大学入試古文基礎講座③~助詞理解編~
京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです!
前回の大学入試古文基礎講座②~助動詞理解編~に引き続き、これから大学入試古文の学習を進めていく方々にむけて、古文の勉強をする上であらかじめ知っておくと理解が深まるような事項について解説していきたいと思います。
助詞について
本日は、その第3弾として、「助詞」を取り上げます。
前々回、品詞分解がめっちゃ大事であるという話をしました。
その品詞分解に取り組むにあたって、しっかり理解しておく必要があるが、受験生を最も苦しめる「助動詞」について紹介したのが前回です。
今回は、助動詞の次に受験生を苦しめるであろう「助詞」について紹介しようと思います。
コンセプトは前回と同じです。古文に登場する全部の助詞について述べるわけではありませんが、塾生さんがする品詞分解をみていて、重要なのによくつまづいていると思われるポイントについて述べていきたいと思います。
本編に入る前に、重要なことを1つ言っておきます。古文を読む上で、助詞は大量に出てきますし、種類も豊富ですが、そのすべてを覚える必要はありません。なぜなら、現代日本語と同じ使い方をするものが多くあるからです。同じ日本語であるにもかかわらず、古文の文章だと読めない箇所が出てくるのは、現代語と異なるからです。古文を読めるようになるためには、現代語と大きく異なる事項について、しっかり頭に入れておくことが最も重要と言えます。
本記事では、その点も意識して、現代日本語と古文とで異なる部分を重点的に述べていきます。
参考書の補助教材として、品詞分解を頑張るときなどにチェックリストのようにしてお使いください。
赤字傍線部になっているところが、参考書であまり言及がないところです。
格助詞
の・が ・格助詞「の・が」の意味は5つあります。5つの意味を全て、文法用語の名称も含めて言えるようにしてください。 ・主格:直前の体言が主語であることを表す用法です。「が」が主格として用いられるのは現代日本語と同様ですが、「の」が主格として用いられる場合も当然あります。現代日本語ではあまり用いられないために、主格の「の」は見逃されやすいです。述語との関係を意識して、見逃さないようにしましょう。
・連体修飾格:続く体言を修飾する用法。現代日本語でも最も頻繁に用いられる用法です。「武田塾京都校のブログ」というときの「の」ですね。ブログという体言(名詞)を修飾し、どんなブログなのかを説明しています。「の」が連体修飾格として用いられるのは現代日本語と同様ですが、「が」が連体修飾格として用いられる場合も当然あります。現代日本語ではあまり用いられないために、連体修飾格の「が」は見逃されやすいです。
同格:当該助詞の前後の文節が、同一の体言を修飾するものであることを示す用法。「の」が使われることがほとんどで、同格の「が」はめったに見ません。後半の文節の体言は省略されることが多いので、不自然な連体形が続いているようなことがないか確認しながら、読み取れるようにしましょう。音読したときのリズムで、感覚的につかめるようになっておきたいものです。
準体格:体言の代わりをする用法です。現代語でも使われる用法で、「これ誰の?」「それ私の。」というときの「の」ですね。「私の物」というところを、「の」で済ましてしまっていて、体言に準じた形になっているわけです。
連用修飾格:続く用言を含む文節を修飾する用法。和歌でよく用いられる。「~のように」と訳しておくとよい。
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と ・引用 「~という」の「と」など。 ・他にも、相手(「~と一緒に」)、並列(「AとBとを食べる」)などさまざまありますが、あえて引用の「と」を挙げているのは、引用の「と」以前が文末になることに注意的になってほしいからです。係結びの終わりや発言の終わり(特に「」がついていない発言)などを探す目印になります。
