こんにちは、武田塾水戸校です。
大学について調べていると、「リベラルアーツ」という言葉がたくさん目に入ります。
最近取り入れている大学が増えている分野なのですが、リベラルアーツって何のことか、皆さんは知っていますか?
今日は、最近話題の「リベラルアーツ」とは何を学ぶのか、について書いていきます。
リベラルアーツとは
近年の社会はいっそう複雑化しています。ある特定分野の専門知識が求められる一方で、幅広い知識を身につけ、異なる考え方やアプローチ方法が理解できるような総合力が求められています。リベラルアーツとは、さまざまな学問領域を自由にそして積極的に学び、実社会で活躍し豊かな人生を送ることができる総合力のある人間を育成することを目標とする学問分野です。
リベラルアーツの由来
リベラルアーツとは、もとは人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、生きるための力を身につけるための手法を指します。古代ギリシアで生まれ、やがて古代ローマに受け継がれ、言語系3学(文法・論理・修辞)と数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)で構成される自由7科(セブンリベラルアーツ)に定義されました。
現在のアメリカのリベラルアーツ・カレッジでは、少人数制による基礎的な教養と論理的思考力の習得に重点を置いた取り組みが行われています。 リベラルアーツ教育とは、基礎的な教養を形づくり、人としての根幹部分をつくる学びのことを指し、専門の学科や職業課程とは区別されるものなのです。
何を学ぶのか
社会で活躍するためには、実行力、判断力、論理性など多くの「力」を身につけることが大切です。リベラルアーツ学群は、人文科学、社会科学、自然科学、学際・統合科学の各領域の科目で構成されており、大学で学ぶほぼすべての学問領域を網羅しています。具体的には、外国語、文学、哲学、倫理、宗教、心理、教育、政治、経済、社会、歴史、国際関係、コミュニケーション、数学、物理、地学、生物、化学、情報、環境、メディアなど、さまざまな分野の学びに必要な科目が網羅されています。リベラルアーツを学ぶ学生たちは、この中から自分の興味や将来の目標に合わせて「自分が何を学ぶのか」を主体的に選択します。一つの分野の高度な専門性を身につける、異なる分野を同時に、幅広く学ぶなど多くの学びのスタイルがあり、可能性は無限に広がっています。
リベラルアーツ教育はなぜ必要なのか
今の社会は、過去と比較して多様な事柄に取り組まなければならず、ときには同時に対応することも求められます。このような社会では、幅広い総合的な知識と高度な専門性、的確な判断力と実行力を持つ人材が求められます。 そこで必要とされるのがリベラルアーツ教育です。必要な知識を広く取り入れ、様々な方向に応用できる知恵を育てること。基礎力や教養を身につけながら個別の学問分野の壁を越え、多様な知識に触れることで自ら課題を見つけ出し、広い視野で物事を判断できる力を養うこと。これが現代的なリベラルアーツに求められる教育だと考えられています。
リベラルアーツを学べる大学とその特色
国公立大学編
千葉大学国際教養学部
「国際」「日本」「科学」の混合(ブレンド)による新たな価値を創造するために、人文社会科学・自然科学・生命科学の分野を混合しながら、そのなかで課題を発見し、実践的に解決する過程を通じて、専門性を高めていきます。これは、人文社会科学、自然科学、生命科学をカバーする総合大学である千葉大学だからこその強みです。また、課題解決型教育として、従来からの発想を転換し、最初から決められた学問分野を出発点とするのではなく、課題認識からス タートし、その解決のための知識を選択・統合し、解決能力を育む教育を実践しています。
東京大学教養学部(前期課程)
学際性・国際性・先進性をキーワードとして、複数の領域をまたいで関心を持ち、異言語・異文化の環境に関与しながら、新しい分野を開拓しようという気概を持つ「越境する知性」の育成を目指しています。学べる領域は以下のとおりです。
・教養学科
変貌する世界に立ち向かう国際的な視野をひらく教育と研究を重視しており、対象とアプローチの異なる3つの分科(超域文化科学、地域文化研究、総合社会科学)から構成されています。「国際日本研究」コースでは、英語のみによる履修が可能となっています。
・超域文化科学分科
文化人類学、表象文化論、比較文学比較芸術、現代思想、学際日本文化論、学際言語科学、言語態・テクスト文化論の7コースで構成されています。
・地域文化研究分科
イギリス研究、フランス研究、ドイツ研究、ロシア東欧研究、イタリア地中海研究、北アメリカ研究、ラテンアメリカ研究、アジア・日本研究、韓国朝鮮研究の9コースで構成されています。
・総合社会科学分科
相関社会科学、国際関係論の2コースで構成されています。
・学際科学科
文理を問わず柔軟な思考と適切な方法論を用いて新しい課題に総合的な視点を持って対処できる人材を育成します。学際科学の内容を明確にするため、科学技術論、地理・空間、総合情報学、広域システムの4コースを設置しています。「国際環境学コース」では、英語のみによる履修が可能です。
・統合自然科学科
境界領域の科学から一歩進んで学問領域を自由に越境・横断し、自然科学知を統合しすることによって新たな領域を開拓する研究者を育成することを目的としています。深い数理構造の探究を網羅する数理自然科学、物質基礎科学、統合生命科学、認知行動科学の4コースと、およびスポーツ科学サブコースが設置されています。
国際教養大学国際教養学部
社会で直面する複雑かつ流動的な諸問題に対処する上で必要な多角的分析力と総合的判断力を養います。
