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【入試制度シリーズ】総合型選抜についてもっと詳しくなろう!

みなさんこんにちは!

武田塾丸亀校の三好です。

共通テスト:社会 (1)

前回の記事で大学入試制度のことについてお話ししました。

これをみた生徒から「総合型選抜についてもっと詳しく教えてほしいです」という声が・・・!

 

そこで今回は総合型選抜入試について

私の出身大学・関西学院大学を例に紹介していきたいと思います!

 

総合型選抜(旧AO入試)とは

総合型選抜(旧AO入試)とはそもそもどういうものなのか深掘りしてみましょう。

 

AOの意味

AO=Admissions Office(入学管理局)の意味です。

 

「入学管理局によって行われる入試」という意味なのですが、日本においてこの本来の意味は失われています。

 

生徒の人物像を大学側が求める学生像と照らし合わせ、それが適っているかで合否判定を行う試験

 

という認識をもっておけば良いでしょう。

 

文部科学省による説明

次に総合型選抜の本質を探るため、文部科学省の資料を見ていきましょう。

 

※出典:大学入学者選抜関連基礎資料集 第4分冊 (制度概要及びデータ集関係)

https://www.mext.go.jp/content/20210629-mxt_daigakuc02-000016365_7_1.pdf

 

○総合型選抜(AO入試)

(概要) 詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等組み合わせることによって、

入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。

①入学志願者本人が記載する活動報告書、大学入学希望理由書及び学修計画書等を積極的に活用

②入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・ 総合的に評価・判定する。

(中略)

③「見直しに係る予告」で示した評価方法等*

又は大学入学共通テストのうち少なくともいずれか一つを必ず活用。

*例えば、小論文等、プレゼンテーション、 口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、 資格・検定試験の成績等

 

 

文部科学省に係るところによると以下がポイントです。

・生徒の人物像を「多面的・ 総合的に評価・判定する」ため、「書類審査と丁寧な面接等を組み合わせ」た試験制度

・「小論文等、プレゼンテーション、 口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、 資格・検定試験の成績等」又は「大学入学共通テスト」のいずれかを使用

 

つまり総合型選抜とは、

「書類や面接を通じて人物像を直接見つつ、学力の要素も必要となる試験」

ということが分かります。

 

1

試験の時期・合否発表

文科省発表では出願時期・合否発表の時期にも言及されています。

 

出願期間:9月1日~

合否発表:11月1日~

(学力検査を課す場合の試験期日は 2月1日~3月25日)

 

こちらは前回のブログでも述べたとおり、

他の受験方式に比べて早期に合否が決まるのが特徴です。

 

2

年々増えてきている総合型選抜入試

大学入試と言えば一般入試・推薦入試が一般的だと思われています。

しかし文部科学省の発表によると総合型選抜を取り入れている学校数は年々増加しています。

 

※引用

令和3年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要

令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要

 

総合型選抜の実施数

年度

国立

前年増加率

公立

前年増加率

私立

前年増加率

H31

70.7%

-

34.4%

-

84.0%

-

R2

73.2%

2.5%

39.1%

4.7%

86.0%

2.0%

R3

76.8%

3.6%

40.0%

0.9%

90.8%

4.8%

R4

78.0%

1.2%

40.0%

0.0%

91.4%

0.6%

 

全入学者に占める総合型選抜入学者数比率

 年度

国立 前年増加率 公立 前年増加率 私立 前年増加率
H31

4.1%

- 2.8% - 11.6% -
R2 4.2% 0.1% 3.3% 0.5% 12.1%

0.5%

R3 5.5% 1.3% 3.8% 0.5% 14.7%

2.6%

R4

5.6% 0.1% 3.8% 0.0% 15.7%

1.0%

 

このように国公立・私立大学を問わず実施数・入学者数比率は年々増加しています。

特に私立大学では90%以上の大学が総合型選抜を実施しており、入学者数は15%以上を占める結果となっています。

 

総合型選抜は「変わった入試」というイメージが多いのですが、決して特殊な入試方式とは言えなくなってきているのです。

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具体的な事例を見ていこう

では実際の選抜例を元に対策を考えてみましょう。

 

今回取り上げるのは阪神・近本選手の出身校であり、私の母校で卒業学部でもある関西学院大学・文学部を見ていきましょう。

 

 

関西学院大学の総合型選抜2023

関西学院大学には総合型選抜にも4種類あります。

 

・探求評価型入学試験

・グローバル入学試験

・学部特色入学試験

・スポーツ選抜入学試験

 

その中でも今回は「学部特色入学試験」を見ていきます。

(近本選手はスポーツ選抜入学試験で入ったのかな?)

