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来年度2025年度からいよいよ新課程に対応した共通テストが始まります。
新教科『情報Ⅰ』の追加や、各教科での問題数増、教科のスリム化による統合など変更点がかなり多く早い時期からの新課程の対策が必要です。
変化が多い現代に対応した能力を図るため様々な科目が従来の共通テストとは変化していきます。その中でも来年度受験生はしっかりと情報収集し早い段階から対策を行う必要があります。
今回は2025年度から変更する新課程の情報Ⅰについての解説をしていきます。
はじめに
今回のブログでは新課程で新たに導入される『情報Ⅰ』について解説をしていきます。
情報Ⅰで問われている能力
新学習指導要領における情報の追加では以下を狙いとしています。
①知能および技能
…最先端の科学の知識を身に着け適切で素早い情報処理技術を得る。
②思考力、判断力、表現力
…与えられたテーマに対して科学的な見方・観点から、複数の情報を結び付けて検討し、問題の発見・解決する力を養い、予測不能な社会で先を見通し生き抜く力を身に着ける。
③学びに向かう力、人間性等
…情報と情報技術を活用することにより現代の情報社会に主体的に参画する態度を身に着ける。
これら新指導要領で問われている能力を踏まえて2025年度共通テストが出題されます。ですので情報の知識を丸暗記しても点数は取れず、覚えた知識を用いて与えられたデータを考察し、自分で表現する力が試される問題がかなり出題されます。
情報で学ぶ内容
学校の情報で主に学ぶテーマは四つあります。
情報社会
私たちが現在暮らしている社会は情報社会に移行しています。身の回りに当たり前のようにあるコンピューターやネットワークが我々の生活にとって大きな役割を果たしています。
インターネットのような通信技術が普及したことにより、従来の工業化社会とは変わってきている現代の情報社会について、情報モラルやネットリテラシーなど正しい知識を身に着け、情報をやりとりしていく必要があります。
情報デザイン
情報社会科が進み、様々なデバイスや技術が発達している中で、私たちの目に触れる情報も多岐にわたっています。そこでその情報をどうデザインし、どう情報処理するかが重要視されています。
情報デザインを取り入れることで、整理された情報についてより本質を理解してもらいながら相手に伝えることが出来ますし、コミュニケーションのロスを減らせる効果があります。そのためたくさんの情報が行き交う情報社会ではこの情報デザインを学ぶことが大切です。
ネットワーク
多様化する情報通信のネットワークについて理解し、情報ネットワークを介して流通するデータに着目しそれらを身に着け、活用することが重要視されています。
プログラミング
アルゴリズムを表現するプログラミングを学ぶことで、コンピューターを活用する方法について理解することができ、簡単なプログラミングを作成する技能を身に着けることが出来る。
また現代社会で起きた問題について、シュミレーションを行うことで、プログラミングを問題解決のひとつの手段として使用できるようになることを目的としています。
一般選抜で情報Ⅰが科される大学
国立大学は2025年度一般入試において原則として情報Ⅰを含めた6教科8科目での受験を定めています。
ですので国立志望の生徒は必ず情報Ⅰを共通テストで受験する必要があるので対策が求められています。現在82校のうち66校が情報Ⅰを一般入試で課すと発表しています。また情報Ⅰの配点については検討中としている大学が多いのも現状です。
情報Ⅰを課す大学の中でも傾斜が異なり、情報の点数配分が低い大学もあります。これは現役生と浪人生の間にどのような差が生まれるか不明瞭なこともあり、導入初年次は慎重に扱うべきだ、という声も少なくないからです。例えば北海道大学や徳島大学、香川大学の3大学は配点しないことをすでに発表しています。
国公立志望の来年度受験生は、志望校の情報の傾斜に合わせて対策の比重を決める必要がありますので、各大学の入試情報は逐一チェックしましょう!
