こんにちは。武田塾茂原校です。
今回は新学習指導要領と、それに伴う入試変更のお話しです。
「数C復活するってよ!」など、SNS等でも話題になったので、聞いた事がある人も多いかもしれませんね。
ただ、具体的に何が変わって、そして受験にどんな影響を及ぼすのか、しっかりと把握している人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、学習指導要領の改訂と、大学受験への影響について書いていきたいと思います。
2022年度から新しくなった高校の学習指導要領
小学校・中学校と来て、ついに・・
高校の学習指導要領改訂に先立ち、2020年度には小学校、2021年度には中学校の学習指導要領が改訂されました。
そして、昨年度(2022年度)には高等学校の学習指導要領が改訂されています。
それに伴って、受験形態にも変更が生じると言う訳です。
これを聞いて、「え?受験の内容も変わっちゃうの??」と慌てている現受験生もいるかもしれませんね。
でも、安心してください。
この高校の指導要領改訂の対象は2023年度時点での高校2年生からです。
この記事を書いているのは2023年9月ですが、現受験生は関係ありませんので、安心して下さい。
一方で、現高2生からは大いに関係してきます。
とは言え、現高2生以降の生徒さんは、そもそも新指導要領の元で授業を受けている訳ですから、極度に恐れる必要はありません。
しかし、入試にどのような変更があるのか具体的に知っておく事はもちろん大事な事です。
以下で、指導要領の変更点と合わせて説明していきますので、是非最後まで読んで下さい。
具体的な変更内容
英語
指導要領の変更点
「コミュニケーション英語 基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」及び「英語表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」と言う科目構成になっていたものが、「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」及び「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」となりました。
えーっと、何のこっちゃですね(笑)
と言う訳で、もう少し具体的な変化を見てみましょう。
①覚えるべき単語数の増加
高校終了までに覚えるべき単語数(小中学校で習う分も含む)が、これまでは3000語くらいだったのが、
新課程では4000語以上になっています。
②英語4技能をさらに深堀り
「聞く」「書く」「読む」「話す」の言語4技能の習得が重視されるようになって久しいですが、新課程では、この内の「話す」について、さらに掘り下げて、英語での「やり取り」と「発表」の能力を育んでいく方針になっています。(これを4技能5領域なんて、言ったりします。)
共通テストなど、大学入試への影響
こうした変更点が、受験に対して、どのような影響を与えるかは、まだ未知数ではあります。
少なくとも、共通テストについては(科目名や配点、試験時間等の)具体的な変更点はありません。
ただ、文法知識の丸暗記等だけでは点数が取りづらくなる流れは、今後も続き、寧ろ加速すると見た方が良いでしょう。
数学
指導要領の変更点
数学Ⅲ・数学B・数学活用の各内容の一部を、それぞれ移行する形で「数学C」と言う科目が新設されました。
新設と言っても、実は数学Cと言う名前の科目は10年程前までは存在していました。
今の高校生は知らないかもしれませんが、皆さんの親御さんの世代であれば、きっと知っていると思います。
ただ、当時の数学Cがそのまま復活する訳ではなく、扱われる単元は異なります。
具体的には、数学Bから「ベクトル」、数学Ⅲから「平面上の曲線と複素数平面」
数学活用から「数学的な表現の工夫」が、新たな数学Cへと移行します。
なお、数学活用は廃止となるので、数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B・数学Cと言う区分けに戻る事になります。
かつての数学Cは、数学Ⅲとセットのような扱いでした。
しかし、今回の新しい数学Cは、どちらかと言えば、数学Ⅱとセットのような扱いになります。
つまり、文系志望であっても数学C(特にベクトル)は必要になる可能性があると言う事です。
気を付けましょう。
共通テストなど、大学入試への影響
上記の通り、数学Cは数学Ⅱとのセットで扱われます。
その為、共通テストでは、数学Ⅱ・Bに代わり、『数学Ⅱ・B・C』が新設されます。(試験時間も10分伸びて、70分となります。)
なお、「数学Ⅱ・B・C」を受験する場合、数学B・数学C分野については、以下の4単元から3つを選択する形になります。
①数列(数学B)
②統計的な推測(数学B)
③ベクトル(数学C)
④平面上の曲線と複素数平面(数学C)
どれを選ぶかは、もちろん自由ですが、基本的に文系の生徒さんは、①~③を選ぶケースが多いでしょう。
なお、④の複素数平面は旧課程では数Ⅲでした。つまり、共通テストで、この分野が出題されるのは初めてという事になります。
一方の数Ⅰ・Aの共通テストに関しては、前半の大門2つが数Ⅰ分野からの出題であり、これが回答必須である事に変更はありません。
