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今回は、「高校数学の新課程」について解説していきます!
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こんにちは!武田塾吉祥寺校(0422-26-6451)の大石です!
この記事をご覧の皆さんは、「数学C」という教科をご存知でしょうか?
よく、「数Ⅲはあるのに数Cはないのなんで?」「昔は数Cまであったんだよ」と、過去の人扱いされることが多い数Cですが、実は今年になってその数Cが復活したのです。(言うほど過去のものでもないですが…)
そしてそれに伴い、高校の数学課程も大幅に変化しました。
今高校1年生の人は、もう既にその課程で数学の授業を受けていることでしょう。
今回はそんな、新しい高校数学課程の何が昔から変わったのか、さらに、数学Cがこれまでどういった扱いを受けてきたのかを紹介していきます!
旧課程と新課程、何が変わった?
では早速、数学新課程の話に入っていきます!
旧課程と新課程の1番大きな違いはやはり、「数学C」の有無でしょう。
数学Cといえば、先にもいった通り一度廃止された科目でした。
それがなんと復活したわけですから、それだけでも驚きです。
ただ、数学Cが復活したからといって、新しくやることがたくさん増えたという訳ではありません。
今までの数学Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,A,Bの内容を、改めて数Cまで振り分けたという感じになります。
また個人的な大きな変化としては、「期待値」の数学Aへの移行でしょうか。
期待値自体は、もともと数学Bの「確率分布と統計的な推測」という単元の中の1つとして組み込まれていました。
今まではほとんどの大学で出題されることはなく、センター試験や共通テストでは選択問題の1つとして出題されていましたが、選ぶ人はほとんどいないような問題でした。
それが期待値だけ独立して数Aに移動して、「場合の数と確率」という単元の中に組み込まれたのです。
これに伴い、共通テストでも変化があり、共通テストで今まで誰も選ぶことがなかった期待値の問題を必ずやらなければいけなくなったのです。(現在は、「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」の3つから2つを選択。新形式では「図形の性質」「場合の数と確率」の2つを全て解答。)
その他の細かい変化としては、①「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」が数学Cに移行。②「整数の性質」という名称の単元がなくなり、「数学と人間の活動」に変更。といったところでしょうか。
ちなみに、数学のカリキュラムを見ていると奇妙な単元があります。
それは、「数学と人間の活動」(数学A)、「数学と社会生活」(数学B)、「数学的な表現の工夫」(数学C)です。
実はこれらは、高校のカリキュラムではカットされることが非常に多い単元になります。
というのも、数学A、数学B、数学Cはそれぞれ2単位の選択制になっており、上記3つは大学入試で使うことがないため、カットされがちなのです。
これによって残念ながら、これまでは選択されてこなかった「統計的な推測」はほぼ必修化することになります。
共通テストはどうなる?
さてここからは、先ほどからちょくちょく話題に出ている共通テストの形式変更について話していきます!
現在の共通テスト数学は①と②に分かれ、①は「数学Ⅰ」と「数学Ⅰ・数学A」から1つを、②「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関連基礎」から1つを選ぶ方式になっています。
これが2025年の試験からは、①は変わりませんが、②は「数学Ⅱ・数学B・数学C」の1択となりました。
そして、数学に特有の選択問題にも変化がおきます。
「数学Ⅰ・数学A」は先にも述べたとおり、現在は「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」の3つから2つを選択する形式ですが、新形式では「図形の性質」「場合の数と確率」の2つを全て解答することになります。
これは、「整数の性質」が「数学と人間の活動」という「数学活用」の分野に入ったためです。
「数学Ⅱ、数学B、数学C」は、数学Bの「数列」「統計的な推測」、数学Cの「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」の計4つから3つを選ぶことになります。
まさか共通テストに複素数平面が出題されることになるとは思いませんでしたが、こうなると、理系の人でない限り複素数平面を選ばずに統計的な推測を選択することになるでしょう。
数学Cの歴史
ここで最後に、数学Cがこれまでどういう扱いを受けてきたのかを紹介していきます。
そもそも数学Cという科目は、1994年から登場し、それまでは数学C以外のⅠ、Ⅱ、Ⅲ、A、Bが既にカリキュラムに登場していました。
数学Cが初めて登場した際は、楕円や双曲線といった二次曲線や区分求積法、統計処理に加え、今では大学数学に組み込まれている「行列」が含まれていました。
その後は2012年にカリキュラムから消えるまでは、中身の細かな変化はあったものの、行列が消えることはありませんでした。
ちなみに2012年以降は、それまで数学Cにあったカリキュラムの多くが大学数学へ移動しました。(「平面上の曲線」は数学Ⅲに、「確率分布と統計的な推測」は数学Bに、「条件付き確率」は数学Aに移動。)
そして今年2022年から再び、数学Cが高校数学に戻ってきました。つまり「数学C誕生→消滅→復活(←今ここ!)」ということになります。
まとめ
今回は、「高校数学の新課程」について紹介していきました!
数学Cの復活や「確率分布と統計的な推測」がほぼ必修化するなど、意外といろいろな変化が起きました。
特に、「確率分布と統計的な推測」の必修化は、結構な負担になるのではないかと思います。
ただ逆に、整数の性質がなくなったなどいい点もあります。(人によると思いますが・・・)
久々に復活した以上、今のカリキュラムがしばらく変わることはないでしょう。
また、カリキュラムが変わったからといって数学の勉強内容が180度変わるということはありません。
数学が苦手な人でも1歩ずつ着実に進んでいきましょう!
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