こんにちは。
小田急線経堂駅から徒歩2分、大学受験予備校・個別指導塾の「武田塾 経堂校」です!
この春入学の1年生から、高校教育の場では新学習指導要領が適用されるようになりました。
そこで今回は、その中でも変化の大きい数学の変更点についてとりあげたいと思います。
そもそも学習指導要領って何?
学校教育法第1条で規定されている学校に対して、文部科学省が学習内容を定めたものが学習指導要領です。
学校教育法第1条に記された学校、いわゆる一条校には大学や特別支援学校や高等専門学校が含まれますが、社会的影響力が大きいのはやはり小学校・中学校・高等学校でしょう。
小中高の学習指導要領の改訂はマスメディアでとりあげられることも多く、ニュースや新聞で耳にした人も少なくないことと思います。
過去にも「ゆとり教育」やそれをめぐる議論、その後の「脱ゆとり」が話題に上がったりもしました。
学習指導要領は法的根拠をもって学習内容を指定してくるため、高校や大学の入学試験も多大な影響を受けます。
したがって、武田塾をはじめとする塾・予備校業界も改訂に対応するために大忙しとなります。
新学習指導要領での数学の変更点
それでは、2022年の高校新入生が学ぶ数学がどのように変化するのかを見ていきましょう。
新学習指導要領下での数学の変化は大きく分けて次の3点です。
・数学Cの新設
・科目間での単元の移動
・各単元中の取り扱い項目の変化
それでは順にチェックしていきましょう!
数学Cの新設
前の教育指導要領では、数学はI・II・III・A・Bの5つの科目に分割されていました。
今回の改定でここに数学Cが加わり、6科目体制となります。
2014年までの学習指導要領でも数学Cが存在しましたが、今回の改定で新設されるそれとは内容が大幅に異なります。
「数学C復活!」と叫びたくなる人の気持ちもわかりますが、冷静に見据えていきましょう。
科目間での単元の移動
地味ですが、数学C新設そのものよりも影響が大きいと思われるのがこちらです。
新たに科目が増えることで、その間で単元が移動したり、統合されたり、新設されたり、廃止されたりします。
今回の改定では新設・廃止は少なめですが、単元移動により大きな影響が出てくるところがあります。
旧指導要領からの変更点は以下の通りです。
・旧課程の数学A「整数の性質」と数学活用「数学と人間の活動」が、新課程では数学A「数学と人間の活動」に統合
・旧課程の数学B「ベクトル」が、新課程の数学Cに移動(単元名は「ベクトル」のまま変化なし)
・旧課程の数学III「平面上の曲線と複素数平面」が、数学Cに移動(単元名は「平面上の曲線と複素数平面」のまま変化なし)
以上の改定が高校の授業に対して具体的にどのように影響してくるでしょうか?
まず、「整数の性質」が「数学と人間の活動」に統合されることで、多くの高校の授業では「整数の性質」を扱わなくなります。
新学習指導要領の数学Aは「図形の性質」「場合の数と確率」「数学と人間の活動」から構成されていますが、多くの高校ではこのうち前者2つしか扱いません。
このため、「記数法(n進法)」や「ユークリッドの互除法」といった整数の性質は授業では取り扱わない、という高校が増えてくることでしょう。
とはいえ、整数に関する問題は難関大学の2次試験では引き続き出題されるはずです。
次に、「ベクトル」や「平面上の曲線と複素数平面」の数学Cへの移動ですが、これにより玉突き事故的に数学Bの学習範囲に影響が出てきます。
これは次の項目で詳述します。
各単元中での取り扱い項目の変化
新課程のそれぞれの単元の中でも、細かな要素が移動したり、新たに必須化されたりします。
受験で大きな影響が出てくるのは次の2点です。
・旧課程では数学Bに置かれていた「期待値」が、新課程では数学Aに移動
・旧課程では数学Bの「確率分布と統計的な推測」が選択制であったが、新課程では「統計的な推測」が事実上必須化
「期待値」は2つ前の学習指導要領では数学Aの確率分野に置かれていたので、今回の学習指導要領で数学Aに「戻ってきた」形となります。
「統計的な推測」の必須化についてですが、少々話が長くなります。
まず前の項目で述べた通り、旧課程で数学Bで取り扱っていた「ベクトル」が新課程では数学Cにお引越ししました。
旧課程の数学Bは「ベクトル」「数列」「確率分布と統計的な推測」から構成され、ほとんどの高校ではこのうち「ベクトル」と「数列」が教えられていました。
対して新課程の数学Bは「数列」「統計的な推測」「数学と社会生活」から構成され、多くの高校ではこのうち「数列」と「統計的な推測」を教えることになります。
つまり、「統計的な推測」が繰り上げ当選のような形で授業に採用されるだろうということです。
新学習指導要領の大学入試数学への影響
それでは、新学習指導要領による変化が大学入学試験にどのように影響してくるでしょうか?
端的に言えば、「数学を使用する文系受験者」に多大な影響をもたらします。
新課程で数学IIIC(旧課程では数学III)まで取り組むという理系の場合、特に共通テストでの単元や取り扱い項目の移動に注意する程度で、本質的・根本的な変化はありません。
しかし新課程移行に伴う単元・項目の移動は、共通テストや二次試験で数学を利用する文系受験生に多大な影響を与えます。
ここでは共通テストを例に、その変化を見ていきましょう。
新課程での共通テストの変化
2024年まで実施予定の旧学習指導要領下の共通テストでは、数学はI・IAとII・IIBに分かれています。
これに対して2025年から実施予定の新学習指導要領下の共通テストでは以下のように分かれています。
・数学I・数学IA
・数学IIBC
まず科目名から見て取れることとして、従来数学IIと数学IIBの選択制だったものが数学IIBCに統合されました。
また、一見変化のない数学IAも単元の移動により選択問題に変化が生じます。
従来は「確率」「整数」「図形」のそれぞれの大問3題から1題選択する形式でした。
しかし、新方式では選択がなくなり「確率」「図形」の解答が必須となります。
数学IIBCでは選択制の問題が残りますが、
「数列」「統計」「ベクトル」「複素数平面」の4題から3題を選択して解答する形式
となります。
数学Cの追加と単元の移動・統廃合により、苦労する文系受験生もいるかもしれません。
理系の受験生は、旧過程でも新課程でも学習すべき分野ですので、トータルで学習する分野は基本的には変わらないと考えてよいです。
おわりに
今回は、新学習指導要領での高校数学の変化と大学入試への影響を見てきました。
数学が大好物の私としては、数Cで「行列」の復活を期待していたのですが、かなうことはありませんでした。
文系で数学の利用も考えている(特に国公立大学志望の)皆さんは気を引き締めていきましょう。
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