こんにちは!武田塾香椎校です!
今回は、香椎校講師の川村先生(大阪大学法学部卒)に、阪大英語対策について書いてもらいました。
川村先生は高校生時代、参考書中心に学習を進め現役合格。
入試の成績開示では、阪大法学部内の順位が6位(上位2.5%)だったそうです!
今回の記事では、阪大英語の特徴について説明した後、分野ごとの傾向&対策、参考書を使った勉強法について解説。
この記事に、阪大の英語で合格点を取るためのあらゆる情報を集約したので、非常にボリューミーとなっています。
ですが、役に立つこと請け合いですので、阪大英語対策を進める際に参考にしてください!
※阪大国語対策はこちらからどうぞ↓↓
【大阪大学】国語の傾向と対策は?おすすめ参考書も!【現代文編】
【大阪大学】阪大二次国語の傾向と対策は?参考書ルートも【古文編】
※2022年度阪大模試日程についてはこちら!
【2022年度】模試日程一覧!共テ模試や大学別模試、難易度&範囲は?
※共通テスト対策の記事はこちら↓
【共通テスト】世界史の勉強法は?最短で9割を超える参考書と対策!
大阪大学英語の傾向と対策―まずは阪大二次試験の分析をしよう!
まず、阪大英語の形式や難易度について理解しましょう。
「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」
といいますので、まずは正確な分析が肝要です。
阪大英語はどのような構成?解く順番はどうする?
大阪大学の英語は、問1ー問4までの全4問で、時間は90分。
ただし文学部と外国語学部は、問題の構成が少し異なります。
(※文学部は、和文英訳の選択問題が他学部と異なり、外国語学部は問5にリスニングが追加されます。)
問題の構成は以下の通り。
問1:英文和訳(2問)
問2:長文
問3:自由英作文(70語程度)
問4:和文英訳の英作文(2問)
問題の分量は平均的で、時間配分に注意して解けば、時間不足は避けられます。
時間のかけ方は人それぞれですが、私の場合は
問1の英文和訳を15分以内(目標12分)
問2の長文は30-35分、
先に問4の和文英訳を15分で解く
最後に問3の自由英作文を20分
残った時間でチェック
としていました。
多くの阪大受験生もこのようにしていたので、過去問演習の参考にしてみてください!
阪大英語の難易度と目標点数は?
阪大英語は他の旧帝大と比較して難しいことは間違いありません。
特に問1の和文英訳と問4の英文和訳英作文はレベルが高く、私を含め多くの受験生が苦労しています。
ただ、全体的に見れば全く太刀打ちできない問題ではありません。
どの問題も基本事項を丁寧に押さえて、基礎から英語の理解を進めれば、十分に高得点を狙える良問。
目標点数ですが、学部学科や、共通テストリサーチの結果によるため一概には言えません。
(※共通テストリサーチの見方はこちらからどうぞ)
とはいえ、殆どの場合二次試験で65%を取れば合格を狙えます。
ですので、普段の過去問演習は7割を目標に進めると良いでしょう。
大阪大学英語の傾向と対策―問1[英文和訳]の参考書ルートと勉強の進め方
まず問1について見ていきましょう。
問1は難易度が高く、阪大英語の象徴とも言うべき問題です。
問題の形式としては、100words以内の短文が与えられ、和訳するというもの。
まずは問題文にSVOCMなどの文構造を振り、それに基づいて和訳するのが一般的な解き方です。
まさに英文解釈の練習が活きる問題ですが、受験生間で差がつく問題となっています。
その理由は、主に次の3つに集約されるでしょう。
○SVOC、節や句といった文構造を把握することが難しい
○アカデミックな内容が多いため、単語を直訳してもしっくりと来る和訳にならない
○単語のレベルが高い
阪大レベルとなると、ほとんどの受験生は直訳できます。
しかし差がつくのは、文構造にもとづいて、意味の伝わる日本語として表現できるか。
そのためには、英語力はもちろん、バックグラウンドとなる背景知識や、“国語力”が大切。
ですので、普段の勉強から、自分の言葉で解答をアウトプットすることが大切です。
問1[英文和訳]対策のおすすめの参考書
問1の対策は、英文解釈の参考書で演習を積みましょう。
ここでの勉強の目的は、
どのような文章でも、文法的な根拠や文脈から、自分で文構造を把握でき、それを和訳できるようにすることです。
実際に私含め阪大合格者が多く使っており、武田塾でも推しているおすすめ参考書は、
「英文解釈の技術100(桐原書店)」
「基礎英文解釈の技術100(桐原書店)」
「ポレポレ英文読解プロセス50(代々木ライブラリー)」など。
実際に本屋さんで手にとり、合いそうなものを探してみてください。
問1[英文和訳]対策の勉強の進め方
