「文系か理系かを選択しなきゃいけないけど、さっぱりわからない…」
「そもそも高校1年に文理選択を迫るのは厳しくない?」
そんな高校生1年生の悩みをたびたび耳にします。
悩める高校生のために、文系か理系か、どちらを選ぶべきかの判断基準について紹介していきたいと思います!
目次
1.「不得意だから」は危険!?
2. 文系理系の判断基準
2-1. 自分が将来何をしたいか?
2-2. 興味のある学問
2-3. 受験戦略
3.「漠然と」が不安な方に
3-1.「文転・理転」
3-2.「リベラルアーツ」
3-3.「転学部」
4. まとめ
1.「不得意だから」は危険!?
文系である筆者が、周りの人に
Q.「なぜ文系に進んだか?」を聞くと、多くの人が
A.「数学が苦手だから」と答えてきます。
事実、数学嫌いが故に文系に進んだという方は、統計上多いそうです。
しかし、
「数学が苦手だから」という理由で決めるのは、危険です!!
理由は3つあります。
①高校1、2年生時点での不得意は当てにならないから
受験勉強をしていない時点では、自分が本当に不得意かわかりません。
勉強していないから、苦手だということも考えられます。
長年塾講師をしている私から見ても、苦手意識をもっていた教科が、飛躍的に成績が伸び、得意になったとのケースはよくあります。
あくまで”意識”ですから、受験勉強さえすれば、克服することができます。
②数学的思考力が必要となるから
近年、プログラミングやデータサイエンス、ITといった分野の発展が凄まじいです。
どんな大学の学部の講義ではもちろん、実際に働き出してみれば、なにかしらの形で関わることになります。
そのため、数学を勉強しておくことは、長期的にみて必要になります。
③結果的に受験につかうこととなるから
高校1年2年段階では受験科目を意識して、文系理系を決めている人は少ないと思います。
いざ受験をしてみると、難関大ほど共通テストや2次試験で多くの科目を要求されます。
結果、文系にとっての数学、理系にとっての国語etc...から逃げられないという状況になるのです。
2. 文系理系の判断基準
では、どんな判断基準が好ましいのでしょうか?
「自分が将来何をしたいか?」「興味のある学問」「受験戦略」の3つをおススメしたいです!
ポイントは「漠然と」です!
2-1. 自分が将来何をしたいか?
自分が将来何の仕事に就きたいかを考えて、文系理系を選ぶことは重要です。
高校1年2年段階では、どんな職種があるかわからないので、「漠然と」で構いません。
とても大まかに、公務員、事務、営業、研究、技術etc...といった感じです。
文系理系によって、就きやすい職業に差が出てきます。
理系であれば、大学の専門的な学問をそのまま仕事へと役立てることができるので、技術職を目指す人は理系が良いでしょう。
一方、文系であれば、公務員試験や士業の資格試験に近い学問を学ぶことができます。
また、理系と比較すれば、事務や営業に就く割合が大きいです。
そのため、それらの職に就きたい場合は、文系が有利になります。
当然、就きやすい職業に差があるとはいえ例外はあります。
例えば、近年では、文系出身のプログラマも多く活躍する時代になり、文理の垣根が取り払われつつあります。
考えだしたら際限がないので、やはり「漠然と」で問題ありません。
2-2. 興味のある学問
興味のある学問から文理選択をするのも良いです。
大まかに
文系なら、法学や経済学、文学、社会学、国際学
理系なら、数学や物理学、化学、工学、建築、電子情報、医学
を学ぶことができます。
更に、今は興味のある学問について知識がなくとも、全く問題ありません。
また、「漠然と」で構いません。
法律系のドラマを見て
「なんかわからんけど法学部行きてぇ!!」
病気を治療してもらって
「なんかわからんけど医学部いきてぇ!!」
でもどんな些細なことでも構いません。
興味のある学問の中身は、大学に入学してから学べば良いのです。
2-3.受験戦略
「自分が将来何をしたいか?」「興味のある学問」よりも消極的な理由になりますが、受験戦略から選ぶのも良いでしょう。
当然、「漠然と」で構いません。
「受験戦略」とは、例えば、
「行きたい大学」「今、得意な科目」
といった感じです。
「行きたい大学」といえば、なぜか魅力を感じる大学を選べば良いでしょう。
例えば、
「慶応ボーイになりたい!」と思うなら、慶應義塾大学は文系学部が多いので、文系を選ぶのが近道です。
「今、得意な科目」は、結果的に興味のある学問になるかもしれませんし、受験で得点源になるかもしれません。
とはいえ、高校1,2年生の知識と経験では足りないこともあるので、ノウハウのある大学受験予備校も利用するといいですよ!
3.「漠然と」が不安な方に
『結局「自分が将来何をしたいか?」「興味のある学問」「受験戦略」なんてわからん』
という方が多いのではないでしょうか。
そりゃわからないでしょう、当然です。
まだ経験の浅い高校1、2年生に
「数十年後のライフプランを見据えろ」といっても無理な話です。
大事なのは、文系理系を考えることで大学受験とそれ以降の将来を意識できるだけで価値があるということです。
加えて、文系・理系を選択した後でも、やり直す機会は用意されています。これが「漠然と」でも構わないという理由です。
例えば、「文転・理転」「リベラルアーツ」「転学部」といった機会です。
3-1.「文転・理転」
「文転・理転」とは、多くの高校では、3年進級時に選択コースを変更することです。
文転は、理系→文系のことで、理転は文系→理系のことを指します。
「理系に進んだだけど、物理・数Ⅲに全くついていけない…」
「やっぱ弁護士になりたいから、理系やめて文系に行くわ!!」
といった理由での文転をしばしば耳にします。
文系・理系を試してみてからの方が、大学受験やライフプランを具体的、現実的に見通しやすくなるので、文転・理転はやり直す機会として非常に効果的です。
注意点として、文系→理系の理転は、非常に難易度が高いです。
というのも、理系は2年生の間に数Ⅲと発展理科を進めているため、理転希望者は、独学で数Ⅲと発展理科を勉強しなければなりません。
高校の先生が「迷ったら理系に行け」と言う理由でもあります。
3-2.「リベラルアーツ教育」
「リベラルアーツ教育」とは、大学教育にて専門分野を持たずに、文系理系に問わず幅広い学問を学ぶ教育のことを指します。
日本の大学では、「文理融合学部」「国際教養学部」「文系一括・理系一括入試」といった方式を取っています。
それぞれ、文理選択にとらわれないか、選択を大学1,2年まで遅らせることができます。
そのような「リベラルアーツ教育」の理念を実践した大学・学部を選ぶことで、文系理系にとらわれずに、自分の興味のありそうな学問を大学でも探すことができます。
その興味を持った学問を学部3,4年や大学院でさらに深めることも可能です。
3-3.「転学部」
大学に入った後でも、転学部制度を使うことで、学部を選択を変更することができます。
大学によって条件が異なるので、転学部の際は大学のシラバス等を確認する必要があります。
4. まとめ
文理選択がライフプランの設計に制限をかけてくるのは間違いありません。
また、大学受験すらも間近に控えていない高校生にその決断を迫ることは、とても酷な話です。
それでも、「自分が将来何をしたいか?」「興味のある学問」「受験戦略」といった軸を持って文理選択すれば、自分の将来を考えるよいきっかけにもなると思います。
当然、「漠然と」で構いません。
やり直すチャンスはいくらでもあります!
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