五月が終わり、梅雨の季節。新学期、新しいクラスに慣れてきた頃かなと思いますが、皆様どのようにお過ごしでしょうか?
私はと言いますと、花粉で鼻がズルズルな時期が終わり、ジメジメした夏を謳歌しています。
こんにちは、武田塾北野田校講師のサカガミです。
私は高校時代、まぁ今もそうなんですが、世界史という教科が大好きな人間でございまして、もちろん得意だったわけなんですが、正直、世界史、日本史が苦手という方が理解できなかったんです。そして今、講師になって気づいたことがあります。一言で言いますと、皆さん、歴史の勉強間違えています。
勉強方法を間違えなければ、歴史のこと大好きになりますよ。
今日は皆さんの歴史の勉強についての認識を私が正していきます。
歴史勉強への誤った認識
よく、歴史は暗記科目だと言われます。用語が多いですし、テストでもその用語が問われる場合が多いからそう言われているわけですね。ですから、歴史の勉強というと、皆さん必死に用語とその意味を覚えようとします。
しかし、ハッキリ言って歴史は暗記科目だと言い切るのは間違いです。暗記が必要な科目であることは認めますが、用語暗記をすれば点が取れるような科目ではありません。用語なんてものは二の次です。
では何をすればいいのか、それを見ていきましょう。
大前提!ストーリーを覚えろ!
歴史の勉強においての大前提、それは歴史の勉強とは、ストーリーを勉強する、覚えることということです。そもそも歴史とは人類がこれまでしてきたこと、起こったことなわけです。わかりやすく言えば、人類の物語です。皆さんが小説や漫画で物語を読むときを考えてみてください。まず、ストーリーを覚えませんか?ストーリーを追っていくうちに登場人物の名前や背景を知っていきますよね?
歴史も同じです。ストーリーを覚えるんです。そして、そこに用語を覚えることで歴史の世界をよく知ることができるようになるわけです。しかも、小説や漫画ほど複雑な設定はあまりありません。もちろん深く知ろうとすれば複雑にはなりますが、高校で習う歴史はそんなに複雑ではありません。
どう勉強していくのか
では次にどのように歴史を勉強していくのか見ていきましょう。
歴史の勉強の3ステップ
まず、簡単に歴史を勉強する際のステップを説明しておきます。
1.大まかなストーリーを覚える
まずすべきなのが大まかなストーリーの把握です。世界史であれば、例えば、中国史の一番初めのところであれば、文明があって文化が二種類ぐらいあって、そのあと国が出来たんやなぁぐらいの認識でいいです。用語の名前なんてとりあえずいらないです。そんなもんはあとからです。
2.徐々に情報量を増やす
次に情報量を増やしましょう。先ほどの例でいえば、中国の黄河っていう川のあたりに二つ文化があってその後に国が出来たんやなぁぐらいに思っておいて、そのあとでさらに情報量を増やして行くっていう感じで進めて行きます。ここで大事なのがすべてを一気に覚えないことです。後でも述べますが、歴史の勉強ではなるべく暗記をするという意識を排除して、単に歴史に触れているぐらいの感覚でいましょう。覚えなくていいです。ただただ、ちょっと集中して読んで見てくれればそれで充分です。
3. 目指す大学に必要なレベルで歴史を説明できる
歴史を完璧に覚えたということは、何も見ず歴史を説明できるということです。ただ、目指すレベルによってその説明に含まれる情報量が変わるわけです。先ほどの例でいうと、共通テストだけで歴史を使う人なら、「紀元前に中国の黄河にまず仰韶文化という彩陶を作った文化ができてその後に竜山文化という黒陶を作った文化ができた。」ぐらいまでは説明できるべきだし、難関校の二次試験で使うなら「紀元前5000年ごろに中国の黄河にまず仰韶遺跡に代表される仰韶文化という彩陶を作った文化ができ、紀元前3000年ごろには竜山遺跡に代表される竜山文化という黒くて薄く固い黒陶を作った文化が始まった。」ぐらいまでは説明できないといけない。つまり、自分に必要な情報量を備えた説明が出来ると歴史の勉強は完璧ということです。
歴史の勉強法
先ほどの3ステップを頭に入れたうえで、歴史の勉強法を考えていきましょう。
①教科書、講義系参考書を使う方法
歴史の勉強法の一つは教科書か講義系参考書を使う勉強法です。
簡単に流れを説明すると以下のようになります。
1.勉強する国、時代の範囲を決める
2.決めた範囲の該当部分を読む(音読がオススメ)(無理に全部覚えようとしない)
3.2を何回も繰り返す
4.繰り返し読んで自然に覚えたストーリーを説明してみる
