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文系受験者必見!共通テストの化学基礎で簡単に7割とる勉強法

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共通テスト化学基礎

国公立大学を目指すみなさんにとって、12月は最後の追い込みの時期ですね。

そんな中で受験相談や校舎にいてよく質問を受けることの1つとして、共通テストの化学基礎でなかなか点数が取れないので勉強法を教えてほしいとよく聞かれます。

共通テストの化学基礎を何とかしたいと考える皆さんに、共通テストの化学基礎の対策を皆さんに紹介したいと思います。

文系の国公立大学の志望者からの質問が多いです。特に、計算問題が出題される化学基礎に苦手意識を持っている人たちが結構多い印象です。

何とかしたい問題ですよね!

そこで、共通テストの化学基礎の対策方法を皆さんに紹介したいと思います。

本稿では、第1に「そもそも共通テストの化学基礎の問題で知識問題と計算問題はどれぐらいの割合で出てくるのか?」を過去5年間の共通テストやセンター試験のデータを検証します。第2にそれを踏まえて「共通テストの化学基礎対策としてどんな分野をどんなふうに学習したらよいのか?」の考察したいと思います。

この記事は、元武田塾生で文系講師として活躍してくれている澤井講師の体験談をもとに、理系担当の飯田講師と葛谷講師の全面的な協力の下で執筆しました。

ぜひご笑覧ください。

 

共通テストの化学基礎の問題構成を把握する

まずは過去6年分の共通テスト(センター試験)問題の傾向について、知識で解ける問題(代表例: 正誤問題)か計算が必要な問題かで識別し、それを点数として計算したときに何点になるのかをそれぞれあげました。

その他、特筆すべき点について各年度で簡単にコメントを加えてみました。

2023年共通テスト本試験問題

○・・・知識問題
6問×3点=18点
1問×4点=4点     計22点

△・・・簡単な計算問題
(単純なmol計算、密度計算、同位体比計算等)
3問×3点=6点
1問×4点=4点     計13点

×・・・複雑な計算問題、見慣れないグラフからの読み取りを必要とする問題
1問×3点=3点
3問×4点=12点    計15点

【総評】
○、△を全てとれた場合、35点/50点で
70%という得点率になる。

知識問題では、オキソニウムイオン(H3O+)に関する正誤、貴ガスの性質、酸化数の正誤、メッキに関する正誤、エタノールの性質に関する正誤、電池反応に関する反応式についての正誤を問われた。基礎的な分子の性質から、酸化還元、電池反応に関するところまで、幅広い分野から知識問題が出された傾向が見られる。

また、今年度は比較的簡単な計算問題が多く、一つの式を立てて解くのみであるため、幅広い分野で、その基礎的な概念を抑えることが必要であったと考える。第二問は見慣れないグラフから必要な情報を抜き取り、計算をする必要があるため、難易度が高い。大問1の基礎問題をいかに正解できるかが大切であるとわかる。

