けた方が良いと思っています。夏に、まず早稲田の過去問を解いて自分が読み切れる最高レベルまで考えたうえで、三浦先生を捕まえて、さらにその内容について自分が理解できているかどうか討論するってところまでやったんですよね。それで、早稲田レベルの高度な文章の内容を楽しめるようになりました。それまでは、1回目で読んだときに全体像がぼやけてしまっていたけど、討論を始めてからは余裕を持って読めるようになりました。そこでコツを掴んだというか。たとえば、三浦先生から、抽象と具体があるとしたら、近代化ってのは全部抽象の方向に持っていってしまったけど、現代はそうじゃない個別具体的なものを大事にしようとしている時代になっているとか、そういう話を聞いていたら、現代文って全部同じ話じゃんと思うようになってきて、急に分かるようになりました。
ーなるほど。よく現代文キーワードが大事とかって言われているけど、そういう単語の知識以上に、学問が前提にしている問題関心を共有できるようになったっていうことだとは思うよね。
田所 それで、そのあと共通テストまで解き方の伸びはなかったんです。戦略が無くて、感覚で特攻していたんですよ。読めているのに、選択肢で間違うって状態がずっと続いてました。内容を読めていれば全部解けると思っていた。議論の理解度はめちゃくちゃ高いけど。なぜか間違えてしまうんです。
ーその解き方は、どうやって自分でコントロールできるようになったの?
田所 共通テストはめちゃくちゃ基本じゃないですか?でも、そのまま特攻すると、文章の中で勝手に読んでいる場所と読んでいない場所にムラが出来てしまって、回答根拠を狭めてしまうことがよくあったんです。よくあったのが、部分的な単語の意味だけで捉えちゃっていて、その単語が前から修飾されている意味とかを十分に理解しないまま、選択肢に引っ掛けられていたんですよね。それに気付いたときに、意識的に棒線部を含む1文は頭から下まで読むとか、そういう手順を組み込んで解くようにしました。それを最終的には自動で高速化出来るように無意識化しました。私の場合は後半の担当の鈴木先生に「このままじゃもう伸びないよ」って言われて、12月くらいにようやく出来るようになりました。
ー自分の癖に気付いて直すってめちゃくちゃ難しいんだよね。たぶん僕も同じような指摘を何回かしていたんだけど、うまく伝えられなかったというか、気付かせてあげることが出来なかったんだと思ってる。だから、それを気付かせてあげられた鈴木先生には感謝しかないですね。でも直前期だと、解き方を変えるのに勇気はいらなかった?
田所 正直、やるしかない時期に追い込まれてしまったって感じですよね。
ーだけど、自分を変えられずに受験を終えてしまう人は多いんだよ?だから、ここでやり方を変えて、絶対に早稲田に受かってやろうって気持ちで成長できたのはめちゃくちゃ凄いことだと思う。本当に最後の1ヶ月で8割以上で安定するようになって、めっちゃ感動したもん。最終的に、どんな手順で解くことになったの?
田所 具体的に言うと大雑把にはこんな感じです。
手順1 文章を100%理解する。
手順2 問題をチラッと見る。
手順3 棒線部の部分に関わる文章をすべて読み直す。
手順4 自分の中で小さい答えを作って、ちゃんと文章にする。
手順5 選択肢を見る。
そうしたら惑わされなくなりました。
ーなるほど。やっぱり辿り着く先は消去法じゃなくて積極法なんだね。早稲田を受ける人はそれぞれの力量の問題があるけれど、小手先のテクニックじゃなくて、やっぱりこういうやり方を参考にしてほしいって思うね。
人生初の悔し泣き…
ー早稲田国際教養は共通テストがめっちゃ大事な入試だけど、共通テストはどうだった?緊張した?
田所 前日は緊張じゃなくて、ジェットコースターの落ちる寸前で「やばーい、やるしかない」って感じでした。ここまで来ちゃったら落ちるしかないって感じで。だから、楽しんでたっちゃ楽しんでました。
ー共通テストの点数はいくらだったの?
田所 国語が164点、世界史が86、英語Rが98、Lが90でした。
ーすごいよね!でも、実はめっちゃ泣いていたという…
田所 国語の最後の問題で一問で2個答えなければいけないのに、1問答え忘れてしまって、マークミスをしてしまったんです。最後にマークミスでやらかしてしまったことが、不完全燃焼じゃないですか?カチッと決めなければいけないところに、決めきれなかったから、人として終わったなと思っています。三浦先生に「甲子園球児」って言われたくらい泣いてました(笑)。
ーだから、甲子園球児の涙を見るみたいな感じで、こっちは慰めながら感動していたんだよ(笑)。それだけ頑張ったってことだと思うし、ここまで気持ちを高めて受験で勝負できるって本当にすごいなと思ってね。悔し泣きはいつぶり?
田所 人生で他にないかもしれないです。人生ではじめて悔しさで涙を流しました。実際にそこまでは事故ってないんですけどね。結果的に早稲田の国教のボーダーが87%くらいだったから、ボーダーマイナス3%くらいだった。ただ、そんなミスでもし第一志望がダメだったら、本当に自分を許せないし、先生に合わせる顔が無いと思っていました。
ーどんだけ励ましても、違うんですって言い続けてたもんね。そこまでこだわって受験をやり抜こうとしていたことに僕は感動していたよ。
大学に入ってからやりたいことを考えることで受験は良い方向に転がっていく
ー総合型選抜を受けて結果は残念だったけど、受けてみてどうだった?
