【全受験生向け】英文解釈の方法をはじめからていねいに
こんにちは!
京都市西京区、阪急京都線桂駅西口から徒歩1分のところにある
学習塾・予備校の武田塾桂校です。
今回は、「英文解釈」について、
勉強を進める上で見落とされがちな点や、
活用法などについて簡単に説明します。
英文解釈とは
はじめに
英文[構文]解釈本をやる上での注意点:
一般に、英文解釈の本では以下のような記号を駆使して英文の構造を読み解いていきます。
S V O C M [] <> ()
また、記号の使い方の流儀も様々です。
そこで、こういった記号の意味を把握するために、
英文解釈の本をやる際には
「はじめに」のページから読み、記号の使い方を把握する
ことを心がけましょう。
記号がわからないとその参考書の中の説明の効果も半減してしまいます…
その参考書の中で記号の使い方が説明されているページをコピーし、
実際に構文を振っていく際に参照することをおすすめします。
英文解釈用のノートの初めのページに貼っておいてもいいかもしれませんね。
『動画で分かる英文法[読解入門編]』の場合
さて、記号の使い方について、
新年度より武田塾ルートに採用された『動画で分かる英文法』を例に説明していきます。
「はじめに」にも書いた通り、
まずは最初のページから読み進めるようにしましょう。
p.5「本書の特徴と使い方」より:
S … 主語 V … 述語動詞 O … 目的語 C … 補語 M … 修飾語(句)
※従属節における要素はs、v、o、cのように小文字で表しています。
< > … 名詞(句・節) [ ] … 形容詞(句・節) ( ) … 副詞(句・節)
do … 動詞の原形 to do … to不定詞 doing … 現在分詞 done … 過去分詞
先に述べた通り、記号の使い方を把握しなければその参考書の効果が減ってしまいます。
新しい解釈系参考書を行う際や、長文系参考書を行う際には、
必ず記号の使い方を確認するようにしましょう。
英文解釈の記号のみならず、
世の中の参考書は大抵独自の記号を利用することによって
わかりやすく解説されています。
現代文の参考書など、ほかの教科でも
必ず「はじめに」から読み始めるようにしましょう!
補足①
・形容詞(句・節)とは…
「名詞」を修飾する役割を持つ。
例:
[innovative] technology 革新的な技術
the book [to read] 読むべき本
・副詞(句・節)とは…
「名詞以外」を修飾する役割を持つ。
例えば、動詞・形容詞を修飾するほか、文全体を修飾することもある。
補足②
・第1文型SVとは…
自動詞をとる。
例:The bell rings. その鐘がなる。
・第2文型SVCとは…
自動詞をとり,意味的にS=C(正確には、S⊂C)をなす文型。
「SはCである。」のような訳になる。
例:I am John. 私はジョンです。(私=John)
I am a menber of the institute. 私はその機関の一員です。(私⊂その機関の一員)
You look ill. 君は体調が悪そうに見える。
・第3文型SVOとは…
意味的にS≠Oとなる文型。
「SがOに/をVする」のような訳になる。
例:I made a cake. 私はケーキを作った。
・第4文型SVOOとは…
意味的にO≠Oとなる文型。
授与型動詞(本質的に何かの受け渡しの意味を持つ動詞)からなり、
1つ目のOには、渡す対象(Oに)
2つ目のOには、渡すもの(Oを)
が来る。さらに、to、forなどを用いて第3文型(SVO)に書き換えることもできる。
例:
He send me an e-mail. 彼は私にメールを送った。
= He send an e-mail (to me).
・第5文型SVOCとは…
意味的にO=C(正確には、O⊂C)をなす文型。
例:
She made me happy.(彼女は私を幸せにした。)
実践・英文解釈①
複雑な英文を読み解くために役立つツール、それが英文解釈です。
以下では、先に示した『動画でわかる英文法』の記号を用います。
p.5「本書の特徴と使い方」より:S … 主語 V … 述語動詞 O … 目的語 C … 補語 M … 修飾語(句)
※従属節における要素はs、v、o、cのように小文字で表しています。
< > … 名詞(句・節) [ ] … 形容詞(句・節) ( ) … 副詞(句・節)
極端な例ですが、有名な(悪)文である以下の英文について説明します。
I think that that that that that boy wrote is wrong.
難しく、ある種結論ありきな英文なので、早速ですが、構文を振った結果を示してみます。
I think <that <that that [that that boy wrote]> is wrong>.
第3文型SVOの文になっており、
主語(S)は''I''
述語動詞(V)は"think"
目的語(O)は1つ目の"that"からなるthat節
です。さらに、それぞれの"that"の意味も考えてみましょう。
・1つ目のthat
"think that"の"that"で、that節(名詞節)をなし、これ以下は従属節をなします。
・2つ目のthat
「あの」という形容詞です。
・3つ目のthat
"that"という単語それ自体を指し、2つ目のthatと合わせ、
「あの''that''」というような訳になります。
・4つ目のthat
関係代名詞(=which)で、"that that"「あのthat」を修飾する関係詞節をなします。
・5つ目のthat
こちらも「あの」という形容詞で、boyを修飾します。
ここまでの、that that <that [that boy wrote]>
が従属節中の主語(s)で、
「あの少年が書いたあのthat」
という訳になります。
また、"is"は従属節中の述語動詞(v')
"wrong"は従属節中の補語(c')です。
長くなりましたが、以上を踏まえ、
「あの少年が書いたあの"that"は間違っていると(私は)思う。」
のように訳すことができます。
この文は意地悪に、あえて読みにくくされているため、
関係詞をwhichに置き換えたりしてもっとわかりやすく書くと、
I think that, that "that" which that boy wrote is wrong.
