こんにちは!
武田塾丸亀校講師の和泉です。
岡大教育学部で数学を専攻している私から、今日は新課程の高校数学について解説していきます!
今の高校2年生から変更となっているので、今の1.2年生は是非見てみて下さい!
大まかな変更点
数学Cの復活(2014年以来)
一番大きな変更としては、数学Cが復活するということです。
数学Cに含まれる内容としては次のものが挙げられます。
・ベクトル
・平面上の曲線と複素数平面
・数学的な表現の工夫
数学Bの変更内容
数学Bも内容が変更となっています。
まず取り扱う内容としては次のものです
・統計的な推測
・数列
・数学と社会生活
大きな変更点としては、統計的な推測(旧課程:確率分布に近いもの)の必須化されたことにあります。
またベクトルが先述した数Cに移動します。
数学Aの変更内容
内容として扱うものは次の通りです。
・場合の数と確率
・図形の性質
・数学と人間の活動
「整数の性質」から「数学と人間の活動」へ名称が変更されます。
「数学と人間の活動」の中に整数の内容が含まれるため、受験における整数の重要度はやや下がりました。
細かい変更点
その他細かな変更点を挙げていきます。
数学Ⅰ・数と式
「有限小数・循環小数」が、数学Aの「整数の性質」から移動しました。
数学Ⅰ・データの分析
「四分位範囲、箱ひげ図」が中学範囲に移動しました。
「仮説検定の考え方」「外れ値」が新しく追加されます。
数学A・場合の数と確率
「期待値」が数学B・確率分布から移動しました。
「頻度確率」が新しく追加されます。
数学B・統計的な推測
区間推定、仮説検定が追加されます。
有意水準が追加されます。
数学B・数学と社会生活
新設ですが、以前は「数学活用」にあった内容です。
おそらく受験とは大きく関係がないものと思われます。
数学C・数学的な表現の工夫
こちらも新設です。
離散グラフや行列を扱います。
共通テスト、大学一般入試の変更点
新課程変更に伴い、共通テストや一般入試にも変更が生じます。
共通テスト
数学ⅠA
選択問題が廃止され、全4問固定となります。
第1問:数と式・図形と計量
第2問:二次関数・データの分析
第3問:図形と性質
第4問:場合の数と確率
第2問は変更がありません。
第3.4.5問が選択問題でしたが、図形と確率が必答に変更されます。
受験で数学を使うのが共通テストのみの場合、整数の勉強はしなくてよくなりました。
数学ⅡB
出題内容は数ⅡBCとなります。
第1問:三角関数
第2問:指数関数・対数関数
第3問:微分積分
第4問:数列
第5問:統計的な推測
第6問:ベクトル
第7問:平面上の曲線と複素数平面
第1~3問は必答、第4~7問から3問解答となります。
また試験時間が60分から70分に伸びます。
単純に試験時間が伸びるうえ、分野数も多くなるため負担が大きくなっています。
文系で数学が苦手な人は早めの対策が必要になってきます。
二次試験
整数分野、統計分野は出題すると発表している大学もあれば、出題しないと発表している大学もあります。
ベクトルは基本どの大学も出題します。
数学Cは理系のイメージがありますが、文系でもベクトルだけはする必要があり、科目的にややこしくなりました。
参考書における変更点
入門問題精講ⅡBにベクトルが含まれていないため、文系でも数学ⅢCの入門問題精講を買う必要があります。
やさしい高校数学も入門問題精講と同様です。
基礎問題精講は、数ⅡB+ベクトルとなっているので、文系は数ⅢCを購入しなくてOKです。
入門問題精講も同じであればよかったのに…と思うところです。
個人的見解
共通テスト
文系は平面上の曲線と複素数平面以外の3題を選択するのがおすすめでしょう。
理由としては、平面上の曲線と複素数平面はもともと数Ⅲで、内容がほかに比べれば難しく、二次曲線や極方程式など、内容が多岐に渡るためです。
また、二次試験に数学を使う場合でも、複素数平面は出題範囲にふくまれないのも理由の1つです。
理系は自分の得意不得意に合わせて選択すればいいでしょう。
ただ数列、ベクトル、複素数平面の二次試験出題率は今まで通り高いと思うので、この3つが良いのではないかと個人的には思います。
数学ⅠAでは、確率、整数、図形から2題選択だったので、苦手範囲を避けることができましたが今後はそうはいきません。
確率、図形で固定となったのでいずれか、または両方が苦手な場合は必ず対策するようにしましょう。
共通テストだけに限れば整数の勉強をする必要はなくなりましたが、二次試験で数学が必要な場合、大学によっては出題される可能性があります。
検討している大学の受験科目だけでなく、出題範囲も必ず調べておきましょう。
複素数平面分野は、共通テストとして過去問が存在しません。
なので今後出てくるであろう新課程共通テスト対策の参考書をやっておきましょう。
過去問がないので、複素数平面を選択しないというのもアリかなと思います。
二次試験
いままでと概ね変わらないだろう、というのが個人的意見です。
統計的な推測が共通テストでは必須となりましたが、統計はデータの分析と似る部分があり、現行過程でデータの分析が多く出題されなかったのと同様に統計的な推測も多く出題されることはないだろうと予想しています。
ただ、統計は特に理系学部ではよく使う学問なので、大学側としては理解していてほしいという意図から、出題される可能性もあると思います。
そもそも統計の二次試験過去問が存在しないので、大学独自の特別な対策で差がつくことはないので、あまり気にしなくても良いのではないでしょうか。
後述:新課程について思うこと
ここは教育学部に属する身として、完全に余談です。
高等学校学習指導要領における目標の変更に伴い、各科目の内容の変更があるのは当然であると思いますが、学生の負担が大きくなりすぎていることには少し疑問があります。
学習指導要領には「数学のよさを認識し積極的に数学を活用しようとする態度、…を養う。」とあるのに、こうして学生の負担を増やしていくと、近年問題視されている数学離れがより進行していくと思います。
科目ごとの必要性、重要性に応じて負担を軽くしていくことも必要なのではないかと考えます。
もし新課程について詳しく知りたい方はこちらをご確認下さい!
https://www.chart.co.jp/subject/sugaku/suken_tsushin/91/91-1-2.pdf
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