目次
はじめに!
ブログをご覧の皆さんこんにちは!
JR奈良駅から徒歩5分、近鉄奈良駅から徒歩7分 武田塾JR奈良校 です!
春休みですね。時間を有意義に使えていますか?
今回紹介するテーマは「【2024年度版】古文の参考書ルートを解説!一冊ずつ完璧にすべし!」です!
2024年最強の参考書ルートを紹介します!
1冊ずつ完璧にすれば古文が楽しくなること間違いなしなので絶対にやりきりましょう!
また、今回の内容は武田塾の公式YouTubeチャンネルでもお話ししているのでそちらもぜひ合わせてご覧ください。
古文の勉強の全体像
まず、古文のゴールは文章の読解です。
そして文章読解のために必要なパーツが単語や文法になります。
したがって武田塾の古文の参考書ルートも、まずは単語や文法をしっかりと押さえるところから始まります。
それから次に文章読解に進むのですが、その前に重要なのが、古文ならではの読み方を学ぶ参考書に取り組むことです。
古文と英語の大きな違いは、省略の多さです。
英語が基本的に主語や目的語をはっきり書くのに対し、古文では省略されることが多くなります。
古文で最も難しく、みなさんが悩まされるのがこの省略になります。
誰が・いつ・誰に・何をしたかということを示す言葉が、当然わかるものとして省略されてしまっているため、それを読み解いていかなければなりません。
こうしたことから、省略を補う読み方を鍛える参考書を武田塾では採用しています。
省略を補う読みかたを身につけて、古文の文章読解の経験を増やしていって、最終的には難しい大学の文章も読めるようにするという事が武田塾の古文の参考書ルートの全体像です。
参考書ルートの構成
日大レベルまでは全生徒共通になります。
そこから私立志望の場合はMARCHレベル→早稲田レベル、国公立志望の場合は地方国公立レベル→東大レベルへと進んでいきます。
日大レベル
日大レベルで使う参考書は以下の通りです。
単語
『読んでみて聞いて覚える重要古文単語315』
『新・ゴロゴ古文単語』
『わかる・読める・解ける Key&Point古文単語330』
講義系
『岡本梨奈の1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本』
『富井の古典文法をはじめからていねいに』
問題集
『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』
『やさしくわかりやすい古典文法』
読解
『富井の古文読解をはじめからていねいに』
『岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』
読解演習
『岡本梨奈の古文ポラリス1』
『岡本梨奈の古文ポラリス2』
古文単語は300語程度のものを武田塾では1冊目として選んでいます。
最もオーソドックスなのは『読んで聞いて覚える重要古文単語315』です。
『古文単語315』で覚えづらい場合は、『新・ゴロゴ古文単語』を使ってみましょう。
『ゴロゴ』は古文単語を語呂合わせで覚えることができるため、苦手な方でも覚えやすくなっています。
初学者にもやさしい1冊と言えます。
また、学校で配られることが多いと思われる『わかる・読める・解ける Key&Point古文単語330』を使ってもかまいません。
古文単語について注意点
古文単語は一語一訳ではなく、しっかりと複数の訳を覚えることが重要です。
理由は、正反対の意味を持つ古文単語があるためです。
例えば、「いみじ」には「とてもひどい」という意味と、「すばらしい」という、プラスとマイナス両方の意味があります。
この意味を間違えてしまうと、文章の内容が真逆になってしまいます。
これはとても危険なので、古文単語はしっかり複数の訳を覚えるようにしましょう。
このように、同じ言葉が真逆の意味を持つことが納得できず、苦手意識を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私たちも同じような言葉を使っていることがあります。
例えば「やばい」という言葉です。
「これ、やばい!」という言葉は、プラスの意味とマイナスの意味、両方を持つことがありますが、私たちはちゃんと文脈から区別することができますよね。
同様に古文単語の意味も、きちんと勉強すれば文脈から判断できるようになります。
文法についての注意点
古文では文法で設問が問われることがよくあるので、しっかりと理解しておきましょう。
まず文法が苦手な方は、理解するところから始める必要があります。
そんな方は、『岡本梨奈の1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本』か『富井の古典文法をはじめからていねいに』を読みながら進めましょう!
