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[医歯薬獣医]医系専門

武田塾医進館大阪校です!!

 

夏の暑さも和らぎ本格的に秋が始まろうとしていますが、皆さんお変わりありませんでしょうか?

天気予報でも台風接近の予報が増えたりと、気圧の変化が激しい時期となりますので、くれぐれも体調の管理を怠らないようにしてください。

 

さて、今回紹介するのは、医学部入試における小論文のテーマに関してです。

医学部入試において面接と同様に重要となってくるのがこの小論文ですが、これらは医者になるにあたって必要不可欠となる論理的思考力や対応力を見るためにあります。

そしてこれらは、しっかりと対策を講じているかどうかがカギとなって来ます。

 

医学部入試の小論文で頻出となるテーマや、出題されやすい分野はあるのでしょうか?

今回の記事では特に11の頻出テーマと回答ポイント、そして2021年予想出題分野について紹介します。

 

 

頻出テーマ別解答例と解答ポイント

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医学部入試で課される小論文では、出題されやすいテーマや分野があります。

ここでは、医学部小論文で頻出となっているテーマごとに、解答例や解答ポイントについていくつか紹介します。

 

安楽死と尊厳死・終末期医療・QOL向上

テーマ概要

現在の日本では安楽死や尊厳死は認められていません。

しかしながら、その是非について国際的にも議論が促進されていることから、日本でも討論される機会は増えてきています。

そうした話の延長上として終末期医療を今後どのようにすべきかが、医療における重要な問題の一つとして取り上げられるようになっています。

 

出題の例としては、安楽死や尊厳死に対して自分自身がどのような考えを持っているかや、終末期の患者に対してQOLを維持するために身体的な治療のほかにはどのようなケアをすればよいかなどが挙げられます。

 

解答例や解答のポイント

安楽死や尊厳死の問題については、安楽死と尊厳死並びに終末期医療についてきちんと理解しておくことがポイントです。

 

まずはそれぞれの意味の違い等用語を理解し自分の立場を明らかにしたうえで、なぜそう考えるのか説得力のある理由を述べることができるようにしましょう。

 

また、終末期医療やQOLの問題に対しては、延命治療以外に患者のQOLを高めるためには医師として何ができるか考えておきましょう。

身体面と精神面でのケアや、本人とその周囲の人々との関わり合い等、深く考えてみましょう。

 

インフォームドコンセント

テーマ概要

インフォームドコンセントとは、患者が治療内容について十分な説明を受けた上で、自らの意志で医療従事者と合意することを意味します。

 

医療法では、医療の担い手は医療を提供するにあたり適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない、と明示されています。

そして、相手方の大抵が詳細な医療的知識を持たない状況で、治療が成功する可能性や副作用、最終的にかかる費用などについて正確な情報を共有しなければならないことが課題となっています。

 

出題例としては、自分が医師になったときにインフォームドコンセントの考えを守るためにどうするかという問題が予想されます。

 

解答例や解答のポイント

インフォームドコンセントを守るためにはどうするべきかという問題への解答例としては、患者との積極的なコミュニケーションを通じて、互いを理解して信頼関係を築いた上で治療方針を決めていくという方法が挙げられます。

 

インフォームドコンセントは医師が一方的に説明をすればよいというものではなく、患者がきちんと治療について理解することが求められます。

そのため、患者が悩みや疑問を解消するために自分自身は何ができるのかといった点において自らの意見を持っておきましょう。

 

少子高齢化社会

テーマ概要

周知の事実の通り、日本では急激な少子高齢化が現在進行しています。

そしてそれに伴い、今後ますますの医療や介護の負担増大といった課題が挙げられます。

 

小論文における少子高齢化についての出題例としては、日本社会の少子高齢化を食い止めるためにはどのような施策が考えられるか、今後の高齢者の医療や介護には何が求められるか、といった問題が予想されます。

 

解答例や解答のポイント

まず少子化への対策の解答例としては、より多くの女性が子どもを産み・育てやすくするサポート制度を作ることが挙げられます。

現在各企業に産休・育休制度は導入されていますが、まだまだ多くの課題があるために少子高齢化の解消には至っていません。

 

そこで、新たに出産や子育てをサポートするためにどのような制度が整備されるべきか、自分なりの考えを論述すると良いでしょう。

なぜその制度が効果的と考えられるか理由も述べることが重要となります。

 

一方で高齢化について意見を述べるときは、現在の国内社会における課題を理解しておくことが前提です。

人生100年時代における健康管理や年金制度、高齢者の受診による医療費圧迫問題など、周辺知識を知っていれば知っているほど広範且つ多角的な意見を述べることができます。

 

世界的な大国である中国もまた同様の状況に陥り始めていることを鑑み比較対象にする等、あらゆる視点から的確な指摘や改善策が述べられると高評価につながるでしょう。

 

医師の地域偏在

テーマ概要

医療分野では、医師の地域偏在も大きな問題となっています。

 