英文解釈の技術100を例に取ると、
1.時間を測って(1問10分くらい)、文構造を書き込み和訳する
2.解説を読み、解答例と自分の答えを比べて、改善点をチェックする
3.一日10問ほど進めて、最後にうまくできなかった問題をとき直す
ここまでを一日で行います。
後半になるにつれて難しくなりますが、
なぜそのような文構造となるかを、丸暗記でなく理由も含め理解することが大切。
そしてやはり自分で解答を書くということが練習になります。
なんとなく意味がわかっても、それを言語化するところで差がつく問題ですので、
普段の勉強から意識してアウトプットを進めましょう。
また、知識をキープするために、
4.復習トレーニング(巻末にある問題だけを集めたページ)を見て、1問1分ずつチェックする
5.CDを使ってシャドーイングを行いつつ、文構造を取れるかを確認する
これらは毎日進めるのが大切です。
特に効果的なのは、シャドーイング。
英文解釈の技術100のCDは、1問約40秒。
私は、通学が徒歩15分でしたので、その間にシャドーイング。
すると、一日で40問近くチェックできるため、3日で100問すべて回していました。
このように、
一度手を動かして解答を書く→知識が抜けないよう徹底的に復習
という流れが最強です。
ちなみに武田塾香椎校でもこのように指導し、1冊を完璧にするということを徹底していますので、興味があればぜひ!
大阪大学英語の傾向と対策―問2[長文]の参考書ルートと勉強の進め方
阪大の問2は、難易度分量ともに、難関大のスタンダードという形です。
まず内容について、直近5年間の出題内容は以下のようになります。
2021…シロナガスクジラの鳴き声の変化
2020…人類史における技術の事例
2019…人間の思考と問題の解決
2018…進化論に潜む問題点
2017…歴史的に見た翻訳の必要性
これを見てもらえばわかるように、自然科学や社会科学を題材とした文章が多い傾向に。
こういった分野の問題は、背景知識があることで格段に解きやすくなります。
そのため、普段長文演習の際に、題材を理解して人に説明できるレベルまで仕上げましょう。
次に、問題の形式についてですが、
問題数は5-7問程度と多いわけではありません。
単語の意味を問われる問題、下線部の説明問題、理由の説明問題、内容一致
といった形で、記述量も最大で50字程度と書きやすい部類に入るでしょう。
ただし旧帝大だけあって、単語や熟語のレベルは高く、一語一訳だけでは太刀打ちできないものがでてきます。
また、未知語が出てきた際の推測が求められることもあり、普段からの学習量が直接反映されるのが問2。
問2[長文]対策のおすすめの参考書
阪大の長文対策に必要な参考書ですが、
○単語帳
○長文演習の参考書
○(音読用の教材)
の3種類です。
単語は、どの単語帳を選べば良い?という疑問について、この記事の最後にまとめます。
長文の参考書を進める目的は、
単語、熟語、文法、英文解釈の知識を総動員して文章の内容を理解し、記述としてアウトプットする練習を積むことです。
おすすめの参考書は、
「関正生の英語長文ポラリス2」
「やっておきたい英語長文500(河合出版)」など。
問2[長文]対策の勉強の進め方
1.まずは時間を測って問題を解き、わからない問題でも必ず自分で解答をアウトプットする(部分点を狙うため)
2.解答と照らし合わせ、間違った問題については根拠を明らかにする
3.(重要)読んでいてわかなかった単語熟語や、取れなかった文構造を理解し、文章のどの箇所も説明できるようにする
4.文章の音読→シャドーイングをして、通学時間などで何度も頭に叩き込む
このように進めるのが、1冊の学習効果が高く効率よく知識を吸収できます。
音読用の教材ですが、先程紹介した「関正生の英語長文ポラリス2」は、音声がDLできるので使いやすいでしょう。
また、長文演習の参考書とは異なりますが、「速読英単語上級編(Z会)」もおすすめ。
これは、阪大など難関大の文章で単語を覚えることができ、CDでシャドーイングもできる単語帳です。
こちらも巷の阪大生に人気の1冊です(私も使っていました)。
大阪大学英語の傾向と対策―問3[自由英作文]の参考書ルートと勉強の進め方
大阪大学の英語問3は、自由英作文。
アカデミックな文章が多かった問1、問2と異なり、自由英作文は個人の経験に基づいて書くものが多い傾向。
日本語で聞かれてもアイディアが浮かばず書きづらいというものが出題されます。
直近の出題は以下の通り。
2021…前向きな姿勢を保ち続けるのが難しいとき、どのようにすれば抜け出せるか。
2020…キャッシュレス社会の利点と問題点。
2019…「何事もあきらめが肝心」と、「あきらめなければ道は開ける」、どちらの考え地に近いか?
