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今回は、東工大数学2021の問題を考察していきます!
各問に対して難易度を5段階で評価します!
問1 難易度★★☆☆☆
問1は全5問の中で一番簡単なので、できればここは⑵まで落としたくないところです。
解説
⑴ 難易度☆☆☆☆☆
⑴は超簡単なので、ここで落とすようでは合格は厳しいでしょう。
k桁の整数の中で9を1つも含まない整数を数え上げればいいわけですから、最高位のみ1~8が入り他のk-1個の位は0~8が入ります。
よって
a_k=8*9^(k-1)
となります。
⑵ 難易度★★☆☆☆
⑵は不等式評価の問題なので問題文が何を言っているのかを理解しある程度見通しを立てないと厳しいですね。
これはどの問題にも共通して言えることですが、小問集合ではない場合⑴の問題は⑵以降のヒントになっている場合がほとんどです。
そのため、今回も⑴の答えを利用する形で見通しを立てていきましょう。
まず問題文で示されている和(S_kとおきます)は9を含まない自然数nに関してk桁の数まで1/nを足し合わせるというものなので
S_k=1/1+1/2+1/3+…1/8+1/10+…1/88888…88(8がk個)
となります。
このうち、nがj桁の部分について考えると
(S_kのnがj桁の部分)=1/10000…000(0がj-1個)+1/10000…001+…1/88888…88(8がj個)
となり、⑴の答えを用いて全部でa_j個の項があります。
これらの項の中で最も大きいのは最初の項なので、
(S_kのnがj桁の部分)<a_j/10^(j-1)=8*(9/10)^(j-1)
という不等式が成り立ちます。
よって、このjを1からkまで足し合わせればいいので等比級数の和より
S_k<8*(9/10)^(j-1)の1からkまでの和=8*(1-(9/10)^k)/(1-9/10)<8/(1/10)=80
となります。
問2 難易度★★☆☆☆
問2は楕円に内接する平行四辺形の問題で、計算は面倒ですが見通しは一番立てやすいと思います。
また、時間がない場合は途中点はもらえないかもしれませんが図形的な考察から計算を省略できます。
⑴ 難易度☆☆☆☆☆
ただの交点を問題なのでこれも落とせません。
Eとlの方程式を連立するとxの二次方程式になるので、判別式より
4*a^2-b^2+1>0
⑵ 難易度★☆☆☆☆
ベクトルPQ=ベクトルRS とするためには大きさと向きを一致させる必要がありますが、今回はどちらも傾きがaと決まっているので大きさだけ合わせればいいことになります。
大きさを合わせるためには普通PとQ、RとSの距離を求める必要がありますが、今回は傾きが等しいので大きさを合わせるにはx座標の差だけ合わせれば問題ありません。
よって、P,Q,R,Sのx座標をp,q,r,sとするとき q-p=r-sを解くことでa,b,cの条件を導くことができます。
ただし、この問題は図形的に考えると大きさが等しいときPQとRSは点対称なることは想像がつくと思うので、計算をせずそのままb>0かつb=-cという条件を出しても構わないと思います。
⑶ 難易度★★☆☆☆
⑵で平行四辺形になる条件を求めたので、⑵の条件を満たしつつ正方形となる条件を探します。
正方形となるにはOP,OQ,OR,OSの長さが等しく90度ずつずれていることが条件となるので、
OQ=(rcosθ,rsinθ)
OP=(rcos(θ+π/2),rsin(θ+π/2))
とおいて、Eの式に代入することでr,θを求めればいいことになります。
PQとRSは点対称なので、OPとOQの長さが等しく90度ずれている条件さえ与えれば自動的にRとSも決まります。
これより、r=2/√5、θ=π/4となります。
問3 難易度★★★★★
問3は数列の問題で、今年の大問の中では一番難しいと思います。
⑶は時間内に解くことは厳しいので捨て問です。
⑴ 難易度★☆☆☆☆
Cを階乗で表して式変形していきましょう。
(n+1)2nCn-1=(n+1)(2n)!/(n+1)!(n-1)!=(2n)!/n!(n-1)!=n(2n)!/n!n!=n・2nCn
となります。
また、nとn+1は互いに素なので、2nCnはn+1の倍数になります。
⑵ 難易度★★☆☆☆
数学的帰納法の問題です。
a_n>n+2を証明するには
a_n-(n+2)>0
を証明する方法と
a_n/(n+2)>1
を証明する方法がありますが、a_nは階乗で表される数列なので後者を選択します。
b_n=a_n/(n+2)=(2n)!/(n+2)!n!
とすると
n=4のとき
b_4=7/3>1
でありb_n>1を満たします。
ここで、k≧4のときb_k>1を仮定すると
b_(k+1)=(2k+2)!/(k+3)!(k+1)!