私立大学については現行通り三科目受験(文系の場合は国・英・社、理系の場合は数・英・理)が主流となりますが、来年度からは共通テストを必ず入試に課すと発表している大学や学部もありますので、その場合は情報Ⅰの対策が必要になる大学もあるかもしれません。
新課程に入り、入試方式が大きく変わる私立大学もあるので受験する可能性がある大学の受験科目はなるべく早い時期にチェックしましょう!
共通テストにおける情報Ⅰの時間割
共通テストにおける情報Ⅰの試験時間は60分となっています。
また大学入試センターで発表された共通テスト当日の時間割イメージでは、2日目の理系科目の受験が終わったあとの17時-18時での受験となっています。理科科目や数Ⅰ・A、数Ⅱ・B・Cを解き終えた後に、長文の問題が続く情報Ⅰを受験する必要があるため、長時間集中し続ける力が求められそうです。
浪人生への経過措置
2024年度入試を受けて浪人した受験生、つまり2021年度に高校に入学し旧学習指導要領を受けていた生徒への経過措置として、浪人生は『情報Ⅰ』か旧課程の範囲から出題される『旧情報』が出題されます。
この旧情報は以下が範囲となります。
・社会と情報
・情報の科学
以上から出題されます。経過措置で2022年度入学者と受験する試験が異なるとはいえ、情報Ⅰが一般入試で課される大学を受験する場合は2024年度入試では科されなかった旧情報の勉強をする必要がありますので要注意です。
ただし2025年度の受験生が苦戦すると予想されるプログラミングの範囲は異なる問題との選択問題になりますので対策は難しくなさそうです。
試作問題からの分析
大学入試センターより情報Ⅰの試作問題が発表されましたので、その試作問題から各大問ごとに傾向の分析と対策について考えていきましょう。情報Ⅰを受験する生徒は必見です。
第一問
第一問は独立した4つの小問集合です。
どの問題も、現代の情報社会の中で、情報及び情報技術に関して科学的に理解し適切に活用する力を必要とします。
各小問ごとの傾向と対策
問1は難易度としてはかなり易しいです。インターネット利用におけるネットリテラシーを理解していれば解ける問題です。
問2は基幹変数とメールを送受信する際のパリティビットと呼ばれるデータの誤りを検出するシステムについての問題です。一見専門的な知識がないと解けないように思われますが、問題文を正しく読解することが出来れば正解の選択肢を選ぶことが出来ます。
問3は与えられたコンピューターの基本的な仕組みである論理回路を理解し、示された演算処理を実現するための真理表及び論理回路を考察できるかが取れています。
問4では情報デザインの考え方を鉄道の路線図をもとにどの基準で整理っされているかについて考察することが必要です。なおこの問題に関しても問題文で与えられた文章を正しく読解することで、基本知識がなくとも正解を選択することが出来ます。
全体を通して身の回りにある情報デザインについての理解や情報社会を安全に生き抜くための知識について問われています。身の回りにあるインターネットやデバイスがどういった仕組みで機能しているか問われます。
第二問
第二問はA問題とB問題に分かれています。A問題では二次元コードについての仕組みや規則性の特徴について問われており、B問題では文化祭の模擬店の待ち状況について、確率モデルのシュミレーションの結果から読み取れる内容や、変数を変化させた場合の結果を考察できるかを問われています。
各小問ごとの傾向と対策
A:二次元コードに関する問題が出題
問1では二次元コードが広く普及した理由を考察できるかを問う。
問2では会話文から読み取った内容と解像度や画像に関する知識を関連付けて、類推しながら考察できるかを問う。二次元コードに関する知識があれば素早く正しい選択肢を選ぶことが出来ますが、与えられた図や選択肢から消去法式で正解を導くことが出来ます。
問3、問4では二次元コードの復元能力や二次元コードが持つ文字数を変えたものが図として与えられており、文字数が増えたときの縦横比やセル数について考察することで正解を導くことが出来る。
B:日常生活での確率モデルのシュミレーションについて考察
