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今回は、日本史が大得意な講師に聞いてみた「先史時代連載」の補遺その2です!
先史時代連載 補遺その2 古墳時代の政治制度
今回は先史時代補遺2「古墳時代の政治制度」です。
この連載は先史時代の用語をまとめる事を目的とするもので、当初の連載では明確に先史時代だといえる部分を紹介してきましたが、時代が新しくなるにつれて歴史時代と言える時代にも重なってくるようになりました。
その最たるものが古墳時代です。
古墳時代に関して暗記しなければならない事項は、考古学的なものと文献学的なものの二つに大別されます。
そのうち考古学的な(=先史的な)ものについては、先史時代時代連載第4回で紹介しました。
また、古墳時代の文献学的な(=歴史的な)事項のうち、文化史的なものは補遺1で紹介しました。
【先史時代連載補遺1 古墳時代の文化 についてはこちらから】
ところが、古墳時代について覚えるべき歴史的な事項はまだ少しあります。
それが今回の補遺2で扱う「古墳時代の政治制度」です。
古墳時代の政治制度は日本史の教科書に出てくる最初期の政治制度です。
実は日本史に出てくる最初の政治制度は弥生時代の邪馬台国の政治制度なのですが、こちらは中国の歴史書だけに書かれている情報から分かったことなので、次回の「中国の歴史書まとめ」で扱います。
また、雄略天皇は時代区分としては古墳時代の人物ではありますが、雄略天皇の時代についても邪馬台国と同様の理由で次回紹介します。
ところで、古墳時代は古墳が造られなくなる7世紀頃までをさす区分ですが、古墳時代の次に配置されている「飛鳥時代」は飛鳥に都が置かれた6世紀末から始まっています。
そして、飛鳥に最初に都を置いたのは崇峻天皇とされているのです。
つまり、前述の雄略天皇のみならず、継体天皇~用明天皇(聖徳太子の父)は飛鳥時代ではなく古墳時代の人物ということになります。
では継体天皇から用明天皇までは古墳時代の政治として整理し、崇峻天皇以降を飛鳥時代の政治として整理すればいいのかというとそういう訳でもありません。
皆さんご存じの通り、高校日本史では継体天皇以降の事跡は飛鳥時代の最初にまとめられており、政治史的にも用明天皇と崇峻天皇の間に大きな分断や変革が起きたわけではありません。
ですから、継体天皇以降は古墳時代としてはまとめず、飛鳥時代の序章として区別せず整理することをおすすめします。
さて、前回の日本史はほとんど遺跡や遺物を覚える事が中心で、当時の人々の生活の有り様が強く扱われてきましたが、今回からは具体的な組織・称号の呼称も登場し、機構としての社会の側面が強く描かれるようになっていきます。
「氏」や「大臣」など、読み方や内容は変わっていますが、現代社会の制度に名前を残している用語も登場します。
そうはいっても、現代では聞きなれない称号や制度の名称が多いのも事実ですので、なるべくそれらの用語が何なのかがわかりやすくなるように配置しました。
古墳時代の政治制度の用語で特に覚えにくいもののひとつが称号です。
それぞれの称号について、まずそれが個人に与えられる称号なのか、氏(血のつながった一族)に与えられる称号なのか、その他の組織・部局に与えられる称号なのかを区別しましょう。
また、頻出事項の一つとして土地制度と部民があります。
誰に所有される土地なのか、誰に所有され何の仕事をする部民なのか、区別して覚えましょう。
豪族の各氏については、その姓、所在地、ヤマト政権内における管轄まで区別する必要があります。
社会・制度
制度 | |
ヤマト政権 | 4世紀から律令国家成立までの大王家(皇室)を中心とする政権の呼称 |
