センター日本史 やってみた!
武田塾京都校講師が センター日本史 やったらどうなるの?
どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです!
今回は!「武田塾京都校講師がセンター日本史といたらどうなるのか!?」です! パチパチパチパチ
普段武田塾京都校で日本史を教えている僕が、今年のセンター試験「日本史B」を解いてみたのでそれをレポートします。
いつもよりテンションが高いのは、大学の試験が終わって春休みに突入したからですね。
目次
そもそもなんで解くことになったか
センター試験後初の特訓で、僕が日本史を担当していた生徒A君が、「やってしまった…」と開口一番。
何があったのかと心配しましたが、どうやら得意の日本史で思うようないい点がとれなかったらしい。
Aくんは日本史がかなり得意で、私立大学の日本史も8割近くをポンポンとります。
そんな彼なので、センターが振るわず悔しかったのでしょう。
日本史が得意で、知識や流れもかなり詳しく頭に入っているというのは僕もよく知っています。それなのにどうして間違えてしまうのでしょう?
センター試験は簡単な試験だと思っている人がよくいますが、別にそんなことはありません。
ひねってあって受験生を苦しめる問題はかならず含まれています。
どうやらそういう問題を、2択まで絞ったはいいものの解ききれなくて点を落としたようです。
しかし、あくまでもセンター試験なので、ひねった問題であろうと、使う知識は教科書に載っている範囲内で収まっているはずです。
知識がないとそれ以前の段階で困ってしまいますが、知識があるのに解けないということは「頭の使い方」がよくないのではないか。
*「頭の使い方」がよくない、というのは別に「頭が悪い」と言っているのではありません。「頭の使い方」にはコツがいるのです。
というわけで、センター試験を受けて丸2年!ブランクを感じてこわいですが、「頭の使い方」ぐらいは伝えられるかもしれない!ということで、センター試験を解くことになりました!
やってみた
いざ、センター試験!といっても、入試を控える受験生なので、僕がだらだら解いて長時間引きとめるわけにもいきません。
20分ぐらいで爆速で解こうということになりました。
まずは第1問!
静さんと九郎くんが地名の変更について話しています。
「静と九郎って、源義経と静御前やん!なに遊んでんねん大学入試センター!ヾ(- -;) 」と思いながら、時間が無いので文章はスキップ。
センター日本史Bは第1問で日本史全体の通史が出題されます。いくらブランクがあると言っても、現役で教えているわけなので、一問10秒ぐらいで解いていきます。
と思ったのも束の間、問5!並べ替えの問題ですが、北海道にまつわる歴史的事項の並べ替え問題。受験生時代なら覚えていたかもしれませんが、あいまいでわからない。
困っていると、Aくんが「それ、僕、秒で解きましたよ((┓( ̄∀ ̄)┏))ケラケラ」と煽ってくるではありませんか。でも慌ててはいけません。うろ覚えでも考えれば何とかなります。
第1問 問5 並べ替え Ⅰ 松前氏(蠣崎氏)がアイヌとの交易の独占権を幕府から認められた。 Ⅱ ロシアの極東進出・南下への対応として、幕府による蝦夷地の探検・調査が進められた。 Ⅲ 蝦夷ヶ島の南端に和人が進出し、各地に館と呼ばれる拠点が成立すると、コシャマインに率いられたアイヌが蜂起した。 |
コシャマインが何時代だったかが危ういんですよね。普段特訓でシャクシャインとかとごっちゃにしないようにねと言っておきながら、そのせいでもうどっちがどっちだったかわからない。しかし、ヒントはたくさん隠れています。
Ⅰ.松前漬けが室町時代からあったとは思えないので江戸時代!としてもいいのですが、松前藩という響きには聞き覚えがあり、「藩」は江戸時代の統治組織なので、江戸時代。「認められた」とあるので時期的には早そう。
Ⅱ.ロシアの南下政策なので江戸時代の後期以降ですね。
Ⅲ.よくみると「蝦夷ヶ島の南端」とありますね。まだあまり開発が進んでなさそうなので室町時代かな?「館」「コシャマイン」室町時代な気がしてきた!
