こんにちは。
世田谷区の明大前駅から徒歩3分!
個別指導の大学受験予備校武田塾明大前校です。
明大前校塾生は、世田谷区、杉並区、新宿区、渋谷区、港区、調布市、三鷹市などをはじめ、江東区からも通塾しています。
武田塾明大前校には、東京大学・一橋大学・東京医科歯科大学・筑波大学・横浜国立大学・千葉大学・首都大学東京(東京都立大学)・埼玉大学・東京工業大学・東京外国語大学・お茶の水女子大学・横浜市立大学・東京農工大学・東京学芸大学・電気通信大学・東京海洋大学などの国公立大学をはじめ、
早稲田大学・慶応義塾大学・国際基督教大学・上智大学・東京理科大学といった難関私立大学や、GMARCH(学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)に逆転合格を目指して通っている生徒が数多く在籍しています!
【高校化学】化学平衡の仕組みって?エントロピーってなに?
はじめに
今回のテーマは、「化学平衡」です。
化学平衡とは、
”正反応と逆反応の反応速度が等しいために、見かけ上反応が停止しているように見える状態”
のことをいいますよね。
でも、なぜこんなことが起こるのか考えたことはありますか?
自然の摂理として、反応はエネルギー的に安定な方向へと進みます。
でもそれだったら、反応が言ったりきたりするのっておかしくないですか?
例えば、黒鉛が燃えると酸素と反応して二酸化炭素が生成しますが、
二酸化炭素が黒鉛と酸素に戻ることってありませんよね。
今回は、”平衡がなぜ起こるのか?”について取り扱っていこうと思います。
”安定化”には2種類ある!
世の中の反応は、よりエネルギー的に安定な方向へと進みます。
この”安定”を支配する指標が実は「2つ」存在しているんです。
結論から言うと、この双方の安定化の方向が異なっている反応系において平衡状態が生じるというわけです。
そしてこの2つというのが、「エンタルピー」と「エントロピー」です。
ここからは、「エンタルピー」と「エントロピー」について、おおまかに説明したのち、
「エンタルピー的に安定」「エントロピー的に安定」とはどういうことかを見ていきましょう。
エンタルピー・エントロピーを定量的に扱える必要は全くありませんから、
安定化の仕組みだけ理解できればOKです。
「エンタルピー」ってなに?
エンタルピーとは、その状態がどれだけ熱をもっているかという指標です。
等圧過程においては、エンタルピー変化は外部との熱のやりとり、すなわち反応熱に一致します。
ゆえに、「エンタルピー的に安定=反応熱が生じる方向」ということを押さえればOKです。
「エントロピー」ってなに?
エンタルピーは反応熱という、高校化学において既知の内容で説明できました。
これに対し、エントロピーは新しい概念です。
エントロピーとは、「乱雑さ」を表す指標です。
無秩序であるほどエントロピーが大きく、秩序だっているほどエントロピーは小さくなります。
身近な例でイメージを掴んでみましょう。
例えば、きちんと整理整頓された部屋の状態はエントロピーが小さく、
ちらかっている状態はエントロピーが大きいと言えます。
そして、「エントロピー的に安定=エントロピーが大きい=より乱雑」です。
つまり、放っておくと部屋が散らかるのはエネルギー的に安定な方向に進んでいるからなんですね。
これを、分子のレベルの話にすると、
”自由な分子の数が多い”
とか
”分子の運動可能領域が広い”
ことをエントロピーが大きいと定義します。
実際の反応を見てみよう!
有名な平衡反応を例にして、エンタルピー・エントロピーを見てみましょう。
二酸化窒素と四酸化二窒素の有名な平衡反応です。
二酸化窒素は赤褐色気体、四酸化二窒素は無色気体であることも頻出ですね!
この反応において、エンタルピー・エントロピーの両方の視点から
安定な方向が正反応か逆反応か見てみると・・・
エンタルピー的には、当然反応熱が正となる方向、
つまり正反応が安定化方向だとわかります。
エントロピー的には、気体分子数が大きくなる方向が安定です。
よって逆反応が安定化方向です。
どちらの視点かで安定化方向が逆になっていますよね。
つまり、エンタルピー的な安定化度合いと、エントロピー的な安定化度合いが
丁度釣り合うタイミングが平衡状態といえるのです。
発熱 or 吸熱を判断できる!
平衡の仕組みを知っておくと、
平衡反応が発熱反応なのか吸熱反応なのかを判断できます。
これも具体例でみていきましょう。
さっきと同じ反応ですが、
今回は反応熱がただ q とだけ書かれています。
今までの知識を用いると、qが正か負かを判断できます。
さきほど、平衡状態が生じるには、
エンタルピー的な安定化方向とエントロピー的な安定化方向が
逆になっている必要があるといいました。
この反応においてエントロピー的な安定化方向が逆反応なのは反応式からわかります。
ゆえに、エンタルピー的な安定化方向は正反応でないと困るわけです。
よって、正反応が発熱、つまり q>0 と判断できます。
他の場合のエンタルピー・エントロピー
エンタルピー・エントロピーはさまざまな状況で変化します。
ここでは少しだけですが簡単に紹介します。
気液平衡
エンタルピー的には凝縮方向が安定化(発熱方向)。
エントロピー的には蒸発方向が安定化(自由な分子が増える)。
濃度勾配
エントロピー的には濃度勾配が小さくなる方向が安定化。
生体内では、能動輸送により水素イオンの濃度勾配を作り出し、
水素イオン濃度差を諸反応の駆動力とすることもしばしば。
おわりに
エンタルピー・エントロピーから平衡を説明しました。
これでもう、平衡反応の発熱・吸熱は間違えませんよね!
とはいえ、ここで述べたのは簡単な内容なので、
もっと知りたいという方は”ギブズの自由エネルギー”などを検索してみると良いでしょう。
無料受験相談で悩みを解決し、志望校合格を目指そう!!
武田塾明大前校では無料受験相談を行っています。
「勉強のやり方がわからない、、」
「どの参考書を使えばいいのかわからない、、」
「授業を受けても意味ない気がする、、」
受験に関するあらゆる悩みに、無料で個別アドバイスをさせていただきます。
無料受験相談のお問い合わせは↓からお願い致します。