2022年共通テスト本試験問題

・知識問題…22点分
・簡易な計算…10点分
・難しい計算…18点分

平均点…27.73点/50点満点

〈簡易な計算を要する問題について〉

第1問 問7...中和滴定の基本問題。酸や塩基の価数の確認を怠ると落とす。

第1問 問9...化学反応式からFeの物質量を導き出すことができれば解ける問題。

第2問 問3(a)...質量パーセント濃度の公式を理解していれば解ける問題。

2021年共通テスト本試験問題

・知識問題…29点分(うち6点分は計算使わないが、マイナー論点のため難しい)
・簡易な計算…8点分
・難しい計算…11点

平均点…24.65点/50点満点

〈簡易な計算を要する問題について〉

第1問 問2...molの基本的な計算ができれば解ける問題。

第2問 問1(a)...酸と塩基を混合したとき、酸性 or 塩基性がどのような基準で決まるのかを理解する必要がある。

2020年センター試験本試験問題

・知識問題…32点分
・難しい計算…18点分

平均点…28.20点/50点満点

〈簡易な計算を要する問題について〉

第2問 問1...同位体の存在比の計算に慣れていれば解ける問題。各同位体の相対質量に存在比をかける、という計算の流れを掴んでおく。

2019年センター試験本試験問題

・知識問題…30点分
・簡易な計算…7点分
・難しい計算…13点分

平均点…31.22点/50点満点

〈簡易な計算を要する問題について〉

第1問 問3...化学反応式を書き、Niと得られたNiO(Ⅱ)のmolが等しいことが分かれば解ける問題。

第2問 問6...酸化還元に関する正誤問題ではあるが、酸化数の変化を追う必要がある。

2018年センター試験本試験問題

・知識問題…32点分
・簡易な計算…3点分
・難しい計算…15点分

平均点…30.42点/50点満点

〈簡易な計算を要する問題について〉

第2問 問1...アボガドロ数(=N)の定義を忘れていると、問題文で示されている数字が理解できない。

まとめ

こうしてみると、化学基礎の対策のほとんどは知識問題だということが分かります。

これに「簡単な計算問題」ができるようになると、だいたいどの年度でも7割ぐらいは取れる計算です。

何から手を付けてよいのか分からない子は、まずは語句の暗記と理解を優先的にやり、以下の示すような方法で簡単な計算問題をできるようにすることが化学基礎の対策では大切だということになります。

化学基礎の対策法

以下、化学基礎で7割以上取るために「知識問題」と「簡単な計算問題」の対策をどのようにやるべきなのか?を具体的な例を用いて説明してみます。

I. 知識問題対策 - 周期表の理解を題材に

知識のインプットをする - 講義系参考書を読む

知識問題を解くときには当然インプット作業をしなければ問題は解けるようになりません。

ここで、化学基礎の知識問題対策でよく問われる内容として様々な元素あるいはイオンの特徴や性質が挙げられます。

解答や解説を見て、「元素が多すぎていちいち特徴を覚えきれない...」と思う人もたくさんいますよね。

でも大丈夫です!

皆さんがよく目にする【周期表】さえマスターしてしまえば、多くの元素の性質を簡潔に説明できるようになれます。

周期表の「族」と呼ばれる縦列はある決まった特徴を示しやすい仲間(グループ)です。また、「周期」と呼ばれる横列は隣り合う元素同士が似たような性質を示します。したがって、元素の並び方さえ覚えてしまえば、元素の性質を1つずつ覚える必要がないのです(特に1,17,18族の特徴と原子番号1~20までの元素の並べ方を覚えよう!)。

こういったことを講義系参考書を読んで理解します。

しかしながらここで終えてはいけません。本当に身についたかどうかがこの時点では分からないからです。読んだ知識が説明できるぐらいまで知識は身についていなければなりません。したがって、知識問題対策で講義系参考書を読むときには、必ずテストをする(アウトプットする)プロセスを入れるようにしてください

ちなみに、周期表の内容が理解できれば、

①各元素の電子配置と価電子数の特徴
②各元素がイオン化した際のイオン半径の違いやイオン化エネルギーの違い(あるいは電子親和力)

の理解が容易に進むようになります。

「理解」の段階からアウトプットを意識した勉強を心掛けましょう。

共通テスト形式の問題を解く

しかしながら、概念の理解を進めたところで、問題が解けるようになっていなければ意味がありません。

そこで、共通テスト形式の問題を解きます。

その時に注意してほしいのが、問題演習時には主観を大切にしてほしいという点です。解答の根拠が明確な状態で選択肢を選ぶのであれば大きなマルを付ける、そうではない場合には小さなマルを付けるなどして、知識が曖昧な状況なのかどうかを問題冊子にメモを取ってほしいです。