さらに、学んだことを現実の課題発見・解決に結びつける仕組みを導入し、応用力と実践力を備えた人材の育成を目指しています。1学年175名、1クラス約18名の少人数制教育、海外50か国・地域200校の提携大学への1年間の留学義務づけなど、多くの特色を持つ学部になっています。入学後はまず、すべて英語で行われる授業を理解するための英語集中プログラム(EAP:English for Academic Purposes Program)で学びます。週約20時間のEAP授業で英語漬けの毎日を過ごし、4年間の学びに必要なツールとしての英語を習得するもので、大学生活のなかで、英語の講義を聞き、英語で考え、英語で意見を述べ、論文やレポートを書くという訓練を行っています。
横浜市立大学国際教養学部
豊かな教養と高い思考力、さらに、高い外国語運用能力と課題解決に向けた実践的な力を養う教育を展開し、多文化共生社会の実現や世界規模の課題、現代のさまざまな都市における諸課題の解決に貢献できる人材を育成します。
<教養学系>
多様な言語・宗教・民族・価値観の人々が共存する地域社会や、グローバル化する国際社会の複雑な課題を発見し、解決するための知識・能力を身に付けます。
<都市学系>
確かな思考力に基づいた、理論を実践に応用する力、他分野の知識を融合する能力、実践性の英語運用能力、クリティカル・シンキング、関係する人や組織を取り持つコーディネート能力を身に付けます。
私立大学編
国際基督教大学教養学部
国際基督教大学は、一学部一学科制です。そのなかに、文理合わせて31のメジャー(専修分野)を設け、幅広い学びを実現しています。入学時に専門を選ぶ必要はなく、入学後に一般教育科目や、各メジャーの基礎科目などを履修し、自分の関心ある分野を見極めた後、2年次の終わりにメジャーを決定します。メジャーには、文学、物理学、心理学などの伝統的な学問分野と、「平和研究」「アメリカ研究」などの問題解決型や地域研究型の学問分野があります。どの分野も、他大学の専門学部に相当する科目群を配置し、専門を系統的に学ぶことが可能です。メジャーは次の通りです。
美術・文化財研究/音楽/文学/哲学・宗教学/経済学/経営学/歴史学/法学/公共政策/政治学/国際関係学/社会学/人類学/生物学/物理学/化学/数学/情報科学/言語教育/言語学/教育学/心理学/メディア・コミュニケーション・文化/日本研究/アメリカ研究/アジア研究/ジェンダー・セクシュアリティ研究/開発研究/グローバル研究/平和研究/環境研究
メジャー制のもうひとつの大きな特徴は、経済学と文学などといった異なるふたつの分野を同時に組み合わせて履修する「ダブルメジャー(double major)」、さらには組み合わせる際の比率を変えた「メジャー、マイナー(major /minor)」という方法が可能であることです。学生のさまざまな関心に応じることのできるシステムが構築されています。
津田塾大学学芸学部国際関係学科
政治・経済などの視点に加え、歴史、文化、社会的背景も踏まえた多様な視点からアプローチする。国家、地域社会、民間企業、個人に起こるさまざまな問題を総合的に考察し、問題を深く理解する力を養い、ときには複数の学問の手法で世界が抱える課題への解決策を模索していきます。カリキュラムは、1年次から専門分野を視野に入れた基本科目と少人数セミナーを中心に大学での学び方を身につけ、2年次からは「グローバル・国際関係」「地域・文化」「国際日本」の3コースから選択し専門分野の学びを深められるものになっています。
上智大学国際教養学部
1年次は基礎教育、2年次後半からは3つ(比較文化・国際経営/経済学・社会科学)の専門分野から選択するプログラムで、専攻の科目に加え、英作文、批判的思考、パブリックスピーキングなどの科目が設定されています。世界のトップレベルの大学で研鑽を積んださまざまな バックグラウンドの教授陣が指導にあたり、高い外国語能力と卓越した専門的知見、異文化への繊細な感受性を身につけ、国際機関や多国籍企業などで活躍できるグローバル社会の担い手の育成を行っています
慶應大学環境情報学部・総合政策学部(SFC)
SFCでは、多様性のある一人ひとりの個性を尊重し、学生は教員や仲間とともに研究したり活動したりすることで、自分の興味に沿った学びが実現します。基礎から専門へと科目を配列していないため、学年にとらわれず、研究に必要なカリキュラムを柔軟に組み立てることができることも大きな特徴です。総合情報学部では、問題の本質を発見し、政治・法律・経済・社会・文化・テクノロジー・心と体など、さまざまな領域を取り込みながら、それぞれの問題の解決を目指すします。環境情報学部では、生命・心身の健康・環境とエネルギー・デザイン・防災やメディアなどの新しい課題に、社会科学の視点でアプローチし、変動する国際社会の未来を担うグローバル情報社会を創造するしていきます。SFCのカリキュラムは、以下のように大きく4つに分かれています。
基盤科目
学部を問わず、基礎を培うための科目です。「総合講座科目」「言語コミュニケーション科目」「情報技術基礎科目」「データサイエンス科目」「ウェルネス科目」があります。
先端科目
基盤科目を履修しながら「研究会」「卒業プロジェクト」へと導く科目です。「総合政策系科目」「環境情報系科目」があります。
研究会(1〜4年次)
SFCにおける活動の中心となるものです。「卒業プロジェクト」に向けて、学生と教員がともに考えながら多様な課題に取り組みます。
卒業プロジェクト(4年次)
「研究会」を中心とする学習の成果として、卒業論文の執筆や作品の制作などを行います
リベラルアーツは、ひとつの枠にとらわれず本当にたくさんの学びができるので、大学選びに悩んでいる方は、こういったところも検討してみるといいかもしれませんね。今回ピックアップした大学以外にも、リベラルアーツ教育を取り入れている大学はたくさんあります。
「教養学部」「総合政策」というワードを手掛かりにして、調べてみて下さい。
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