こんにちは。武田塾溝ノ口校 講師の吉田と永井です!!
今日は来年度から始まる新課程の共通テストについてまとめていきたいと思います。
どの科目が主に変更されるのか!
2025年度以降の共通テスト(2024年4月から高校2年生になる人が現役で受ける共通テスト)から
『情報』 が追加されます。
ほかにも 『数学』『国語』『社会』の3科目で大きく変更があります。
『英語』と『理科』に関しては、大きな変更点はありません。
『情報』の内容と対策
情報は60分100点満点で行われます。
問題内容は
①メディアリテラシー
②情報に関する論理的推察
③プログラミングの基礎
④情報に関するデータとグラフの活用
の4題構成です。
では、大学入試センターが試作した問題を見てみましょう。
1⃣『SNSやメール、Webサイトを利用する際の注意や判断として適切なものを選択肢から二つ選べ。』
⓪相手からのメッセージにはどんなときでも早く返信しなければいけない。
①信頼関係のある相手と SNS やメールでやり取りする際も,悪意を持った者がなりすましている可能性を頭に入れておくべきである。
②Web ページに匿名で投稿した場合は,本人が特定されることはない。
③SNS の非公開グループでは,どんなグループであっても,個人情報を書き込んでも問題はない。
④一般によく知られているアニメのキャラクターの画像を SNS のプロフィール画像に許可なく掲載することは,著作権の侵害にあたる。
⑤芸能人は多くの人に知られていることから肖像権の対象外となるため,芸能人の写真を SNS に掲載してもよい。
正答:①、④
2⃣『インターネット上の情報の信ぴょう性を確かめる方法として適切なものを一つ選べ。』
⓪検索エンジンの検索結果で,上位に表示されているかどうかで判断する。
①Q&A サイトの回答は,多くの人に支持されているベストアンサーに選ばれているかどうかで判断する。
②SNS に投稿された情報は,共有や「いいね」の数が多いかどうかで判断する。
③特定の Web サイトだけでなく,書籍や複数の Web サイトなどを確認し,比較・検証してから判断する。
正答:③
・・・いかがでしょうか??
上記の2題は大問1で出題される問題です。Z世代の皆さんには少し簡単だったかもしれませんね。
もちろん、このようなネットリテラシーを問う問題以外にも、プログラミングに関する問題等も出題されます。
ですが!大学入試センターの問題作成方針を見てみましょう。
プログラミングに関する問題を出題する際のプログラム表記は,授業で多様なプログラミング⾔語が利⽤される可能性があることから,受験者が初⾒でも理解できる⼤学⼊試センター独⾃のプログラム表記を⽤いる。
(『令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針 』令和5年6月9日掲載 より引用)
問題内容には難しそうな言葉が並んでいるのでドキッとするかもしれませんが、そこまで焦る必要はありません。
相対的に見ても、情報の得点比率は他の科目に比べてそれほど高くはないです。
まだ時間は残っていますので、授業の復習をきちんと行い、基礎を固めることに意識を向けましょう。
『情報』やそれ以外の科目の試作問題は以下のリンクから見ることが出来ます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7/r7_kentoujoukyou/r7mondai.html
『数学』はどう変わる?
数学Ⅰ・Aは、
<旧課程> 確率、整数、図形の中から2つ選択
<新課程> 選択問題なし
このような変更が加えられます。
また、場合の数と確率の範囲から期待値の問題が出る可能性があります。
大学入試センターの試作問題では、大問2に数学Ⅰ「データの分析」が、大問4には数学A「場合の数と確率」が追加されていました。
数学ⅡBは、『数学Ⅱ・B・C』に変わります。
つまり、数学Cが追加されることになります。
具体的には、
●数学Ⅱ: 三角関数 指数関数/対数関数 微分/積分
●数学B: 数列 統計的な推測
●数学C: ベクトル 平面上の曲線と複素数平面
が該当範囲になり、数学Ⅱの問題+数学Bと数学Cの4題のなかから3題を選んで回答することになります。
複素数平面が追加された分野ということです。
選択問題の増加にともない、試験時間も60分から70分に増加します。
数学は基礎固めがとても大切です。範囲も多くなるので、しっかり勉強時間をさけるように早め早めの学びを心がけていきましょう。
『国語』はさらに文章量増加!?