それを踏まえて答え合わせをします。

復習の対象は、「小さなマルを付けて正解した問題」と「間違えた問題」についてです。

復習のやり方

講義系参考書に戻って知識の再インプットをしていくわけですが、小さなマルを付けて正解した問題についてはどこが曖昧だったのかを明確にしておきます。

また、「間違えてしまった問題は何と何を間違えたのか?」や「何を忘れていたのか?」を明確にします。

その上で講義系参考書に戻ります。

この手順で戻っていけば、何となく読んで終わるのではなく、どの部分を注意して読むべきなのかが明らかになります。その箇所にマーキングや書き込みをしたり付箋を貼って後ですぐに見直せるようにします。

さらに、ルーズリーフやノートなどに、曖昧だったところのタイトルを書き出してみます。箇条書きで構いません。その時に曖昧な知識が載っている参考書のページ番号をルーズリーフやノートにメモします。これをためていけば、オリジナルのミスノートや一問一答集ができあがります。これを定期的に見直していくのです。武田塾の勉強法で言えば、「4日進んで2日復習する」のうちの「2日復習する」の部分で復習をするのです。タイトルでいいですよ!という部分もポイントです。何も考えずにノートまとめをしてしまうと、後で単に見るだけになってしまいます。試験では必要な知識を「思い出す」ことが大切です。ですから、普段の勉強の時から「思い出す」作業を入れていった方がよいのです。タイトルだけにしておくと(あるいはタイトルの最後を疑問形にすると)、ここから勝手に思い出す作業に入りますよね?「アレニウスの法則」のノートまとめを単にするのではなく、「アレニウスの法則とは?」って感じでまとめておくと、「う~んなんだっけ?」って感じで思い出せますよね。「とは?」という言葉がポイントです!なんか勝手に思い出そうとしませんか?これが大事なんですよ!

これを積み重ねていきながら、

アウトプット(問題演習)とインプット(講義系参考書)

を往復させるような勉強をしてもらえるとよいのではないかと思います。

II. 簡易な計算問題の攻略法 - 物質量の計算を題材に

「知識問題はできるけど計算問題は苦手...解ける気がしない...」

ということが結構あると思います。

これを押さえれば、平均点以上あるいは7割以上の壁を突破できると思います。

実は計算問題の中にも、コツさえつかめば簡単に解けるものもあります。

 

以下の2点を意識しましょう。

求めるものの単位は何かを確認する
問題文中に出てくる単位を把握する

これを物質量を求める問題で考えてみます。

例えば、「~の物質量を求めなさい」という問題を見かけますよね。この短文の中で読み取れる重要な情報は、「物質量(mol)を求めればよい」ということです。

いま、パッと言葉を変換しましたが、ココが理解できていない受験生も意外に多いものです。

したがって、計算問題を解くときに最初に押さえておきたいポイントは単位の意味を理解するということです。

物質量(mol)の概念が分からない場合は、「講義系参考書」を読みます。どんなものをかけたり割ったりしているのかを言葉の定義を確認しながら丁寧に読みます。物質量(mol)のところでいえば、「アボガドロ定数」とか「標準状態での気体の体積」といった用語です。また、化学物の重さ(g)を分子量(g/mol)で割れば物質量(mol)を求めることができるんだなぁといったことです。こういったところを曖昧にすると問題が解けなくなります。

しかしながら、理解を深めたところで必ずしも問題が解けるようになるわけではありません。だから問題演習をします。最初は基本的な参考書に載っている問題でもいいですし、時間がなければ共通テストの過去問や共通テスト形式の演習問題でも構いません。その時に、覚えた概念を使って、問題文の中からどんな情報を抜き出したらよいのかを意識します。物質量の問題で言えば、問題文の中から「化学物の重さ」と「分子量の情報」さえ引き出せれば、物質量は簡単に求められます。

このように、覚えた基本的知識を問題文の中から抜き出して計算する(単位には気を付けよ!)という感覚を持ちましょう!

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