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今回は「産業医科大学の義務年限」についてお話ししていきます。
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【産業医科大学の義務年限の内容について解説！】
目次
産業医科大学ってどんなところ？
まず、産業医科大学は北九州市にある
私立の単科大学で、
医学部と産業保健学部
の２つの学部のみで構成されています。
名目上は私立大学の医学部ではありますが、
通常の私立医学部とは若干異なり、
自治医科大学、防衛医科大学と併せて
目的別医科大学
という分類になっています。
それが、今回お話しする
「義務年限」
と関係してきます。
そんな産医大の特徴である
義務年限とはどういった
システムなのかを
解説していきます！
※なお、今回の産医大についての話は
医学部に限った話なので、
ご了承ください。
※また、義務年限に関しては
自治医科大学、防衛医科大学とは
異なるものとなっていますので、
ご注意ください。
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義務年限ってそもそも何？
産業医科大学について
調べたことがある方以外は
耳なじみのない言葉だと思います。
簡単に言うと
「卒業後に学校の指定する職場で働く義務」
のことで、
学校に言われた場所で
決まった年数分
働かなければいけない
というものです。
「え！？卒業後に好きな場所で働けないの？？」
「卒業後の進路が決まっちゃうってこと？？」
と思われた方、
残念ながら、卒業後何年間かは
そうなってしまいます、、
その年数や職場など
詳細は後ほど記述しますが、
まずは何故そういった義務が
発生するのかについて
みていきましょう！
義務年限の理由は●●にある
まず、産業医大には
修学資金貸与制度
というものがあります。
その内容は以下の通りです。
医学部の学生を対象に、公益財団法人産業医学振興財団が修学資金として学生納入金の一部を貸与する制度です。
卒業後、貸与を受けた期間の1.5倍の期間（在学6年間にわたり貸与を受けた場合は9年間）産業医等の職務に就けば、貸与を受けた全額が返還免除となります。
但し卒業後、産業医等の職務に就かない場合、または所定期間勤務しない場合については、貸与を受けた全額を一括返還しなければなりません。なお、産業医学卒後修練課程もしくは大学院の終了後、「産業医等の職務に一定期間」就けば、産業医学卒後修練課程もしくは大学院の修学期間は、「産業医等の職務に就いていた」とみなされます。
その合算9年により、全額返還免除の要件を充たすことができます（大学卒業から概ね9～11年）。
つまり、
公益財団法人産業医振興財団から
修学金の援助を受ける代わりに
義務年限が発生する
ということです！
「じゃあお金を払えば義務はなくなるの？」
と思われた方、
今のところはその通りです。
実際に学生納入金を全額支払い、
義務年限を回避する人は
一部いらっしゃいます。
ただし、今後、
返済すべき金額が増えるのではないか
という噂がまことしやかに
ささやかれています。
今後どうなるかはわからないため、
入学するのであれば、
義務年限を請け負う心づもりは
必要かと思われます。
義務年限って何年間？
ではここから、
義務年限について
年数、職場、職種など
より具体的な内容について
解説していきます！
義務年限の年数は
先ほどの引用にもある通り、
基本的には
9~11年
となっています。
「なんで年数に幅があるの？」
と思われると思います。
その理由は、
義務年限と卒後の進路に
深く関係している
コースというものによって
左右されます。
ではコースについて
より詳しく見ていきましょう！
義務年限を左右するコースって？
卒業後の進路は
基本的に以下の３つのコースのうち
どれかを選ぶ形になっています。
①専門産業医コースⅠ
②専門産業医コースⅡ
③産業医科大学大学院
この３つのコースの違いですが、
簡単に言うと、
産業医になる人は①、
臨床医になる人は②、
研究&臨床をする人は③
といった風に
卒後の専門分野によって
コースを選択します。
ここで、
「産業医って何？」
と思われた方は
是非こちらの記事を参照ください！
それぞれのコースの
義務年限の年数は以下の通りです。
①専門産業医コースⅠ：9年
②専門産業医コースⅡ：10or11年
③産業医科大学大学院：11年
②の10年と11年の違いについては、