2018…人生に失敗はつきものだが、どのような失敗を経験し、そこから何を学んだか。
2017…なぜ勉強をしなきゃいけないの?という中学生に対するアドバイス。
2013…タイムマシンがあれば使ってみたいか?
このように、おもしろい(受験生は何も面白くないが)問題が集まっています。
文字数は全て70字程度ですので、他の旧帝大と比較すると少なめです。
しかしその分内容がトリッキー、というのが阪大の自由英作文の特徴でしょう。
問3[自由英作文]対策のおすすめの参考書
自由英作文の対策でおすすめなのは、
「英作文のハイパートレーニング 自由英作文編」
「自由英作文編 英作文のトレーニング(Z会)」など。
これらの参考書を使った英作文の勉強法については、こちらでも解説しています↓↓
参考書を使った二次試験英作文対策!旧帝大の英作文も余裕で書ける!
学習の目的は、
ディスコースマーカーなど、自由英作文の形について理解を深め、実践演習を積むための題材として使う、
となります。
問3[自由英作文]対策の勉強の進め方
1.まずは自由英作文の書き方についての講義パートを理解する。暗唱例文がある場合はそちらも覚える。
2.覚えた書き方や表現を使って、時間を測り問題を解く。
3.解説を読んで、自分の解答に反映できそうなところは理解する。
4.(重要)書いた文章を人に見てもらう
自由英作文は、やはり書くことに尽きます。
実際に書いているうちに、使いやすい表現を習得し、自分のミスの傾向を把握できます。
しかし、自分ひとりでは気づけない点もあるため、塾や学校で採点&フィードバックをもらってください!
武田塾香椎校でも、自習室が使え、英作文を見ることができます。
活用している塾生もたくさんいます!
大阪大学英語の傾向と対策―問4[和文英訳英作文]の参考書ルートと勉強の進め方
阪大の問4和文英訳も、問1に劣らず難しい問題が出題されます。
引用されている文章のジャンルとしてエッセーが多めとなっています。
そこまで論理的に書かれているわけではないので、自分で意味を補いつつ書くことが求められるでしょう。
例えば、
「宇宙の闇はあまりに深く、そして、その死の世界に言葉にならないほど美しい地球があるんです。」
という文章が出題されています。
勉強の方針として、まずは例文暗唱を進めて表現できる言い回しを増やすのが大切。
その上で、問題演習で「自分の表現できる英語に読み替える」という訓練をひたすら進めましょう。
問4[和文英訳英作文]おすすめの参考書
阪大の和文英訳対策でおすすめの参考書は、
「英作文のハイパートレーニング 和文英訳編」
「英作文のトレーニング 実戦編(Z会)」など。
この2冊の共通点は、どちらとも暗唱例文集がついていること。
2冊の選び方ですが、
○基本から確認したい場合はハイパートレーニング
○ある程度基礎が固まり、段階的に実力を上げたい場合は英作文のトレーニング
と選ぶのが良いでしょう。
これらを使った和文英訳の勉強法は、こちら↓も参考にしてください!
