神奈川近郊の受験生のみなさん!
こんにちは!武田塾武蔵小杉校の三浦です。
いよいよ共通テストまで2ヶ月になり、受験生のみなさんは焦りと緊張で追い込まれている時期だと思います。12月には学校で面談もあり、過去問の成果も上がらずに追い込まれている人も多いはず。
そこで今回は直前期の志望校選びの考え方として「MARCHや日東駒専を滑り止めにする方法」について少し詳しく考えてみたいと思います。
1. 過去問
1-1. 模試と過去問は違う
まず、志望校選び、特に私立大学の志望校選定において一番大事なことを言います。模試の判定を信用しすぎないでください。多くの学校の面談ではやたら模試の結果でダメ出しをされてしまいますが、あまり信用をしない方が良いです。むしろ、模試の結果だけで志望校を決めさせようとする先生がいたら、あまり信用にならないとまで言えるかもしれません。
なぜ、そこまで言えるのか。それは、模試の問題とそれぞれの大学の問題が、レベルも傾向も全く違うものになっているからです。たとえば多くの受験生は共通テスト型の模試を受けさせられますが、特に英語は顕著にその差が出て来ます。多くの私立大学にある英文法や語彙の問題も、共通テスト型の試験では出題されず、逆に共通テスト型のリスニング問題は私立大学の入試では関係のない場合が多いです。
だからこそ、実際に自分が受けたい大学の過去問を解いて、自分が合格最低点を上回る得点を取れる実力があるかどうかを確認しなければ、正確な実力判定にはならないのです。
1-2. 学校の先生が模試を重視する理由
たしかに模試にも重要な意義はたくさんあります。みんなで一斉に試験を受けることで緊張感を味わい本番のシミュレーションをすること、オーソドックスな問題を解いて自分の弱点を見つけること、中間目標にして勉強を頑張る計画立てることなど。個人的には、こうした観点から普段の学習に役立てるのが模試の役割だと思っています。
では、学校の先生はなぜ模試をそこまで気にするのか。それは学校の先生、特に担任の先生の視点から考えて見れば分かりやすいと思います。正直なところ、クラス全員の過去問の成績を管理して適切に志望校を評価するのは、至難の業です。人数が多すぎて細かい実力をひとつひとつ把握できないので、みんな同じテストを受けてもらい学校の成績と合わせて比較して考えるくらいしか出来ないのです。
もっと言えば、学校の多くの担任の先生は、自分が専門にしている以外の他教科のことは分からないことも多いので、模試などを頼りにコメントをするしかないのです。だからこそ、本当に志望校で悩んでいる人は、過去問を解いて、それぞれの科目の先生のもとに持っていき、大丈夫かどうか相談する方がより正確な判断材料を集められると思います。
1-3. 模試の役割
たしかに、模試で点数が取れている人は、実力がかなりあると思います。だからと言って油断しないでください。本当に過去問の形式で苦手が無いかを確認することが正確に自分の合格可能性を検証する上で重要な仕事になります。逆に、模試の点数が取れていないからと言って落ち込まずに、自分の受ける大学で点数が安定して取れるなら大丈夫です。
ただし!!!いつもは点数が取れるけど、模試になると点数が取れない人は、本番で実力を出し切るメンタルが弱い可能性があるので、自分とよく向き合って、安全策を取っておいた方が安心です。あまり向き合いたく無い事実かもしれませんが、頭の片隅に入れておいてください!
2. 合格確率100%を作る考え方
2-1. 合格率の単純な計算
模試ではなく過去問が大事だと言うことは分かりましたでしょうか?では、「MARCHや日東駒専を滑り止めにする方法」を考えてみます。これは僕がよく受験生に言っていることですが、「確実に合格したいなら」、以下のような計算で自分の志望校の合格率を捉えてみることをオススメしています。
(3科目受験の場合)
1科目目で合格最低点を超える確率×2科目目で合格最低点を超える確率×3科目目で合格最低点を超える確率
たとえば、各科目でなんとか合格最低点を超えられたり超えられなかったりという状況を、ざっくり各科目が合格最低点を超える確率1/2とした場合、実はかなり危うい状況なのです。
英語の合格最低点を超える確率×国語で合格最低点を超える確率×社会で合格最低点を超える確率
= 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8(12.5%)
8回受けて1回受かるかどうかです。絶望的に難しい。だけど、1科目でも安定させられると、結果は1/4の25%になるわけです。理系であれ文系であれ、これくらいのバランスで志望校に肉薄していると副教科を安定させてしまえば、4回受けて1回は受かるチャンスを作れそうになるわけです。
2-2. 苦手科目が1科目でもあると絶望的になる
ところが、もし1教科でも極端に苦手な科目があると状況は一転します。苦手な科目を英語として過去問で合格点を取れる打率を1/5に設定しましょう。
英語の合格最低点を超える確率×国語で合格最低点を超える確率×社会で合格最低点を超える確率
= 1/5 × 1/2 × 1/2 =1/20(5%)
当然、絶望的ですよね。仮に国語と社会を4/5の打率で合格点を取れるぐらいに安定させられているとしても
英語の合格最低点を超える確率×国語で合格最低点を超える確率×社会で合格最低点を超える確率
= 1/5 × 4/5 × 4/5 =16/125(12.8%)
となるので、8回は受けないと受からないわけです。もちろん各科目の合計点で合否は判定されるのですが、合格最低点が7割や8割の私立大学入試において、たった3教科しかない科目のうち苦手科目の分の点数を他の科目で挽回するのは、実はめちゃくちゃ難しいことなのです。運ではなく確実に勝ちに行く勝負をするには、苦手科目を克服しなければいけないことの重要性が分かりますでしょうか?
