こんにちは、武田塾春日井校です。
今回は、中部地区最高峰の大学である名古屋大学についての情報をまとめていきたいと思います。
名古屋大学の基本情報
名古屋大学(以下、名大)は1939年に名古屋帝国大学として創設された国公立大学です。
戦前に設立された国立大学を指す旧帝国大学(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州の七大学)と呼ばれる大学の一角であり、歴史、研究力、そして入学難易度ともに中部地区では最高級となっています。
キャンパスは、ほとんどの学部が利用する東山キャンパスと医学部保健学科が利用する大幸キャンパス、大学病院があり保健学科以外の医学部が利用する鶴舞キャンパスなどがあります。
東山キャンパスは敷地内に地下鉄名城線の駅(名古屋大学駅)を持ち、当該駅までのアクセスは名古屋駅から地下鉄東山線→名城線を乗り継ぎ、金山駅からは名城線1本でいずれも20分前後です。
鶴舞キャンパスへのアクセスはJR鶴舞駅から徒歩5分程度、大幸キャンパスへは名城線のナゴヤドーム前矢田駅から徒歩5分程度になります。
特に東山キャンパスはアクセスがいいのですが、キャンパス自体が非常に広く、もしキャンパスの端から端まで歩こうとすると30分程度かかります。なので利用する建物の位置によってはある程度の徒歩時間をとっておく必要があります。
学生生活について
名大は名大祭という名の学園祭が毎年6月に行われます。
大学祭と言えば基本的には秋に行われるイメージですが、これは秋に第一回を開催しようとした際に伊勢湾台風の影響で延期となり、開催が翌年の6月にずれ込んだことが原因のようです。
近年はほかの学校が学祭を行う時期には秋革祭という小規模な催しが行われているとのことです。
また、部活動やサークル活動も多く活動しています。特に体育系の部活動では毎年各旧帝大が持ち回りで開催する全国七大学総合体育大会というものに参加しています。今年(2024年度)は、名古屋大学が主催校となるようです。
また、これとは別に大阪大学と個別の対抗戦である名古屋大学・大阪大学対抗競技大会が毎年5・6月に行われます。
学部・学科
学部は文学部、教育学部、法学部、経済学部、情報学部、理学部、医学部、工学部、農学部があります。
主に耳にする学部はほとんど網羅していますが、歯学部はありません。薬学部もありませんが、博士課程(大学院)の総合医学専攻に統合医薬学領域があるので、実質的に医学部内に含まれているものと思われます。
逆にまだ学部単位ではあまり耳にしないのが情報学部ですが、こちらは情報文化学部と工学部情報工学コースが統合されて2017年度に設置された比較的新しい学部になっています。
元となっている情報文化学部は、皆さんが思い浮かべるであろうコンピュータ中心の学部ではなく、主に(非機械的なものを含む)システムを中心としている学部だったようで、理系学部ではありますが、文・理の中間的な学部でした。
より一般的に情報が活用されるようになった世情に合わせて、工学部というくくりから脱して、情報文化学部の特色を取り込んだ学部となっています。特に人間・社会情報学科は地理歴史を二次試験で選択でき、情報文化学部を受け継いだ学科となっていることがうかがわれます。
また、後述の「入試について」でも触れますが、情報学部、工学部、農学部、医学部は志望の際に学部単位ではなく、学科単位での志望になりますので、以下に学科名も記しておきます。
情報学部
自然情報学科
人間・社会情報学科
コンピュータ科学科
工学部
化学生命工学科
物理工学科
マテリアル工学科
電気電子情報工学科
機械・航空宇宙工学科
エネルギー理工学科
環境・土木・建築学科
農学部
生物環境科学科
資源生物科学科
応用生命科学科
医学部
医学科
保健学科(志望の際は以下の専攻からさらに選択)
看護学専攻
放射線技術科学専攻
検査技術科学専攻
理学療法学専攻
作業療法学専攻
上記の学部以外の学部も、志望の際に選択するわけではないものの、多くの学科、コースに枝分かれしています。
ホームページなどを確認してきちんと調べたうえで、自分のやりたいこと、学びたいことと照らし合わせてしっかり検討したうえで志望先を選ぶようにしましょう。
入試について(2024/ 4/ 13 時点)
名大の一般選抜入試は医学部医学科を除いて国公立前期のみとなっています。(医学部医学科は前期、後期の二つの日程)
以下、入試内容について説明していきますが、新課程開始における暫定的な部分も多いため、大学からの情報を細部まで確認しておくとよいでしょう。(執筆時点でのパスナビの情報は令和7年度入試に対応していません。注意しましょう。)
昨年度(令和6年度)からの変更点など
特に重要な変更点としては、共通テストに追加される「情報Ⅰ」の扱いです。学校によって「そのまま扱う」「点数を圧縮して扱う」「扱わない」など対応が様々ですが、名大では「点数を圧縮して扱う」ようです。
情報Ⅰは50点満点とするため、共通テストの満点は950点となっています。また、元々満点が600点である工学部は情報Ⅰを35点として扱います。(全体で635点満点)