特に、古典文法において当たり前のように使われるキーワードや語句が苦手な方は読んでおきましょう。
「婉曲」や「未然形」といった、古典文法を覚える前の事前知識を習得するには、講義系参考書を活用するのがよいでしょう。
また、助動詞や助詞について、使い方の例がたくさん載っており、理解をひとつひとつ深められるのも講義系参考書のよい点です。
解説を読み比べて2冊のうち合うほうを選ぶようにしましょう。
文法の問題集については、『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』か『やさしくわかりやすい古典文法』のどちらかを使いましょう。
『ステップアップノート』では高いレベルの力を実践的に身につけることができます。
『やさしくわかりやすい古典文法』は古文が苦手な方におすすめです。
どちらも30章ほどで古典文法のテーマを一気に学ぶことができます。
どちらを使うにしても注意してほしい事は、解説されている暗記事項をしっかり覚えてから問題に取り組むことです。
特に古典文法を学校で一生懸命音読している方は、そこまで知識を覚えていなくても雰囲気やリズム、語感で問題が解けてしまうことがありますが、それでは意味がありません。
覚えるべきことをしっかり覚えてから挑むようにしましょう。
特に助動詞については、接続・意味・活用・意味の使い分け、この4つをしっかり覚えてください。
古典文法の問題集で大事な章が「識別」です。
実際に私大の文章読解や共通テストでも「ここの文法事項は何か」と問われる問題が多いので、しっかりとポイントを理解して識別ができるように鍛えましょう!
また、敬語もしっかりマスターしましょう。
特に「給ふ」などは、尊敬語と謙譲語、本動詞と補助動詞など様々な使い方があるので注意してください。
問題集には敬語を使って文章読解をするパートもあるので、ここで敬語の知識をしっかり固めるようにしましょう。
実際に武田塾で古典文法を指導する際には、これらの暗記事項を生徒が言えるようになるまでチェックします。
みなさんも、ただ問題を解いて満足するのではなく、暗記事項をしっかり覚えることを意識してください。
古典文法は知識があればロジカルに説明できる教科です。
この時期からはみなさんも、古典文法の問題はすべて理由付きで論理的に解けるようになってください。
ある程度理解が深まれば謎解きのような感じで解けるのですが、知識が中途半端で暗記をないがしろにしていると、いつまでも読みが曖昧になり、嫌な感じが続きます。
そうならないためにも、この最初のタイミングでしっかりと文法を理解しながら暗記をすることを徹底していただきたいと思います。
ここで古典文法を完璧に習得したら、いよいよ読解の準備段階に入ります。
武田塾では、古文流の読み方を身につけることが大事だと教えてきました。
それが冒頭でも解説した、省略を補う読み方です。
その読み方を教えてくれる参考書が、『富井の古典文法をはじめからていねいに』と『岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』です。
どちらか1冊を選んで使いましょう。
これらは武田塾のルートの中でも、古文の成績を上げる際にとても役立つ参考書です。
いま古文が苦手な方は、この本に書いてあることができていないからできないのだ、と言ってもいいでしょう。
こうした本で紹介されている「省略を補う読みかた」の代表格は、敬語に注目した読みかたです。
敬語は登場人物どうしの上下関係を表すため、どの方向に敬意が向いているのかがわかれば、主語が省略されていても特定することができます。
また、この助詞が来ると主語が変わるなど、古文には様々な読みかたがあります。
どちらかの参考書に取り組んで、必ずこういった読み方を身につけましょう。
『富井の古典読解をはじめからていねいに』は読むことに重きを置いており、解くことに関しては深く記載されていないので、どちらかというと古文が苦手な方向けです。
『岡本梨奈の古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』は前半が読むパート、後半が解くパートとなっており、解くパートは選択肢を利用した解き方や和歌の解法、前書きを利用した解き方など、実践的な内容になっています。
古文の問題を解くうえで知っておくべき考えかたが記載された参考書と言えるでしょう。