5.自分に必要な情報量の説明がスラスラできるまで2~4を繰り返しやる
6.出てきた用語を、資料集や用語集、インターネットなどで調べてみる
使うものが一般的な方法って感じですね。1~5を見ると前述のステップに沿って進めていますね。6の「出てきた用語を資料集や用語集、インターネットで調べてみる」というのが案外肝で、特にインターネットで調べると受験で出ないようなことが出てきます。これを邪魔だから駄目だとか受験に必要ないことを知る必要はないという人もいますが、これは私は違うと考えています。例えば、ある人の面白い逸話がインターネットで出てきたとしましょう。その話が頭の中で残れば、ある人のことを覚えやすくなります。また、全く関係のない人物どうしでも小さな共通点を見いだせるだけでお互いを覚えやすくなります。要らない情報も使いようってことですね。
②Youtubeの動画を使う
歴史を勉強する時間がない人、始めるのが億劫な人におすすめしたい方法がYoutubeを使う方法です。
何より動画の優れている点は、面白い動画というのはしっかりストーリー性があることです。動画の流れを覚えていれば、ストーリーが勝手に覚えれるという神媒体です。つまり、私の言うストーリーを覚えろということにベストマッチするわけです。
特に順番や必要なモノはありません。勉強する時間のない人は勉強していない範囲の動画を調べて合間の時間に見たらいいと思いますし、勉強し始めるのが億劫な人は世界史の人は世界史に関係してそうな好きな動画、日本史の人は日本史に関係してそうな好きな動画を暇なときに見ればいいだけです。強いて言えば、始めは細かい難しい動画ではなく、大雑把に簡単に流れを説明している動画を見ることをお勧めします。
え、そんなの勉強じゃないやんって思う人もいるかもしれないですが、この勉強法が目指すのは完璧にすることじゃないんです。しっかり勉強するときのハードルを低くする、早く覚えれるようにするということがこの勉強法の目的です。
少しでも情報を取り入れられていたら、それだけでこの勉強法は成功と言えます。本当に時間がない人、始めるのが億劫な人には激推しの方法です。
③教科書、講義系参考書、Youtubeの動画を使う方法
①と②の合わせ技と思ってください。
①の1~6をやりつつ、合間にYoutubeで歴史の動画を見るってことですね。
行き帰りの電車、バス、食事の時、休憩時間にYoutubeでひたすら動画を見て復習、予習をする。なかなか大変です。本当に歴史の好きな人しか出来ない方法だとは思います。私はこれでやってました。
この方法で大事なのは動画を見てそれで終わらないことです。例えば、ナポレオンの動画を見たなら、参考書でその部分を確認してその前後、同時代に何があったのか、出来事と出来事との関係性をしっかり確認することが大切です。動画を見ただけで終わらせてしまうと、そのストーリーだけが独立した状態で記憶してしまうか忘れてしまいます。どこの時代のどこの国のどれぐらい重要な人物出来事なのか、しっかり把握するようにしましょう。
私は、ほぼご飯を食べるときは歴史の動画を見て、勉強の合間にも見てという生活をしていました。そんな生活をしていたおかげで、今でも一人ご飯のときは歴史の動画を見ながら食べています。これは完全に変人ですね。
ただ、効果は保証します。本当に覚えれます。覚えようとしなくても覚えます。覚えたくなくても覚えます。
どうです?やってみませんか?
まとめ
歴史は単語暗記するものじゃない
歴史科目は単語覚えないといけないというのは間違いです。歴史はただの暗記科目じゃありません。ストーリー暗記科目です。流れを覚えることが歴史苦手克服の第一歩です。流れを抑えたうえで、単語や細かい出来事などの情報量を増やしていくことで、難関校でも戦える力が手に入るのです。
自分がしないといけないレベルの説明を目指せ
自分が受験をする上でどれぐらいの情報量が必要なのか。それを見極めた上で歴史の勉強での完璧を目指しましょう。自分が必要な情報がすべて入っている説明をできてこそ歴史の勉強が完璧になったと言えるのです。
Youtubeの動画を合間に見ろ
よく英語や古典の単語帳を学校の登下校中に見ろと言われますが、歴史の場合は動画を見です。単語帳を見るのは億劫な人もただの動画を見るのは見てるだけですから、できるんじゃないですか?もちろん、用語集で用語を確認したい人、参考書で流れを確認したい人は、動画ではなくそちらをやっていただいてもちろんOKです。とにかく歴史に触れる、これが大切です。