共通テスト 試作問題 感想と対策について
みなさんこんにちは。
武田塾北久里浜校です。
前回、数学共通テスト新課程、旧課程どちらでの受験がいいのかという記事を紹介させていただきました。
https://www.takeda.tv/kitakurihama/blog/post-276052/
新課程数学と旧課程数学の違いが分かったと思いますが、今回は、大学入試センターから発信されている新課程数学サンプル問題を数学講師を務めているH先生に解いてもらい傾向と対策を紹介します。
新課程数学の対策を具体化するために参考にしてみてください!
【数ⅠA】
全体と各大問の変更点について
全体的には第3問以降が選択問題から必答問題に変わったという変更点以外は大きな変更点はないと考えます。
第1問は“数と式”、“三角比”の内容でしたがこれまでとの変更点はないと思います。
第2問は“二次関数”、“データの分析”でした。
浪人生に関しては“データの分析”にて、「外れ値」や「仮説検定」といった旧課程にはない内容が入ってきているので注意が必要です。
データの分析に関しては後で細かく話します。
第3問は“図形の性質”の問題でしたがこれまでと変更点はないと思います。
しかしながら大学受験において相似を詳しくやる機会は多くないと思うので、苦戦した人が多いのではないかと思います。
受験において相似は全くでないわけではなく、特に共通テストではよく出るので忘れていたら一度復習しましょう。
第4問は“確率”の内容でした。
浪人生に関しては「期待値」の内容がメインで扱われ、本番でも期待値に関しては必ず一問は出ることが予想されるため勉強をしておくべきだと思います。
第2問のデータの分析について
これまでは図から読み取るような問題も出題されていましたが、メインの内容としては分散や標準偏差そして相関係数を計算するというのが主な内容でした。
そのため基本的な箱ひげ図や散布図などの考え方と公式を使いこなしさえすればある程度対応できる問題でした。
しかしながら今回の試作問題はこれまでの勉強法では対応できないと思います。
具体的な勉強法としては過去問があれば良いのですがもちろん新課程であるためこの試作問題以外にないです。
そのためまず従来のような公式ベースの勉強をしたあとに市販の新課程用の共通テスト対策の参考書や模試などの問題をたくさん解いていき解き方のコツを自身で習得していくしかないと思います。
とはいっても中々自分でやることは難しいと思うので共通テストのデータの分析を解くにあたって私が考えるポイントをいくつかあげます。
ぜひ参考にしてください。
ポイント1
データの分析を解く際は普段数学で使わないような言葉や定義が度々出てくるので、文章はざっと読みましょう。
特にあたって必要のない文もたくさんある一方で、思い込みで間違って進めた場合大きな痛手になることがよくある単元です。
ざっとでいいので必ず読むようにしましょう。
ポイント2
多くの人が間違えたであろう問題は“テ”以降ではないでしょうか。
これまでは散布図から最大値最小値などを読み取り箱ひげ図を選ぶ解き方で解けました。
しかし外れ値の概念の登場で箱ひげ図が表す最大値最小値とデータ全体の最大値最小値が異なっている場合も存在することに注意する必要があります。
解き方のポイントとしては散布図からデータがどの辺に集まっているか調べる。
この作業をすることで箱ひげ図の概形が何となくつかめます。
その後外れ値と思うところを何となくの値を出していって外れ値であるかどうか考える必要があります。
この感覚をつかむのは大変だと思うので何度も繰り返し解いてその感覚を習得していけば、そんなに難しい問題ではないことが分かると思います。
ポイント3
これまでのような公式を使って計算する問題は試作問題では出題されていませんが、“二”のような問題は公式もきちんと理解して公式を用いて考えることができれば難しい問題ではありません。
公式をいつでも使えるようにしておくことも大事です。
ポイント4
“ノ”があっていても“ハ”を間違えた人もいるのではないかと思います。
仮説検定の大事な考え方で「仮説を偽と判断したらその仮説は真とは言い切れない。」というものであくまでも誤っていると判断しない。というのが仮説検定になります。
大事な考え方でありおそらく本番の問題でも出題をされることが予想されるため間違えてしまった人は仮説検定がどういったものであるかしっかり復習しましょう。
講評と対策
昨年度までと同様に時間的な余裕はなく、より早く正確に解くことが求められる試験というのは変わらなさそうです。