また、二次試験の数学については、数Cの区分が増えましたが、出題範囲は去年までと変更はないようです。つまり、文系学部・学科は数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Aの全範囲と数列、ベクトルから出題、理系学部・学科は文系学部の範囲に加えて数学Ⅲと平面上の曲線と複素数平面から出題されます。
また、理学部を受ける方は二次試験の科目から「国語」がなくなります。さらに、共通テストの配点が増えたことに合わせて二次試験の点数が変わります(1450点→1500点)。この変更は理学部のみであり、もうさすがに令和7年度の満点が変わることはないと思いますが、来年度以降も他の学部が追随して二次試験の満点を増やすことはあり得ますので、最新の情報を確認しておくようにしましょう。
他にも、理学部における総合型選抜の追加、工学部の一部学科での学校推薦型選抜における女子枠追加などの変更点が発表されています。
偏差値など
以下、一般選抜入試におけるスペックを雑記します。共通テスト得点率の数値は2022年度の合格者平均。(数値のブレは学科に依存)
二次試験配点の見方は以下の通り
二次試験配点:合計点(教科ごとの内訳)
教科については特に注釈がなければ以下に従う
国:現代語、古文、漢文
地歴:地理、日本史、世界史から1科目選択
文数:数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Aの全範囲と数列、ベクトル
理数:文数の範囲に加え、数学Ⅲ全範囲と平面上の曲線と複素数平面
理科:物理、化学、生物、地学(全科目基礎範囲を含む)から1科目選択を指す
英:英語
文学部
偏差値:62.5
共通テスト得点率:81%
二次試験配点:1200点(国400、地歴200、文数200、英400)
教育学部
偏差値:62.5
共通テスト得点率:77%
二次試験配点:1800点(国600、文数600、英600)
法学部
偏差値:60
共通テスト得点率:79%
二次試験配点:600点(文数200、英200、小論文200)
注意:小論文は高校の地歴公民の学習を前提とする
経済学部
偏差値:60
共通テスト得点率:78%
二次試験配点:1500点(国500、文数500、英500)
情報学部 自然情報学科
偏差値:60
共通テスト得点率:81%
二次試験配点:1100点(理数400、理300、英400)
情報学部 人間・社会情報学科
偏差値:62.5
共通テスト得点率:80%
二次試験配点:1100点(地歴400、文数400、英700)
注意:地歴、文数から1科目選択
情報学部 コンピュータ科学科
偏差値:62・5
共通テスト得点率:85%
二次試験配点:1100点(理数500、理500、英300)
注意:理科は物理を必ず含んで2科目選択
理学部
偏差値:60
共通テスト得点率:79%
二次試験配点:1500点(理数600、理600、英300)
注意:理科は2科目選択
医学部 医学科前期
偏差値:67.5
共通テスト得点率:88%
二次試験配点:1800点(理数600、理600、英600、面接あり)
注意:理科は地学以外から2科目
二段階選抜(いわゆる足切り)あり(共通テスト950点中600点)
医学部 医学科後期
共通テスト得点率:93%
二次試験:英文の課題に基づいた面接
注意:二次試験は面接のみ
二段階選抜あり(募集人員の約12倍まで)
医学部 保健学科
偏差値:50~55
共通テスト得点率:68~75%
二次試験配点:1650点(国150、理数500、理500、英500)
注意:国語は古文、漢文を除く
理科は地学以外から2科目選択
工学部
偏差値:57.5~60
共通テスト得点率:75~79%
二次試験配点:1300点(理数500、理500、英300)
注意:理科は物理、化学の2科目
共通テストは635点満点(国語、地歴公民以外の点数を半分に、情報Ⅰは35点満点に圧縮)
農学部
偏差値:57.5
共通テスト得点率:77~78%
二次試験配点:1550点(国150、理数400、理600、英400)
注意:国語は古文、漢文を除く
理科は地学以外から2科目選択
出願の際の注意点
先ほど少し触れましたが、名大は出願する際の区分が学部とは限りません。
文学部、教育学部、法学部、経済学部および理学部は学部全体として募集しているため、ひとまず入試においては志望学科は影響しません。
情報学科では学科単位で募集しているため、3つの学科から志望する学科を一つに定める必要があります。
工学部、農学部も学科単位での募集になりますが、第二志望学科まで志願が認められています。第二志望学科に関する選抜方法については、探した限りでは明示されていませんでした。
医学部は医学科、保健学科を分けて募集しています。
さらに、保健学科は専攻単位での募集となり、第二志望専攻まで認められています。選抜は、各専攻の募集人員の8割程度については、第1志望の志願者を対象に行い、残りの2割程度については、第1志望および第2志望の志願者を対象に行われます。
繰り返すようですが、学部、学科ごとの情報はきちんと調べたうえで志望先を決定するようにしましょう。
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