こんにちは、武田塾小牧校です。
この記事ではアメリカ大統領選挙についてより詳細に書くとともに、なぜ混乱しているかについて書いていきます。
前回は「日本とアメリカの選挙の違い」について説明しました。違いがよく分からない人は、こちらも併せて読んでみてください!
目次
アメリカの選挙制度
前回の記事でも触れましたが、アメリカの選挙制度をもう一度確認します。
上院(元老院)
- 任期:6年(2年ごとに1/3改選)
- 定数:100人
- 選挙方式:小選挙区制(各州2人ずつ)
下院(代議院)
- 任期:2年
- 定数:435人
- 選挙方式:小選挙区制(人口比率に応じて各州1~53議席)
大統領の選び方
①各州で投票を行い最も得票数の多かった政党が、その州の(上院+下院)の議席数と等しい数の選挙人を獲得する。また、ワシントンD.C.からも3人選出する。
②選挙人を過半数(270人)を獲得した候補者が当選する。
③もし、過半数を獲得した候補者がいない場合は下院で各州を1票とした投票を行い、過半数(26票)を得た候補者が当選する。
アメリカ大統領選選挙の問題点
勝者総取り方式
アメリカ大統領選挙ではほとんどの州で勝者総取り方式を採用しています。
勝者総どり方式とは、最多得票を得た陣営が、その州に割り当てられた選挙人をすべて獲得するという方式です。
ゆえに最も票を獲得した人が大統領になるとは限りません。
実際に前回の大統領選挙では、ヒラリー氏のほうが得票数が多かったのですが、トランプ氏のほうが選挙人を多く獲得したのでトランプ氏が大統領となりました。
郵便投票
投票所での投票や開票は不正が行われないように、政党の人間が監視している中でが行われます。
ですので、投票所で不正が行われる可能性はかなり低くなります。
しかし今回の選挙では郵便投票が認められました。
つまり投票所に至るまでの間は監視下にないということになります。また、投票箱が燃やされるといった事件も起きました。
数日かかる開票作業
開票作業が数日にわたって行われる州があることも問題です。
日本では投票が終わるとすぐに開票が始まりそのまま票数が確定します。
しかし、アメリカの選挙では開票が数日にわたっておこなわれる州があります。
24時間体制で開票が行われるわけではないので開票作業が行われない間は保管することになりますが、その間、票は監視下にありません。
また、同じ理由で期日前投票も不正を生む原因となります。
アメリカ大統領選挙における疑惑
不正はあったのか
皆さんが最も気になっているであろう、不正があったのかですが、実際に不正があったそうです。
例えば「死んだ母親の票を使って息子が郵便投票する」という事件があり、実際に逮捕されました。
投票所での投票ならば「性別も年齢も違う人に成りすます」なんてことはできません。
これは郵便投票が認められたからこそ起きた事件です。
しかし、選挙結果が変わるほど大規模な不正があったのか、または政党が不正にかかわっていたのかですが、現状ではそのような不正はなかったと言えますし、今後変わる可能性も低いでしょう。
選挙結果に対する訴えが多数ありましたが、どれも認められていないからです。
既に新政権に移行したことを考えても、現状が変わる可能性は低いと思います。
なぜたくさんの疑惑が生まれたのか
もし投票所での投票のみならば、不正がないように監視することができます。
自分の目で見ているのですから、もし選挙に負けたとしても納得がいくものになるでしょう。
しかし今回の選挙では郵便投票が認められました。つまり、人の監視下にない過程がいつもより多く生まれました。
人間は自分の監視下にないことは「もしかして、ずるをしているかも…」と疑いたくたくなるものです。
今回の選挙は沢山の疑惑が生まれた理由のひとつには、こういった、投票が監視下に無い状況であったことが挙げられます。
民主主義における選挙制度
今回の選挙の一番の問題点は実際に不正があったのかというよりも、誰もが納得のいくプロセスを経ているかであると私は思います。
実際、ほとんどの裁判所が大規模な不正はなかったと判断していますが、それに納得していない人が沢山いるのが現状です。
民主主義は公正、公平に選挙が行われているという認識があって成り立ちます。
つまり不正の疑惑などがあると民主主義の基礎が揺らいでしまうのです。
今回の選挙では、以前からアメリカの選挙の抱えていた問題点や、新しい試みの問題点が露呈しました。
不正の疑惑がない、誰もが納得できるような選挙が行われるのが理想的ですが、今回の選挙はそれとは程遠いものになってしまいました。
選挙制度を一度根本から見直す時が来たと言えるでしょう。
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