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知識を得るとはどういうことかスタートダッシュ受験勉強|武田塾京都校

知識を得るとはどういうことか

勉強して、「知識を得る」ってどういうこと?

どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです!

「知識を得る」とは、なかなかカタめの題材でスタートしましたが、みなさんは考えたことがあるでしょうか。

「知識を得る」とは具体的にどういうことかがきちんとわかっていると、受験勉強を具体的に進めて行く際に何に気をつけておくべきかがわかったり、退屈に思える基礎的内容の演習の本質的な意味に気付けることで楽しく思えてきたりすると思うので、しっかり理解してほしいと思います。

そんなわけで!!

受験を控える学生たちに向けて、受験をする上で前もって考えておいてほしい事などを述べている【スタートダッシュ受験勉強】シリーズですが、

第3回は、「知識を得るとはどういうことか」と題して、

①総論的に、勉強を通して「知識を得る」というのはどういうことかについて述べたうえで、

②各論として実際の受験勉強にそれをどのように適用させていくかについて述べていきたいと思います!

まず、総論編をしっかりと頭に叩き込んで、それから各論編を読むようにしてもらえると幸いです。

知識

目次

・知識を得るってどういうこと?【難しめのお話】

・知識を得るってどういうこと?【具体例で見るやさしめのお話】

・受験勉強に活かそう!【全体像を把握して、体系的に理解する】

・受験勉強に活かそう!【英文法編】

・受験勉強に活かそう!【社会科系科目編】

・受験勉強に活かそう!【数学編】

・今週の一問!

 

知識を得るってどういうこと?【難しめのお話】

さて、まずは「知識を得るとはどういうことか」の総論的なお話です。

【難しめのお話】などと書いているので、不安になっている方もいるかもしれませんが、たいしたことはありません。

1回読んでわからなくても、次の【具体例で見るやさしめのお話】の方を読んで戻ってきたり、各論編を読んで戻ってきたりして、繰り返し読んで頭に入れてもらいたいと思います。

これを総論的に頭に入れておけば、大学へ進学してから新しいことを学ぶ際にも応用できると思うので、ぜひ!

 

1.知識とは見分ける力のことだ

まず、ざっくりと結論的なことを先に述べておくと、「知識を得る」というのは、別のものどうしを別のものだと認識することができるようになることです

フランスを代表する思想家、エティエンヌ・ボノ・ド・コンディヤックの著書『論理学』の一説を引用しておきましょう。

要するに、見分けることのできる物の数が多ければ多いほど、また物を特徴づける質に気付けば気付くほど、我々は多くの知識を獲得したことになる。

なかなか難しく感じるかもしれませんが、この一説からは、「知識を得る」ということについて、2つの重要な知見を得ることができます。

僕なりに言い換えると次のようになります。

知識を得るとは、

まず第一に、あるもの(A)と別のあるもの(B)があるときに、それぞれが別のものであると分かるようになることであり、

第二に、それぞれが別のものであると分かった上で、それらがどのように違うか、それらを区別する根拠として有力な特徴となっているものは何かに気付くことができるようになることである。

この2つが、コンディヤックの著書の引用文から得られる2つの知見です。中心的定理系とでも呼んでおきましょうか。

*中心的定理系:いかめしい言葉が登場しましたが、ここでは「引用文の文字通りの意味から得られる考え方」ぐらいに理解しておいてください。

 

2.知識が多いとは見分けられるものの数が多くなることだ

加えて、コンディヤックの著書の引用文からは次のような派生的な知見も得ることができます。

知識が多いとは、

まず第一に、別のものであると見分けることができるようになったものの数が多いことであり、

第二に、それぞれが別のものであると分かった上で、より多くのものとの間で、より多くの特徴を挙げられるようになることである。

これを副次的定理系とでも呼んでおきましょう。

*副次的定理系:いかめしい言葉が再び登場しましたが、ここでは「引用文の内容から派生的に得られる考え方」ぐらいに理解しておいてください。

どうでしょうか。引用文の方が簡単だったなどという声も聞こえてきそうですが、次の章で具体例を交えて述べるので、いまいち実感がわかなかった方も、次を読んでまた返ってきてほしいと思います。

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知識を得るってどういうこと?具体例で見るやさしめのお話

これまで、

知識とは見分ける力のことだ

などと言ってきましたが、(# ゚Д゚){そもそも「見分ける」って具体的にどういうことだよ)という意見がありそうなので、

知識を得るとは、

まず第一に、あるもの(A)と別のあるもの(B)があるときに、それぞれが別のものであると分かるようになることであり、…①

第二に、それぞれが別のものであると分かった上で、それらがどのように違うか、それらを区別する根拠として有力な特徴となっているものは何かに気付くことができるようになることである。…②

