こんにちは。
武田塾姪浜校のタカキです。
本日は筑波大学の入試にも採用され、近年注目度を増している「ビブリオバトル」におすすめする書籍をご紹介していこうと思います。
以前書いた『高校生が読むべき本 9撰』も合わせて読んでみてくださいね！
【武田塾姪浜校 人気記事】
ビブリオバトルって何？？
ビブリオバトルって何？？
ビブリオバトルは2007年に京都大学の研究室ではじまり、広まっていった輪読会、読書会です。
2016年に一般社団法人ビブリオバトル協会が設立され、
中学生・高校生向けの全国大会が開かれたり、
筑波大学の情報学群の推薦入試の方式として採用されたりと
近年注目度が増してきています。
ビブリオバトルって何するの？？
１、参加者が自分が好きな本を持ち寄る
２、１人５分でその本をプレゼンする
３、それぞれの発表後に2-3分で質疑、ディスカッションを行う
４、参加者は１人１票持ち、参加者全員のプレゼンが終了後、読みたくなった本に投票する
５、一番得票した本をチャンプ本とする
といった内容になっています。
最近は書店に行くと帯に「第〇回 ビブリオバトル チャンプ本」といった内容で
販促されていることもよく目にするのでぜひ本屋で探してみましょう。
持ち寄る本は基本的にどんなジャンルの本でも良く、
条件は発表者がその本を「好き」であることとなっています。
ビブリオバトルは入試と関係ある？？
現時点では、ビブリオバトルを受験に採用している大学は、前述の通り、
筑波大学情報学群知識情報図書館類の推薦入試くらいしかありません。
そのため、ほぼほぼの生徒にとってはビブリオバトルは入試と無関係といえるでしょう。
しかし、昨今の大学入試の傾向として、
総合型選抜や推薦入試の重要度や存在感は増加しています。
また、単純な学力を測るのではなく、プレゼンテーションを基軸とした
入試も年々増加していますので幅広い分野に興味をもつことは大切だといえるでしょう。
【ビブリオバトル】高校生におススメの小説
ビブリオバトルにおススメの小説
以下、紹介する小説は中学生でも読める内容の本です。
ビブリオバトルのみならず、学校での朝の読書会等で読む本に迷ったときの参考にしてみてくださいね。
１、村上龍 『希望の国のエクソダス』
「この国には何でもある。ただ、『希望』だけがない」
この小説の単行本が出版されたとき、村上龍は中学生に期待し希望を託しているのか、などという馬鹿げた批判があった。わたしは中学生の反乱を通して、現在の日本社会の危機感と適応力のなさを示したかっただけで、中学生であれ、誰であれ、期待などしない。――文庫版あとがき より
中学生が経済が停滞する日本の現状に疑問を抱き、ネットビジネスを開始して、日本の経済・政治に大きな影響を与える、という作品です。
刊行されたのが2002年なので、まだスマホも無ければyoutubeもない、インターネットがようやく一般的なものとなってきたかな、くらいの時代の作品です。
そういった意味で旧さは感じてしまうかもしれませんが、日本が抱えている矛盾や停滞感は今も変わらないし、
何よりそれを中学生という本来であれば学校に縛られている存在によって翻弄され変わっていく社会を見ることはワクワクさせられます。
２、伊坂幸太郎 『ラッシュライフ』
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
以前、【高校生が読むべき本 9選】でもご紹介したのが『ラッシュライフ』です。
最初は全く関係のない登場人物たちの人生が、予期せぬところで交差することで様々なドラマが生まれます。
バラバラのピースがはまっていって読後に一枚の絵になっているような感覚は、
小説ならではだと思いますし、これまで小説をあまり読んでこなかった生徒にもおススメしたい一冊です。
３、恩田陸 『Q and A』
Q(question) と A(answer) だけで物語が進行していき、慣れるまでは不思議なものを読んでいる感覚になります。
大型商業施設での死傷事故を取り巻く話なのですが、群集心理について考えさせられる作品です。
一度読んだ後、再度読み直すことで同じ事象でも違った捉え方をしてしまうかもしれない作品となっています。
４、森見登美彦 『有頂天家族』
面白主義の狸・矢三郎の毎日は、頼りない兄弟たち、底意地悪いライバル狸、人間の美女にうつつをぬかす落ちぶれ天狗とその美女によって、四六時中、波乱万丈! 京都の街に、毛深き愛が降る。
主人公は狸です。
この筆者の作品は京都が舞台であることが大半なのですが、この作品も京都が舞台です。
家族愛とか兄弟愛とか師弟愛とか、また狸ならではの「食うものと食われるもの」との変わった愛などなど、
狸が主人公の不思議な作品で、ファンタジー的であるからこそ普遍的なテーマがスッキリと胸に落ちる、
素敵な作品となっています。
5、誉田哲也 『武士道シックスティーン』
宮本武蔵を心の師とする剣道エリートの香織。
3歳ではじめた剣道に朝から晩まで打ち込み、負けることが大嫌いな彼女は、中学最後の大会で無名選手の早苗と対戦する。
早苗に真正面からメンを決められ、負けてしまった香織。敗北の悔しさを片時も忘れられなくなってしまった。
日本舞踊をやめ、中学から剣道を始めた早苗は重心を下にした柔らかな動きでみるみる成長するが、楽しさを求め勝敗には固執しない「お気楽不動心」。
相反する二人が同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。
剣道部を舞台にした16歳（高校１年生）の２人の女子生徒を主人公にした青春小説の傑作です。
高校生ならではの悩みや喜びなど共感しやすいことも多いのではないでしょうか。
また、高２期を描いた『武士道セブンティーン』、高３期を描いた『武士道エイティーン』、卒業後を描いた『武士道ジェネレーション』など
シリーズ化しているので自身の成長に合わせて読んでも非常に面白いと思います。
出来るだけたくさん本を読みましょう
「いざ受験」となる高校３年生になると勉強に追われてしまって、本を読む機会は減ってしまいます。
高校１年生、２年生の間は比較的時間もありますし、
学校で朝読書の時間が設けられているケースも多いでしょう。
多感な中学生、高校生の時期に出会った本は、一生忘れることはありません。
ぜひ、この記事をきっかけに一人でも多くの生徒が本を好きになってくれると嬉しいです。
また、受験的にことに触れておくと、
活字を読んだ経験の少ない生徒はどうしても勉強の進捗や効率が落ちる傾向にあります。
参考書で学習を進めていくと、どうしても文章を読まないといけません。
授業を聞いても自学自習の時間は絶対に活字を読み、内容を理解する必要が出てきます。
活字を読む能力は一朝一夕で身につくものではないので、
まずは楽しい、面白い小説からで良いので「読む力」を身に付けておきましょう。
ご不明点がございましたらお気軽にお問合せください。
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