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10月のテーマ「現代文の記述問題ってどうやって解いたらいい?」

はじめに

皆さんこんにちは!

埼玉県久喜市にある予備校、武田塾久喜校です!

 

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10月も後半に入り、秋らしい日が続いていますね。

さて、今回は、いよいよ受験の時期が近づいてきたということで現代文のおススメの解き方を紹介したいと思います!

(※このブログは以下に述べる「国語の問題の解き方」が正解で、他のやり方は間違っていると主張するものではありません。国語の問題の解き方が分からない、うまく解けないからどんな風に解いたらいいか考えたいという方の参考にしてもらうことを意図して書いています。)

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現代文の問題の解き方 選択問題編

現代文の問題は選択問題と記述問題の2つに分かれます。今回は記述問題の方について考えていきましょう!

 

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現代文の記述問題においてよく出てくる問題は以下の3つです。

「傍線部Aとはどういうことか。35文字以内で説明しなさい。」

「傍線部Aとなるのはなぜか。35文字以内で説明しなさい。」

 

今回は前者についてみていきましょう。

「傍線部Aとはどういうことか。35文字以内で説明しなさい。」

例えば以下のような問題があったとします。

近代言語学の祖ともいうべきソシュールはシニフィアンとシニフィエという概念を提唱した。シニフィアンというのは「朝顔」という文字や「アサガオ」という音声を表し、シニフィエというのは朝顔のイメージや概念そのものを表す。彼はこのシニフィアンとシニフィエに必然的な繋がりはないと考えた。つまり、我々が朝顔といわれて思い浮かべるあの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性はないというのである。実際問題、あの花は英語圏では「a morning glory」と呼ばれているし、ドイツ語圏ではmorgenlatteと呼ばれている。国や言語が違えば、あの花の呼び方はすっかり異なってしまう。あの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性はそこには存在しないのである。それを彼は言語の恣意性といった。

 

設問:傍線部A*¹とはどういうことか。本文の記述をもとに35文字以内で説明しなさい。

(*¹システム上傍線が引けないため黄色のマーカーで代用しています。)

 

この問題を出した人は「「言語の恣意性」がどういうことを意味しているのか」を

本文の記述をもとに考え、説明してほしいと思っています。

ここで大事なことは「本文の記述をもとに」という点です。

例えば、あなた自身がもともと「言語の恣意性」という言葉について知っていたとすれば

「能記と所記の関係に必然性がないこと。」なんて答えを用意することもできるかもしれません。

確かに言語の恣意性は「能記と所記の関係に必然性がないこと」を意味しています。

言っていることは何ら間違っておりません。

問題は「能記」も「所記」も本文中に一切記載がないということです。

 

ここで問われているのは読解力であって知識ではありません。

読解力を問うているからこそ設問者は「本文の記述をもとに答えろ」と念押ししているのです。

この回答はその設問文の指示に従っていないため、0点となります。

 

ではどのように答えたらよいのか。

順を追って解説しましょう。

 

まず設問文を丁寧に読みます。

設問文は「傍線部Aとはどういうことか。本文の記述をもと35文字以内で説明しなさい。」ですね。

つまり、設問をつくった人は「「言語の恣意性」がどういうことを意味しているのか」を

本文の記述をもとに35文字以内で説明してね、と要求しているのです。

 

まず設問を作った人の要求を適切に理解することが大事です。

回答は「言語の恣意性」がどういうことなのかを説明する文でなければなりません。

回答は本文の記述をもとに作らなければなりません。

回答は35文字以内で作らなければなりません。

この3点を抑えて回答を作っていきましょう。

 

次に傍線部Aを含む文を丁寧に読みます。

傍線部Aを含む1文は「それを彼は言語の恣意性といった。」ですね。

ここから「それ」=「言語の恣意性」であるということがわかります。

「それ」というのは直前の文や語句を指す指示語ですから、「それ」がどこを指しているのか特定できれば回答ができそうです。

ここでの「それ」は直前の1文、「あの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性はそこには存在しないのである。」を

指していそうですね。

 

回答候補1 「あの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性が存在しないこと」

ならば回答は「あの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性が存在しないこと」か。

半分当たっていて、半分外れています。

 

この文章において「アサガオ」というのはあくまで例にすぎません。

文房具というのは「書き物をする道具」で、シャーペンやボールペン、鉛筆、消しゴムなどいろいろありますね。

ここで、「文房具って何?」と聞かれたときに「シャーペンのこと。」と答えるのは間違っていませんが正確ではありません。

「文房具=書き物をする道具」です。シャーペンはあくまで文房具の例の1つ。

質問者が聞きたいのは文房具の具体例ではなく、「文房具」とイコールで結ばれた先の言葉です。

 

この設問において、設問を作った人が聞きたいのは「言語の恣意性」の具体例ではなく、

「言語の恣意性」がどんな概念なのかです。

もう少し文章を詳しく見てみましょう。すると、少し手前にほとんど同じような文章が出てくることに気が付きます。

そして、それは「つまり」という接続語から始まっていますね。

近代言語学の祖ともいうべきソシュールはシニフィアンとシニフィエという概念を提唱した。シニフィアンというのは「朝顔」という文字や「アサガオ」という音声を表し、シニフィエというのは朝顔のイメージや概念そのものを表す。彼はこのシニフィアンとシニフィエに必然的な繋がりはないと考えた。つまり、我々が朝顔といわれて思い浮かべるあの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性はないというのである。実際問題、あの花は英語圏では「a morning glory」と呼ばれているし、ドイツ語圏ではmorgenlatteと呼ばれている。国や言語が違えば、あの花の呼び方はすっかり異なってしまう。あの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性はそこには存在しないのである。それを彼は言語の恣意性といった。

 

「つまり」という言葉は「手前の文章をまとめて言い換えるよ」と宣言する言葉です。ここから、

「シニフィアンとシニフィエに必然的な繋がりはない」

=「我々が朝顔といわれて思い浮かべるあの花が「アサガオ」と呼ばれなければならない必然性はない」

という文同士の関係が見えてきます。

 

「シニフィアンとシニフィエに必然的な繋がりはない」ことの具体例が「アサガオ」だったわけですね。

 

回答候補2 「シニフィアンとシニフィエに必然的な繋がりはないこと」

では答えは「シニフィアンとシニフィエに必然的な繋がりはないこと」か。

この回答はあともう1歩です。

 

記述問題を解くときはもとの文章を読んでない人にも自分の言いたいことが伝わるように書く必要があります。

もとの文章を読んでいなかったら「シニフィアン」や「シニフィエ」が何なのかわかりませんね。

そこで、それら2つを本文の記述をもとに詳しく説明してあげましょう。

本文中に「シニフィアン」は文字や音声のこと、シニフィエはイメージや概念そのものを表すとあります。

 

そこで、さっきの回答を修正して、

「文字や音声とイメージや概念そのものに必然的な繋がりがないこと。」

とします。

 

回答候補3「文字や音声とイメージや概念そのものに必然的な繋がりがないこと。」

この回答は「言語の恣意性」を説明する文であり、本文の記述をもとに作られていて、かつ35字以内です。

これが模範解答といえましょう。

現代文の記述問題は以上のような流れで解いていくことになります。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

このブログが皆さんの現代文の勉強の一助になりましたら幸いです。

 

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