田所 受けてよかったです。志望理由書をあとで読んでみたら、自分はなんてビジョンが無いんだろうと思いました。何も考えがなく、ただ早稲田がかっこいいから目指しているだけだということに気付けた。これじゃダメだと思って、そこから死ぬ気で何を学びたいかを考えたから、受験前にいろいろ語れるようになったんです。大学に入ったら、単位取得のために勉強しました、みたいになりたくないんです。何も学ばずに4年間を終えたく無いと思って、だったら最初から見つけていた方が強い。学びたいことを見つけてからは、やっぱり国教じゃんって思ったから良かったです。
それに、テスト本番も実はダメだったんです。国内推薦なんですけど、カタコトの日本語で「このエンピツはだめですか?」って聞かれたりして、周りが英語の方が喋れるような人が多かったから、めちゃくちゃビビり散らかしていたし、本番のテストも100%出しきれなかったので、シンプルに合否とは別に敗北感があったんです。だから、一般で絶対に受かってやるって思えた。あとは「こういう人に受かって欲しい」とか、「わたしも受かるけど、あなたも受かって欲しいっ」て、自分の席を譲ってしまったような気持ちになっていました。だから、一般の試験会場では「自分の席は絶対に譲らないぞ」って思って獲物を狩る目になってめちゃくちゃ集中できました。
ー良い経験になってよかった。個人的には、一般受験に志望理由書が無いのが残念なくらいで、それを考えることで本当のモチベーションができるよね。ぜひとも早稲田に入ってから何をやりたいか聞いてもいい?
田所 高校2年生のとき、模擬国連に参加したんです。それは日本の高校生がいろんなところから学校の代表として集まるんですけど、そこで各国の大使役をやって、国際問題について考えるんです。そこで感じたのは、参加している高校生の中にもインターナショナルの生徒がいて、正直、自分にも日本人じゃない人と喋るときの緊張感と、日本人と喋る安心感に差があるなと思ったんですよ。差別とかそういうことを考えてみたときに、たしかに歴史的・文化的に積み上げられてきた構造的な差別というのもあるけど、ひとりひとりの感情のレベルで、自己防衛から来る差別というのもあるんじゃないかと思ったんですよね。よく分からない相手が怖いとか、自分のことを受け入れてもらえるか分からない恐怖感から差別してしまうみたいな感じで。だから、他者を怖がる気持ちと、自分を分かってくれる安心感というのは裏表の関係にあると思っていて、そういう意味だと、相手の表現をうまく読み取る力と、自分を正しく表現する力があれば、精神的に自己防衛のために差別をすることはなくなると思ったんです。それで、もともとわたしは教育の可能性を信じていたから、そういう差別がなくなるようなコミュニケーションのプログラムを作りたいと思っているんです。世界には、移民をいっぱい受け入れている国があって、それこそオーストラリアとかで移民と現地の人が仲良くしているのは知っているから、各国の教育でいろんなパターンを知って、共通するものを取り出してみれば、日本という離島の集団でも、自分と他者を排除しない仕組みを、教育を通じて広げていきたいと考えるようになりました。
ーうわ!それはめちゃくちゃ良いアイデアだよ。世界には文化の数だけ、それを生み出すいろんな教育の型があるから、その比較研究はめちゃくちゃ面白いと思うんだよね。僕も教育の可能性を信じているし、だから、こうやって社会を変えるための方法を考えたいって言ってくれる生徒が出てきてくれて、心の底から嬉しいです。
後輩への一言
ー最後に聞きたいんだけど、後輩に向けてアドバイスはある?
田所 受験直前期に成績が振るわなかったら第一志望に対して「私は本当にここでいいのかな」ってなっちゃうと思うんですよ。でも自分の問題関心をちゃんと深めて、それがその大学のその学部と合っていれば、絶対にその学部に呼ばれていると感じるし、ダメだったとしても、その問題関心が合う方向に道が進むと思うんですよ。これはFLTの先生に教えてもらった言葉なんですけど「You should follow the things that you feel passionate about and see where that takes you. 自分のハートに従ってごらん。そうすれば勝手に自分の居場所に連れて行ってくれる」って言われて、それを信じています。入った場所は違うと思っても絶対に関心がある方向に向かうから。熱意があってやっているのに、そっちの方向に引っ張られないわけないじゃんって。計画通りの大学に入れなくても、自分が気づいていないだけで、正しい方向に導かれていると思うから、信じてやれば良いし。ダメだったときを想像しなくてもいい。ダメだったとしても良い選択になるはず。熱意を持ってやることが一番大事です。
特に過去問を解いて成績が出ないとき、落ち込むことがあると思うけど「Fake it untill you make it. できるようになるまで演じ続けろ」精神で、どうやったら出来るようになるかを、めっちゃ時間を考えて、出来そうな問題を増やしていった。そして出来そうな問題の点数を数えていったら、「なんて簡単なんだ!絶対に合格する!」って思えるようになる。そういうマインドセットを作って、頑張ってください!
ーありがとう。やっぱりみんなの問題関心を深めて、熱意を上げられるような校舎に出来たら良いなって改めて思いました。田所さんは講師としても働いてくれるけど、一言ある?
田所 自分が担当じゃない先生にも声を掛けてもらって励まされていたから、自分もそんな先生になりたいです!相談はどんなことでも全部受け付けるので、どんどん話しかけてきてください。ぜひ質問待ってます!!
ー今日はありがとうございました。今後の活躍も応援しています!
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など、気になることはなんでも聞きに来てくれて大丈夫ですよ。
少しでもお話を聞いてみたいと思っていただけた方はお気軽にお問い合わせください。お待ちしています!!