以前は大学受験者を対象として
大学入試センター試験が実施されていました。
令和3年度からはそれに代わって大学入学共通
テストを実施されるようになりました。
しかし、みなさんこれらの違いってはっきり
わかりますか?
共通テストでは、しばしば
従来のセンター試験よりも
「思考力・判断力・表現力」を
問う問題が増えると言われていますが
具体的にどういう形式で問われるのか
よくわからないという人もいると思います。
また、
共通テストは始まったばかりなので過去問が
少なく、対策がしにくいと感じている人もい
ると思います。
今回は、
共通テストとセンター試験の違いを
教科ごとにわかりやすく解説していきます💁
共通テストの特徴
共通テストの方式
解答形式など
・マークシート式
→記述式の問い出題されません。
・国公立大学の出願の際に点数が必要なため
自己採点は必須です!
→必ず問題用紙にも解答を記録しましょう!
出題傾向
大学入学後の教育に見据えた基礎力を踏まえた
問題が出題されるようになりました。
・基礎知識単体を問う問題が減り、その知識を
活用して日常生活などに絡めた問題が出題
→知識の理解度と質が重視され、
思考力・判断力・表現力を求められる。
各大学の試験との組合せ
大学入試は年々個性化・多様化が進んでいます。
例として、次のようなものと組み合わせることで
入試の形態が多様化しているのも事実です。
・小論文
・面接
・学校推薦型選抜など
これらを導入することで、小論文や面接の対策
などに重点を置くことができ、同じ大学・学部
を受験するチャンスが増えるなどメリットがあ
ります。
共通テストの受験者
国公立大学志望者
原則として全員が受験します。
共通テストと個別試験の点で合否が出ます。
私立大学志望者
共通テストの成績のみで合否が判定される
単独方式と共通テストと個別試験の両方を
必須で課す併用方式の2つの方式で利用されます。
国公立よりも入試形態が複雑な場合が多い
ため、志望校の方式は必ず確認しておきましょう。
その他
学校推薦型/総合型選抜(旧AO入試)の合否判定に
共通テストが課されることもあります。
共通テストとセンター試験の違い
共通テストの英語
配点
リーディングが200点→100点になり、
リスニングが50点→から100点の合計
200点満点になりました。
全体的にリスニングのウェイトが増えた
といえるでしょう。
問題構成や試験時間及び難易度
リーディングは6問構成のすべて長文読解。
センター試験では出題されていたアクセントや
文法単体での出題がなくなりました。
大問が進むごとに長文のレベルは上がるが、
難易度としてはセンター試験より易しめな傾向。
リスニングはやや難化して、
リスニングはセンター試験では25問だったのが
32問程度に増え、1問の重みも増えました。
センター試験では全部の問題で文が2回読まれて
いたのに対して、1回しか読まれない問題も出題
されることになりました。
対策
長文がメインになり、必要な語彙数が増えるため、
システム英単語などの参考書を使って最低限の語彙を
押さえましょう。
また、
ポラリスなどで様々な分野の長文に触れておくことが
大切です。
時間に対して問題量が多いため、速読力を付けるため
にシャドーイングは必ずやりましょう。
共通テストの数学
配点
数ⅠAが100点、数ⅡBが100点と
センター試験と変わっていません。
問題構成や試験時間及び難易度
問題数も変わっていませんが、
数ⅠAの時間が60分→70分と10分増えています。
数ⅡBは変わらず60分のままです。
センター試験では、
「与えられた数式から答えを出す」
計算重視の問題がほとんどでしたが、
共通テストは、
「問題文から必要な情報を抜き出して自分で数式を
作る」思考重視の問題が多いため、
センター試験より難化しているのが印象的です。
問題背景をおさえて適切な情報を自分で整理する
ことが大切です。
対策
理屈を理解することを重視しているため、
講義系参考書で問題の本質を理解しましょう。
しかし、
基礎固めが一番大切です。
「入門問題精講」や「基礎問題精講」を完璧に
してから共通テスト対策をするといいでしょう。
予想問題集や共通テスト模試で慣れることも得策
です。
共通テストの国語
配点
センター試験と変わらず現代文が100点満点、
古典は古文と漢文で100点の合計200点満点
です。
問題構成や試験時間及び難易度
センター試験では、①「評論」②「小説」と
出題されていたのに対して、共通テストでは
①「論理的な文章」
②「論理的な文章と実用的な文章」と
出題される文章の範囲がより幅広くなりました。
古典は問題構成自体は変わりませんが、
設問5がとにかく長いため時間がかかります。
時間はセンター試験と同じくすべてあわせて
80分となります。
センター試験よりかなり難しいです。
また、複数の資料を読み取く必要がある問題も
出題されます。
そのためセンター試験と比べて、迅速な情報処理
能力が求められます。
共通テスト対策なしではかなり厳しいでしょう。
対策
難易度も含めて一番変化の大きい科目だと
言えるでしょう。
しかし、
本質的にはセンター試験と大きく変わりません。
問題を選択する際は、根拠の言い換えの幅を
つかむことが重要です。
マーク式だと、紛らわしい選択肢を消去法で
消して正解を選ぶことが多いので、センター
試験の問題はその練習をするのに最適といえる
でしょう。
特に、2020年のセンター試験の問題に触れて
おくといいでしょう。
共通テストの理科
配点
センター試験と変わらず、
発展科目100点満点、基礎科目50点満点。
問題構成と試験時間及び難易度
こちらはセンター試験と変わりません。
難易度自体はセンター試験と同程度。
他教科同様、知識だけを問うのではなく資料から
読み取った情報や知識をもとに考察させる問題が
増加しました。
また、
図・グラフや問題文から必要な情報を読み取って
整理する力や複数の資料を比較して考察する力も
問わています。
対策
資料集や講義系参考書をよく読み込み、
理解を深めることが大切です。
また、
実験問題など思考力を問う問題が増えたため、
知識を覚えるだけでは通用しません。
なぜそうなるのかを考えたり、実際の現象を
図やグラフと関連させて理解することが重要です。
問題演習を通して、必要な情報を読み取ったり整理
する力を身につけていきましょう。
基礎科目の対策はセンター過去問で十分可能です。
共通テストの社会(歴史)
配点
センター試験と変わらず
日本史B、世界史Bいずれも100点。
問題構成と試験時間及び難易度
問題数、出題範囲、試験時間いずれも変わりません。
日本史では
2つの正解のうち1つを選ぶ問題が、
世界史では
文章を読解して解く問題が圧倒的に増加しました。
生徒同士の会話やプレゼン形式・グラフや写真、
地図などさまざまな資料を用いた問題が出題される
など思考力が問われるかたちとなりました。
難易度が上がったというより、文章量が増えて出題
形式が大きく変化しました。
対策
教科書レベルの重要事項をいち早く押さえましょう。
ただ用語を暗記するだけではいけません。
教科書の太字だけでなく、文章そのものも大切です。
用語を覚える際も、背景や経緯、周辺の事柄との関連
性を意識しましょう。
また、文化史などの問題に備えて、
講義系参考書や資料集などを通して、グラフや表、
写真などに慣れておきましょう。
まとめ
共通テストはセンター試験と比べて、
思考力が問われる内容になっています。
しかし、
どんな試験に変わっても大切なもの、
それは基礎の完成度です。
基礎がしっかり固まってこそ、
応用問題が解けるようになります。
一方、基礎が固まっていないのに
応用力は身につきません。
授業を受けるだけでは成績は上がりません。
自学自習が重要であると言えます。
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