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大学験予備校・個別指導塾の武田塾 溝ノ口校です。
今回は、国公立大学受験の特徴についてお話します。
国公立大学のメリット
こんにちは。武田塾溝ノ口校講師の日比野です。
皆さんは、国公立大学と聞くと、どのようなことを連想するでしょうか。
東京大学や京都大学などの日本(ひいては世界)を代表する旧帝国大学群、地方にお住まいの方は地元の国立大学(岡山県にお住まいの方は岡山大学、岐阜県にお住まいの方は岐阜大学など)、小数先鋭によるきめ細やかな教育環境、研究設備の充実性、そして何よりも年間にかかる学費の安さ
など、そのメリットについては枚挙のいとまがないほど思い浮かぶ方もいることでしょう。
特に、(私学や他の高等教育機関と比べると)少ない学費で、それぞれの専門分野をリードする教員から、少人数単位で教育を受けられるという
”ローリスク・ハイリターン”
なシステムは、多くの方々にとってとても魅力的ですよね。
参考に、文科省が平成30年度に公表した国立大学と私立大学の4年間分の学生納付金(学費)のデータを見てみましょう。
国立 242万5,200円 私立文系 352万3,655円 私立理系 486万1,811円
(いずれも入学金、私立は施設設備費込み)
このように数字にしてみると、如何に国公立大は負担する学費が少ないかが分かります。
また、医学部医学科や看護学部、薬学部や獣医学部など、他学部と比較しても専門性の高い学部や学科の場合、私学は高額な学費が要求されます(医学部医学科の6年間の学費総額は平均して約3,400万円)
しかし、国公立大医学部医学科の場合は、どの大学も約350万と、年間の学費は他学部と大差ありません。
リーマンショック以降、日本の一般家庭の平均年収額が落ち込んでいくなかで、
高度な高等教育を、それまでと変わらず(比較的)安価に提供している国公立大学のプレゼンスは、ますます大きくなっていくことでしょう。
国公立大入試の特徴
上述のように、国公立大学の人気は年を追うごとに高まっています。
しかし、大学側は国や地方自治体の財政状況の都合で、入学者定員を増やすことはそうそうありません。
では何が起こるのか。
そう、入学者選抜がより熾烈なモノとなるのです。
現在、国公立大学の一般入試においては、共通テストの受検が必須の上で、”分離分割方式”が取られています。
ざっくり説明すると、国公立大学の二次試験受験日程をそれぞれ
前期・中期(一部の公立大学のみ)・後期(一部の国公立大学のみ)
に分けて設定することで、受験者の受験する大学を分散させて、各大学の負担を少なくさせるというものです。
この方式により、受験生の特定大学への過度な集中が抑えられようになり、各大学は論述や記述など、採点に負担のかかる問題を中心として出題するようになりました。(その上で人気が集中する大学や学部は、共テの成績を用いて第一段階選抜を行い、その合格者にのみ第二次試験を実施します)
ちなみに、この方式が採用された当初は、「多くの受験者の国公立大学入学試験の受験機会を確保するため」であったそうですが、少子化が進んだ現在においては、多くの国公立大学が前期日程にのみ一般選抜を行うようになったので、当初の目的とは相反して、受験者側の受験機会の削減に繋がる結果となってしまっています。
記述・論述問題の難易度
なぜこのようなことをお話ししたかと言うと、国公立大学が出題する記述・論述問題は、記号問題や選択問題と比べても難易度が圧倒的に高いからです。
この場合の難易度とは、問題の問うている内容と言うよりかは、設問形式そのものの難易度のことです。
記号問題や選択問題の場合、その知識を持っているだけで点数がもらえることが多いですが、
記述・論述問題は知識の正確さは言わずもがな、それを採点者に過不足なく正確に伝える情報の取捨選択能力、論理的思考に則った文章構成力、漢字力などの総合的な日本語力も同時に試されるのです。
難関大においては、受験者のレベルから、知識面では知っていて当然、その上で以上の能力を試され合否の分かれ目となることが多々あります。
ゆえに、国公立大受験者は、必要となる知識の習得を他の受験者よりも早く終わらせ、記述・論述問題の対策を充実することが最も重要です。
教科・科目数の多さ(共通テストにおける)
上述したように、一般的には、凡そどの国公立大学の出願にあたっても必須となるものが、共通テストの受験です。
受験科目は志望大学・学部で若干の差があるものの、
国数英の三科目は文理共通で必須(文理共に同じ問題を解きます)、それに加えて理系は社会1科目(日本史・世界史・地理・倫政から)、文系は理科基礎2科目(物理・化学・生物・地学から)の受験が必須になることが多いです。
また、共通テストは主に基礎学力の定着を確認するために行われるので、人気のある国公立大学を志望する場合、多くは7割5分以上、
また旧帝大や医学部を志望する場合は9割以上の得点が必要とされます。(このレベルになってくると、共テの成績次第では二次試験を受験することができなくなる(第一段階選抜)ことも…)
受験科目が多い上に、全ての科目で高得点が必要となるので、受験者からするととても大きな負担になること間違いなしです。
各科目、早期の対策が必要なことは言うまでもないでしょう。
文系数学・理系国語攻略こそが最大のポイント
現在、多くの高校生が文理選択をするときに
「自分は文系科目、もしくは理系科目が得意か否か」
を争点化すると思います。(実際に自分もそうでした)
確かに高校1,2年の時点で、自分の将来におけるビジョンが明確に定まっている学生の方が小数ですよね。
そうなると、やはり文系には比較的文系科目が得意(理系科目が苦手)な学生が、理系には比較的理系科目が得意(文系科目が苦手)な学生が多くなります。
ここで、国公立大学(特に難関校)の受験における大きな特徴の一つをお話します。(すごく重要なので、詳しくお話します!)