中心的定理系の①、②のそれぞれについて具体例を交えて説明していきたいと思います。

あるもの(A)と別のあるもの(B)があるときに、それぞれが別のものであると分かるようになること

例えば、興味深いお話があって、未就学児が発育過程で「四つ足の動物」をすべて「わんわん」と呼ぶというものがあります。

「イヌ」に限らず、「ウシ」でも「ウマ」でも「オオカミ」でも、「四つ足」という似た特徴だけをひとくくりに捉えて、同じものであるかのように認識してしまうというものです。あるいは、そのようにひとくくりにして「わんわん」と呼ぶ方が楽だというのもありますね。

これは、あるもの(例えば、イヌ)と別のあるもの(例えば、ウシ)との区別がついていないということの典型例ですね。

これでは、とても知識があるとは言えませんよね。これまで「わんわん」と呼んでいたものを、「イヌ」「ウシ」「ウマ」「オオカミ」「ウォンバット」「ソレノドン」「テグー」といった風に違いを認識できるようになることを「知識を得る」というわけですね。

それぞれが別のものであると分かった上で、それらがどのように違うか、それらを区別する根拠として有力な特徴となっているものは何かに気付くことができるようになること

例えば、急に、「スリナム」と言われて、何を思い浮かべますか?

ひょっとすると、この時点でギブアップという人も多いのかもしれませんが、「スリナム」は国名です。

しかし、「スリナム」が国名であると分かったとしても、何も分かっていないのとたいして変わりませんよね。

具体的にその他の国とどう違うのか、どのような国家なのか分からないと、「スリナムについて知識がある」とはいいがたいですよね。

①スリナムは国名である。

②スリナムは中南米の国家である。

③スリナムはガイアナの隣国である。

④スリナムは南北アメリカで唯一、オランダ語を公用語とする国家である。

①~④までのどこまでを知っていれば、「スリナムについて知っている」とするかは人・状況によると思いますが、

②まで知っていると、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・北アメリカなどの国家とは区別できていそうです。

③まで知っていると、白地図の上で「スリナム」を指さすことができそうですね。

④まで知っていると、中南米の国家の中で、「スリナム」の内容的な特徴を摘示していることになるので、より知識がありそうな感じがします。

このように、「スリナム」が国名であると分かっているだけでは、他の国名(例えば、日本とか、ガイアナとか)とは違うことは理解しても、「それらを区別する根拠として有力な特徴」まではわかっていません。

②~④のような情報を有することも「知識を得る」ということであるということですね。

加えて、副次的定理系についての話もしておくと、②~④のような情報を多く持っていることが「知識が多い」ということになります。

知識が多いとは、

まず第一に、別のものであると見分けることができるようになったものの数が多いことであり、

第二に、それぞれが別のものであると分かった上で、より多くのものとの間で、より多くの特徴を挙げられるようになることである。

 

ここまで読んで、なんとなく分かってきたと思ったら、もう一度・知識を得るってどういうこと?【難しめのお話】に戻って総論部分を頭に入れていただけると幸いです。

それが済んだら、各論編。実際に受験勉強をするにあたってどのように適用していくか、です!

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受験勉強に活かそう!全体像を把握して、体系的に理解する

では、各論編ですが、大事なことは見出しにもあるように、「全体像を把握して、体系的に理解する」ことです。

基本的にはどの教科でも同じですが、なにか新しいことを学ぼうとする際に、まずは全体像を把握することが重要です。

さっきの「スリナム」の例でいうと、世界にはいくつぐらいの国家があるか知っていたり、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・北アメリカ・南アメリカなどの地域区分があることを知っていたりすることです。

ある事柄が、どれくらいの規模の中のどういう要素であるかが分からなければ、体系的な理解をすることはかないません。

体系的な理解についても、同じく「スリナム」の例を用いると、国家を特徴づける要素は、話す言語、面積、GDP、歴史、気候、文化など様々存在します。

どのようなことを重点的に頭に入れれば、得点に結びつきやすいか、問題が解けるようになるのかというのは、言い換えると、具体的な他のもののうち、何と区別することができるようになっていれば得点に繋がりやすいかということになります。

入試で、「スリナム」が答えとなる問題を解けるようにしておくには何を頭に入れておくべきか、というのが分かるということですね。

じゃあ、個別具体的な教科ごとに見ていきましょう!

 

受験勉強に活かそう!【英文法編】

英文法の参考書をやっていてありがちなのが、「同じ問題を繰り返しやっていて、答えを覚えてしまう。」のようなことです。

武田塾では、「なぜその答えになったか」「なぜ他の選択肢を選ばなかったか」ということを聞きますが、そこまでちゃんと理解するためには、「全体像を把握して、体系的に理解する」必要があります。

武田塾では英文法の参考書を何周もするので、1周目をおえて、具体的にどのような単元があったかという「全体像」を早いペースで把握することができます。

英文法の問題集では一般的に、「時制・態・助動詞・仮定法・不定詞・動名詞・分詞・比較・代名詞・関係詞・接続詞……」といったようにたくさん単元がわけられています。その中にも、関係詞を例にとれば、「主格の関係代名詞・目的格の関係代名詞・非制限用法・関係副詞・連鎖関係代名詞……」など章分けがあります。