となります。
これでもわかりにくいですが、最初よりは幾分マシになったのではないでしょうか?
このように、複雑・難解な英文でも、
ミクロに分析を行うことで意味を取ることができるのが
「英文解釈」というツールのメリットです。
実践・英文解釈②
少々例が難しすぎ、実践的ではなかったため、
もっと簡単な例文をもとに、丁寧に解釈の手順を示します。
The boy who had been studying hard had made a lot of mistakes in the university entrance examination he hoped to pass but perhaps due to his large efforts he was fortunate enough to pass it.
適当に作った英文ですが、解釈してみましょう。
・一番最初に出てくる名詞は主語Sになることが多い
・文中で名詞の直後のwho(関係詞)は大抵名詞を修飾する形容詞節をなす
・副詞,前置詞句などは文の要素から除外できる
・名詞の後にSVが続くときは間に関係詞が省略されている
・butは文法的に等しい役割の要素を並列する(等位接続詞)
など、さまざまな参考書にも載っている原則を駆使すると、
以下のように構文を取ることができます。
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↓
↓
↓
↓
構文チェック
The boy(S) [who had been studying hard] had made(V) a lot of mistakes(O) (in the university entrance examination [he hoped to pass])
but
(perhaps) (due to his large efforts) he(S) was(V) fortunate(C) (enough (to pass it)).
続いて、訳を考えてみましょう。
英文解釈を活かす上で大事なことは、
まずは文の骨組み(SVOC)だけで訳す
ということです。他の要素は、後から味付けに使うといいでしょう。
やってみましょう:
1. まずは骨組みから
その男の子(S)は沢山のミス(O)を犯した(V)
but
彼(S)は幸運(C)だった(V)。
2. 省略した部分をチェック
その男の子(どんな男の子?)は沢山のミスを犯した(どこで?)
but
彼は幸運(どれくらい?)だった(なんで?)。
3. 省略した部分を補う
熱心に勉強していたその男の子は彼が行きたいと思う大学の入試で沢山のミスを犯したが、
恐らく彼の多大な努力のおかげで彼は幸運にも合格できた。
4. 全体を自然な訳に直す
熱心に勉強していたその男の子は、志望大学の入試で沢山のミスを犯したが、
努力を惜しまなかったおかげだろうか、幸運にも合格することができた。
このように、修飾関係が複雑な英文でも、
主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)
をまず確定し、その部分のみで訳を考え、
残りの要素(修飾語句・節:M)で味付けしていく
という手順で確実に和訳を行うことができます。
注意点
ここまでの説明で、英文解釈の効用は理解していただけたでしょうか。
こうも便利な英文解釈ですが、勉強していく上ではいろいろと注意が必要です。
以下に何点か例を示しましょう。
英文解釈は、あくまでもツールに過ぎない
京大など、意図的に古めかしい、難しい文章を出題する大学でない限り、
あるいは、そういった大学ですら、
・『英文解釈考』
・『英文読解の透視図』
・『英文解釈教室』
など、難易度の高い古典はまず必要ないでしょう。
「勉強している感」が出るため、やり込んでしまう人が多いのですが、
解釈はあくまでも読解の「ツール」に過ぎないということに注意しましょう。
自分の志望校の過去問を見て、どこまで必要なのかしっかり判断した上で
参考書を選ぶことをお勧めします。
英文解釈だけでは足りない
英語を読み書きする上では、単語や文法に関する知識が必要不可欠です。
まず基礎レベル(シス単1200まで・ポラリス英文法1)まで
詰めた上で解釈の練習を行うようにしましょう。
また、長文読解を行う上では英文解釈というミクロな方法だけでは足りません。
現代文と同様に、
・指示語/接続詞に注目し前後の文/段落間の関係を見抜く力
・それを広げて長文全体を見渡す力
が無ければ、
・訳せない
・訳せても意味が分からない
ということになりかねません。
読まず嫌いをせず、長文にも頻繁に触れることで、こういった力を養うようにしましょう。
おわりに
いかがでしたか。
今回は「英文解釈」を題材に、簡単に説明を行いました。
・「はじめに」を読み飛ばす
・記号の意味を把握せず参考書を進める
以上2つは参考書を使う上で絶対にやってはならないことです!
これからは、解答・解説だけでなく、
「はじめに」のページや記号の使い方、復習の仕方など
参考書の情報すべてに目を通し、フル活用する
ことを心がけてください!
武田塾桂校で努力を続け、今年合格を掴み取った受験生たちの合格体験記です!
武田塾のいいところや好きな参考書、どのように勉強したかなど、
アツく語ってくれているので、ぜひ参考にしてください!
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