現代文の解き方 講座!~論述編~
現代文の解き方 講座! ~論述編~ 始まります!
どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです!
センター試験の結果で喜んでいる人も落ち込んでいる人もいるとは思いますが、気持ちを切り替えましょう!
今回は国公立入試では特に欠かせない(もちろん出題される私立大学もありますが)、論述答案の作法について書いていきたいと思います。
今回は全4回にわたって紹介している「現代文の解き方」の第3回!論述式の問題について書いていきたいと思います。
論述問題は現代文学習の集大成である!
論述形式の問題というのは、どの教科でも難易度の高い問題として位置づけられる花形の問題だと勝手に思っているのですが、みなさんはどうでしょうか?
得意ですか?
中には、マークや記述の問題は分からなかったらどうあがいても点にならない、という意味で論述の方が好きという人もいると思います。
ちなみに「記述式」と「論述式」の違いについては、このブログ記事に関しては以下のような意味合いで使い分けているので、参考にしてもらえればと思います。
選択式:複数の選択肢から選んで解答する形式。ただし、マーク・記述の違いを問わない。
記述式:単語や用語等を実際に書いて解答する形式。ただし、選択式を除く。
論述式:1つないし複数の文章を用いて、論理的な意味のまとまりとして解答する形式。
1.これまでのおさらい
これまで、第1回 【読み方編】、第2回 【マーク編】、と2回にわたって、そもそも現代文の文章はどのように読めばよいか、センター試験や私大受験で登場するマークセンス形式の問題にどうやって対応すべきか、といったことについて述べてきました。
見出しで「論述問題は現代文学習の集大成である!」と言いましたが、これまでの現代文の解き方講座で述べてきた原則論的なお話は、論述形式の問題を解く上でも共通するものです。
詳しくは、過去の記事をあたってもらいたいのですが、少しおさらいしておきましょう!
・問題文をしっかりと読む
いわずもがな、ですね。
読み方は人それぞれ自由でいいとは思いますが、現代文の解き方講座シリーズで紹介したのは「段落の役割を意識しながら読む」でしたね。
文章全体の流れをつかむという目的が達成されればなんでもよくて、僕自身も段落の役割を逐一確認しながら文章を読んでいるのかと言われれば、そんなこともありません。よっぽど何を言っているのか分からないような文章ぐらいでしょう。(そんな文章あるのかな?)
文章を読んでいる時に自然と僕がやっていることを、実践してもらえるように言葉にしてみると、これ。というイメージです。
ですので、あくまで、どう読んででいいのかわからず困っているという人向けのアドバイスです。
この読み方に慣れれば、そんなに意識しなくても文章全体の流れ・起伏が分かるようになってくるでしょう。
・設問文をしっかりと読む
これもアタリマエですよね。
しかし、これができない、もしくは不徹底な人が多いという話は以前もしたと思います。
これを読んでくれている方はもう大丈夫ですかね。
不安な方は読み方編の後半にある「実際の入試問題を見てみよう!」をもう一度読んでみてください。
「設問文がちゃんと読めるか」というのは、次のポイントに大きくかかわるという点で重要になってきます。
・解答は、設問に対する適切な応答になっているか
マーク編でも述べたところですが、このポイントが論述形式の問題を解く際に最も気をつけてほしいところです。
問いに答えていない解答なんて解答とはいえないですし、後述しますがそんなものに点数はほとんどつきません。
不安な方はマーク編の後半にある問題をもう一度解いてみてください。
2.論述形式の問題に特有な点
マーク形式の問題と違って、論述形式の問題にはどのような特徴があるのでしょうか。
いくつか列挙してみると……
・論理の流れを自分で作り上げなければならない
・「あいまいな部分のごまかし」や「部分点狙い」などができちゃう
・できない人が多いので、できると差がつく
などなど......ですかね?
なかでも「自分で解答を作り上げる」というのがネックとなる点ではないかと思います。
マーク形式の問題では「設問に対する適切な応答になっている」もので、かつ選択肢の中から一番マシなものを選ぶだけでよかったのですが、論述形式の問題を解くではそれを自分でやらなければならないわけです。
そのときに、今までは意識する必要がなく起こりえなかったエラーが生じてくるので、注意する必要があります。
以下、どんな注意点があるのかについて述べていきたいと思います!
論述解答 Dos & Don'ts !
