こんにちは、武田塾熊本水前寺校です。
今回は熊本大学に新設される工学部半導体デバイス工学課程について解説していきます。
「どんなことが勉強できるの?」
「入試情報について知りたい!」
という人はぜひ参考にしてください。
熊本大学工学部半導体デバイス工学課程とは?
工学部半導体デバイス工学課程とは、令和6年度に新設予定の工学部新学科相当の組織です。
以下、半導体デバイス工学課程の特徴について解説していきます。
導入された背景
新学部の導入にはTSMCが大きく関係しています。
TSMCとは台湾の半導体メーカーであり、熊本県に工場を建設中の企業です。
新型コロナウイルスの流行により、世界的に半導体不足が問題となっている中でもTSMCは破竹の勢いで成長を続けています。
このような世界的企業が熊本に進出するということは、熊本において半導体分野の人材需要がさらに高まると考えられるため、熊本大学は半導体に関する新たな組織の設置を決定しました。
半導体は、身の回りのあらゆる製品の動作を制御する技術です。
半導体がなければ、皆さんの持っているスマートフォンやゲーム機を操作することはできません。
学ぶことができること
半導体デバイス工学課程で学ぶことができるのは、半導体についての設計から製造までの専門的な知識です。
授業については、最先端の半導体研究を行っている教授陣に加え、企業の第一線で活躍中の研究者技術者や経営者が担当するので、実用的な専門知識を身につけることができます。
また、インターンシップや企業と連携した科目もカリキュラムに含まれているので、半導体に関する実務について学ぶことも可能です。
ここでいう実務とは、半導体製造の工程や数値の管理の事を指します。
そして、半導体の需要は世界的に高まっているので、世界で活躍するための英語運用能力とコミュニケーション能力を高めるプログラムも用意されています。
入試情報
ここからは入試情報について解説していきます。
この情報は、2023年4月13日時点での暫定情報をもとにしています。
詳細は2023年7月に公開されるので、受験する予定の人はそちらも確認してください。
一般選抜
一般選抜では、共通テストと個別学力検査が課されます。
注意書きにあるように令和7年度からは「情報」が課されるので、現高校2年生以下の人は気をつけましょう。
上記の表から分かるように、共通テストでは、国語、地歴公民(1科目)、数学(2科目)、理科(2科目)、外国語の5教科7科目、個別学力検査では、数学、理科(2科目)、外国語の3教科4科目が必要になります。
共通テストでは、理科の科目についてどの科目を選択しても良い形になっていますが、個別学力調査では、物理が必須でもう1科目を選択する形になっているので、理科の科目選択には注意してください。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は高校からの推薦を受けることによって出願できる入試方式です。
学校推薦型選抜を受験し合格した場合、その大学に入学することを確約しなければいけません。
工学部半導体デバイス工学課程では、学校推薦型選抜Ⅱの枠を2つ設けています。
以下、この2つの枠についてそれぞれ解説します。
学校推薦型選抜(ア)
この枠に出願することができるのは、高校生3年生と浪人生(1浪に限る)です。
この枠では、出願要件に評定平均の条件はありません。
選抜方法については、大学入学共通テスト・推薦書・調査書・志望理由書及び面接によって合否が判断されます。
共通テストの科目については一般選抜と同じです。
募集人員は5人となっています。
学校推薦型選抜(イ)
この枠に出願することができるのは、職業教育を主とする専門高校(学科)及び総合学科の学生です。
浪人生は出願できないので気を付けて下さい。
この枠では「学習成績概評がA」であることが出願要件に含まれています。
また、総合学科の学生については、情報・電気・電子・通信・機械・材料・化学関連の教科・科目を20単位以上履修することも出願要件に含まれているので注意しましょう。
選抜方法については、大学入学共通テスト・推薦書・調査書・志望理由書及び面接によって合否が判断されます。
共通テストの科目は数学(2科目)、外国語の2教科3科目です。
面接については、口頭試問が含まれるので注意してください。
口頭試問とは、学部・学科に関する専門知識の有無や理解度を口頭で問う形の質問のことです。
半導体デバイス工学課程の口頭試問では、情報・電気・電子・通信・機械・材料・化学関連の質問が予想されるので、予備知識をしっかり持っておくようにしましょう。
どんな人におすすめ?
半導体に興味・関心がある
半導体デバイス工学課程では、半導体を中心に学習していくため、半導体に興味・関心がなければ入学した後に進路や授業においてキツイ思いをしてしまうかもしれません。
反対に、将来半導体関連の仕事に就きたい人にとっては、半導体に関する幅広い知識を身につけることができるのでかなりおすすめです。
また、半導体は世界的に需要が高まっており、今後もこの状況は続くと考えられています。
このことから半導体に関する人材の需要も高まっていくと考えられるので、世界で活躍したいという人にもおすすめです。
理数系の科目が得意
半導体デバイス工学課程のカリキュラムのほとんどは、理数系の専門科目になっています。
なので、理数系の科目に取り組む事が楽しいと感じる人にはおすすめです。
まとめ
半導体は、社会や身の回りのあらゆる製品の動作を支える技術です。
半導体がなければ皆さんの持っているスマホも動きません。
今後IoTやDXが推進されていくことを考えると、半導体は社会において欠かすことができない存在です。
半導体デバイス工学課程では、半導体について学ぶことで社会的に求められる人材になることができます。
少しでも興味がある人は進路の1つとして考えてみて下さい。