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大学験予備校・個別指導塾の武田塾 溝ノ口校講師の日比野です
実はもう一つのオリンピックが、この夏開催されていた…!
世界中が東京オリンピックで湧いている中、別の”オリンピック”が開催されていたことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。
それこそが、今回のブログのメインテーマでもある
”国際数学オリンピック”
です。
東京オリンピックでも連日のメダルラッシュに列島が湧いていますが、今年度開催された国際数学オリンピックでも出場した日本人選手6名全員がメダルを獲得するという快挙を達成しました。
なんと、その中には金メダルを受賞された方もいるそうです(!)
(その時のYahooニュース記事です)↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e6b9f70712b570acaf62fd4057c682ab0dffe1f
このように、日本人の活躍も目立つ数学オリンピックなのですが、実際はどのような競技大会なのでしょうか。
数学オリンピックとは
数学オリンピックとは、世界の多くの国の高校生以下の算数・数学好きな生徒を選び、コンテストを通して生徒を励ましつつその才能を伸ばすために、毎年7月に国際数学オリンピック(IMO)が1959年より各国持ち回りの上で開催されている、数学界のコンクール(コンペティション)です。
日本語で一口に”数学オリンピック”といっても、それは
日本数学オリンピック財団が開催する、日本数学オリンピック(JMO)
なのか、上述した
国際数学オリンピック財団が主催する、数学オリンピック(IMO)
なのか、というように、開催もとによっても異なります。
では、そもそも両者の違いはどのようなところにあるのでしょうか。
前者の日本数学オリンピック(Japan Mathematical Olympiad)は、”日本”と名前がついているので勘のいい方はお分かりになるかもしれませんが、日本国内における、数学オリンピックです。
しかし、そのすべてが国内で完結するかというと、実はそうではありません。
日本数学オリンピックの上位数%に入ると、国際数学オリンピックに日本代表として出場権利が与えられるのです。
裏を返せば、ここ日本から、日本代表として国際大会への出場を望むなら、まず日本数学オリンピックで上位に食い込む必要があるのです。
言うなれば、
日本数学オリンピックは、国際数学オリンピックの地区予選
といったところでしょうか。
それとは違い、国際数学オリンピックはしっかりとした出場資格が設けられています。
上述したように、各国内の予選(A国数学オリンピック)などで優秀な成績を収めたうえで、その国の代表に選出されなければならないのです。
また、各国の数学オリンピックで出題される問題よりも、難易度の高い問題が出題されます。
国際数学オリンピックに出場するためには
上述したように、国際数学オリンピックに出場するためにはまず日本数学オリンピックに出場しなければなりません。
では、日本数学オリンピックの出場資格を見ていきましょう。
応募資格:各年度1月時点で大学教育(またはそれに準ずる教育)を受けていない20歳未満の者。ただし、国際数学オリンピック代表資格は、日本国籍 を有する高校二年生以下の者に限る。
日本数学オリンピックの過程(国際数学オリンピック代表選抜までの過程)
1月:日本数学オリンピック予選(3時間で12題、全問答えのみ)
2月:日本数学オリンピック本選(4時間で5題、全問記述式)
3月:日本代表選抜訓練(合宿形式)
7月:国際数学オリンピック本選(4時間半で3題、全2日)
以上が例年の主な日程です。
一月の日本数学オリンピック予選で、全応募者約4000人から合格者役200人に絞られます。
また二月の日本数学オリンピック本選では、予選合格者約200人から、本選合格者20人へとさらに絞られます。
最後に、3月に行われる合宿(いわゆる春合宿)中に行われる選抜テストにおいて、本選合格者役20人から、国際数学オリンピック日本代表6名に選抜されます。
ここで、おもしろい記事があったのでご紹介します。
「JMO(日本数学オリンピック)本選までなら努力で行ける!?
数学オリンピックの勉強法,攻略法は別のページで紹介しています。それなりに数学が好きで時間をかけて正しい対策をすれば,JMO本選までは進める可能性が高いです。
ただし,JMO本選で結果を残し合宿まで参加するにはそれなりのセンスが必要だと思います。攻略法やコツだけでは国際大会でメダルを獲得するのは難しいです。発想力も必要になります。それが数学オリンピックの面白さでもあります。」
(以上、高校数学の美しい物語 https://manabitimes.jp/math/568 様より引用)
どんな問題が出題されるの? ~傾向と対策~
ここでは、日本数学オリンピックにおいてどのような問題が出るのかをお話ししていきます。
数学オリンピックと聞いて、とんでもなく難しい問題が出題されるのかとお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、意外にもそんなことはありません。
数学オリンピックで出題される問題は、高等学校学習指導要綱でいう”数学ⅠA”の範囲を用いれば解答可能なものがほとんどなのです。
(一部、高校では習わない関数方程式などの分野が出題されることもあるので、特別な対策は必要です)
では、実際にはどのような出題の傾向があるのでしょうか。
数学オリンピックで出題される問題には、以下のように4つの分類ができます。
1:代数(Algebra)
2:組み合わせ、離散数学(Combinatorics)
3:図形、幾何 (Geometory)
4:整数問題、数論(Number theory)
以下で、ザックリですが以上4つの分野の対策ポイントをお話します。
1:代数
方程式を解く問題や、関数の最大値・最小値などを考える問題が主に出題されます。この分野は多くの公式やコツがあり、勉強が点数に結び付きやすい単元でもあります。
2:組み合わせ、離散数学
多くの問題に通用するテクニックがあまりないため、勉強が得点につながりにくい分野です。予選は大学入試レベルの問題が目立ちますが、本選になるとグラフ理論など、より高度な内容を伴う問題が出題されます。
3:幾何、図形
図形的な性質に注意して解くのはもちろん、正弦定理や余弦定理、加法定理などを駆使して三角関数などを用いて計算していくことも重要です。この単元も経験がものをいう単元でしょう。
4:整数問題
まずは整数の基本的な考え方やテクニックを身に着ける必要があります。予選の問題は、有名事実や頻出事項の組み合わせで解ける問題が多いので、学習した内容がそのまま点数に結び付くことが多いです。しかし、本選ではより高度で本格的な問題が出題されます。
天才中学生の集い⁉ 日本ジュニア数学オリンピック
これまで、主に高校生程度の数学オリンピックについてお話してきましたが、それよりも比較的若い層のために行われる、
日本ジュニア数学オリンピック
というものも存在します。
こちらの大会の応募資格は、当該年度において、一月時点で中学三年生までの者が対象です。
また、この大会も高校生が対象の日本数学オリンピックと同様に、国際数学オリンピック日本代表の選考も兼ねて行われるので、前途有望な中学生が国際数学オリンピック出場をかけてしのぎを削ります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は数学オリンピックについてのあれこれを簡単にお話してきました。
色々お話しをしていく中で、数学オリンピックは皆さんが思っていたほどハードルの高くないものだとお思いいただけたと思います。
このブログを読んでいる高校二年生以下の方は、数学が得意であれば応募も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
数学オリンピックのための数学の勉強なんてこの世には存在しません。そこで培った知識や能力は、必ず大学受験やその後の人生においても有効です。
たとえ本選に進めなかったとしても、数学と本気で向き合った準備期間は、大学受験でも活きてくれることは間違いなしです!
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