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2019,2020年度の”東京大学理系数学”の出題に関して!!

このブログは東京大学の理系数学に関して講師が解いた際に感じたことなどをまとめたものになっています。

2019年度大問1

会場で受験した生徒は面喰ってしまったかもしれません。

あの天下の東京大学とあろうものがこのような平凡な定積分の問題を出題したのですから。

他大学で出題された定積分だとすると難易度は高めになります。

置換の仕方は定石通りでしっかりと勉強した受験生であれば出来ると思いますが、計算量の多さと方針を決めるまでに時間がかかってしまうのと、計算ミスをしてしまうことが大いに考えられるので、制限時間内に満点を取るのは容易ではないでしょう。

今の話は他の国立大学などで出題された場合の話です。東京大学の大問1つ分として出題された今回は話は別です。

東京大学を受けるような受験生からしてみれば簡単な問題であり、たとえ計算ミスだったとしても点数は1点も落としてはいけない問題になります。

2019年度大問2

こちらは文系の方でもほぼ同じ設定がされた問題が出題されています。

文系の方ではもう少し簡単になるような誘導が設定されていますが、理系の方は誘導なしといった形式になります。

難易度でいえば2019年度大問1よりもほんの少し上がったか同じぐらいで、図を書いて自分で変数を設定できれば、あとは関数の増減を調べるだけなので簡単です。

とくにひっかけや間違えやすいポイントなどもないので、東大数学で平均点を取るような受験生は難なく正解してくるでしょう。

2019年度大問3

この問題は空間を考える問題ということで苦手に思う受験生も少なくないことを踏まえると、この年の東大数学の中で1~2番目に難しい大問だと思います。苦手な受験生ですと(1)から正解できなかったということも十分にありえます。

(1)はpの値によって場合分けが生じます。y軸で切ったときなのでxz座標に図示しましょう。

(1)が出来ると(2)はすぐに答えが分かると思います。そのため受験生の中で得点率が分かれるようになってしまった問題でもあるように思います。

(3)はどこの面積を求めればいいのか分からない受験生もいたことでしょう。そもそも(1)(2)が解けていないとここまでたどりつけないので、この問題の得点率はかなり低いと思います。この問題によって合否は決まらないでしょう。

2019年度大問4

とてもいい問題だと思いました。

整数問題を考えるうえで必要な考え方などが詰まった良問だと思います。

(1)はユークリッドの互除法を使う問題。そして議論を簡単にしてからnの偶奇で場合分けして結論を出します。

(2)だけで出題されていれば相当な難易度になるが(1)の誘導があるため少し考えやすい。と言っても誰でも解けるほど簡単になるわけではないが。

nが偶数の時のほうが考えやすいですね。互いに素の状態になっているので、どちらかでも平方数になっていないことを確かめれば終わりです。

nが奇数の時はmod5を考えて矛盾を導くのが賢いと思います。

平方数の余りを考えるのは日ごろからやっておくべきだと思います。

とくに平方数を4で割ったあまりに着目させる問題は頻出です。

2019年度大問5

(1)はcosxの値域を考えれば f(x) のどこの範囲で解を持つ可能性があるのかを言うことができます。

あとは単調性や中間値の定理などから結論に持っていくことが出来ます。

(2)はcosxの単調減少性を考えれば自明です。

(3)個人的にはこの問題がこの年の中で一番好きな問題です。(そもそも解析が好きなことも要因の一つとなっています。)

aは指数関数の指数を増加させたときの0~1の範囲の振る舞いを考えたことある受験生であればすぐに結論が分かると思います。

bから面白くなってきます。aの値と与えられた方程式を利用するときれいに計算することが出来ます。特に不定形にもならずきれいだと思います。

cが一番面白いですね。今までの議論をもとに微分係数の定義式を用いましょう。(平均値の定理でも可能です)

ここで微分係数の定義式に立ち返らせるのが個人的にツボでした。

2020年度大問1

(1)(2)ともに考え方が高校数学ではなく大学数学寄りだと思いました。

近いところを見るのではなくて十分に大きい値を考えることで題意を示すことが出来ます。

パズルチックな感じもして解くのが楽しい一問だと思いました。

(3)は(2)の誘導に乗る形で解いていきます。

少なくとも一つが0であることが分かったので、どれが0であるのかが気になります。

ここでは対称性があるため、「どれが0でどれが0ではないのか」ではなくて0であるものの数が重要になってきますね。

そのため個数で場合分けしていきましょう。

場合分け出来れば結論まで迷うことはないでしょう。

2020年度大問3

(1)(2)に関して地方の国立大学で出題されたとしてもおかしくないぐらいの難易度だと思います。

典型問題中の典型問題ですね。まずは微分して導関数の符号に言及することと、増減表などを書いておけば(2)までは楽勝でしょう。

つぎに(3)ですが、ここはまずは(2)を用いて概形を書きましょう。

そしてそれを回転させることを考えますが、ここで面積をどう求めるのか悩むかも知れませんが、Dの面積と円の1/4に分けることが出来れば後は難なく行けるでしょう。

この年の問題の中では一番簡単な問題であったような気がしますから、この問題を落とすと平均点を割ってしまうような気がします。

2020年度大問4

(1)はそこまで難しくはないので取っておきたい問題になります。

イメージとしては正方形の対角線分を引いて残りのところを2で割った部分を足し合わせていくようなイメージになります。

自分は2変数用意して足し合わせました。(さすがに仰々しい解答です)

(2)この問題は因数分解に気が付かないとどうしたらいいのか詰まってしまう問題だと思います。

気付くことが出来ればきれいに約分できるようになるので気持ちのいい問題になると思います。

(3)は(2)の式をどう使ったらいいのか悩む問題になっていると思います。難易度は高いでしょう。

この問が合否を分ける問題にはならないような気がします。

最後に

まだ解いていない、もしくは解けていないために2019年度大問6、2020年度大問2,5,6は省略させていただきます。

東大数学は難しいと言われますが、基礎や根本に立ち返らせる問題もあるゆえの難しさだと思います。

難しい問題に挑戦することで基礎が固まることもありますし、新たな発見をすることもあると思います。

このブログを読んでくださった皆様に一つでも新しい学びがありますように。

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