【新高３向け】慶應義塾大学SFCの合格に向けて③　―「英語」の解法 part.1

慶應義塾大学SFC合格に向けて

こんにちは。

武田塾春日原校の宮田です。

本日は、
『慶應義塾大学SFCの合格に向けて③　―「英語」の解法 part.1』についてご紹介していきます。

・慶應義塾大学SFCに関心を持っている。

・慶應義塾大学SFCを志望しているが、学習の進め方で迷っている。

そのような方々にお読みいただければ幸いです(^^)

【新高３向け】慶應義塾大学SFCの合格に向けて①　―「英語」の概観

【新高３向け】慶應義塾大学SFCの合格に向けて②　―「小論文」の概観

こちらもあわせてご覧ください。

慶應義塾大学SFCの「英語」について

【新高３向け】慶應義塾大学SFCの合格に向けて①　―「英語」の概観

以前、こちらの記事で慶応義塾大学SFCの「英語」の全体像について簡単に説明させていただきました。

今回は、実際に、SFCの英語の問題を解いてみたいと思います。

どのようなアプローチで正答していけばよいか、ひとつの参考にしていただければ幸いです。

SFCの「英語」を実際に解いてみましょう。

1.　問題

There can be few things as frustrating as being stuck in a car park for four hours on a scorching Sunday afternoon; yet this was the unhappy fate of shoppers at a new multi-story car park at an IKEA store in Reading, UK. As well as prompting a full-scale investigation by IKEA, such chaos invites us to consider how further [1](1. standoff 2. gridlock 3. clearance) can be prevented. Fortunately, mathematics can provide some basic guiding principles as we consider how to design the perfect car park.

[2] 　In the 1" paragraph, the author would likely describe parking at IKEA as

1. mathematically sound.
2. abnormally distributed.
3. inefficiently designed.
4. reasonably attractive.

（慶応義塾大学総合政策学部 2020年度英語第1問）

2.　問題の種類

「慶応義塾大学総合政策学部 2020年度第1問」より、第1パラグラフの英文とそれに対応する設問を抜き出してみました。

総合政策学部の英語の第1問は、例年、つぎのような2種類の設問で構成されています。

①　本文中の空欄補充問題（3つの単語から1つを選択）・・・設問[1]

②　内容一致問題・・・設問[2]

①は、本文中の空所に適切な単語を選択する問題です。単語のレベルは総じて高く、英検1級相当のものも散見されます。

②では、各パラグラフの内容や筆者の主張に沿う内容の選択肢を選択します。この問題は、例年、選択肢の文が短い傾向にあります。選択肢の文が短いということは、良くも悪くも内容が簡潔であり、抽象的です。具体的な要素が薄い分、本文の内容を正確に把握し、その内容が抽象的な文に換言されていることを見抜く力が求められます。

3.　本文（第1パラグラフ）の内容を把握しながら、設問[1]を解く。

第1パラグラフを読み始める前に、第1パラグラフの内容と関連のある[2]の設問を確認しておきましょう。

[2] 　In the 1" paragraph, the author would likely describe parking at IKEA as

ここでは、〈第1パラグラフのなかで、筆者が「parking at IKEA」をどのように記述しているか〉という点が問われています。この段階では選択肢に目を通す必要はまだありませんから、問われている内容を確認するにとどめます（太字の部分が特に重要なキーワードです）。

実際に本文を読み進めていくなかで、「parking at IKEA」の話題が始まったら、少し注意深く読むようにしましょう。

それでは、本文の1文目から見ていきます。

1文目：
There can be few things as frustrating as being stuck in a car park for four hours on a scorching Sunday afternoon; yet this was the unhappy fate of shoppers at a new multi-story car park at an IKEA store in Reading, UK.

1文目は、本文の導入部分になります。少々難しい単語や、比較（同格表現）表現など文構造が把握しづらい部分もあるかと思いますが、ここでは詳細な意味よりも大意を掴むことを優先していただければと思います。

正確な日本語訳でなくて構いませんので、英文の意味を英文の語順のままとってみます。

訳：
「これほどイライラすることもほとんどないでしょう。焼けつくような（scorching）日曜日の午後に駐車場で4時間立ち往生すること（being stuck）ほど。ですが、これは不幸な運命でした。買い物客にとって。イギリスのレディング（Reading）にあるイケアの新しい立体駐車場（multi-story car park）で起きたことは。」

ひとまず1文目を読んだ段階で最低限理解していただきたいことは、「イケアの駐車場で何か不幸な出来事が起こった」ということです。これは、1文目の後半部分（「;」以下）さえ読めれば、理解できる内容かと思います。

可能であれば、1文目の前半部分（「;」より前）を読み解き、「その不幸な出来事とは、立ち往生すること（being stuck）であった」という点まで把握できればなお良いです（この前半部分が設問[1]とも絡んできます）。

それでは、2文目を見ていきます。

2文目：
As well as prompting a full-scale investigation by IKEA, such chaos invites us to consider how further [1](1. standoff 2. gridlock 3. clearance) can be prevented.

ここで、設問[1]が登場しました。さて、選択肢の意味は分かりますでしょうか。単語については、あらためてふれますが、どれも大学受験レベルの単語帳（『ターゲット1900』や『システム英単語』）には収録されていません。

設問[1]の単語が分からない方は、まずこの2文目全体の意味をつかむことからはじめてみます。

訳：
「イケアによる本格的な（full-scale）調査を促すだけでなく、そのような混乱（chaos）は、私たちに勧めました。どのようにさらなる [1] を防止できるかということを検討（consider）することを。」

「such chaos」という表現が出てきました。such は指示語（指示形容詞）ですから、such chaos「そのような混乱」は、すでに文中に登場している内容のはずです。

すでに such chaos が生じているけれど、さらなる chaos を防止する（prevent）するために、私たちはいろいろと検討する（consider）必要があるということです。

つまり、such chaos の内容と設問[1]の内容は同じものを指します。

ちなみに、such chaos は、1文目の「立ち往生すること（being stuck）」を指します。

設問[1]の選択肢の「gridrock」が、1文目の「立ち往生すること（being stuck）」の言い換え表現であると見抜くことができれば、設問[1]は終了ですが、選択肢の単語の意味が分からない場合、できる範囲で構いませんので、推測をしてみましょう。

単語の意味を推測する際は、単語を分解して、それぞれの要素の意味を複合して考えるのが一般的です。

1. standoff：

stand + off ？　→　「離れて立つ」?

2. gridlock：

grid + lock ?　→　grid が分からないけれど、lock は「ドアをロックする」の「ロック」?

3. clearance：

clear + ance ?　→　clear は知っているけど、ance が分からない。けれど、importance という名詞を知っているから、clear を名詞化して、「きれいなこと / 明らかなこと」のような意味 ?

このような具合に、意味を把握する必要はありませんので、大まかにそれぞれの単語のイメージを膨らませていければ十分です。

正解は・・・

1. standoff（名詞）：　離れている状態、孤立している状態

2. gridlock（名詞）：　交通渋滞、行き詰まり状態、立ち往生

3. clearance（名詞）：　撤去、除去、片付け

-ance は、「～であること / ～性」という名詞化の働きを持つ接尾辞です。
important / importance「重要である / 重要性」や resist / resistance「抵抗する / 抵抗」、govern / governance「統治する、支配する / 統治、支配」などがあります。

それでは最後3文目です。