大王 | ヤマト政権の首長の称号。5世紀頃からつかわれ、7世紀頃に天皇へとかわる |
氏姓制度 | ヤマト政権の政治制度。各地の豪族を大王中心に編成する身分秩序でもある |
氏 | 血縁による集団、およびその呼称。地名や職能を一族の呼称とする例が多い |
氏上 |
氏の首長。氏人を統率して氏神の祭祀を実行する役割がある。 大王に従ってヤマト政権に参加し、私有地や私有民を所有した |
姓 |
大王がそれぞれの氏に与える称号。身分秩序でもあり、序列があった |
臣 |
姓の一つ。中央の豪族に与えられた。地名を氏の名とする氏に多い |
連 |
姓の一つ。中央の豪族に与えられた。職能を氏の名とする氏に多い |
君(公) |
姓の一つ。地方の豪族に与えられた。大王家の分家や地方有力豪族が多い |
直 |
姓の一つ。地方の豪族に与えられた。5~6世紀に服属した国造がほとんど |
首 |
姓の一つ。地方の伴造や渡来人に与えられた |
大臣 |
ヤマト政権の役職。臣を姓とする氏の中で最も有力な者が就いた |
大連 |
ヤマト政権の役職。連を姓とする氏の中で最も有力な者が就いた |
国造 |
ヤマト政権の役職。ヤマト政権の地方官。大化の改新後は郡司となった |
県主 |
ヤマト政権の役職。大王の直轄地や重地の小地域を統治する地方官 |
伴 |
ヤマト政権の部局。渡来人が中心に特定の職業で世襲的に朝廷に奉仕する集団のこと |
伴造 |
ヤマト政権の役職。伴の長官 |
屯倉 |
ヤマト政権の土地制度。大王の直轄地 |
田荘 |
ヤマト政権の土地制度。豪族の私有地 |
部 |
ヤマト政権の組織。大王のものでも豪族のものでも、特定の職業に就く集団の呼称として広く用いられた。その構成員を部民という |
子代・名代 |
部の一つ。大王の一族の生活の世話を担当する部民からなる |
田部 |
部の一つ。屯倉の耕作を担当する部民からなる |
部曲 |
部の一つ。豪族に私有される部民からなる。田荘の耕作も担当した |
品部 |
部の一つ。伴の一部としてそれぞれの職業で朝廷に奉仕する部民からなる |
錦織部 |
品部の一つ。絹織物の生産に従事した |
韓鍛治部 |
品部の一つ。鉄器の生産に従事した |
品部の一つ。鉄器の生産に従事した |
品部の一つ。馬具の生産に従事した |
陶部(陶作部) |
品部の一つ。土器(須恵器)の生産に従事した |
土師部 |
品部の一つ。土器(土師器)の生産に従事した |
史部 |
品部の一つ。外交文書や歴史書などの公文書の作成に従事した |
豪族 |
|
葛城氏 |
豪族。姓は臣。現在の奈良県に本拠地があった。雄略天皇により衰亡した |
平郡氏 |
豪族。姓は臣。現在の奈良県に本拠地があった。大伴金村により衰亡した |
蘇我氏 |
豪族。姓は臣。ヤマト政権の財政を担った。大化の改新で衰亡した |
吉備氏 |
豪族。姓は臣。現在の岡山県の周辺に一大勢力圏を築いた。反乱失敗により次第に衰えた |
大伴氏 |
豪族。姓は連。ヤマト政権の軍事を担った。後に伴氏に改めた |
物部氏 |
豪族。姓は連。ヤマト政権の軍事を担った。蘇我馬子により衰亡した |
中臣氏 |
豪族。姓は連。ヤマト政権の祭祀を担った。藤原氏と大中臣氏に別れた |
忌部氏 |
豪族。姓は首。ヤマト政権の祭祀を担った。中臣氏に押されて次第に衰えた |
さいごに
いかがでしたでしょうか?(^^)/
補遺1以前の連載についても以下にまとめているので、ぜひ参考にご覧ください!
【先史時代連載補遺1 古墳時代の文化 についてはこちらから】
↓仏像史、建築史、清和源氏etc...日本史に用語整理に大活躍の記事をまとめました(^^)/↓
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