こんにちは!
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[医歯薬獣医]医系専門
武田塾医進館大阪校です。
医進館大阪校は医系専門であることから、実は現役の大学生や社会人の方からも多くお問合せをいただきます。
一度他の道に進んで他学部の大学生活や社会人生活を送ってから医学部受験を目指す、いわゆる再受験を目指す方は多くいらっしゃいます。
医学部は他の学部よりも年齢によって有利不利が生じる為、再受験合格は更に狭き門といっても過言ではありません。
医進館大阪校では、そんな厳しい再受験で合格を勝ち取った医学部生も講師として勤務しております。
実際の経験より、どんな戦略を立てて再受験に挑んでいったのか、今回の記事にまとめてもらいました。
医学部再受験を目指す方は、ぜひ参考にしてください!
医学部を目指そうと思ったきっかけは?
元々医学部には興味があったのですが、致命的に学力が足りず、国公立の別の理系学部に進学しました。
しかし、進学先の大学で留年したことや大学の講義内容が苦手だったこともあり、中途退学ということになりました。
ただ、このままではなかなか就職は難しいという事もあり、就職先と収入を確保するために医学部再受験に至りました。
再受験の勉強期間と勉強法は?
前述の大学を辞めてから3年の受験勉強の末、私立医学部に合格しました。
とはいえ、大学に在学している頃から実はこっそり勉強を始めていたので、受験勉強期間は正しくは3年以上かかったことになります。
在学中は独学でコツコツ進めていましたが、大学を辞めてからは1年目は予備校、2年目は宅浪、3年目はまた予備校で勉強していました。
予備校と宅浪での勉強
1年目は受験に何が必要かといった知識が全くなく、予備校に身を任せて勉強を進めていましたが、演習量が足りずに受験に失敗。
このことから、2年目は自分でネットを使って必要なテキストや勉強量などの情報収集を行い、宅浪というかたちをとって演習を重ねました。
功を奏して成績は上がりましたが、結果はギリギリ不合格でした(のちに点数開示すると数点差でした)
3年目は1人で続ける自信が低下し、受験情報の収集の為にも再び予備校へ行くことにしました。
予備校の良かった点
医学部受験は情報戦のようなところもあります。
特に再受験生の場合は受験科目の単元が入れ替わっているということもあります。
予備校で再受験生であるという旨を伝えると自分の高校時代との変更点を教えてもらえました。
また、共通テスト出願情報や入試の変更点のアナウンスがあったり、共通テスト後に受験校決定について相談できたのは、予備校に通って良かったと思う点です。
予備校の困った点
予備校は学力別にクラス分けが行われます。
前期で配属された下位クラスだった場合、そのクラス内で成績を上げて後期から上位クラスに入れたとしても、前期の内容は下位レベルのまま受験期に突入することになります。
前期の復習は自分でできれば良いのですが、後期の授業や模試、過去問演習に忙しくなるため、難しくなっていきます。
また、予備校のカリキュラム通りでは問題演習量が少なすぎると感じました。
数学について例を挙げるならば、予備校の授業は60分で大問3つという感じで授業は週に5回ほどありました。
なので予備校のことだけをしていると週に15問ほどの演習という様子でした。
従って、結局は自分でテキストを探して解くことが必要になります。
これに気付かずに予備校に頼りっぱなしではまず合格できません。
また、授業では自分にとっては既に習得済みの内容も入るので、それらの問題の解説にあてられる時間が勿体なかったです。
また、授業を受けてわかった気になったり、授業受けてるだけで勉強した気になるというトラップにも気を付けねばなりません。
宅浪の良かった点
宅浪となると、集団にあわせること無く自分のペースで勉強を進めていけます。
基礎から応用まで、自分の学力にあわせてステップアップできるのが何よりの利点です。
授業で時間が取られない分沢山勉強できるし、計画もたてやすかったです。
予備校時代に数学でいうと週に15問程度と少なかった演習量も、宅浪では1日に15問ほどになり、演習量を大幅に増やすことが出来ました。
1日当たりの問題演習を増やすことによりテキストを周回できるようになりました。
そのおかげで定着率は大幅に上昇しました。
宅浪の困った点
「誰に合わせる必要もない」のが宅浪の利点ではありますが、
それは裏を返せば「自分で全て管理しなければならない」ということです。
正直、一人でやってるとだれます。
また、
何のテキストを使えばいいか
どうやって勉強を進めればいいか
今のやり方であっているのか
こういった事を相談する相手がいないというのはかなりきついです。
勉強の仕方がおかしな方向に進んでても、周りに相談できる人がいないので修正もできません。
勉強以外の点では、入試情報収集に時間を取られてしまうというのも困った点でした。
使用した参考書
英語
偏差値30→50
『逆転合格のカリスマが教える やばい!はやい!英語長文&リスニング』
偏差値30程度のときは、そもそも長文を読んだことがないため何から手を付けていいかわからない状況だったので、それほど長くない文章を全訳していくことから始めました。