生活しやすい都心部などでは多数の医師が集中しており、実際に医師の余剰が確認されている例もあります。

その一方で地方では、人口不足もさながら医師の不足により地域医療を支えるための十分な医療施設を確保することができない、といったケースも多く見られます。

 

そのため医学部小論文では、このような医師の地域偏在の問題を解消するための施策として何をすべきかがテーマとして取り上げられることがあります。

 

解答例や解答のポイント

医師偏在の問題を解消するためには、どうすれば医師不足の地方で医療に貢献してくれる十分な医師を確保できるかを考えることがポイントとなります。

 

解答例としては、地域枠を設置することで将来地域医療に貢献してくれる人材を確保することや、医師が足りない地域で医療に従事する際に特別手当を支給することなどが挙げられます。

 

地方では医師としての働きにくさが問題となっていることもあるため、医師が働きやすい環境作りをすることも重要と言えます。

 

セカンドオピニオン

テーマ概要

セカンドオピニオンとは、患者が診断や治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に求める「第2の意見」のことを指します。

担当医が提案した治療が納得できない場合には、セカンドオピニオンで別の治療法が見つかることもあります。

 

ただし、セカンドオピニオンにはいくつかの課題もあります。

例えば、患者が症状や治療法に対して十分な知識をもちあわせていないことや、意見を求めるのではなく担当医の不満を述べることに主眼を置くことなどが挙げられます。

 

解答例や解答のポイント

これらの課題を解消してさらに普及させるためには、セカンドオピニオンという制度の正しいあり方を広めていくことがポイントとなります。

 

元来、セカンドオピニオンは担当医での治療を念頭とした情報収集法であり、ただ担当医を変えたり転院することを促すものではありません。

治療法について他の医師の意見を求め、自分に合った治療法を真に検討するということが本質となります。

 

この点を押さえた上で、セカンドオピニオンの認知度を高めるためにどう取り組んで行くべきかを考えましょう。

 

iPS細胞や先進技術、AI技術

テーマ概要

昨今ニュースで頻繁に報道されるiPS細胞や先進技術、AI技術についても、医学部小論文のテーマとして取り上げられることが多いです。

皆さんご存じの通りこれらの技術は現時点では幅広く普及しているというわけではありません。

実際に導入するためには今後技術の進歩やどのように利用していくのかといった難題課題があります。

 

出題例としては、これらの技術を医療現場に取り入れることでどのようなメリット・デメリットがあるか、AIを医療にどのように活用することができるか・できないのかといった問題が考えられます。

 

解答例や解答のポイント

これらのテーマについては、それぞれの技術がどのような場面でどのように生かすことができるのかがポイントとなります。

 

例えばiPS細胞であれば角膜の再生による視力の回復や、AI技術であれば画像解析による診療といった活用が考えられます。

このような活用例を挙げながら、それを導入するメリットを改めて述べましょう。

 

また、新しい技術を医療現場に導入するためにはどのような課題があるか、それを解決するためにはどのような技術の発展や法の整備が求められるかなども理解しておきましょう。

 

チーム医療や患者とのコミュニケーション

テーマ概要

現在の医療現場では、チーム医療や患者とのコミュニケーションもまた重要とされています。

特にチーム医療を円滑に進めるためや、患者との信頼関係を構築するために医師のコミュニケーション能力を高めることが大きな課題となっています。

 

このテーマでの出題例としては、チーム医療を成功させるにはどのような取り組みが求められるか、患者のことを理解するためにどのようなコミュニケーションを取るべきかといった問題が予想されます。

 

解答例や解答のポイント

チーム医療を成功させるための取り組みの解答例としては、チーム全員が互いを理解し、目的を共有することが挙げられます。

最初に目的を共有しておくことで、一人ひとりの能力を生かしつつ、チーム全員がそのゴールに向かって一丸となり、チーム医療を進めていくことができます。

 

また、患者のことを理解するためにコミュニケーションが欠かせないのと同様に、チームの医師同士が相互理解するためにも丁寧なコミュニケーションを取ることが求められます。

 

予防と治療の考え方

テーマ概要

近年では、病気にかかってから治療をするのではなく、普段から病気にかからないような身体づくりによって健康を保つ「予防医学の考え方」が重要視されています。

というのも、この考えは人々の世界的な高齢化が原因であり、今後はさらに身体に不調を抱える方が増加すると予見されているためです。

 

また、医師不足の問題も相まって、医師への負担を軽減するためにも、予防医学の考え方を広めることが課題となっています。

 

医学部小論文での出題例としては、予防と治療の違いとは何かであったり、普段から予防に取り組むことでどんなメリットを得ることができるのかなどが予想されます。

 

解答例や解答のポイント

予防と治療の考え方の問題については、予防とは病気になりにくい身体を作って健康を増進すること、治療とは身体が不調を起こしてから治そうとすることであると理解しておくのがポイントです。

 