注意しなければならないのは、古文の苦手な方が変に解きかたを覚えた結果、読むことがおろそかになってしまうことです。
古文はストーリーが理解できることが全てです。
ストーリーが理解できれば、問題は少しの文法知識で解くことができます。
したがって、まずはストーリーを理解することに全力を注いでください。
このようなことから初学者は『富井』でストーリーをまず把握するのがおすすめです。
上級者は『岡本』を使って同時に解き方を覚えていきましょう。
『富井』で読みかたを覚えてから『岡本』で解きかたを足すという形でもよいでしょう。
続いて読解の演習に使う参考書です。
『岡本梨奈の古文ポラリス1』、『岡本梨奈の古文ポラリス2』といった基礎的な文章読解の参考書で練習をしていってください。
このシリーズは解説がとても丁寧なのが特徴的です。
すべての文について各文法の重要事項が説明されたうえに、隣には訳が書いてあるため、とても復習がしやすい構成になっています。
古文が苦手な方にも『古文ポラリス1』はおすすめです。
いきなり『古文ポラリス1』が辛いという方は、『高校 とってもやさしい古文』で主語を特定する練習をまずしてから、『古文ポラリス1』に進むのもよいでしょう。
古文を読むことが苦手な方に絶対にしてほしいこと
まず1つ目は、黙って古文を3周読むことです。
古文はかなり奇想天外な話も多く、苦手な方だとまず1周で内容を理解することはできません。
だからこそ黙って3周読むことが大事になります。
大変だとは思いますが、内容を理解するためにも必ず3周は読むようにしましょう。
2つ目は、人物関係図を書くことです。
古文の文章は、そもそも登場人物が何人いるのかが分かりづらいと思います。
なので、前書きもしっかりと利用しながら、登場人物とそれぞれの関係を人物関係図に起こしたうえで文章読解に入り、誰が誰に何を言ったかをしっかり理解できるように読み進めましょう。
3つ目は、文章中のすべての動詞に丸をつけることです。
これは、古文が苦手な方にはとくにやってほしい作業です。
古文は誰がした動作なのかを理解したうえで読まなければ、文章のストーリーが途中でちぐはぐになってしまいます。
そうならないためにも、すべての動詞に丸をつけたうえで、それぞれについて誰がした動作なのかを書き込んでいきましょう!
時間はかかりますが、これをすることで普段から主語を考える癖がつきます。
実は、古文読解が得意な方ほど文章を読みながら止まって考える瞬間があります。
苦手な方は、フィーリングで上から下へスラスラ読んでしまい、結局点数につなげることができません。
このような読みかたをしている方はすぐに改めてください。
古文が苦手な方ほど、丁寧に登場人物を把握し、動詞や文法事項の確認を徹底しましょう。
こうした演習は、読み終わった後にストーリーを説明できることを目標に行ってください。
読んだ文章のストーリーをイラストで表現してみるのも効果的でしょう。
日大レベルの段階で古文のストーリーをしっかり把握することができれば、MARCHや早稲田、国公立レベルになってもそれほど困ることはありません。
古文の文章には原典があるため、文章自体の難易度が大きく変わることはないからです。
ですので、古文では日大レベルで文章が読めるようになることが最も大事です。
ここでしっかりストーリーを把握する能力を磨いておけば、これから先も大きく苦戦することはないでしょう。
この段階でつまづいている方は、難易度を上げるよりも、『高校 とってもやさしい古文』や『古文上達 基礎編 読解と演習45』といった参考書で基礎的な文章を読む練習を重ね、丁寧にストーリー把握の訓練をしてください。
ここまでが日大レベルでした。
ここを突破できるかどうかが古文の分かれ道になります。
文法や単語は必ず必要になるので、早期に苦手と向きあって仕上げましょう。
MARCHレベル
では次に、MARCHレベルを解説していきます。
MARCHレベルで新たに追加する参考書は以下の通りです。
『読み解き古文単語』『岡本梨奈の古文ポラリス3』『GMARCH&関関同立の古文』
すべきことは先程と同様、文章のストーリーを正確に把握できるようにすることです。
またMARCHレベルや早稲田レベルになってくると、細かい文法知識が問われがちになります。
したがって点数を落とすとすれば、文法や単語などの基礎的な知識です。
