こんにちは、武田塾茂原校です。
数日前のニュースに「大学入試における定員厳格化を緩和へ」と言うものがありました。
これ、少なくともタイトルを見た時点の印象としては、塾業界に身を置くものとして、なかなかにインパクトのあるニュースでした。
と言うのも、大学入試の定員厳格化は、近年、大学入試に大きな影響を与えてきたからです。
それも、受験生の皆さんの合否に直接関わる形で!です。
そして、今回それが緩和されると言う事は、今度はこれまでと逆の影響が発生するのでしょうか?
今回は、そこら辺の事を、そもそもの基本から振り返って考えてみたいと思います。
そもそも、大学入試の定員厳格化って何?
大学入試定員厳格化とは
大学入試の定員厳格化ですが、これの意味は読んで字の如くです。
つまり、簡単に言えば「本来の定員を大きく上回る人数の生徒を入学させる事は認めないよ。」と言う事です。
日本の大学、取り分け私立大学においては、募集定員よりもかなり多い数の合格者を出す事がよくあり、結果として、実際に入学する生徒の人数が、本来の定員を大幅に上回ると言う事も、しばしば見受けられました。
これを問題視した文部科学省が、2016年に「定員に対する入学者率が高い大学には補助金を減らします。」と発表した為に、各大学は、それまでと比べて合格者数を絞らざるを得なくなったのです。
大学入試定員厳格化の背景
私立大学が定員を大きく上回る合格者を出してきた理由
これは入学辞退を見越しての措置と言う部分が最も大きいです。
国公立大学の場合は、受験者の多くが、その大学を第一志望としていますが、私立大学の場合は、他大学の併願であるケースも多く、その為、ある程度の辞退者が出る事を、予め見越して、定員より多めに合格者を出す必要があったのです。
それに加えて、多くの学生に入学してもらう事で、入学金や授業料などの財源を確保したいと言う思惑もあったでしょう。
文部科学省は、何故定員厳格化に踏み切った?
文部科学省が問題視したのは、私立大学への入学者数が定員を上回っている事それ自体よりも、人口の大都市への一極集中だと言えます。
日本の人口は、東京を筆頭とした大都市に集中しており、その為、地方が廃れていると言う話は皆さんも聞いた事があると思います。
文部科学省は、人気や知名度の高い都市部の私立大学が、定員を大幅に超えた人数の学生を入学させている事が、そのような人口集中の一因になっているとして、定員の厳格化を求めたのです。
大学入試定員厳格化の影響①【私大入試の難化】
定員が厳格化された為、各私立大学は合格者数を、それまでよりも絞らざるを得なくなりました。
合格者数が減ると言うことは、それは当然、合格難易度が高くなることを意味します。
大学定員の厳格化は上記の通り2016年から始まったのですが、年度ごとに段階を経て、少しずつ厳格化の基準を厳しくしていく形が取られました。
当初は、入試の合否結果に対して、そこまで大きな影響を実感する事はなかったのですが、2018年度や特に2019年度の入試において、模試でA判定であったにも関わらず、その大学に不合格になるなどのケースが全国的に数多く報告されました。定員厳格化の影響が色濃く表れたと言えるでしょう。
現状の模試判定は、そうした定員厳格化の折込んでの判定になっている部分が大きいと思われるので、判定の信頼性について、そこまで心配する必要はありません。
しかし、数年前と比べて、都市部の有名・人気私大を筆頭として、その合格難易度が上がっている事は間違いないでしょう。
大学入試定員厳格化の影響②【補欠合格の増加】
合格者数の厳格化によって、各私立大学は、定員を大幅に超える合格者数を予め出す事には慎重になりました。
しかし、そうは言っても、私立大学は併願での受験者が多いと言う事情には変わりがないので、それを補う分だけの合格者は出さなければなりません。
その為、ある意味で苦肉の策取られたのが、補欠合格の増加です。
補欠合格とは、「入学辞退者が出た場合に、その代わりとして、順次追加で合格とします。」と言う仕組みです。
これであれば、辞退者の数に合わせて追加合格を出せるので、最終的な入学者数を補助金がカットされる事のないギリギリのラインに調整しやすいと言う訳です。
定員厳格化緩和の具体的な中身は? どんな影響が?
定員厳格化緩和の背景
では、なぜ文科省は、この数年で進めてきた入学定員の厳格化を緩和する事にしたのでしょうか。
それは、「補欠合格の増加が、受験生及びそのご家庭にとって好ましくない。」と言う判断がある為です。
と言うのも、補欠合格は上記の通り、入学辞退者が出て、初めて(順次)追加合格になる仕組みです。
自分に、いつその順番が回ってくるかは分かりませんし、もちろん、そのまま回ってこない事もあります。
場合によっては、他の大学への入学手続きの期限を過ぎた後、入金を含めた入学手続きや下宿先としての部屋の契約などを全て終えた後になって、「追加合格が決まりました。」と言われる事もある訳です。
こうした事から、「その先の人生を左右する事もある大学受験において、補欠合格が増えすぎる事は望ましくない。」と判断されたのです。
単年ごとの入試ではなく、全学年の総定員で判断
新しい方針でも、定員の厳格化自体は維持するものの、それを「毎年の入学者数」ではなく「全学年の総定員」で判断する形に変更されるとの事です。
仮にある年度の入試で定員を大きくこえる入学者が出たとしても、次年度の入学者を減らす事で調整が出来るので、大学側からすれば、その年度、どの程度の合格者数を出すか計画が立てやすくなる訳です。
2023年度入試から、早速導入予定との事です。
緩和による影響は?
今回、定員厳格化が緩和されるにあたって、全学年の定員に対しての人数制限基準が、どの程度なるのかハッキリしない為、影響の大きさについては、現段階では何とも言えません。
しかし、制限が全くなくなる訳ではないので、合格難易度が2016年以前に戻る可能性は小さいのではないかと思います。
また、ある年度の入学者数が多いと、その翌年には少なくせざるを得ない部分がある仕組みの為、年度ごとに合格難易度に変化する可能性もあり、この辺りは実際に推移を見守ってみないと何とも言えない部分が大きいです。
元も子もない話になってしまいますが、皆さんにとって、最も大事なのは、こうした制度の変更によって、合否が分かれる合否ボーダー付近を越えていく実力を身に着ける事が出来るように、日々の受験勉強を頑張る事が一番大事と言えるかもしれません。
最後に
このような様々な受験情報もそうですが、普段からの受験勉強も含めて、よく分からない事や、不安な事、悩んでいる事など、皆さん色々とあるかと思います。
一人で解決するのが難しそうな場合には、是非武田塾茂原校の無料の受験相談にお越し下さい。
きっと力になれると思います。
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