2-3. 過去問演習で最低点の推移を見ること
多くの受験生はこうした事実から目を背けがちです。なんとなく自分にとって都合の良い結果だけを見て希望を抱いたり、悪い結果ばかりに気を取られて絶望してしまいます。まずは冷静に、何回か過去問を解いて、自分はどれくらいの打率で合格最低点を超えられるかを検証してみましょう。
よく言われることですが、過去問をたくさん解いてみると年度によって良かったり悪かったり、得点率の推移に波があることが分かります。確実に合格したい人は、この波の底辺を自分の実力と考えてシビアに成績を上げていかなければいけません。逆に言えば、波の底辺より悪くなることは考えにくいわけなので、自分にとっての過去問の最低点の推移を少しずつ上げていく考え方をすることで、安全な合格へと近づいていくことになるわけです。
少し運が悪くても合格最低点を上回るにはどうしたらいいのでしょうか?そのために必要な勉強方法を最後に紹介したいと思います。
2-4. 第一志望に「確実に」合格するのはめちゃくちゃ難しい
ちなみにですが、各科目を4/5の打率で安定して点数を取れている場合でも合格可能性は以下のようになります。
英語の合格最低点を超える確率×国語で合格最低点を超える確率×社会で合格最低点を超える確率
= 4/5 × 4/5 × 4/5 =64/125(51.2%)
これくらい実力があっても2回受けて1回しか受かることが出来ないのです。これに加えて本番のプレッシャーが加わってくるわけです。割と実力が安定しているような人でも第一志望に「確実に」受かるのはとても難しいことが分かりますでしょうか?だから第一志望に合格している人って本当に凄いんですよね。
3. 滑り止めを確実にする方法
3-1. 自分に有利な選択肢を見つける
ここまでの話でかなり不安になった受験生は多いんじゃないでしょうか?でも、大丈夫です。なんとかなる方法をこれから解説します。
まずはこれまでの大事なポイントをまとめます。
・模試より過去問の点数が大事
・合格最低点を上回る確率を上げること
・1科目でも苦手科目があると打率が大幅に下がる
こうして考えると、まず最初にしなければいけないのは、自分に有利な選択肢を集めることです。
特に、苦手科目がある場合は、その科目を使わないで受験をしたり、その科目の配点が低い大学を受験校に混ぜることをオススメします。大学の検索には河合塾さんの大学検索システム(Kei-Net)がオススメです。
https://search.keinet.ne.jp/search/option/
このサイトでは、教科、志望校の分野、偏差値や共通テスト得点率、地域などで全国の大学を一括検索出来るので、ぜひ活用してください。
3-2. 苦手を正確に潰す
次に、各科目の苦手を正確に潰していきましょう。
過去問を解いて絶望する前に、間違えた問題を、これまでの参考書や教科書を見れば解ける問題かどうか確認してください。もし参考書や教科書を見ながら解ける問題だったら、それは取れなければいけない問題です。これまでの勉強の仕方を反省した上で、周辺事項も一緒に復習をしましょう。そうすれば確実に苦手が潰れていくので、どんどん点数を上げていくことが出来ます。
3-3. 取れるはずの問題を全て取り切る
最後に、目標点を高く設定しましょう。合格最低点を目標点にしてしまう受験生がいますが、これは基本的に間違いです。
自分が取れるはずの問題はすべて取り切れるように最後まで頑張りましょう。取れるはずの問題を全て取り切れた理想の状態を目標点にしましょう。実際に、MARCHや日東駒専の入試問題は、教科書レベルの問題がほとんどなので、8割、9割を取ることは非現実的ではないのです。最低でも合格最低点の1割以上を目標にして、どうやったらその点数が取れるか自己反省をしながら勉強を続けてください。志の高い勉強をすれば、少しくらい調子が悪くても、合格最低点を確実に超えられる実力をつけることが出来ます。
※ちなみに選択肢問題の場合は、完全な捨て問はほぼありません。2択まで絞れる問題を2問増やす度に、確率としては1問ずつ得点率を上げることが出来るので、粘って考えられる勉強をしてください。特に早慶などの、ひとつの教科書だけでは載っていない知識の問題が出てくる入試には、大事な考え方になります。
4. 終わりに
今回は、なかなか厳しい現実のお話をしましたが、「MARCHや日東駒専を滑り止めにする方法」、つまり確実に合格するとはどういう考え方をしなければいけないかをまとめさせてもらいました。
当然ですが、ここまでネガティブに考えなくても良い結果を出している人はたくさんいるので大丈夫かもしれません。なんとかなると言ってみたい気持ちもあります。それでも個人的には、受験対策のプロとして、どんな状況でも受かることを目指す方法を考えることが最強のポジティブな思考に繋がるはずだと思っています。むしろ、打率的には運で受かっているだけの人の話を神格化してしまうのは避けたい。もっと冷静に、悪かったときの結果を実力だと考えて、むしろ苦手を発見できたチャンスだと思って頑張る。そして、どうあがいても合格最低点を超えてしまうくらい成長したならば、絶対に受かるという自信が付いてくる、そういう道筋を受験生のために整えていきたいと思うわけです。
もちろん、合格を確実にするためには、長文の読み方や計算ミスの失くし方であったり、本番のメンタルコントロールなど、細かい話はまだまだあるのですが、今回は過去問の得点率をシビアに見なければいけないというお話を中心にして、ここらへんで筆を置こうと思います。
最後まで受験勉強を頑張ってくださいね!みなさんの全力が身を結ぶことを願っています。
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