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大学受験予備校・個別指導塾の「武田塾 溝ノ口校」です。
今回は、新型コロナウイルスの影響により入学試験の方式を大きく変更することに決めた2021年度の横浜国立大学の入試の結果と、それをふまえて2022年度の横浜国立大学の入試はどうなるのか説明したいと思います!
(この記事は2021年11月末に書かれています)
横国の2021年度の入試は?
みなさん参考書を探しに本屋に行くと必ず赤本がたくさん置いてあると思いますが、横浜国立大学2022の赤本だけ置いていないのはご存知でしょうか?
実は横浜国立大学は国立大学であるにも関わらず、2021年度の2次試験を実施せずに共通テストの点数だけで合格を決定するという判断を下しました。
2次試験が中止になった理由
2次試験が中止になった理由はもちろん新型コロナウイルスの影響です。
横浜国立大学は、当時の学長長谷部勇一氏の名前で、ホームページにて以下のメッセージを出しています。
横浜国立大学には例年、前期日程・後期日程合わせて7500人を超える出願があり、そのうち神奈川県外からの出願が5000人に及びます。個別学力検査を実施することは、その受験生に県域を越える移動を強いることとなり、受験生だけでなくそのご家族にも心配をおかけし、感染のリスクを高めることになります。また、現時点において個別学力検査を実施すると判断した場合でも、実施時期の感染状況によっては、直前になって実施内容の変更や実施自体が困難になることも想定されます。今年度の受験生の皆様には入試方法に様々な混乱があり、かつ大学入学共通テストにおいても受験日の選択(第一日程か第二日程)が迫られ、更に不確定要素が重なるという事態は避けたいと考えました。
本学としましては、全国の受験生にこれ以上の心配をかけず、安心して受験準備に集中できるよう、この決定に至ったことをご理解いただきたく存じます。
21年入試を取りやめた国立大学は他に宇都宮大学、信州大学の2校がありますが、この2校が中止を発表したのは共通テストが終わった直後の1月中旬でした。
対して、横浜国立大学のこのメッセージは2020年7月31日時点で出されており、受験生への混乱を避けるためにかなり早いうちに中止が決定されていることがわかります。
実は横浜国立大学が1次試験のみで合否を決定したのは今回が初めてではありませんでした。
東日本大震災が起きた2011年3月11日、横浜国立大学は12日に行われるはずだった後期試験の日程の延期を11日の夜遅くに発表しました。そして翌12日、実施日を17日にすると発表がされましたが、関東でも計画停電などの影響が続いていたため結局センター試験のみで合否を決めることになりました。
このときの判断の遅れによって受験生には大きく混乱を招いてしまったため、今回のような判断の速さにつながったものと考えられます。
2次試験を中止にした影響は?
はやい段階で二次試験の中止を決定した横浜国立大学ですが、その影響はどうだったのでしょうか?
志願者の減少
横浜国立大学の各学部の21年入試の倍率は20年入試の倍率に比べて以下のように変わりました。
前期
経済:4.3→2.5
経営:2.1→2.4
教育:2.3→2.2
都市科学:4.0→2.5
理工:3.5→1.8
後期
経済:12.5→6.8
経営:9.0→5.9
都市科学:8.6→5.8
理工:8.6→4.0
このように、前期の経営学部を除いて2次試験を中止にしたことによって志願者が大幅に減少することになりました。
ここまで志願者が減ったことには理由があります。
それは、共通テストの結果によってある程度自分が合格できるかどうかが簡単に判断できてしまい、二次試験による逆転を狙うことができないからです。
今まで横国は「センター試験で失敗しても挽回できる」というイメージがありましたが、それができなくなってしまったことで共通テストが不出来だった受験生が出願を敬遠したのだと考えられます。
ちなみに、大学全体の出願数は7581人→4189人と44.7%も減少しており、これは全国の国立大学で最も大きい減少幅となってしまいました。
大量の2次募集
志願者数が減少しただけではなく、横浜国立大学では以下の学科で異例の大量の2次募集をすることになりました。
- 機械・材料・海洋系学科
機械工学EP:24人
材料工学EP:1人
海洋空間のシステムデザインEP:募集なし - 化学・生命系学科
化学EP・化学応用EP:20人
バイオEP:3人 - 数物・電子情報系学科
数理科学EP:2人
物理工学EP:12人
電子情報システムEP:9人
情報工学EP:9人
これは、3つの学部で追加合格を出したのち理工学部の後期試験で26人の追加合格を出したにもかかわらず発生してしまった欠員を埋めるためのものであり、上記の3つの学科で合計80人もの2次募集を行うことになりました。
このような大量の2次募集をすること自体も異例ですが、これにはさらなる問題がありました。
この2次募集は一般選抜と同様に共通テストの点数のみで行われ、3月28日に募集開始、翌29日に締め切りました。
その結果、募集期間が2日しかなかったために大学窓口には1300人を超える受験生が殺到してしまったのです。
コロナの影響で2次試験を取りやめたにもかかわらずそのせいで発生した2次募集で大学に多くの学生を集めてしまったのは問題だったのではないでしょうか?
加えて、3月31日までに合格者を発表しなくてはならないと文部科学省が定めているにもかかわらず3月30日に追加合格者を発表してしまったことから、他の私立大学の入学を辞退する受験生が相次いでしまい、結果的に入学者が減ってしまった大学が発生してしまったという問題点もありました。
これに対して、当時の理工学部長は
個別試験を実施しなかったのは受験生の安全を第一に考えてのこと。しかし、今回このような結果になって受験生、保護者に大変ご迷惑をおかけした面もあるので、大変悔しいという思いはあります。今回の経験をもとに次年度にしっかりと入試に取り組んでいきたいと思います。
と述べており、コロナ渦という未知の状況での対応の難しさが伺えます。
2022年度の入試はどうなる?
文科省は7月末までに選抜要項を、募集要項を12月15日までに公表して原則として変更してはいけないと定めていますが、22年度入試では7月末時点で2次試験の中止を発表している国立大学は1校もないようです。
横浜国立大学も令和4年度(2022年度)横浜国立大学入学者選抜の変更についてによると22年度入試に関しては例年通り出題範囲、科目数に変更はなく例年通り2次試験を行うようです。
もちろんコロナ禍は依然続いており、今後情勢がどうなるかはまったく読めないため入試の時期に突然の変更がないとも言い切れませんが、基本的には2次試験はあるものと考えて勉強を続けても大丈夫そうですね。
おわりに
最近ようやく感染者数が収まってきたと思ったらまた新しい変異株が出てきたらしくまだまだ油断はできない状況になっていますね。
この先どうなるかわかりませんが、大学入試自体は必ずやってくるので毎日コツコツと勉強がんばっていきましょう!
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