また、予防の考え方を普及させることは病気にかかる方を減らすことにつながり、結果として医師や医療機関への負担が軽くなるというメリットもあります。

現在のコロナ禍における人々のマスク消毒等も例に挙げることができるように、普段から病気を予防することも重要であることを意識しておきましょう。

 

医療費の増加問題

テーマ概要

日本では医療費の増加に伴う財政への影響も大きな問題となっています。

 

高齢化の進行した日本では特に高齢者にかかる医療費が大きく、また生活習慣病などの慢性的な病気の患者には継続的に医療費がかかることも問題となっています。

さらに、新しい医療技術や医療薬を導入する際にも、当然医療費は重くのしかかってきます。

 

医療費の増加問題をテーマとした医学部小論文の出題例としては、医療費の増加を抑えるにはどのような取り組みが必要であるかというものが予想されます。

 

解答例や解答のポイント

医療費の増加を抑えるためにはどうするべきかというテーマに対しては、大きな割合を占めている高齢者の医療費をどのように抑制できるかがポイントとなります。

 

解答の例としては、医療費増加の原因となる重複受診を避けるよう患者に伝えることや、薬の用量をきちんと守ることなどが挙げられます。

 

また、慢性的な症状のもとになる生活習慣病を予防するため、運動や食事といった普段の生活習慣を見直す等予防医学との関連も医療費増加への対策となります。

 

女性医師の活躍や働き方

テーマ概要

医師という職業は、拘束時間が長く体力も必要な仕事であるために、結婚や出産を機に女性医師が退職してしまうことが多いです。

こうした、まだまだ医師として活躍可能な年齢の女性が退職してしまうことを防ぐため、女性医師の働き方の改革が課題となっています。

 

女性医師の活躍や働き方というテーマの医学部小論文の出題例としては、女性が医師としてより長く働けるようにするにはどのような環境や制度が必要であるかという問題が挙げられます。

 

解答例や解答のポイント

どうすれば女性医師がより長く働き、医師として活躍できるようになるかを考えるのが解答のポイントとなります。

 

例としては、育休制度や産休制度を充実させることで育児や出産と医師としての仕事を両立できるようにするという方法があります。

 

働き方改革が叫ばれるような世の中ですが、実際にはまだまだそれらが充実している現状とは言えません。

 

また、働き方をどのように改革すれば良いか具体的に記述した上で、なぜそうすることで女性が活躍しやすくなるのか理由も述べる必要があります。

女性の活躍が増えることで、医師数を確保しやすくなるなどのメリットを挙げた記述も考えてみましょう。

 

遠隔医療、オンライン診療

テーマ概要

遠隔医療やオンライン診療とは、インターネットを活用することで離れた場所に居ながら患者を診療できる仕組みのことです。

近年では、こうした遠隔医療やオンライン診療の技術が発達し、積極的に取り入れている医療機関もあります。

 

ただし、実際に対面して診療する場合とまったく同じ診療ができるわけではないことや、電子機器やインターネットを使いこなせない患者が利用することが難しいと言った課題もあります。

一般的なミーティングや報告会等でも使用可能で特に需要がある課題でもあるので、こうした遠隔医療やオンライン診療を普及させるにはどうすべきかといった出題が予想されます。

 

解答例や解答のポイント

遠隔医療やオンライン診療を普及させるためにどうするかという問題に対しては、電子機器やインターネットに慣れていない患者でも利用しやすいシステムを構築するという解決法が考えられます。

どのような仕組みにすればより利用しやすくなるかを述べると良いでしょう。

 

また、遠隔医療やオンライン診療には、医師が近くにいなくても診療が受けられるというメリットがありますが、実際にはその機器の故障や不慣れな人にとってのデメリットや課題もあるといったポイントを押さえておきましょう。

 

 

医学部小論文の頻出テーマ|2021年の予想の出題分野は?

新型コロナウイルス関連

2021年の医学部小論文で出題されると考えられるのが、やはり新型コロナウイルスの流行に関するテーマです。

新型コロナウイルスの感染拡大による医療崩壊や、新しい感染症に対する医師としてのあり方などが大きな問題となっています。

 

したがって、医学部小論文での出題例としては、感染症の拡大による医療崩壊を食い止めるためにはどのような対処が求められるか、新しい感染症が流行したときに医師としてどのような貢献をするべきかなどが問われることが予想されます。

 

医療崩壊につながる原因や、医療崩壊を防ぐためにはどのような医療の体制を整えるべきか自分の意見を考えましょう。

また、新たな感染症の流行に対して自分が医師ならどうするかも述べられるようしておきましょう。

 

リモートワークの推進、働き方改革

新型コロナウイルスの流行を機に、リモートワークの推進などの働き方改革が進んでいます。

 

ただし、リモートワークの推進など働き方改革がされる中では、運動不足や人と関わる機会が減ることによるうつ病の増加といった問題も懸念されています。

 

そのため医学部小論文においても、リモートワークのメリット・デメリットは何か、日本国民の働き方をどのように改善していくべきかといったテーマが出題されることが予想されます。