皆さまこんにちは!武田塾ひたち野うしく校です。
前回、気象大学校の概要をご説明いたしましたが、今回はもう少し内部の実態に踏み込んでお話したいと思います。
「気象大学校って他の大学と違い情報が少なく、どんな大学なのか調べようにもなかなか情報が得られない…」
そんなふうに思っておられる方、ぜひこの記事を読んでそんなお悩みを一気に解決しましょう!
気象大学校のカリキュラム
時間割
8:30~12:00 授業
12:00~13:00 昼食
13:00~16:30 授業
16:30~17:15 課外活動
授業時間は100分です。
教養課程
教養課程は、教養・基礎・専門の3系列で構成されています。特色は、専門系列の気象、地震火山、地球科学等の分野において、業務に密接関連した専門的な教育が行われているところです。
教養
人文科学、社会科学、外国語(中国語、フランス語)
基礎
数学、物理学、化学、情報科学
専門
気象学、地震・火山学、海洋学、セミナーなど
科目は多少選択はできますが、一般的な大学のように幅広い中から選択するということはあまりできないようです。
学校生活
年間スケジュール
4月 入学式 前期授業開始
5月 春季体育祭
6月 1年生気象庁本庁授業
7下旬-8月末
1年 夏季学修期間 地上気象観測実習・地方気象台授業
2年 地震火山観測実習・研究機関授業
3年 気象庁本庁職場実習
4年 地方気象台職場実習
9月 前期末試験
10月 後期授業開始
11月 学校祭(紫雲祭)
2月 後期末試験 4年生卒業研究発表
3月 卒業式
7月下旬から8月末が夏季学修期間となっていて通常の授業は行われませんが、学校内にいることが義務づけられています。またこの期間に全学年実習を行います。
実習以外の期間でしたら有給休暇(1年間20日)を使用して外出することは可能なので、この時期に帰省したり、旅行などに行く学生が多いようです。
課外活動
体育会系・文科系のサークルがあります。
野球部、サッカー部、テニス部、陸上部、自転車部、卓球愛好会
地球の会、天気の会、軽音楽部、リコーダーアンサンブル部、星を見る会 等
複数の部活を兼部する方も多くいます。また大会に出ている部活もありますが、他大学と比べると熱心ではないと思います。
寮生活
場所
気象大学校敷地内、校舎から徒歩1分のところに智明寮があります。
入寮制
入寮については、原則としては全員入寮なのですが、申請により自宅やアパートから通うことも可能です。
自宅が牛久市の場合、気象大学校へは通学可能な範囲ですので、
「最初寮に入ったけどやっぱり自宅から通いたい」や、逆に
「最初自宅から通っていたけど、朝起きるの大変だから入寮したい」
と後から寮に入ることも可能です。
ちなみに自宅通いの場合の通学定期代は、公務員のため自己負担はありません。
部屋
上級生と下級生の2人1部屋です。各部屋には冷暖房機、2段ベッド、机、ロッカー等が備え付けられています。(※新型コロナウィルスの影響で、今年は1人部屋となっています)
寮内設備
食堂、自炊施設、浴室、トイレ、洗濯乾燥機室、談話室等があります。
女性用施設
女子寮区画があり、男子寮とはパーテーションで区切られていて男子は入れないようになっています。共用エリアに浴室、トイレ、洗濯室があります。
門限や休日
門限はありません。また休日の過ごし方に制限はありません。
対人関係
学内のコミュニケーション
他大学に比べて学生の人数が少ないので、学生同士の関係はもちろん、生徒と先生のつながりも密接です。
学外のコミュニケーション
外部のサークルに入らない限り、他大学の方と接する機会はほとんどありません。(バイトも禁止されています)。
オープンキャンパス(8月)
気象大学校を希望する生徒や父兄の方を対象に、模擬授業、実験体験、個別相談、寮見学などがあります。(定員制で予約が必要となっています)
※今年はオンラインの開催となりました。
学校祭(紫雲祭)(11月)
著名人をお招きしての講演会、実験、クラブ活動紹介、模擬店などを行います。予約の必要はありません。気象大学校に入学した1年生の合格体験記や、気象大学校生や教官に実施したアンケートなどが掲示されていることもあります。
今年はオンラインでの文化祭が行われました。
企画内容
・特別講演
・低温・流体実験
(1年生企画)
・気大の入試問題を気大生が解いたら何点とれるのか?
→高得点の方もそうでない方も、個性あふれる名(迷?)解答満載でした。
・気大生の1日
→男子寮、女子寮、通学生の3パターンがあり、日々の生活リズムがよくわかりました。
・気大生の体力テスト
→同年代の学生との比較がありました。
・気大生料理対決
→2グループに分かれ、材料を見て完成される料理を想像し作る、という斬新な企画です。
1年生企画では、どの企画も気象大学校生の知られざる一面を垣間見ることができとても楽しかったです。想像していたよりも女子が多くて、また皆さん和気あいあいとした雰囲気で文化祭を楽しまれているようでした。
・雲・地形の写真コンテスト
→雲を撮影するだけでなく、美しい風景の一部として撮影されています。
・大学校学生・教官の実態調査
→気象大学校を目指すなら必見!本音トーク満載です。
その他、部活動・サークル紹介や部誌が公開されていました。
今年のオンライン文化祭は来場者数2000名以上の大盛況でした。
新型コロナウィルスの影響がなければ対面での文化祭で行っておりますが、場所が千葉県柏市となりますと全国から集まるには制約があり例年はそこまでの来場者数はないように思われます。今回はオンラインということで、普段でしたら参加できない遠方の方も気軽に参加することができました。
卒業後の活躍
主な勤務地
稚内~石垣島まで、全ての都道府県の地方気象台等に配属され、気象、地震・火山、海洋等の観測、予報、防災、調査、技術開発等を行います。
その後、本庁、管区気象台等で企画立案、調査研究など、あるいは各省庁や自治体との協議・調整業務を行いながらステップアップしていきます。
また世界気象機関(WMO)、南極観測隊、他省庁や自治体に出向して活躍する卒業生もいます。
主な仕事
予報:気象警報・予報の発表、台風の解析・予報
観測:気象衛星・アメダス・レーダーなどを使った観測・監視
地震火山:津波警報の発表、地震や火山の監視
地球環境・海洋:季節予報の発表、海水温や地球温暖化の解析・監視
国際協力:世界気象機関を通じた気象情報の交換、発展途上国への支援
研究・開発:気象・地震・火山の研究、モデル化技術等の開発
まとめ
気象大学校のご紹介は以上となります。
詳しい情報が知りたい場合には、オープンキャンパスや文化祭に参加し、そこでしか得られない資料を入手することをおすすめいたします。またその際、個別相談会を行っているようであれば積極的に参加してみましょう!
・寮生活で困ることはないか?
・基礎能力試験ではどのような参考書を使用したか?
・留年する人はどのくらい?その間は給料は?2年留年したらどうなる?
など、多少聞きにくいことも丁寧に答えてくれます。
全校で60名と少人数制であるがゆえ、一般的はキャンパスライフとは違うものになりそうですが、それを上回るメリットがたくさんある魅力ある大学です!
牛久市からですと自宅から通うことも十分可能ですので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?!
<参考資料>
気象大学校パンフレット
気象庁パンフレット
2019年度版 気象大学校ことが面白いほどよくわかる本
2021年度 紫雲祭学生アンケート企画 だいがっこうぐらし!