日本史選択者に限らず、多くの受験生が苦しめられるのが「文学史」だと思います。悲しいことに、文学史は日本史だけでなく現代文や古文でも出題されますよね。かくいう私も、受験生の時にこれに苦しめられました。今回は主要な文学作品を分野別にした上で、わかりやすく確認していきたいと思います。
WARNING!!
文学史を学習するときに注意すべきことは二つあります。一つ目は、暗記事項が異常にあることです。これはすべて暗記していたらきりがないので、年代や作者、作品のおおまかな特徴を覚える程度にしたほうがいいと思います。二つ目はジャンルごとに覚えることです。実際の問題でもジャンルで問われることが多いのでおすすめの覚え方です。以上を参考に学習してみてくださいね!
随筆
随筆は特色については軽く知っているぐらいがちょうどいいです。作品名、作者、成立年代は暗記しましょう!
作品 | 作者 | 成立年代 | 特色 |
枕草子 | 清少納言 | 平安中期 | 本作の内容は「日記」「類聚」「随筆」の三種類に分類される。日記的なものでは作者が中宮定子に仕えていた間の話が多い |
方丈記 |
鴨長明 |
鎌倉初期 |
大火、大風、福原遷都、飢饉、大震災などについて記述されており、実証的に世の無常を説く 作者は説話の「発心集」や歌論の「無名抄」を手掛けている |
徒然草 |
兼好法師(吉田兼好) |
鎌倉末期 | 求道、処世、人生論と話題はとにかく多様 ついでに言うと思想性も多様 |
折りたく柴の記 | 新井白石 | 江戸中期 | 自伝的随筆 平易な和漢混交文で書かれる この作者は「読史余論」や「西洋紀聞」なども書いている |
玉勝間 | 本居宣長 | 江戸後期 | 文学・語学・史学などの学問研究中心 作者は国学四大人の一人 師は賀茂真淵 |
琴後集 | 村田春海 | 江戸後期 | 作者は国学者・歌人で、師は賀茂真淵 |
花月草子 | 松平定信 | 江戸後期 | 人事・風物などの感想を綴る。作者は寛政の改革で老中であった |
歌物語
特色を知っておくと有利です
作品 | 作者 | 成立年代 | 特色 |
伊勢物語 | 不明 | 平安前期 | 在原業平と思われる「昔男」が主人公の物語で別名「在五中将日記」 ほとんどがハッピーエンド |
大和物語 | 不明 | 平安前期 | 前半は歌物語、後半は説話となっている |
平中物語 | 不明 | 平安中期 | 色好みで有名だった平貞文の恋愛物語 ほとんどが失敗談 |
作り物語
特色を知っておくと有利です
作品 | 作者 | 成立年代 | 特色 |
竹取物語 | 不明 | 平安前期 | 「物語の出で来始めの祖」と源氏物語の中で語られる 話自体は有名 |
宇津保物語 | 不明 | 平安中期 |
前半は琴の秘曲伝授の物語 後半は貴宮中心の求婚物語 |
落窪物語 | 不明 | 平安中期 | 伝奇性を焼失した写実性の高い文章になっている 継子いじめの話 最終的には全員幸せになって終わる |
源氏物語 | 紫式部 | 平安中期(1000年頃) |
日本文学最高の長編物語 歌物語と作り物語の融合 |
次回は「源氏物語に影響を受けた模倣作品群」、「歴史物語」、「軍記物語」を紹介しようと思います。おたのしみに!
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