皆さんこんにちは!武田塾倉敷校講師の日下です。
最後のセンター試験、国語の試験作成者は思い切ったことをしてくれました!センター試験の過去問を、ご覧になった方はご存じかもしれませんが、漢文分野でなんと漢詩を出題したのです。試験本番で、「漢詩の勉強なんかしてねーよ!」と思った人もいるのではないでしょうか。そこで、最低限の漢詩対策法を伝授します。ぜひ参考にしてみてください。
漢詩には4種類ある!?
漢詩には大きく分けて四種類あります。見分け方は簡単!行数と字数を見れば大丈夫です。
まずは行数の方から。漢詩全体で、4行であれば絶句、8行であれば律詩。皆さんが聞いたことがあるだろう言葉、「起承転結」。これは、絶句の行を1行目から、起、承、転、結と呼ぶことからきています。覚えるときの参考になればぜひ。
次に字数の方。1行に含まれる文字の数が、5つであれば五言、7つであれば七言です。
あとはこれを組み合わせるだけ。五言絶句、五言律詩、七言絶句、七言律詩というふうに組み合わせればOKです。基本的には大学受験ででるのはこの4つ。漢詩の形を見るだけなので簡単です。
でも、入試にはこのレベルでも出題されており、現に2019年・岡山大学の国語・漢文分野・問1で出題されました。形を見るだけで判断できるので、知らなきゃソンです。
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
↑上に当てはめてみると・・・
①行の数が4つ
②一行に含まれる文字の数が5つ
よって、「五言絶句」
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
↑上に当てはめてみると・・・
①行の数が8つ
②一行に含まれる文字の数が7つ
よって、「七言律詩」
漢詩に存在する独特のルール
唐突ですが、昔、漢詩は科挙という、とても難しい中国の官僚を採用する試験で使われたほどです。試験になるということは、点数を付けなければなりません。つまり上手い下手が漢詩にもあります。漢詩の上手い下手をどう試験官が判断するのか。それは韻を踏めているかどうかです。だから入試にも韻に関する問題が出題されるのです。
そもそも韻とは何か。体験者(しゃ)、アマゾン社(しゃ)のようにおしりの文字が同じ音になるようにすることです。漢詩においては、偶数番目の行において韻を踏むというルールがあります。
今年のセンター試験でも、韻を理解しているかどうかの問題が、問4で出題されました。
では、この問題を解いてみましょうか。2020年のセンター試験・国語の問題を横においてみていただけると分かりやすいと思います。 (センターの問題の下側が、偶数行に当たります。)
漢詩は、もともとが中国語なので、基本的に音読みで読んでいきます。
2行目の文字が同(ドウ)
4行目が中(チュウ)
6行目が風(フウ)
8行目が江(コウ)
10行目が埇(ヨウ、中国語の漢字なので読めなければとばしても良い)
12行目が空欄
14行目が峰(ホウ)
16行目が功(コウ)
18行目が(ショウ、難しい字なのでとばしても良い)
ラスト20行目が同(ドウ)。
共通点が見えてきましたか。すべておしりの文字がウで終わっていますね。
改めて、選択肢を見てみると、
①窓(ソウ)、②空(クウ)、③虹(コウ)、④門(モン)、⑤月(ゲツ)。
「お前あれだけ言ったのに、④と⑤しか消せないじゃないか!」そう思ったかもしれませんが、焦りは禁物です。漢詩といえど文章。文章の意味を把握しなければなりません。空欄の上の行の最後の文字を見てください。戸とあります。今回は詳しくは省きますが、漢詩は2行セットで、1行目と同じジャンルの話をすることが良くあります。(これを対句といいますが、時間に余裕があったらまた調べてみてください。)つまり、この選択肢で戸とジャンルが近いものは①窓(ソウ)か④門(モン)。しかし、④は韻を踏んでいないから不正解となって、正解は①となる。
長くなりましたが、以上が漢詩における韻のルールです。
終わりに
漢詩については、以上の2つのルールさえ抑えておけば、いつも読む漢文よりやさしい文章です。
まずは、普段の漢文の勉強をしっかりとやることが大切です。(といっても、漢文という科目自体がやさしいので、あまり勉強時間を割かなくてもいいですが...)「漢詩が出た!無理だ!」と思わないでください。他の受験生も同じ状況です。ということは、「無理だ!」と思わなければ、他の受験生より有利な状況になれます。気持ちを落ち着かせて頑張ってください。
最後の最後に余談ですが、タイトルの前振りを回収しなけらばならないので駄文をもう少し。今回の漢詩の出典は『文選』。令和の由来である『万葉集』の梅花のうたのモチーフは、『文選』のうたからといわれています。つまり、「令和初のセンター試験ということであることを出題者が意識したのかな?」という私の邪推です。では、今回の文章がみなさまの明るい将来を照らす一助になれば幸いです。
_________________________
武田塾倉敷校では一対一の完全個別指導で、生徒一人一人に合った
科目毎の志望校別個別カリキュラムにより逆転合格を可能にします。
武田塾倉敷校では大学受験を控える皆様からのお悩みを伺い、
一緒に解決していく「無料受験相談」を実施しております。
各科目の勉強方法から志望校対策までお気軽にご相談下さい!
武田塾倉敷校での無料受験相談のご予約は↑からお願いします!!
お電話でのご予約も可能です!