しかし、後半の数A分野からの出題では、旧来であれば「図形」「確率」「整数」の各大問から2つを選択する形であったのが、選択式は廃止となり、「図形」と「確率」に固定されます。
つまり整数分野が共通テストから消えると言う事です。
また、こうなると、国公立志望で2次試験でも数学を使用する生徒さんは、「共通テストから整数が消える事は分かったけど、では2次試験ではどうなるの?」と言う点が気になるかと思います。
これは結論から言うと大学ごとに対応が分かれますので、ご自身の志望校について確認してみて下さい。
なお理系・文系問わず、数Cのベクトルは、やはり大半の大学が2次試験でも範囲に含む形を取っています。
社会
指導要領の変更点
社会は、まず「地歴」と「公民」に分かれますが、どちらも科目区分が大きく変わりました。
①地歴
これまでは「世界史A」「世界史B」の内から1科目選択、さらに「日本史A」「日本史B」「地理A」、「地理B」から1科目選択と言う構成でした。
新課程では、このA・Bと言う区分を廃止した上で、「地理総合」「歴史総合」を必修科目として新設し、より発展的な科目として「地理探求」「日本史探求」「世界史探求」も新設しています。
なお、「歴史総合」とは、日本史と世界史が合わさったような科目です。
ただし、主には近現代以降を扱うので、古代からすべて学習しなければいけないと言う訳ではありません。その点は安心して下さい。
②公民
これまでは「現代社会」「倫理」「政治・経済」から1科目を選択し必修としていましたが、新課程では「現代社会」がなくなり、代わって「公共」が新設されました。
その上で「公共」が必修となり、「政治経済」・「倫理」は選択科目になっています。
なお、「公共」の基本的な内容は、現代社会と大きくは変わりません。
ただ、成人年齢の18歳への引き下げなどを受け、いわゆる主権者教育の充実を目指したいと言う方針のようです。
共通テストなど、大学入試への影響
共通テストの歴史科目としては、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』が設置されます。
つまり、日本史と世界史のどちらを受験科目とする場合においても、歴史総合の内容について学ぶ必要があると言う事です。
(なお、国公立大学の2次試験や私立大学の個別試験においては、歴史総合は出題範囲とせず、日本史探求及び世界史探求のみを範囲とする大学もありますので、個別に確認が必要です。)
また、地歴と公民にまたがった『地理総合、歴史総合、公共』も新設されます。
これは、この各3分野から2分野を選択して回答する科目になっています。
その他には「地理総合、地理探求」「公共、倫理」「公共、政治経済」の科目が新設されます。
上記の通り、科目として廃止になった現代社会に相当するのが新設の公共です。
しかし、これまで現代社会が単独の試験として存在していたのに対して、新しい共通テストでは公共単独での試験はありません。
その意味で旧課程であれば現代社会を選択していた人にとっては、やや負担増になると言えるでしょう。
情報
指導要領の変更点
これまでの「社会と情報」「情報の科学」と言う科目設定を再編し、「情報Ⅰ・Ⅱ」とした上で、情報Ⅰが必修となります。
内容的には、需要が高まっているプログラミングに関する内容が増加しています。
共通テストなど、大学入試への影響
2025年の1月に実施される共通テストでは、情報が科目の一つとして追加されます。
なお、以下のリンクからサンプル問題も確認出来ます。
令和7年度以降の試験に向けた検討について|(大学入試センター )
また情報Ⅰが、入試においてどの程度、必須扱いになるのかと言う点も、大いに気になるところでしょう。
まず、国公立大学から見ていきましょう。
(「情報I」の扱いを公表している大学の内)国立大学では、一部に選択制を採用する大学もありますが、97%と圧倒的多数が必須としています。
一方、県立などの公立大学では、必須と選択制とが拮抗しており、全く利用しない大学も15%強あります。
配点に関しては、国立・公立問わず、素点のままで利用する大学もありますが、やや配点を低めに設定している大学もあります。
個別試験(2次試験)での利用に関しては、共通テストと比べると、まだ全体像が見えづらいです。
個別試験でも必須となる大学は、少数に留まる可能性が高いとは思いますが、特に志望大学については、こまめにチェックしていきましょう。
私立大学に関しては、共通テスト利用において、「情報Ⅰ」を選択制とする大学が多くなる可能性が高いですが、やはりまだ全体像が見えづらいため、志望校については、こまめなチェックが必要です。
最後に
以上になります。いかがだったでしょうか?
基本的には、これまで以上に受験勉強の負担は増すであろう事が予想されます。
でも、前向きに考えましょう!だって、負担が増えると言うのは、皆同じだからです。
その分、1年生の段階からコツコツ頑張っていた人は、それだけで優位に立ちやすいとも言えます。
と言っても、自分だけではどう頑張ったら良いものか、なかなか分からないと言う事もあると思います。これだけ色んな変更があったら尚更ですよね。
そんな人は、是非武田塾茂原校の無料の受験相談にお越し下さい!きっと力になれると思います。
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