これによって、関係詞などの基本的な文法内容を長文に用いる方法を学べ、頻出の文法を知ることができました。
苦手な人におすすめです。
偏差値30→65
『深めて解ける! 英文法 INPUT』
内容はイラストが多く易しいテイストで書かれている為、初学者でも取り組みやすい内容になっています。
一方で、今まで丸暗記していた内容を「なぜそのようになるか」という視点で書かれている為、ある程度学習した後に読むのも効果的でした。
このテキストは納得しながら無理なく文法を覚えるのには大変役立ちますが、内容はネクステージやVintageと比較して少ないので、このテキストを通読後、ネクステージを使い演習量を確保しました。
偏差値50→65
『基礎英文問題精講』
長文を読むために必要なテクニックや型を学べました。
この参考書に取り組むことで、ある程度難易度が高めの英文和訳もできるようになりました。
レベルの高い内容になるため、文法の知識を身につけてから取り組みました。
数学
偏差値30→55
初学者や数学がかなり苦手な人におすすめです。
テキストは厚めですが、解説が丁寧なため無理なく読めました。
テキストの内容を完璧にすることで、全統模試のベクトルの単元の問題は満点近くとることができました。
偏差値55→70
『標準問題精講』
難易度が高い為、一通り各単元の勉強を済ませた人向けの本になります。
チャート式やFocus Goldに比べ、少なめの問題で知識を身につけることが出来ました。
数学ⅠAとⅡBの難易度はそれほど高くありませんが、数学Ⅲの難易度は高めでした。
数学は全て標準問題精講を使用しましたが、数Ⅲだけは青チャートやFocus Goldを使うのもアリだと思います。
化学
『教科書』
意外と入試で役に立つのは学校で配られる教科書です。←実は複数の先生からこういった評価があります。
カラフルであり、実験の写真もあり、基本的な重要事項を押さえられました。
講義タイプのの参考書はこれくらいしか使わなかったです。一部の書店で教科書を購入できます。
『化学 一問一答』
化学は覚えることが多く、忘れがちになります。
このテキストは暗記用のテキストで、頻繁に見返して記憶を定着させるために使いました。
『エクセル化学』
問題量も十分あり、難易度は易しいところから難しいところまで網羅されています。
受験開始時から直前期まで長く使えました。私にとってはこの1冊で問題集は十分でした。
また、現役生であればセミナー化学で代用できます。
生物
『生物合格77講』
生物の講義型の参考書です。
内容は基本的なところから難しいところまで網羅されているので、講義型の参考書はこれ1冊で十分でした。
厚く、難しめで読むのに時間はかかりますが、3周を超えたあたりからスラスラと読めるようになりました。
受験の当日も知識の確認に読んでました。
『エクセル生物』
問題量も十分あり、難易度は易しいところから難しいところまで網羅されています。
受験開始時から直前期まで長く使いました。この1冊で問題集は十分でした。
現役生であればセミナー生物で代用できます。
面接について
再面接になる確率が高い
学科試験を突破することも大変でしたが、面接についても、現役生よりハードルが上がっていたかもしれません。
私の場合は特に20代後半での再受験だったので、複数の大学(50パーセントぐらいの確率)で1度の面接で決まらず、再面接となりました。
また、点数開示をしてみると、共通テストでは合格者平均点を超えているのに、面接が入ると途端に合格点を下回るようなこともありました。
年齢が上がってからの受験となると、大学側もより慎重に審査をするのだということを実感しました。
面接での合格率
とはいえ、再受験生は再面接の対象になることは多くても、再受験生全員が不合格になっているわけではない様子でした。
再受験至るまでの経歴がしっかりしている人などは合格されていました。
一方、浪人期間が長めの再受験生や大学で留年していた再受験生には学力的には問題なくても不合格になり得るという印象でした。
以下、自分の経験からですが…
地方の国公立大学と関西医科大学を受けた際は、再面接になりました。
待機している受験生を見る限り、ある程度の年齢以上になると一律再面接対象というような感じでした。
また、金沢医科大学は再受験仲間も再面接にかかることもなく合格しているような印象でした。
私立大学は併願すべきか
再受験生は国公立一本に絞って失敗する人も多いので、私立という選択肢を広げることも医学部進学に重要かなと思います。
国公立後期日程が年々減少していることもあり、後期日程の競争率はすさまじく、国公立専願入試は前期一本勝負と考えた方が良いでしょう。
となると1回の運で1年延長が決まってしまうことだってあります。
上記の面接でも少し触れましたが、再受験生は成績だけでなく年齢も合格を左右する要素になります。
年齢に寛容な大学であれば、国公立・私立問わず受験し、可能性を広げる事も一つの戦略です。
とはいえ、経済的に私立は厳しい…というような場合には、奨学金を利用するという手段もあります。
奨学金について
