大学入試記述問題シリーズの2回目です。
今回は、現代文や古文の記述問題の取り組み方やポイントについてお話していきたいと思います。
共通テストや私立大学の入試でも、記述問題が多くなるかもしれません。
記述問題はある程度経験がないと、突然書くのは難しいのではないでしょうか?
記述問題において意識してほしいポイントをお伝えします。
現代文の記述問題
現代文の問題は選択肢を選ぶだけでなく、記述問題も多くあると思います。
「選択肢を選ぶだけでも大変なのに、記述とか苦手すぎる...」という人も中にはいるのではないでしょうか。
本文の中から解答の根拠を見つけ、自分の言葉で書くというのは簡単なことではないですよね。
しかし、記述問題が出題された場合、何も書かずに提出するわけにはいきませんよね。何かしら書かなければ部分点すらもらえません。
そこで、記述問題にどのように取り組んでいけばよいかを説明していこうと思います。
基本的に、現代文の答えは本文中にあります。本文に書いていないことは答えにはなりません。
したがって、記述問題において自分の解釈や世間一般の認識に基づいたもの等は一切求められていません。
一つ目のポイントは、「必ず本文に根拠を求めよ!」です。
これは、記述問題に限ったことではないと思います。通常の読解でも、必ず本文に根拠をとるというのはさんざん言われている人もいるかと思います。
前後関係はどうなっているのか、読み間違いはしていないか、根拠となる部分はあっているかなど確認してください。
また、「どうしてこう書いたの?」と聞かれたときに「ここにこう書いてあるから」とはっきりと答えられえるようにしましょう。
誰かにはっきりと説明できるようになって初めて、本文に根拠があると言えるようになります。
二つ目のポイントは、問題文をよく読むことです。
どういうことかと言うと、「書きなさい」なのか「書き抜きなさい」なのかそれとも他の書き方なのかをよく見てほしいということです。
この二つが大きく違うことはお分かりだと思います。
「書きなさい」と問題文にある場合は、本文の内容をもとに自分の言葉に直して書け、ということです。
この場合は、自分の言葉で言い換えられるかが大きなポイントとなります。
「本文の言わんとすることはわかるけど、自分の言葉に直せと言われると...」という人も多いのではないでしょうか。
また、根拠となる本文の内容が長く書いてあり、指定字数にするには内容をギュッとまとめなくてはならないという場合もあると思います。
この場合はなかなか大変だと思います。自分の言葉にするときに、自分に問いかけてほしいことがあります。
それは、「つまりどういうこと?」という言葉です。これは、自分の言葉に直す際に有効な言葉です。
文章に筆者の意見等が書かれているわけですが、それを自分の言葉にするときには文章をかみ砕く必要があります。
「つまりどういうこと?」と自分に問いかけることによって、文章の内容を説明できるようになります。ぜひ意識してみてください。
「書き抜きなさい」という問題の場合は、書き抜くわけですから一言一句変えてはいけません!!
句読点の位置や漢字やひらがなに至るまで、すべて一緒にする必要があります。
変えてしまうと減点になりますので、気を付けるようにしてください。
「そんなのわかってるよ」と思う人もいると思います。
ですが、意外と普通は漢字のところがひらがなで文章中に書いてあったりするので、自分の判断で書かない様にしてください。
時間がなくてもです!書き抜く問題で減点はもったいないですからね!
現代文の記述の中でも難しいのが小説だと思います。
小説は人の心情がメインで、いろいろなところに書かれている心情を正確に読み取り、それを自分の言葉にするのはなかなか難しいと思います。
小説は評論とは違い、ちょっとした表現の中に登場人物の心情が描かれています。
その一言二言の表現に気づき、心情や状況を読み取れるかどうかが大きなカギを握っています。
例えば、「少し笑った」と「笑った」は2文字違いですが受ける印象や想像できる場面は大きく違いますよね。
同じ笑いでも「微笑んだ」だと、これまた違う心情が読み取れる可能性があります。
こうした表現を取りこぼさないことが、小説の記述では重要になってきます。
また、情景描写も大きなヒントとなります。
登場人物の目に映る情景がどのような様子か、その様子と心情はどう関係しているのかもぜひ注目したいポイントです!
古文の記述問題
続いては、古文の記述問題についてです。古文も記述問題で意識してほしいポイントがいくつかあるので、説明していこうと思います。
まずは、現代語訳の問題です。
古文の記述問題でもこの手の問題は多いですね。ここで意識してほしいことは、「訳す」ことです。
「いや、何言ってんの?」ってなりますよね。ですが、これはとても大事なことです。
現代語に訳しなさいと言われているのですから、現代語にしなければなりません。
具体的に訳すとはどういうことかと言うと、必ず言い換えるということでもあります。
例えば! 「心澄む」という古語がありますよね。
これを訳す問題が出たときに、そのまま「心が澄んでいる」と書いても意味は何となく伝わります。
ですが、訳しているか?と言われると疑問が残ります。
「心澄む」という単語の意味が分からなくても「心が晴れやかである」などと言い換えれば、訳せていますしより心情がはっきりすると思います。
わからない単語が出てきたときにどう推測するか、というのも大切です!
このようにして、そのまま書いても意味が伝わる言葉でも、必ず自分で言い換えるようにしましょう。
また、古文には文法力も必要な問題があります。
例えば、「髪丈ばかりならん」という部分を訳すとしましょう。
この部分は、髪丈という単語ではなく、髪と丈の間に「が」を入れて、「髪が背丈ほどと思われる」と訳すのが正解です。
また、「なら」が断定の助動詞「なり」の未然形であると判断する必要があります。
この例は比較的簡単ですが、難しいものは意味の識別が難しかったりします。
古文の記述問題は、単語力・文法力・読解力が求められる総合問題であると言えます。
基礎をしっかりと固めることがいかに大切かということが分かると思います。
最後に。記述問題は書かなければ始まりません。まずは書けるようになって、どんどん精度を上げていってください!
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