「Dos & Don'ts」とは「べき・べからず集」のことで「やっていいこと・だめなこと」ぐらいの意味だと思ってください。
これまであまり文章での解答をしてこなかった人がいきなり文章の形で解答すると、トンデモナイエラーが噴出します。
早速見ていきましょう。
1.安易な「切り貼り」はしてはいけない
初学者がやってしまうミスNo.1ではないでしょうか。
問題文を読んでここが答えになるんじゃないかと思ったところを、コピーしてはっつけたような解答をする人がいます。(最初はほとんどみんなです)
抜き書きしてほしかったら「抜き書きせよ。」と聞くはずです。
「なぜか。」「どういうことか述べよ。」「簡潔に説明せよ。」と聞いているのに文章中の言葉のままで解答してしまっては、設問に答えたことにはなりません。
もちろん全部言いかえるというわけではありません(それはもう全く別のゲームだよね)。
ある程度は自分の言葉で説明し、ときには本文とは異なる論理構成を用いなければなりません。
2.使ってもいい表現、使ってはいけない表現
ではどういう表現ならそのまま使ってよくて、どんな表現なら言いかえる必要があるのか。
あまり期待させないうちに言っておきますが「こういう表現なら使っていい!」みたいな明確な基準はありません。
わりと感覚的につかんでもらいたいものです。
原則的なことを言うと「筆者特有の言い回し」は言い換えや補足説明が必要という感じですかね。
もう少し細かく言えば、
「詩的・叙情的・比喩的な記述」は「説明的な言い回し」に言いかえる必要があり、
「筆者が作った用語」は「補足説明」をつけて解答に書くことが求められます。
3.説明を「入れ子」にしない
「説明せよ。」のような問い方の問題でよくあることですが、説明が「入れ子」になってしまっている答案がよくあります。
「入れ子」というのは、ロシアの民芸品のマトリョーシカなどを思い浮かべてもらえればよいのですが「ある入れ物の中に、それよりも一回り小さな同じ形の入れ物が順々に入っているような構造」のことです。
たとえば、冒頭でこのブログで用いる「記述式」や「論述式」といった言葉の定義を示しましたよね?
もう一度挙げてみます。
記述式:単語や用語等を実際に書いて解答する形式。ただし、選択式を除く。
論述式:1つないし複数の文章を用いて、論理的な意味のまとまりとして解答する形式。
これは別に辞書から引っ張ってきたものではなく勝手に作っただけなのですが、語の定義として最低限の形式を満たしているとは思います。
しかし、これらの定義が次のようなものだったらどうでしょうか。
記述式:単語や用語等を実際に記述する形式。ただし、選択式を除く。
論述式:1つないし複数の文章を用いて、論述する形式。
説明になっていないのが分かっていただけますか?それぞれ、説明する語が説明の内容文の中に含まれてしまっていては、その語を説明文中に代入した時に延々と語の定義が確定しない循環構造を取ってしまいます。
ですので、この「入れ子」構造のことを難しい言葉で「循環定義」と言うこともあります。
ちなみに「循環定義」に関しては「右とは左の反対であり、左とは右の反対である。」みたいなものも含みますし、同じことを「方角」でやると、複数間の循環定義になりますね。たらい回しです。
国語辞典で「右」「左」「東」「西」「南」「北」のような語がどのように説明されているか調べてみると面白いかもしれません。
4・重複する言い回しを避ける
もう一つやってしまいがちなのが「重複表現」です。
「〇〇字も書くことがな~い」なんて言いながら、同じことをだらだらだらだらだらだら書いた経験はありませんか?
確かに、書いた内容があっていればだらだら書いたことそのものが直接減点されることは無いように思いますが、字数制限は意図的になされているものなので、余計なことに字数を使ってしまうと本当に書くべき別の要素が抜けてしまって間接的に良い点が貰えない結果となってしまいます。
以下では、論述式の答案を書く際に絶対にやってほしい「ポイント意識」と「字数確認」について述べていきます。
ポイント意識を持とう!
1.採点される場面を想像しよう
自分の記述解答が採点官に採点される様子を思い浮かべてみましょう。
国公立大学でも数千人、私立大学のマンモス校ならその数倍の人たちが受験するため、それだけの枚数の答案を見ることになります。
採点に費やせる期間も、受験日から合格発表まで2週間とないことが多く、合格通知を発送して発表日に届かなければいけないことを考慮すると、発表日より数日前には合格者を決めてしまっていなくてはならないことになるので、採点に充てられる時間は結構限られてきますよね?