ほとんどの私立大学では独自の奨学金制度を設けていますが、一般入試の成績上位者を対象とした特待生制度が中心です。※以下は2023年時点の情報です
日本学生支援機構の第二種奨学金であれば6年間で最大1152万円の借入ができますので、こちらを利用する再受験生は多いと聞きます。
ただ、卒業後およそ9年間は勤務先や診療科を自由に決められないので、安易に利用することはお勧めしません。
国の教育ローンである日本政策金融公庫の教育一般貸付を利用するという手もあります。
医学部の場合は修業年限が5年以上になるため、上限450万円まで借りることが可能です。金利も低いのが魅力です。
また、地方自治体の医学部修学資金貸与制度は、自治体によって異なりますが、学費の一部から全額、生活費も貸与されることもあります。貸与額が5000万円を超える自治体もあり、手持ち資金0でも私大医学部に進学可能になります。しかし、卒業後には自治体が指定する病院で一定期間(9年以上)勤務することで修学資金の返還が全額免除されるのが特徴です。
このように、複数の奨学金を組み合わせれば、本来の学費から大幅な自己負担額の減額が可能です。
国公立大は後期での合格は相当難しいので、年に1回しか受けられないと思った方が良いです。
年に1回だけに賭けるということは、それだけ進学できる確率を自分で下げてしまうことになるので、奨学金のことも視野に入れ、私立も併願することをお勧めします。
再受験挑戦に必要なもの
実際受験してみた体験や、周りの受験生たちを見て、合格に必要だと思ったことをまとめます。
以下の内容はなければ合格できないというわけではありませんが、受験勉強が相当ハードなものになると思いますので、挑戦するか否か、よく考えるきっかけとして読んでいただければと思います。
ある程度の飲み込みの良さ
受験する年齢が上がれば上がるほど、医学部受験は不利になります。
ミスなく時間内に問題を解くには相当な演習量が必要になり、演習に割く時間を増やすためにははじめのインプットの時点で躓いている場合ではありません。
効率よく知識をインプットしていくスピードが速ければ、演習に入る時期も早くなり、受験勉強期間も短く済みます。
強靭なメンタル
学力以上に必要になるのは精神的な強さです。
同年代の人々が就職したり結婚して家庭を持ったりしている中、自分だけどこに属することもなく、受かる可能性が見えない試験に向けてひたすら勉強をする毎日を送る事になります。
焦ったり落ち込んだり自己嫌悪になったり、そういった気持ちを跳ねのけ、医学部への強い思いを持ち続けることができるメンタルが必須です。
体力と行動力
再受験で入学する人達の共通点として、とてもパワフルで行動力が異常に高いことが挙げられます。
「医学部だったらどこでも行く!」「どんなことにも挑戦する!」という気概でチャレンジしてください。
勉強に集中する時間・生活
仕事をしながら受験勉強をすることはお勧めできません。
周りの合格者を見ると、偏差値50~60前後の大学出身者で、仕事を辞めて勉強に集中したとしても最短2年はかかる道のりです。
年齢が上がるほど不利になるので、できるだけ短期で合格に結び付けられるよう、勉強に集中できる時間をしっかり確保しましょう。
ネットでは「仕事しながら合格できた」といった体験記を目にしますが、少なくとも私の周りの現実世界にはそんな人はいません。
諦めるという選択肢
予備校などで出会った再受験生の中でも、途中で諦めていった人はたくさんいます。
時間も労力もお金もかかる上、再受験生全体の合格率がどの程度のものかは見当もつきません。
自分が医学部に入って出会った元再受験生は東大京大早慶などの高学歴を持つ人が多い印象です。
私自身は学歴が高くなくても合格できましたが、理系出身、20代での挑戦というのは有利な点だったかもしれません。
従って文系出身で年齢も30代後半以上、出身校もさほど偏差値が高くない、といった人には安易にお勧めできません。
ライフプランをしっかり考え、期限を決め、失敗した場合の次の道も想定した上で「諦める」という選択肢を残して挑んでください。
受験の機会
「国公立一本で」「編入に絞って」という縛りはやめましょう。
国公立だと前述の通り基本的に1年に1回しか挑戦できず、編入は合格基準が不透明で対策が難しいです。
合格の可能性を広げるためにも、あらゆる手段で受験の機会を増やしておきましょう。
さいごに
この記事を担当してくださった先生は
「予備校」と「宅浪」の良いところを合わせたのが武田塾だと本気で思ってます。
という嬉しい言葉も書いてくださっていました。大事なことなので最後にもってきました!!
再受験に挑戦した1年目、2年目での失敗の要因とその解決策として
・演習不足→宅浪で解消
・情報不足→予備校で解消
を挙げておられました。
武田塾医進館は授業をしない代わりに、一人ひとりのレベルに合わせた参考書を選定し、自ら手を動かすアウトプットに特化したカリキュラムと課題の徹底管理を実施しています。
もちろん、医学部受験に関する情報提供も実施しており、自ら調べる時間を軽減できます。
医学部再受験は受験の機会が遅くなればなるほど不利になります。
再受験を検討している方は、ぜひ武田塾医進館大阪校の無料受験相談にお越しください!!