古文と漢文には大きな違いはありません。
現代文が大きく変わります。
近代以降の文章として、論理的な文章と文学的な文章、さらに現代の国語と言語文化が範囲となります。
古典からは今まで通り、古文と漢文が出題されます。
現代文の試験範囲の増加に伴い、試験時間と配点が大きく変わります。
試験時間は80分から90分に変更されます。
配点は
大問1 論理的な文章 45点
大問2 文学的な文章 45点
大問3 実用的な文章 20点 (大問3までの現代文は110点と公表されており、大問ごとの配点は確定していません。左記は試作問題の配点です。)
大問4 古文 45点
大問5 漢文 45点
新設の問題例として、複数の文章や、図・グラフをもとにレポートを作成するという問題が掲載されていました。
主に求められるのは以下の三つではないかと考えられます。
・提示された文章とグラフを、関連付けながら的確に読み取る力
・テクストを適切に理解し、内容や構成について分析・検討する力
・複数のグラフ・文章の内容を適切に解釈し、その内容の捉えなおしや根拠の示し方について考察する力
文章内容に対してのより深い理解や解釈が必要になるということですね!
異なる種類や分野の⽂章などを組み合わせた、複数の題材による問題が検討されているとのことです。
やはり私大とはかなり毛色が違うため、「共通テストの国語」の為の対策がさらに必要になっていきます。。予想問題や模試を有効活用していきましょう。
社会は?
従来の地歴は「日本史A」「日本史B」、「世界史A」「世界史B」、「地理A」「地理B」という括り方でした。
ですが、2025年からは
「地理総合、地理探求」
「歴史総合、日本史探求」
「歴史総合、世界史探求」
「公共、倫理」
「公共、政治・経済」
「地歴総合、歴史総合、公共」
となります。ややこしいですね。。
少し多いので、「地理歴史」と「公民」の二つに分けて解説していきます。
地理歴史
・「地理総合、地理探求」
・「歴史総合、日本史探求」
・「歴史総合、世界史探求」
地理歴史科目に含まれるのはこの三つに加えて、公共も含む「地歴総合、歴史総合、公共」です。
さて、皆さんが一番気になるであろう「総合」についてですが・・・。
地理総合
"地理に関連した環境・人口問題を主題として、資料を基に考察する"というのが主な内容です。
グラフや表などの資料に地理的な見方、考え方を働かせ、地球的な課題について考察することが求められます。
具体的に言うならば、「持続可能な社会」の実現を目指した活動・その要因についての考察ですね。
歴史総合
"歴史に関連する事象を主題として、資料を基に考察する”というのが主な内容です。
図版やグラフ、文献など各種資料を用い、それらをもとに世界とその中における日本について考える問題ですね。
歴史的な見方(年代の推移や比較、相互の関連など)を働かせ、「冷戦」や「明治維新」など、様々な事象を考察することが求められます。
試作問題では第1問が「歴史総合」、それ以降は「日本史探求」「世界史探求」に分かれていました。
歴史総合で重要なのは、
「日本史選択者だから日本史に関連した問題のみが出題される」
「世界史選択者だから世界史に関連した問題のみが出題される」
わけではないということです。
必ず日本史・世界史両方を絡めた問題が出題されますので、自身の選択にかかわらず回答しなければなりません。
ですが、教科書には載っていない・知らない知識であっても、自分の持ち合わせている知識と資料を照らし合わせて解くことが望ましいとの記載があるため、深刻に考えすぎる必要もないように思います。
公共・倫理・政治経済
次に公共・倫理・政治経済についてです。2025年から新しく追加されるのは「公共」のみですね。
2022年度から、高校では「現代社会」が廃止され、代替として「公共」が追加されました。
「公共」は,⼈間と社会の在り⽅についての⾒⽅・考え⽅を働かせ,現実社会の諸課題の解決に向け,選択・判断の⼿掛かりとなる考え⽅や公共的な空間における基本的原理を活⽤して,多⾯的・多⾓的に考察したり構想したりする過程を重視する。基礎的・基本的な概念や理論,考え⽅等を活⽤し,⽂章や資料を的確に読み解きながら考察する⼒を求める。
(『令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針』より引用)
大学入試センターからの引用です。
社会の課題について、理解・考察するために必要な概念や知識が求められるということですね。
まとめ
いかがだったでしょうか??
今回は来年度から開始される新課程の共通テストについてをまとめました。
要約してしまえば、どの教科にもデータや文献、グラフ等の資料を用いて考察を行う問題が追加されたという風にも考えられます。
新課程に追加される問題、特に情報などは、私たちの生活に関係する問題も多いです。受け身で学ぶのではなく、積極的に参加し、常に考えることを習慣化していきましょう!
普段と比較するとかなり長い記事になってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです!
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