また難易度的には特別難しいわけではないので日ごろの学習を頑張っている受験生にとってはそこまで悩む問題はないように思います。
ただし全体的な分量も多く問題を解くうえで必要な情報を抜き取る必要があるため模試などでその感覚を身に着ける必要がありそうです。
第4問の“確率”の問題では期待値を比べて当たりの確率はどっちが高くなるかという問題でした。
期待値を求めることができれば問題の分量は多いですが誘導も丁寧なため見た目ほど難しくはなかったです。
全体を通じて先ほども書きましたが問題の内容的には難しい内容を問われているわけではないため教科書レベルの問題から教科書の章末問題を解けるレベルにまでなっていれば十分解ける試験になっています。
そのためまずは共通テストのために勉強するのではなく基礎的なことを勉強することが高得点への近道だと考えます。
【数ⅡBC】
全体と各大問の変更点について
全体的には数ⅠAと比べて大きく変わっています。
まずは問題数の変化です。
昨年度までは第1問から第5問までありそのうち第3問から第5問から2つ選ぶ選択問題となっていましたが、これからは第1問から第7問までありそのうち第4問から第7問から3つ選ぶ選択問第に変更となりました。
また問題数増加により試験時間も10分増えました。
さらには昨年度まで数Ⅲの範囲であった“式と曲線”と複素数平面“が追加されました。
第1問から第3問までそれぞれ“三角関数”、“指数・対数関数”、“微積分”に関しては例年通りの出題で大きな変更点はないと思います。
第4問に関しては“数列”の問題となっておりこれも変更点はないと思います。
第5問に関しては“確率分布と統計的な推測”となっていて昨年までの第3問と大きな変更点はないように思います。
浪人生で、“確率分布と統計的な推測”をすでに学習していた人は「帰無仮説」や「優位水準」といった旧課程にはない内容が入っているので注意が必要です。
第6問は“ベクトル”の問題でしたが、昨年までと変更点はないと思います。
第7問は“式と曲線”と”複素数平面”が新しく追加されました。
第7問について
新しく追加された単元ではありますが、かなり強引に作ったように感じます。
特に[1]の内容に関しては基本的な内容である式の標準形の確認のような問題が1問出題されただけでした。
本番も同じような出題であるとは考えにくく焦点を出す問題や接線に関しての問題などが予想されるためこの試行問題だけで判断するのは危険なためしっかりと学習することをおすすめします。
また複素数平面に関しては定番の問題となっていました。本番は極形式の出題も予想されるためこちらもしっかりと学習することをおすすめします。
講評と対策
試験時間は10分伸びましたが、数学ⅠA以上に解いていて時間がなかった印象です。
相当勉強している人でないと完答するのは難しいように思います。
第1問から第3問をどれだけ早く正確に解くが大切になると思います。
そのため日ごろから時間を意識して解くなどの対策を早めからやる必要があると思います。
またわからなくなったらすぐ飛ばし次の問題に行くということを模試の段階から行うことも大切です。
高得点のカギとしては第3問までをミスなく進め、選択問題に時間を使うことがカギだと考えます。
そのため予想問題を解く際や模試の際は時間配分を意識して解くことが大切だと思います。
選択問題は第5問の“確率分布と統計的な推測”は分量も多く計算も必要ですがやることは単純作業であるため安定して点数の取れる単元だと考えます。
そのため選択問題において第5問は一度解いてみて解けそうだと感じれば十分に得点源になる単元だと考えます。
第7問に関してはどのような問題が出るかわからないため本番この問題を選択する可能性のある受験生は基本的なことを理解することから行い、模試などで対策をすることをおすすめします。
教科書レベルを完璧にしよう
昨年度までの共通テスト同様時間に余裕のない試験になることが予想されます。
そのため日頃から時間を気にして解く癖をつけましょう。
また何度も書いている通り決して難問ばかりではなく聞かれていることは基礎的な内容となります。
そのため共通テストの対策をするのではなく教科書レベルからの学習からしっかり繰り返すことで自然と高得点になるものだと思います。
日頃の勉強を一生懸命やりましょう。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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