=((2k+2)(2k+1)/(k+3)(k+1))b_k
=((4k+2)/(k+3))b_k
>(4k+2)/(k+3) (仮定を使用)
ここで
(4k+2)/(k+3)-1=(3k-1)/(k+3)>0 (k≧4より)
であるから
b_(k+1)>(4k+2)/(k+3) >1
よって数学的帰納法よりn≧4のときb_n>1であり、a_n>n+2が証明されます。
⑶ 難易度★★★★★
n=1から順に入れていくと、n=2,3のときに素数になってそれ以降素数は出てこないことに気づきます。
よって、素数となるのはn=2,3のときのみであるとあたりをつけ、n≧4のとき素数ではないことを証明しましょう。
n≧4ということで、なんとなく⑵を使えそうな気がしますね。
背理法によって証明してみることを考えてみます。
n≧4のときa_nが素数であると仮定すると、a_n=(2n)!/(n+1)!n!の分子が(2n)!であることより2n+1以上の素数にはなりえないということがわかります。
a_nは素数ですから分子の階乗のかけ算の中で1つ以外はすべて分母の(n+1)!n!によって割り切られてしまい、決して2n×(2n-1)のような数が残ったりはしないのです。(a_n=2n×(2n-1)となった場合、a_nは2n,2n+1を約数にもってしまうので素数ではない)
よって、
a_n<2n+1…①
がいえます。
ここで、
a_(n+1)/a_n=2(2n+1)/(n+2)≧3 (n≧4のとき)
となることから
a_(n+1)≧3a_n (n≧4のとき)
nをn-1に変えて
a_n≧3a_(n-1) (n≧5のとき)
⑵の結果のnをn-1に変えたものを用いて
a_n≧3((n-1)+2)>2n+1 (n≧5のとき)…②
①②より、矛盾が発生するためa_nが素数であるという仮定が間違っており、n≧5のときa_nは素数ではない。
n=4のときは別途計算をし素数ではないことを示して、n≧4のときa_nは素数ではないと言えます。
問4 難易度★★★☆☆
⑴⑵は計算問題なので解いておきたい問題です。
⑶は少し難しいかもしれません
⑴ 難易度★☆☆☆☆
最初の問題文のFと⑴の問題文のFをそろぞれ式変形して一致するようにkを求めていきます。
ただし、ABCDは単位球面上の点なので
|a|=|b|=|c|=|d|=1であることに注意します。
最初の問題文のFに関して
F=2(AB^2+BC^2+CA^2)-3(AD^2+BD^2+CD^2)
=2(|b-a|^2+|c-b|^2+|a-c|^2)-3(|d-a|^2+|d-b|^2+|d-c|^2)
…
=-6-4(a・b+b・c+c・a)+6d・(a+b+c)…①
となります。
続いて⑴のFをkで割ったものに関して
(a+b+c)・(a+b+c-3d)
=|a+b+c|^2-3d(a+b+c)
=3+2(a・b+b・c+c・a)-3d・(a+b+c)…②
①と②を比べてk=-2
⑵ 難易度★★☆☆☆
⑴のFより、a+b+c=xとおくと
F=-2x(x-3d)
=-2x^2+6dx
となりxの2次関数としてみることができます。
そこで、Fをxで平方完成すると
F=-2(x-(3/2)d)^2+9/2
となるので、Fの最大値Mは
a+b+c=(3/2)dのときM=9/2
(ただし、単位球面上という条件を満たしたままa+b+c=(3/2)dとなれることを示しておく)
⑶ 難易度★★★☆☆
F=Mとなるとき
a+b+c=(3/2)d
であり、与えられたc,dを代入すると
a+b=(7/4,-√15/4,0)
となる。
よって、
|a+b|=2
となるが、
|a|=|b|=1
より
|a|+|b|=|a+b|
となる。それぞれのベクトルの大きさの和がそれぞれのベクトルの和の大きさと等しいということは2つのベクトルのなす角は0で同じ方向を向いているということなので、
a=b=(1/2)(a+b)
となる。
よって、
A=B=(7/8,-√15/8,0)
の1組のみ
問5 難易度★★★★☆
⑴は標準問題ですが、⑵は計算がだいぶややこしく難しいです。
⑶は東工大の積分計算としてはそこまで難しくなく、⑵を飛ばしてでも解いて部分点を稼いでおきたいです。
⑴ 難易度★★☆☆☆
y=x^2…①
と
x^2+(y-a)^2=a^2…②
が原点で接するときのaを求めます。
①を②に代入して
x^2+(x^2-a)^2=a^2
式変形して
x^2(x^2-2a+1)=0…③
よって③がx=0での重解となるとき
-2a+1=0
となるので
a=1/2
aがこれ以下のとき円はy≧x^2に収まるので
0<a≦1/2
⑵ 難易度★★★★☆
y=x^2-x^4上の点を媒介変数tを用いて
P(t,t^2-t^4)
円の中心を
Q(0,a)
とする。このとき、円がy≧x^2-x^4に収まる条件はPと円の中心の距離が円の半径以上であればいいので、任意のtに対して
PQ^2≧a^2…①
である。
u=t^2
として①を整理すると
u^3-2u^2+(2a+1)u+1-2a≧0…②
となる。よって任意のu≧0において②を満たすaの範囲を求めればよい。
②の左辺をf(u)とするとき
f(0)=1-2a≧0
より
a≦1/2…③
であるが、任意のxに対して
x^2>x^2-x^4
であるから、
0<a≦1/2
であれば⑴よりy≧x^2-x^4も満たす。
よって0<a≦1/2
⑶ 難易度★★★☆☆
y=x^2 - x^4 のグラフの概形を書いてみると、y=x^2 - x^4 を回転してできる立体(V1)から、半径aの球をくり抜いた体積(V2)を計算することになることがわかります。
aが小さければ球が丸々入りますが、ある程度大きくなると球がはみ出してしまうので、入っている部分だけの体積を計算する必要があります。
よってaの値による場合分けが発生します。
積分計算自体はそこまで難しくないので省略すると
V1=π/24
2a≦1/4のとき、すなわち0<a<1/8のとき球は丸々収まるので
V2=(4/3)πa^3
2a>1/4のとき、すなわち1/8<a≦1/2のとき球ははみ出るので
V2=(π/192)(12a-1)
となる。以上より求める体積Vは
V=V1-V2
おわりに
いかがだったでしょうか。
今年も東工大らしい重厚な内容でしたね。
3時間以内にすべて解ききるのは難しいですが、解けるところを確実に取っていけるように過去問を練習していきましょう。
【過去問分析】東工大数学2021を解説!難易度はどのくらい?
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