この辺りは基礎の怪しい方が多いため、改めて古典文法の重点暗記が必要になります。
そのうえでどうしても演習量が足りない方は、『中堅私大古文演習』、『「有名」私大古文演習』、『首都圏「難関」私大古文演習』といった古文読解系の参考書に取り組んでみましょう。
単語に関しては、日大レベルでだいたい300語ほど覚えてきました。
MARCH・早稲田に向けてはさらなる単語力の強化に加え、読む経験値が必要になります。
『読み解き古文単語』には有名な作品を出典とする文章がたくさん掲載されているので、それらの内容をあらかじめ把握すると同時に、単語力を強化していきましょう。
古文は新たな出典が出てこない、つまり出典が限られています。
あらかじめ経験値を積んでいれば、知っている話が本番で出てきて、思いもよらぬ形で得点できることも大いにあり得ます。
このように、一石で二鳥も三鳥も得られる参考書となっているので、難関大をめざす人にはぜひ取り組んでいただきたいと思います。
ここまでがMARCHレベルでした。
早稲田レベル
早稲田レベルではさらに以下の参考書を追加します。
『世界一わかりやすい早稲田の国語 合格講座』
『早稲田の国語』
これらの参考書を使って早稲田に特化した対策を行っていきます。
慶応義塾大学の入試には古文がないため、最難関の古文は早稲田と言えるでしょう。
とはいえ理不尽なほどの難しさではありません。
ただし基礎知識に抜けがあるとどんどん失点してしまうので、そこを徹底的に磨きあげたうえで問題量をこなして対策を進めていきましょう。
地方国公立レベル
続いては地方国公立レベルについて解説していきます。
地方国公立レベルで使う参考書は、
『古文上達 読解と演習56』 『国公立標準問題集CanPass古典』 『読み解き古文単語』 |
…になります。
東大レベル
地方国公立レベルに加え、東大レベルでは『得点奪取 古文 記述対策』の参考書を追加します。
私大と国公立では、古文で求められることが全く違います。
私大の場合、ストーリー展開の把握はやはり最重要。
内容一致問題において確実に正答することが大事になってきます
また、文法や文学史、単語にまつわる知識系の問題も多くなっています。
国公立の場合、同じ偏差値の私大と比べて文章自体の難易度は易しい傾向があります。
しっかり勉強していれば、ストーリー自体の理解は比較的容易であると言えるでしょう。
いっぽうで問題形式としては、傍線部を現代語訳したり、記述で説明したりする形式が中心。
つまり、ストーリー把握はできて当たり前、そのうえで正しい文法を意識しながら正確な訳をすることが必要になってきます。
古典文法や古文単語の知識をうまく活かしながら現代語訳や説明の記述を書いていく訓練を積んでいきましょう。
まず使うのは、『古文上達 読解と演習56』。
この参考書は、一題ずつの文章が短い点が特徴的です。
現代語訳を行う形式のため、国公立の対策に有効でしょう。
現代語訳を行う上で最も大事なのは、品詞分解です。
日大レベルや私大に関してはそこまで品詞分解を意識しなくてもよいのですが、国公立では訳し漏れがあると減点されてしまうためです。
それを防ぐためにも、品詞分解をしたうえで、一対一対応でしっかり訳に反映させていくことが大事になります。
意識して、『読解と演習56』や『CanPass古典』といった参考書で記述の対策をしていきましょう。
最後に紹介するのは『得点奪取 古文 記述対策』。
これはかなり難しい参考書で、掲載されているのは東大以上に難しい問題です。
記述の採点例や採点基準なども載っているため、より本番を意識した勉強を戦略的に行うことができます。
時間に余裕がある方は取り組みましょう。
以上が国公立レベルでした。
記述問題の自己採点の方法
記述問題の自己採点の方法がわからないという受験生の方もいるかもしれません。
今回紹介した『CanPass古典』や『得点奪取』を使えば自分で採点できるようになりますし、その採点のポイントを意識することによって、記述で何を書くべきかを思考しながら書けるようになります。
独学で勉強するという方もぜひこれらの参考書を活用して古文を乗り切ってもらえればと思います。
その後は過去問演習を徹底的に行いましょう。
今回のまとめ
1.古文は日大レベルまでが大変なので乗り越えよう!
2.省略の補い方や場面のイラスト化などの対策を駆使しよう!
3.レベルが上がっても基礎の徹底を意識して攻略しよう!