 

学部特色入学試験

関西学院大学文学部の学部特色入学試験についての概要です。

 

 

アドミッションポリシー

関西学院大学アドミッションポリシー

 

関西学院大学文学部は、本学のスクールモットーである“Mastery for Service(奉仕のための練達)“の精神を踏まえ、

人間の本質を追究するために深い学識と広い視野を養う学びの場です。

文化や歴史、心理、文学や言語の教育研究を通じて、人間存在の営みの本質や現代的・普遍的な課題を追究します。

 

本学部では、このような考えに基づいて、学部特色入学試験を実施します。

この入学試験では、英語4技能の検定試験のスコアを用いることで一般学力試験と同等レベルの知識や技能を評価するとともに、

論述・小論文形式での筆記審査、面接(口頭試問含む)を通じて、

「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力」「人間性」を多面的・多元的に評価し、本学部で学ぶにふさわしい意欲あふれる人を求めます。

※引用元:https://onl.sc/TgpKmRh

 

最初にも説明しましたが、

総合型選抜は「書類や面接を通じて人物像を直接見つつ、学力の要素も必要となる試験」です。

 

このアドミッションポリシーからもその仕組みが見受けられます。

 

【アドミッションポリシーから読み取れる内容】

・英語4技能の検定試験のスコアが必要

・論述・小論文形式での筆記審査がある

・面接(口頭試問)が行われる

 

3

 

募集人員

・若干名

 

かなり少ないことが予想されます。

狭き門ですね。

 

出願資格

・合格した場合は本学に入学することが条件

・高校卒業・見込み(高卒認定等も含む)

・大学指定の英語資格・検定試験(4技能)のスコア

※ CEFR B1レベル以上を有する者

 

総合型選抜の特徴上、合格すれば必ず入学しなければなりません。

そのため第1志望であることが条件です。

 

英語資格は英検であれば2級以上の取得が目安となります。

CSEスコアの基準も設定されていますが、受けた級によって基準得点が異なるので注意しましょう。

 

提出書類

・調査書

・自己推薦書

・学びの計画書

・英語資格・検定試験のスコア表もしくは合格証

※自己推薦書・学びの計画書:https://onl.sc/bmTMDDJ

 

自己推薦書は高校時代の頑張りと自己アピールをする書類です。

これまでの自分を見てもらうための書類ですね。

 

学びの計画書は大学4年間で学習したい内容を具体的に記述し、大学のプログラムをどのように使って習得していくか、卒業後はどう活かしていきたいかを記述するものです。

関西学院大学だからこそ入学したいという意思を示す書類ですね。

 

このように、関学の総合型選抜では、高校~大学卒業までの一貫したビジョンを描けているかを求められています。

・高校・大学・卒業後というビジョンを描けているか

・高校時代にどのような活動をしてきたのか

・関学で何が得られるから進学したいのか

・関学で得られることが将来の自分にとって必要なものか

 

4

 

審査内容

・第一次審査

書類審査、筆記審査(英語題材論述方式、日本語小論文)

 ※英語題材論述方式の問題:https://onl.sc/keV7uJH

 

・第二次審査〈第一次審査合格者のみ〉

面接審査(口頭試問含む)

 

英語題材論述方式は記述方式の英文読解及び資料読み取り問題です。

関学の一般入試では問われない形式で、比較的国公立大学の2次試験に近い問題形式となっています。

また英作文の問題もあるので対策をしていないと一般入試の対策では対応出来ない問題です。

 

先述した自己推薦書や学びの計画書だけでなく、学力や自己表現力も評価対象になっていることがわかります。

 

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対策を考えよう

ここまでの内容から対策すべき点をピックアップします

 

大きく3つです。

・将来のビジョンを描けるようになること(書類審査)

・学力的な対策(筆記試験)

・自分の考えを論じる力を身につけること(筆記試験と口頭試問)

 

将来のビジョンを描けていること

将来のビジョンを描くためには自己理解が不可欠です。

 

自分は将来何をしたいのか。

そのためには何のスキルが必要なのか。

それはこの大学でどのようにして習得できるのか。

 

それらを明確にすることが大事です。

そしてその後に、その内容に一貫性があるのかを吟味しましょう。

学力も人物像も両方問われる (4)

学力的な対策

英検2級以上に加えて、問題内容も記述式がでるなど難易度が高いのが特徴です。

昨今のトレンドに加えて、関西学院大学は元々英語教育に力を入れている大学でもあるので英語のスキルは重要視されています。

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自分の考えを論じる力

筆記試験でも面接でも問われるのが自分の考えを論じる力です。

 

筆記試験では与えられた情報を読み解くだけでなく、自分の考えを述べるだけの知識も必要となります。

面接では自分の考えを、一貫性を持って相手に説明する必要があります。

 

こうしたスキルは即日で身につくものではありません。

小論文対策も有効的な対策方法です。

また場数を踏むことが有利となるため、総合型選抜を検討している人は早めの対策が肝心です。

 

「経験に勝る対策はなし」です。

 

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まとめ

今日は総合型選抜の本質と、関西学院大学を例に実際にどのような運用がされているのかについて見ていきました。

 

一般入試や推薦入試とは違った対策が求められますが、総合力で勝負するというのは就職活動に似ている部分があります。

 

総合型選抜を検討している人は今日の記事を参考に、自分の志望大学の対策を始めて行ってもらえたらと思います。

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