こんにちは。武田塾日吉校です。
受験生の皆さんは、夏休みぐらいから模試が連続するようになり、
このあと9月から11月いっぱいぐらいまで、
週末に模試を受けるのが恒例みたいになります。
模試といえば結果、つまり自分の偏差値が気になると思います。
今日は、偏差値をどう見るかというお話です。
偏差値って?
偏差値は、まず自分の偏差値があります。
算出方法は、平均点を50として平均からの乖離度合いを計るもので、
高校1年の「数A」でも学習するので、知っている人も多いでしょう。
高校生の模試の場合、
60を超えていればかなり上位、70近くはかなり稀な高学力です。
要するに、自分の偏差値は、全体の中での自分の位置です。
一方、「〇×大学は偏差値が高い」 「×〇大学は最近偏差値が上がった」
と言うのを聞くことがあります。
大学の偏差値の方は、「そのレベルの人たちが受かる大学」
ぐらいに、皆さん考えているでしょう。
これで、だいたい間違いはないのですが、
その大学の偏差値って、どうやって決められるのでしょうか。
これ、意外と知らないと思います。
模試データから、
模試データと受験結果
7月の最終週の土日か8月の最初の土日は、
例年 河合塾のマーク模試(共通テスト模試)があります。
ほとんどの受験生が受けるものなので、受験生には参加推奨です。
で、皆さんがこの模試を受ければ、
河合塾は皆さんの各科目の偏差値をデータとして持ちます。
以前のデータも、これからのデータも保有します。
そして、皆さんは来年早々から入試を受け、それぞれに合否が出ます。
この合否結果を、高校に協力してもらって調べます。
そうすると、受験生の模試偏差値と合否結果を合わせて
河合塾が持っていることになります。
いわゆるビックデータですね。
模試データを集計
これを集計し整理すると、ほぼ全大学の学部学科その各入試方式ごとに、
合格者の偏差値分布、不合格者の偏差値分布を作成できます。
当然ですが、偏差値の高い人は合格するし、低い人は落ちます。
でも、中には少数ながら偏差値が高くても落ちる人もいるし、
反対に低くても逆転で合格する人もいます。
それらをグラフにすると、こんな状態になる場合が多いです。
全体としては、このように合格、不合格ともに山型の分布ができ、
不合格者の山(赤線)が偏差値の低い方に寄った形状になります。
どうでしょうか。
言われてみれば、そうなんだろうなとイメージできるかと思います。
ここから割り出す
この分布には、必ず合格線(青)と不合格線(赤)の交錯点ができます。
この点は、受かった人と落ちた人が同数ということなので、
合否が半々、合格可能性50%です。
わかるでしょうか。これが大学の偏差値です。
河合塾の場合、この交錯点の偏差値を、
一般に言う「大学の偏差値」としているのです。
受かるも落ちるも五分五分が、大学の偏差値なのです。
要するに、前年の受験生のうち、
受かった人は模試成績がこのくらい、落ちた人はこのくらい、
という結果から偏差値を確定し、
それを来年も同じくらいだろうと予想しているのです。
実際には、ここに模試の志願者動向を加味しているみたいです。
毎年このデータを取っているので、毎年更新されています。
で、この合否半々の交錯点が模試のC判定です。
模試の判定の説明を見ると、
A~Eまで判定ごとに「合格可能性○○%」と書かれていますが、
この意味も、わかると思います。
自分の判定をどう見るか、
大学と自分の偏差値が同じであれば、
例えば、志望校の偏差値60、僕の偏差値60という場合、
つまり、C判定ということですが、
今の自分をどう見るか、人によって けっこう違うと思います。
半分受かるなら自分も受かるグループに入る、と思う人もいるし、
半分落ちる、しかも もっと高い人でも実際に落ちてる!
受験は何が起きるかわからないから怖い、
と思う人もいますね。
あなたが最初のタイプ、「よし、オレは受かる!」と喜ぶ人だったら、
申し訳ないですが、それは勘違いです。
悲観することはないですが、決して大喜びするものではありません!
落ちる可能性も半分ですから!
今「ギリギリのところ」にいるので、
これから受験の日まで、より引き締めて勉強するべし、
と理解するべきなのです。
何度も受ければ、
確かに私大受験の人は、
「ギリギリでも、5校6校と数を受ければ全滅はないだろう」
という考えはありかもしれません。
また、△▽大学か、▽△大学に行きたいとか、
だいたい偏差値このくらいの大学に行きたいとかなら、
どこか1つぐらい〇という計算は成り立つかもしれません。
でも、私大も近年の難化動向を考えれば、
ギリを5校でも危ない、と考えた方がいいかもしれません。
また、国立は実質1回だけなので、そうは言えませんね。
1回しかないものを五分五分でいくの、ということです。
最後そういうことになってもがんばってほしいですが、
準備としては、やはり余力を持った状態で臨みたいものです。
A判定の時は、
もう1つ、よくある勘違いに、自分の模試偏差値がよくて A判定だった時、
「これでもうオレは受かった!」と思って気を抜くことです。
確かに受かる可能性は高いですが、
それは、その後も人並みかそれ以上に勉強を続けるなら、
去年はそういう人の多くが合格していた、ということです。
なぜなら、受験生はそれぞれ勉強をしているので、
ずっと勉強するが前提なのです。
そうじゃなければ、どこかで追い抜かれてしまいます。
これも、間違えないでほしい点です。
模試も偏差値も、受験生には必須のツール、
合格を勝ち取るための必需品です。
ですが、間違った使い方見方をすると、
逆のツールになることもあります。
有用なものは正しい使い方をして、
最後いい成果を出してもらいたいと思います。
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