参考書を使った二次試験英作文対策!旧帝大の英作文も余裕で書ける!
問4[和文英訳英作文]対策の勉強の進め方
1.別冊を使って例文暗唱をすすめる
2.暗唱例文で覚えた表現を使いつつ、実際に英文を書く
3.解答例と自分の解答を比較し、どのように読み替えれば解けたか、を分析する
このようにすすめるのが王道。
大阪大学の和文英訳は、「文の主旨を捉えて、それを自分の表現できる表現で書く」ことが求められます。
先程紹介した2冊の参考書は、
日本語を分解し、それをまとめる、という2STEPで解説されているので、非常に効果的。
英作文は早く取り組むほどブラッシュアップされるので、早めに対策に移りましょう。
大阪大学英語の傾向と対策―単語帳の選び方は?
英語の勉強を始める際、最初に取り掛かるのは単語帳や熟語帳ではないでしょうか?
しかし市販されているもの単語帳は多種多様で、どの単語帳か迷ってしまうと思います。
実際に見た、阪大受験者が使っていることの多い単語帳は、
「システム英単語」
「ターゲット1900」
「速読英単語標準編」でした。
この中で、「システム英単語」と「ターゲット1900」は、頻出度順に並んでいることが強みです。
入試で出やすい単語ほど前の方にあるので、レベルに合わせて覚えていけるのがメリットでしょう。
こういったメジャーな単語帳を1冊完璧にする、ということが大切。
完成させてしまえば、単語帳間の差はそこまで生まれません。
2冊目の単語帳は必要か?
単語帳をある程度覚えたら、難関大向けの2冊目にチャレンジしたい…という人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、
1冊目を完璧にできたならば、2冊目はあり(ただし他の科目との兼ね合いによる)です。
2冊目としてよく使われるのは、「東大英単語熟語鉄壁」「速読英単語上級編」「データベース5500」など。
ちなみに私は、「データベース5500」を選びました。
「速読英単語」を完成させた時点で阪大オープンを受け、わからなかった単語が13個。
そのうち、「速単上級編」は11/13、「データベース」は12/13をカバーしていたためです。
このように、過去問分析や模試の結果から、本当に必要な単語帳を2冊目に選ぶのをおすすめします!
単語を覚える際の勉強のポイント
阪大の英語は、単語自体のレベルは難関大並です。
しかし、派生語や、対義語、接頭語接尾辞まで覚えることが差をつけるポイント。
例えば2014年の問1では、科学史の文脈で、microdisciplineという単語が出ました。
おそらく多くの単語帳は、
discipline「規律、訓練」という意味が最初に載っており、これで覚えている人が多いのではないでしょうか。
しかし2つ目の意味として、「学問分野」も。
科学史の文脈ですのでこちらの意味となり、
接頭語のmicro-がついていることから、「学問の細分野」と推測することが求められます。
このように、派生語や対義語、接頭語を使った未知語の把握といった練習が必要。
こういった観点からも、まずは1冊の単語帳を完璧にすることが大切ですね。
まとめー大阪大学英語の傾向と対策
今回の記事では、阪大の英語について、問題ごとに傾向と対策をまとめています。
そして、おすすめの参考書と、それを使った勉強法について解説しました。
文量が多くなってしまいましたが、
実はこの記事、阪大英語対策について書きたいことが多すぎて、もともと書いた文量を半分に減らしています…
そのため、
「阪大の英語対策(他の科目も)についてもっと聞きたい」
「阪大に現役で合格したいけど、勉強の仕方がわからない」
「勉強の計画を立ててほしい」
などありましたら、ぜひ無料受験相談にいらしてください!
また、武田塾香椎校は、大阪大学のみならず、九州大学の文、教育、工、芸工、医医所属の優秀な講師が揃っています。
九州大学をはじめ、難関大受験を検討している方や、
基礎からステップアップしてレベルを上げたい方に、武田塾は心からおすすめできます。
お会いできるのを楽しみにしています!
※現在好評により、受験相談実施枠に制限を設けております。
応募後は校舎より日程調整のお電話をさせていただきます。
********************