一問採点するのにかけられる時間なんて数秒か十数秒でしょう。となれば、訳の分からない日本語やだらだらとした解答などには点数が出ないです。
そこで評価されるメリハリのある答案を書くために意識してほしいのが「ポイント意識」なのです。
2.ポイント意識とはなにか
問題を解き始める前に意識してみてほしいのが「文字数」です。書いていない場合は解答欄の大きさですね。
解答に何をどこまで書くべきかは文字数を基準に決定していきます。
目安としては「20~25字で1つの主要な要素を書く」ぐらいのイメージ。日本語ではだいたいそのくらいの字数で1つの意味のある論理的なまとまりが書けると思ってください。
50字ぐらいまでの短い解答が求められる問題では「〇〇が△△であるのと異なり、××であるから。」のような、譲歩や対比などでワンクッションおいて、あるものを説明するフォーマットになる事が多いです。
同志社大学や関西大学の論述問題などが典型ですね。
原則として、設問文を読んだ時に
まず①「最低限これは書かないといけない」という解答の核心に当たる部分を決めます。
次に②解答の核心部分を簡潔に書けばだいたい何字くらいになるのかを考えて、残り字数から何を足せばよいか考えます。
いくらか候補が浮かぶと思いますが、優先度の高いものから書いていきます。
優先度はこれまで述べた原則が複雑に関わってきます。
たとえば、
・設問に対する適切な応答になっているか (Ex.因果関係が問われているのに結論部分しか述べられていない)
・「筆者が作った用語」だから、説明する語を加えないといけない
・説明的に言いかえた方がいい部分
・もう少し具体性を持たせるべき・説明的に書くべき
など、柔軟に考えて書いていきます。
3.具体的事例で考えてみる
いくつか問題を出してみるので、これまでのブログの内容から答えてみてください。
1.「説明が「入れ子」になってしまっている答案」とあるが、どのような答案のことか(50字)。 2.本文中で、筆者はなぜ「ポイント意識」を持つことが重要であると述べているか(60字)。 |
解説を見る前に、実際に考えてみましょう。
あくまで解答例なので、参考程度なのですが、
1.「説明が「入れ子」になってしまっている答案」とあるが、どのような答案のことか。 解答例:説明する語が説明の中に含まれてしまっていて、語の定義が確定しておらず、説明になっていない答案。(47字) まず設問の確認ですが、簡単な問い方ですね。説明形式。50字なので2ポイントぐらい。 「入れ子」構造の項は具体例やたとえ話が多いので、その部分を避けて、説明的な答案が書けるかが勝負です。 マトリョーシカなんて書いてたらヤバイですよ? 2019年8月30日 追記
↑の説明は間違いです。解答はあっているのですが、解説が不適切でした。正しくは以下の通り。 まず、①どのような答案のことか。について書かなければ、問いに対して答えたことになりません。 ここでは、端的に「説明になっていない答案」のことです。 その上で、引用部の②「説明が「入れ子」になる」とはどういうことか。について、残り字数の範囲内で説明的に記述することになります。
2.本文中で、筆者はなぜ「ポイント意識」を持つことが重要であると述べているか。 解答例:一つの問題の答案を採点するのに採点官がかけられる時間がきわめて短く、メリハリのある答案を書くことが求められるから。(57字) 理由説明の設問です。60字。 ポイントは2~3ですが、今回は前段が長くなりました。 採点に関する具体的なお話が結構長いので、だらだらと書くのではなく、簡潔にまとめる必要があります。 2019年8月30日 追記 解説が薄いので、ついでにここも追記します。 理由説明の設問として、まず問いに対する端的な解答としては、「メリハリのある答案を書くことが求められるから」ということになります。 その上で、字数がそこそこ余るので、なぜメリハリのある答案を書くことが求められるのかについてさらに理由を加えて肉付けするのです。 因果関係の順序・解答の順序と、考える順番は一致しないものです。 |
最後に
今回はかなり長編のブログになってしまいました。
少し説明不足になってしまっている所もあるかもしれませんが、少しずつ加筆していきます。
実際に自分の論述力を向上させたい場合は、「Canpass現代文」や「現代文と格闘する」などの参考書がおすすめです!
次回、最終回! 補論です。
僕自身のセンター試験の経験や、書き残したことを書きたいと思います。
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