引用文は「」がついているように実際にされている発言ですが、太字部分の「と」に目をやると、発話者が日頃心の中で思っていた内容が発現の中に入っていることに気が付きます。しかも、「あらん」は「何事をか」の「か」の係結びによって連体形になっていますね。係結びについては後述しています。 |
接続助詞
て ・単純接続 ・現代日本語でもおなじみのものなので、特に説明は不要だと思われるが、めちゃめちゃでてくるので、文法用語も覚えておきましょう。 ・読解上重要なのは、‶単純接続の接続助詞「て」の前後で主語が変わることはない”ということです。同様に、反復・継続、同時進行の接続助詞「つつ」の前後でも主語は変わりません。 ・「とて」は、「と言って」又は「と思って」と訳します。実際に話し手が話しているなら「と言って」、心の中で考えているだけなら「と思って」と訳出すればよいです。 |
ば ・未然形+ば:順接仮定条件 ~ならば ・已然形+ば:順接確定条件 ~なので、~ところ ・この助詞も超頻出です。文法用語も含めてしっかり覚えておきましょう。 |
係助詞
係結び ・「ぞ、なむ、や、か、こそ」の文末の活用形が変わる。 ・「ぞ、なむ」の末尾は連体形で、意味は、強意。必ずしも訳出する必要はない。 ・「や、か」の末尾は連体形で、意味は、疑問。訳出をわすれずに!!! ・「こそ」の末尾は已然形で、意味は、強意。必ずしも訳出する必要はない。 ・「結びの省略」と「結びの消滅」を区別できるようになっておきましょう。 ・結びの省略:係結びを形成する助詞が文末や語句の切れ目に来ることで、結びの語が省かれている状態。「省略」というぐらいなので、「本当はあるけど書かれていない」と理解しなければなりません。つまり、現代語訳が求められる場合には、本文には書かれていないにもかかわらず訳出する必要があります。 ・「と+係結びを形成する係助詞」の場合は、「言ふ、聞く」 ex.「とこそ(言へ)」 ・「に+係結びを形成する係助詞」の場合は、「あり」 ex.「にや(あらむ)」 ・省略されている動詞が、文脈上敬語になるべき場合は、敬語にしたうえで訳出する必要があります。「にや。」と書かれていたので「あらむ」を補おうとするとき、これまでの文章を見返して、「あり」と使われるべきところが「侍り」になっていたとしたら、「侍らむ」を補わなければなりません。会話文であれば話相手が敬意を表すべき人かどうかを見て敬語にする必要がありますね。 |
副助詞
だに、すら、さへ ・だに:①類推「~さえ」。「僕でさえできたのだから、あなたもできるはずだ」の「さえ」ですね。②限定「せめて~だけでも」。「本当は助詞の表を覚えて欲しいが、それが無理だというなら、せめてこのブログに書いたものだけでも覚えて欲しい」の「せめて~だけでも」ですね。 ・すら:類推「~さえ」。「だに」①と同じですが、平安時代以降はあまり使われません。 ・さへ:添加「~までも」。「人の動きだけでなく、体温までも検知することができる」の「までも」ですね。 ・どうでもいいことではありますが、「さへ」は「さえ」ではない!ですね。「までも」です。 |
終助詞
願望の終助詞 ・自己の願望:「~したい」。ex.「おやつをたべたい」「はやく家にかえりたい」「勉強したい」 未然形+「ばや」 連用形+「にしがな・てしがな」 ・他者への願望:「~してほしい」。ex.「品詞分解ができるようになってほしい」 未然形+なむ ・状態の願望:「~あればなあ」。ex.「古文の重要な助詞がまとまっているブログ記事があればなあ」 体言/形容詞の連用形+「がな・もがな」 |
そ ・「な~そ」の形で禁止の意味を表します。 ・このときの「な」は副詞(呼応の副詞)で、「そ」が終助詞です。 ・終助詞「な」も禁止表現ですが、「な~そ」の方が柔らかいニュアンスになります。前者が「~するな」であれば、後者は「~しないでくれ」といった感じでしょうか。
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さらばじゃ。
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