ある問題を解いたときに、「この問題は関係詞が問われている問題で、その中でも連鎖関係代名詞に関する問題だな、この論点ではここのSVがポイントだな」といった風に瞬時に考えて解くことができると強いですね。

「見分ける」の意味がよく分かってきたのではないでしょうか。

「見分ける」力がつくと、知識がついた・できるようになった・問題が解けるようになったといえるということですね。

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受験勉強に活かそう!【社会科系科目編】

続いて社会科系の科目ですが、「スリナム」を例にとってきた以上あまり説明は必要ないかもしれません。

ただし、一口に社会科系科目といってもいろいろあるのでちょっと説明。

どの科目にも共通していえることは、網羅系の参考書の目次などを見て、どのような章立てがなされているかをチェックすることは欠かさないようにすることです。

日本史

時代や文化の区分を覚えた上で、各時代・文化ごとに主に政権を担当した人物・天皇・総理大臣の治世に何があったかといったような複数の軸をもって知識をつける。

世界史

時代ごと、地域ごとでどのような区分があるかを把握し、国名や王朝名、教皇、皇帝などの治世で起こった出来事を複数の軸をもって知識をつける。

地理

国ごと地域ごとの差異を把握し、必要に応じて数値も頭に入れる。その数値がどのような特徴を有するものなのかも頭に入れる。章分け大事!!

政治・経済

政治編・経済編でそれぞれどのようなことを学ぶのかを頭に入れましょう。時系列で頭に入れるべきものなのか、要素ごとに頭に入れるべきなのかを意識しましょう。

倫理

思想・哲学思潮の変遷や、それぞれの学派を代表する学者・思想家、およびその考え方、著書など複数の要素があるので体系的に覚えるようにしましょう。

 

受験勉強に活かそう!【数学編】

数学の勉強法として、「覚えるのではなく、理解するのだ」というのを聞くことがあるかもしれませんが、「暗記」も「理解」も両方重要です。

数学も他の例にもれず、網羅的な参考書の目次を見てどのような単元があるかを把握しておくことが重要です。

特に国公立大学の数学では、問題文を読んだ時にまずどのような単元を下敷きにした出題なのかを「見分ける」ことが求められる・あるいは複数のアプローチがある出題が多いです。

ある程度、単元や解法・論点を暗記しておかないとそのスタート地点にも立たせてもらえないことになります。

問題を見て、どのような単元が問われているかを「見分け」、高校数学全体の体系の中から適用すべき公式や考え方を持ち出してくる。

抽象的に言えばこのようになるのではないでしょうか。

公式を丸暗記するのではなく、「このような処理が意識されているから・やっていることはこれと同じだから、別のこのような処理にも使える」といったような頭の使い方ができると良いですね。

 

ここまでかなり長くお付き合いいただきましたが、「知識を得る」とは具体的にどういうことか、ひいては「どのように知識を習得するべきか」についてなんとなく分かっていただけたでしょうか。

何度も繰り返し読んで頭に入れると、かなり効率の良い学習ができるのではないでしょうか。

これを読まれた皆さんがそのようになる事を祈っています。

・知識を得るってどういうこと?【難しめのお話】

 

では、「今週の一問!」第4問です!

 

今週の一問!

「今週の一問!」は、受験生(受験を控える高校生ももちろん対象です。)に、問題を考えて解くということを身に付けてもらうために、

知らなくても、考えたら何とかなるかも。」をコンセプトとして、武田塾京都校講師S.Yがお送りするレクリエーション企画です。

受験の知識が必要ない問題を基本として考えていますが、受験生の学習が進んできたなという頃には受験知識の応用的な問題を出すことも検討しています。

校舎の他の塾生たちや、講師、職員さんなどと、相談したり意見を言い合ったりして、楽しく考える習慣を身に付けてください!

 

では、第5問ですが、今回は、昨今話題の「元号」に関する問題です。実は有名なお話ですが、君は、知っているか?

「今週の一問!」 

第5問 昭和天皇の崩御の日、新しい元号を選定する「元号に関する懇談会」で、最終候補だった「平成」「修文」「正化」の中から「平成」を選ぶ決め手となったとされている意見はどのようなものか。

さて、どうでしょう。前回に引き続き、身近な話題ではあると思います。あくまで調べたりせずに、問題文をよく読んで、ヒントがないか探したり、自分の持っている知識から推測したりして自力で導き出してみましょう。ちゃんと読めばわかるようになっていたりします!!

「わからない問題が出てきたときにやるべきこと」を再掲しておきます。

再掲

・問題文をしっかり読む

・問題文からヒントを探す

・柔らかく頭を使って選択肢に矛盾がないかじっくり読む

・バランス感覚を大事に

・自分がその政策をするとしたら、など、常識やイマジネーションを使って解く。

・問題作成者の立場に立って考える

・焦らず、ときには問題を後回しにしてじっくり解く

 

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~第一志望を諦めようとしているあなたへ~

武田塾京都校講師がセンター日本史を15分で解いてみた。


 

 


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