それは、
文系でも二次試験に数学(1A2B)が出題され、理系でも二次試験に国語が出題される
ということです。
ここでこのような疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。
”さっき、共通テストでも文理共通で国語・数学が必要になると言っていたではないか! それと何が違うんだ!”
確かに、必要となる科目(国語・数学)自体は共通テストでも二次試験でも同じです。
しかし、”共通テスト”と”二次試験”では明らかに異なることがいくつかあります。
それは、試験自体の難易度と、総合得点における点数配分です。
二次試験における各科目の難易度
上述したように、国公立大学の二次試験は主に記述・論述問題で構成されます。
そして、その設問方式自体の難易度が高いこともすでにお話ししています。
ここでお話ししたいのは、”文系”数学だからと言って文系受験者用に極端に難易度が抑えられているわけではないし、”理系”国語だからと言って理系受験者用に極端に難易度が抑えられているわけではないということです。
これも各大学や学部の裁量により、文系数学は数Bを出題しないだとか、理系国語は古典を出題しないなどの措置はありますが、往々にしてどの大学・学部も出題する問題自体の難易度は下げない方針が入試問題から見て取れます。
中堅大学の文系数学でも、『標準問題精講』レベルの問題や解法はマスターしておくべきですし、難関大学になってくると、理系受験者からしても難しいと感じる問題が文系数学でも出題されます。
その例として、文理共通問題という設問をする大学があります。
東大の場合、文系数学においては多い年だと全4問中2問が理系と共通(また、その問題は理系数学のその年のセットの中でも最難問の問題が文系にも出題されることも…)ですし、理系国語においても、例年、評論文(第1問)、古文(第2問)、漢文(第3問)の素材文、出題される問題が全く同じです。
難関大学の入試問題なのだから、そもそもが一筋縄ではいかない問題が多いにも拘らず、文理共通で同じ問題を解かせるわけですから、受験生の負担も重くなるとは言うまでもないでそう。
二次試験における各科目の配点
各大学・学部で、共通テストと二次試験の配点比率は変わりますが、難関大学ほど二次試験の比率が重くなる傾向があります。
これは、上述したように、共通テストは基礎学力を主に問うている試験なので、大学側は独自に作成した二次試験に重きを置いて、個別に受験者に求めす能力を測ろうとしているのです。
例えば、東大文科を例にとると、共通テストの数学Ⅰ・Ⅱの満点換算は24点分ほどですが、二次試験の数学がその三倍ほどの80点満点が与えられています。理科における国語の扱いも同じです。
目指せバランス型!
今までお話ししてきたように、国公立大学の受験は、様々なステージ(共通テストや二次試験)において、他科目で高得点が要求されます。
裏を返せば、一科目でも極端に悪い点数を取ってしまったら、不合格になりかねません。
それを防ぐためにも、”得意科目で稼ぐ”戦略よりも、”得意不得意をあまり意識せず、他科目でまんべんなく得点する”戦略に切り替えましょう。
試験本番は、常に予想外の出来事が起こります。
皮算用をしていたところで、計画どうりに行かなくなることがほとんどで、逆に一つでも計算が狂うと、パニック状態に陥り他の科目でもうまくいかないでしょう。
それを防ぐには、得意科目に全ての運を賭けすぎないことが一番です。満遍なく全ての科目を対策して、リスクヘッジをしましょう。
また、難関大受験者は、得意科目で高得点を取ることは当たり前、いかにそうではない科目で足を引っ張らないようにするか(この場合、不得意科目でも平均点±10点辺りで納めたい)が勝負になってくるのです。
上述したように、一般的には文系受験生は国語や社会などの文系科目が、理系受験生は数学や理科などの理系科目が得意且つ高得点争いになるので、いかに
文系数学、もしくは理系国語
で点数を重ねるかが合否の分かれ目になるでしょう。
”文系だから、数学で点差はつかないよ。それよりも配点の大きい国語や英語に力を入れよう!”
こう考えている文系受験生も多いかもしれません。
もしその人が高三の受験期終盤なら、その手を用いて総合得点の最大化を狙うことも考慮すべきです。
しかし、まだ高校二年生や高三の一学期など、試験本番まで比較的時間がある場合は、得意科目に全振りするのは辞めましょう。
文系(理系)だからこそ数学(国語)が得意だと大きなアドヴァンテージになることを忘れてはいけません。
最後に
やはり、国公立大学はどの大学をとっても魅力的で、人気の高い学校ばかりです。
その為、受験段階では、その他の大学を志望したときよりも、必然的に負担は大きいものとなってきます。
しかし、国公立大学の入試問題は、
望んで努力したものが正当に評価される、とても公平な試験です。
ゆえに、受験生の頑張りは、必ず大学側に届くようになっています。
入学試験は、
”大学からの挑戦状でもあり、同時に大学からのラブレターでもある”
と言われるように、大学側からの、”こんな受験生に私たちの大学へ入ってほしい”と思われるように、日々の受験勉強を頑張りましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【受験勉強】国公立大学入試の特徴と、絶対に意識するべきポイント
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