初期研修病院が
産業医科大学病院だと10年、
それ以外の病院だと11年
という風に決まっています！
（初期研修に関しては後述します）
すなわち、
産業医を目指す人は
臨床医や研究をする人と比べて
２年短い年数になっている
ということになります！
↓↓より詳しい情報はこちらから！↓↓
では、義務年限中は
どんな仕事をするのでしょうか？
詳しくみていきましょう！
義務年限中ってどんな仕事をするの？
こちらについても
コースごとにその内容が異なります。
ではコースごとの違いについて
詳しく解説していきます！
①専門産業医コースⅠ
こちらのコースは主に
産業医になる人向け
のものになっています。
流れは以下の通りです。
卒後1~2年目：初期研修
卒後3~5年目：産業医実務研修および
産業医学の調査研究（2年)
産業医研修or臨床研修（1年）
卒後6~9年目：返還免除対象職務
要するに、
初期研修
→産業医実務＆産業医学研究
→返還免除対象職務
といった流れです！
卒後6~9年目の
返還免除対象職務
についてですが、
これは全コース共通で、
以下の職務のうち
いずれかの職務を選択する
という形式になっています。
返還免除対象職務
１. 産業医
２. 産業医科大学の教員
３. 産業医科大学病院の医師
４. 労災病院の医師
５. 厚生労働行政機関の職員
６. その他
これらの中に
産業医が入っているため、
①コースの人は
初期研修を除くすべての期間を
産業医として働くことができます！
そのため、
産業医志望の方にとっては
義務年限はあってないようなものです！！
産業医を将来考えている方は
産業医科大学をおすすめします！
②専門産業医コースⅡ
こちらは
臨床医を目指す人向け
のコースとなっています。
流れは以下の通りです。
卒後1~2年目：初期研修
卒後3~6年目：産業医科大学病院で勤務
産業医実務研修（4か月)
卒後7~10or11年目：返還免除対象職務
要するに、
初期研修
→産医大病院で勤務（４か月産業医）
→返還免除対象職務
という流れです！
②コースの場合は、
卒後7年目以降の
返還免除対象職務については
産業医科大学病院の医師
労災病院の医師
のどちらかを選択することが多いです。
そのため、
臨床医を目指す産医大生は
卒後3年目以降は
基本的に大学病院か労災病院で
勤務することになる
ということになります。
卒後すぐに開業をしたい方や
働きたい地域が決まっている方にとっては
あまり好ましくないのではないでしょうか。
また、
卒後7~11年目のうち
最低でも２年以上
産業医として働かなければならない
という決まりもあります。
こちらも、
臨床医としてのキャリアを切らしたくない、
産業医に全く興味がない
といった方にとっては
好ましくないのかもしれません。
③産業医科大学大学院
こちらは
研究＆臨床をしたい人向け
のコースとなっています。
流れは以下の通りです。
卒後1~2年目：初期研修
卒後3~6年目：産業医科大学大学院
卒後7~11年目：返還免除対象職務
要するに、
初期研修
→大学院
→返還免除対象職務
といった流れです！
このコースでは
返還免除対象職務で何をするかは、
かなり人によって選択が異なります。
産業医科大学では
臨床医学の研究に加えて
産業医学の研究も行えるので、
研究内容やその後の希望進路に
かなり幅が出てくるためだと思われます。
義務年限ってデメリットしかないの？
これは声を大にして言いたいのですが、
もちろんそんなことはありません！！
臨床医を目指す方にとっては
デメリットに感じてしまうかもしれませんが、
裏を返せばメリットにもなりえます。
大学病院では高度な医療が
提供されており、
市中病院では見られないような
難病や頻度の少ない疾患など
医師として多くの経験を積むことができます！
また、産業医として働いて得た経験は
必ず臨床医になっても活かされますし、
産業医のライセンスは
将来のキャリアの選択肢を
増やすことにつながります！
また、近年では
医療費の逼迫を受けて
予防医学に注目が集まっています。
そのため、産業医学や公衆衛生の
知見も備えた医師の需要は
今後どんどん増えていくのではないでしょうか。
まとめ
１. 義務年限は9~11年
２. 修学資金の返済免除が目的
３. 職務内容は産業医、産医大病院の医師など
４. 年数や職務内容が進路によって異なる
いかがだったでしょうか。
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