よって、Ⅲ→Ⅰ→Ⅱ。正解ですね。
僕は急いで解いていますが、受験生は60分もあるので、こんな感じでじっくり考えて解けばよいのです。ちなみに慣れればこれだけ考えても1分かかりません。
次に僕が足止めを食らってしまったのが、第2問の問5。また問5ですが、今度は史料問題。
読めばわかると思っているので、ふだんは得意なのですが、焦りながら解いてるからか、なんとなく不安。この問題だけ全部終わってから戻ってくることにしました。
続く問6ですが、僕が解いているとAくんが「その問題間違えました」というので、タイムアタック中に解説。
第2問 問6 誤文選択 ① 財政が悪化した朝廷は、公営田や官田(元慶官田)を設置して、財源確保をはかった。 ② 班田収授を励行させるため、班田の期間を12年ごとに改めたが、班田の実施は困難になっていった。 ③ 開発領主たちの中には、国司の干渉から逃れるため、所領を中央の貴族や寺社に寄進するものがあった。 ④ 官物や臨時雑役などの税が、土地を対象に課されるようになったことで、戸籍にもとづく支配が強化された。 |
受験生のニガテな土地制度に関する問題ですね。でも、よく見てください。
④.「税が、土地を対象に課されるようになったことで、戸籍にもとづく支配が強化された」って、普通に考えておかしくないですか? 戸籍は人単位なのに、土地単位で税がかけられるようになって強化されるというのは論理矛盾です。律令体制の下で、調や庸・雑徭を人単位で課す必要があって、全国的な戸籍が作られるんですよね。ちなみに人単位で課す税のことを人頭税といいます。
このように、日本史の知識だけでなく、柔らかく頭を使って解いていきます。
続いて、Aくんに解説したのが、第4問 問2。
第4問 問2 正文選択 ① 年貢の納入に村は関与せず、百姓が個々に責任を持った。 ② 街道周辺には、助郷役を負担させられる村々があった。 ③ 村の運営経費である村入用は、幕府が支給した。 ④ 百姓は犯罪防止のために、結(ゆい)・もやいに編成された。 |
村や百姓に関する問題。これも受験生のニガテとするところですかね。
①.これ、結(ゆい)の説明に近いんですかね? 相互互助、互いに協力していたんですよね。
②.これが正解なんですけど、ちょっと不安になるレベルですよね? ちなみに伝馬役が登場する映画に「殿、利息でござる!」がありますね。村の縦社会なんかがよく分かる映画です。
③.これ、ありえないと思いませんか?日本中の村々に支給するなんて、現代のような送金システムがなければ不可能ですね。こういうのを選んではいけません。
④.百姓の犯罪防止は五人組ですね。
微妙なバランス感覚が必要になる問題でした。
今度は僕が足止めされた問題ですが、第4問、問6。
第4問 問6 並び替え Ⅰ キリスト教の宣教師・信者26名が、長崎で処刑された。 Ⅱ 中国人の居住地を1か所に限定するため、唐人屋敷が設けられた。 Ⅲ 平戸にあったオランダ商館が、長崎の出島に移された。 |
これは、なかなか難しい問題だったかもしれません。困った人も多いはず。
Ⅰ.26聖人殉教ですね。サン=フェリペ号事件がきっかけですから、豊臣秀吉のころですね。
Ⅱ.中国人に対する鎖国政策ですね。
Ⅲ.オランダ人に対する鎖国政策ですね。
まず、Ⅰが最初でしょう。問題はⅡとⅢですが、こんなところまでしっかり覚えている受験生がいたら偉いと思います。
僕の考え方としては、自分が鎖国政策を推し進めるとして、これまでずっと日本とかかわりがあって、顔だちも似ている中国人に対して鎖国政策を出すのが先か、最近お付き合いを始めたばかりで、顔だちも全然違う紅毛人に対して鎖国政策を打ち出すのが先か、と考えれば、さすがにⅢが先であるような気がしませんか?
よってⅠ→Ⅲ→Ⅱ。正解でした。危ない。ε=( ̄。 ̄;)フゥ
次に一番アツい戦いをした問題ですが、第5問、問3。
第5問 問3 正文選択 ① 戊辰戦争によって江戸城は焼失し、その跡に皇居が造営された。 ② はじめての電信が、東京ー新潟間に開通した。 ③ 廃藩置県によって旧藩主は知藩事を罷免され、東京へ居住させられた。 ④ 自由民権運動の全国的組織である愛国社は、東京で結成された。 |
明治初期の東京。うーん微妙に覚えられてない!キッパリ!