Bは全体を通して図表を正しく読み取り、状況によって人がどのように動くか考察することで正解を導くことが出来る。情報での知識よりも問題文と図表の読解能力が問われる問題になっています。
問1では問題文から読み取った、累積相対度数を確率とみなした考え方と乱数を発生させたデータを基に、模擬店の待ち行列について考察できるかを問う問題。この問題では図表と会話文で正解を読み取ることが出来ます。
問2では来客人数を変化させて、それぞれ100回ずつシミュレーションした場合の最大待ち人数の頻度を表すグラフから、その傾向を適切に考察できるかを問う問題。
問3では来客人数を40人にしたまま対応時間を短くした場合、最大待ち人数がどうなるか考察する問題。
第三問
第三問はプログラミングについての問題。
新指導要領から出題される情報Ⅰでは、各高等学校の授業で使用するプログラミング言語が多様であることから、共通テスト用のプログラミング表記を使用しています・
プログラミングの知識はもちろんですが会話文や与えられた関数の説明から正しくプログラミングを入力することが出来る力が求められます。
なおマークタイプの試験なので、実際にプログラミングを入力するわけではありません。
各小問ごとの傾向と対策
問1はこの問題で定義されている『上手な払い方』を理解したうえで、条件となる関数の理解とその使用方法について論理的に考察できるかを問う。
問2では目標の金額になる最小の硬貨枚数を計算する考え方を理解したうえで、基本的なプログラミングにおける変数の使い方や繰り返しによる処理、算術演算の活用法を理解しているか、また、求めるアルゴリズムについて論理的に考察できるかを考察する。
問3では最小となる交換枚数を求める基本的なプログラミングにおいて、作成した関数の使い方に関して理解しているか、また繰り返しや条件分岐を用いて最小値を求めるアルゴリズムを理解しているか、論理的に考察できているかを問う。
問題文や条件の設定が長文であり、かつ数的な理解が求められるため、プログラミングを入力する際の前提条件を正しく読み取り、数式に落とし込む力が必要になってきます。
プログラミングの範囲は配点が高いため、正解したい範囲であります。高校2年生の冬の時期には教科書を自分で自主学習していく必要があります。
第四問
スマートフォン・パソコンなどの使用時間と睡眠の時間や学業との関係を題材に、データの活用と分析に関する基本的な知識および技能と、データが表すグラフから読み取れることを考察できるかを問う。
この問題では全体的に文章量が多く、図表の読み取りに時間がかなりかかる問題です。また箱ひげ図や散布図など数Ⅰ・Aの知識も併せて求められます。
全体を通しての情報Ⅰの傾向
全体を通して文章量や図表が多く、短時間で素早く条件を理解し正しい選択肢を選び取る力が必要です。特にプログラミングの分野に関しては前提条件がかなり複雑になることが予想され、高等教育の現場では使用されない共通テスト専用の言語を使用するため、試験時間内でのプログラミングの理解が必要とされます。
しかし図表や会話文が多い分、正しく文章を読解できれば情報の知識がなくても正しい選択肢を選ぶことが可能な問題も多いです。
また数的な処理や散布図や箱ひげ図といった数Ⅰ・Aの内容を理解したうえで、データの活用が出来るか問われている問題が多いです。情報で高得点を狙っている受験生は、数1・Aの範囲も完璧にすることが求められます。
情報の対策で必要なのは、新年度であるため問題の傾向がつかめない以上やはり普段の授業をしっかり聞き、日ごろからコツコツ勉強することです。特にプログラミングに関しては試験で使用する言語は異なるものの、プログラミングを構築する際のプロセスや条件の理解は必ず共通テストで使用するコンピューター言語でも役立つはずです。
また情報Ⅰの講義系参考書や問題演習の参考書も着々と発売されているので、実際に解いてみながら傾向をつかんでみるのもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?2025年度入試の高校二年生は新課程の対策のために早めに行動しなければいけません。
ぜひ本ブログを読んで参考にしてみてください。
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