はじめに
皆さんこんにちは!
埼玉県久喜市にある予備校、武田塾久喜校です!
11月も終わり、本格的な冬がやってきそうです。
特に受験生の皆さん。大学入学共通テストまであと50日を切りましたが、現代文の勉強は進んでいますか?
現代文の問題っていつも「なんとなく」で解いてるし、それで解けてしまうことも多いから
いざ対策をしようと思っても何をしたらいいか分かりませんよね。
参考書を買ってきて現代文の文章の読み方の基礎を学ぶ?
たくさん長文問題を解いて読解力を磨く?
どちらも有効で効率的な対策です。
しかし、これだけでは足りない。
現代文の、得点を上げるためには様々な分野における基礎知識を持つことも必要なのです。
各分野の基礎知識を持つことの意義
なぜ現代文の得点を上げるために、各分野における基礎知識を持つ必要があるのでしょう。
まず前提として、現代文の評論分野の読解問題で出てくる文章のほとんどは実際の本や論文から抜粋されたものです。
これが何を意味するかというと、現代文の読解問題で出てくる文章は「高校生が取り組む現代文の読解教材を作ること」を目的として執筆されたわけではないということです。
では本や論文はいったい何を目的に作られているのか。
ほとんどの場合、それらは特定の層に特定の内容を伝えたくて作られているといえます。
例えば『家庭料理アレンジレシピ集』であれば自宅で料理を作る人に様々なレシピを伝えたくて出版されていますね。
ここで注目したいのは、本や論文の執筆にあたって書き手は読み手の層をある程度限定しているということです。
『家庭料理アレンジレシピ集』は自炊の全くできない人を対象にした本ではありません。
おそらくこの本の中では「玉ねぎをくしぎりにして」「落し蓋をして」といった表現が当たり前のように登場し、それらの語句に対する解説がなされることは無いでしょう。
なぜなら『家庭料理アレンジレシピ集』が対象としている読み手は、基礎的なレシピを熟知しているような家庭料理の上級者だからです。故にそれらの基礎的な語句については知っているという前提で本が構成されています。
別の例を出しましょう。
例えば『プログラミング言語C言語の基本』という本があったとします。
こちらは『家庭料理アレンジレシピ集』よりかなり専門性が高い本ですね。
この本の執筆者が想定している読者はある程度パソコンに明るい人です。
故に、この本の中ではパソコンがどういったものかについての説明がなされたり、起動方法やメモ帳の開き方が解説されることはありません。「プログラミング言語についての本を買ったのだからそれくらい知っているよね」という前提で話が進んでいきます。
この本を現役エンジニアの人が買ったなら十二分に本の内容を理解できるでしょうが、仮にパソコンに触ったことさえないおじいちゃんが買ったとしたら、いかにおじいちゃんの読解力が優れていたとしても本の内容を理解することはできませんね。
この『プログラミング言語C言語の基本』という本の一部を抜粋してきているのが現代文の読解問題です。
もちろんのこと、それを読み解くにあたってはパソコンという分野における基礎知識が必要です。
これが、様々な分野における基礎知識を持つことの重要性です。
現代文においては「科学」「文化」「哲学」「現代社会」などの分野から読解問題が出題されます。
それらの分野に対する前提知識を持てば、
そういったテーマを扱った文章を簡単に読み解けるようになるのです。
これこそが、現代文の得点を上げるために様々な分野の基礎知識を持つことも必要だと述べた理由です。
「現代文文章読解の基礎知識:文化って何?」
「科学」「文化」「言語」「哲学」「現代社会」などあらゆる分野についてこのブログで解説できたら良いのですが、そんなことをすればこのブログが10万字を超える超大作になってしまうでしょう。ゆえに今回は「文化」という分野に絞って解説していこうと思います。
(※「科学」については当ブログ「8月のテーマ「現代文文章読解の基礎知識:科学って何?」」で以前解説しております。気になる方は以下のリンクから飛んでみてください。https://www.takeda.tv/kuki/blog/post-231153/)
文化の分野の基礎知識
文化って何?
まず、文化とは何か。
文化とは特定の時代の特定の地域に生きる人の多くが共有している価値観や考え方、言語、習慣、伝統、芸術等を表すものです。
もちろん価値観や考え方は十人十色です。
一方で、その文化に生きる人の多くに共通する価値観・考え方も存在ます。
有名なブラックジョークとして沈没する豪華客船の話があります。
多くの乗客を乗せた豪華客船が海底から突き出した岩に接触し、船腹に大きな穴が開いてしまいました。そこからは海水が流れ込んでいるようで、船は傾き始めています。数十分もすれば転覆してしまうでしょう。乗客には今すぐ船内から脱出し、海へ飛び込んでもらわなければなりません。船には今アメリカ人、イギリス人、ドイツ人、日本人がいるようです。そのとき、船長はそれぞれの乗客にこう言いました。
アメリカ人には「今飛び込めば英雄になれます」
イギリス人には「紳士はこういった時海に飛び込むものです」
ドイツ人には「こういったときは飛び込むのが規則です」
日本人には「もうみんな飛び込みましたよ」
アメリカ人は英雄に対する憧れが強い、イギリス人は「紳士であれ」と行動する、ドイツ人は規則に重きを置く、日本人は周りに合わせる。
もちろん一概には言えませんが、各国の人はそういった傾向を持っていることが多いとされています。
これが、特定の時代、特定の地域に生きる人の多くが共有している価値観や考え方です。
船長はそれをうまく活用して最適な指示を出しているというわけですね。
そういった価値観や考え方に基づいて言語や習慣、伝統、芸術が形作られていきます。これらをまとめて、「文化」と呼んでいるのです。
自文化中心主義と文化相対主義
「文化」を語るうえで欠かせないもの「自文化中心主義」がと「文化相対主義」の考え方です。
自文化中心主義というのは自分の属する文化の価値観や考え方を絶対的で優れたものと考えて、それを基準にして他の文化を評価することです。
例えば、私たちは普段箸を使ってご飯を食べていますね。日本には「箸という道具を介してご飯を食べる」という習慣とそれを良しとする価値観があるのです。一方で、外国では食べ物を手掴みで食べる国もあります。そんな彼らの食事風景を見たときに「道具を使わないなんて野蛮だ」、「手づかみで食べるのは不衛生だ」と批判し、「そんな習慣を持つこの国の人々は遅れている」等という評価を下してしまうのが自文化中心主義です。19世紀ごろに支配的だったこの自文化中心主義的な考え方は、後に批判の目を向けられていくことになります。
その結果生まれたのが文化相対主義的考え方です。文化相対主義というのは、特定の文化の価値観や考え方を優れたものだと考えるのではなく、どの文化も独自に発展を遂げてきた価値あるものだとすることです。日本は「箸という道具を介してご飯を食べる」という文化を持ち、ある国では「ご飯を手掴みで食べる」という文化を持つ。そのどちらもが尊重されるべき文化である、と考えるのが文化相対主義的な考え方です。
以上が「文化」の分野の基礎知識です。かなりざっくりと書いてしまいましたので、より深く知りたい方は図書館で文化論入門といった本を借りて読んでみてくださいね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
このブログが皆さんの現代文の勉強の一助になりましたら幸いです。
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