①.江戸城の無血開城は有名ですね。確かに現在の皇居は江戸城跡にあるのですが、燃え落ちたのではありません。
②.こんなの覚えてません。<(`^´)> エッヘン ただ、間違いの選択肢が3つあるので、なんとなく間違ってるのかなあと思ったり。Aくんは知ってたみたい。
③.うーん、迷いますね。間違いの選択肢だとしたら間違ってるポイントは、「居住させられた」でしょうね。居住させるなら東京でしょうし、居住させたという事実自体がない、という選択肢であると考えるのが自然でしょう。
④.これは、間違いの選択肢であるとすれば「東京」の部分でしょうね。東京ではないというのは、覚えておいてほしい内容。
もし、③が間違いだとしたら、すごくないですか?知藩事が東京に居住させられたなんて事実も全くないのに、問題作成者がイチから作り上げたのだとしたら、とんでもないイマジネーションです。なにか別の分野で活かしたほうがいいと思います。さすがにそんなことはないでしょうね。
よって、③。 やってやりました。
爆速で解ききって、後で戻ってくる予定だった第2問の問5。改めてよく見れば、資料が那須地方のものであること、「評(こおり)」という表記があったので大宝律令かなとおもったけど、よく見たら「飛鳥浄御原の大宮」と書いてあるじゃないか。アブネー。
このように一旦後回しにして終わってから振り返るというのも有効な手ですね。
結果発表~~~!
さあ、運命の結果発表です! 偉そうに(そんなつもりないけど)解説しながらボロボロ間違えていたら恥ずかしいですよね。
終わってみたら、15分しか経ってなかった。危険な香りがしますね。
いまさらながら白状しますが、僕がセンター試験受けた時でも、失敗して8割台でした。悪くても許して......。
......。
.........。
...............。
満点でした。初めて獲りました。
わーい。考え方って大事なんですね。確かに自分が受験生の頃は、まだまだ不徹底だったような気がします。
わからない問題が出てきたときにやるべきこと
今日出てきたポイントをまとめておきましょう。
・柔らかく頭を使って選択肢に矛盾がないかじっくり読む
・バランス感覚を大事に
・自分がその政策をするとしたら、など、常識やイマジネーションを使って解く。
・問題作成者の立場に立って考える
・焦らず、ときには問題を後回しにしてじっくり解く
などですかね。これは日本史に限らず大事になります。
塾で特訓をしていると、多くの人が感覚で問題を解いているなあと思わされます。
よくないですね。自分の人生がその1点にかかってくるかもしれないのに、そんなのではダメです。
一問一問なぜ自分がそれを選ぼうとしているのか、なぜそれを選ばないと決めたのか、根拠を持っているというのでなければいけません。
そういう力は、普段から意識して考えて解く練習をしておかないとなかなか身に付きません。
と、愚痴ともお説教ともつかないことを言っても仕方がないので、
新企画!!「今日の一問!」!!!!!!!!!!!!!
今週の一問!
「今週の一問!」は、受験生(受験を控える高校生ももちろん対象です。)に、問題を考えて解くということを身に付けてもらうために、
「知らなくても、考えたら何とかなるかも。」をコンセプトとして、武田塾京都校講師S.Yがお送りするレクリエーション企画です。
受験の知識が必要ない問題を基本として考えていますが、受験生の学習が進んできたなという頃には受験知識の応用的な問題を出すことも検討しています。
校舎の他の塾生たちや、講師、職員さんなどと、相談したり意見を言い合ったりして、楽しく考える習慣を身に付けてください!
では、記念すべき第1問!考えるのに良い問題をいろいろと用意してはいるのですが、初回なので、ちょっとやさしめに。
「今週の一問!」 第1問 近年、社会の変化にあわせて、手持ち用花火は従来のものに比べて燃焼時間の長いものが増えている。その主たる理由は何か。 |
さて、どうでしょう。季節感は全くありませんが、身近な話題ではあると思います。さっきの「わからない問題が出てきたときにやるべきこと」を意識しながら考えてみよう!
再掲
・柔らかく頭を使って選択肢に矛盾がないかじっくり読む
・バランス感覚を大事に
・自分がその政策をするとしたら、など、常識やイマジネーションを使って解く。
・問題作成者の立場に立って考える
・焦らず、ときには問題を後回しにしてじっくり解く
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